22-09 最低賃金法における罰則規定の変遷と取扱いについて
■ 最低賃金法の罰則は、従来から極めて変則な取扱いがなされてきました。すなわち、旧法では最低賃金違反(5条違反)の罰則が2万円以下という微罪として運用されていました。
■ 最低賃金法の実効性を確保する上でも、罰則の見直しは必須事項でしたが、H19年改正(H20.7.1施行)を機に、最低賃金違反(4条1項違反=地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に限る。)に対しては、労働基準法の賃金不払いの罰則30万円以下を上回る「罰金50万円以下」に引き上げられたところです。
■ 特定最低賃金(船員に係る特定最低賃金を除く。)については、最低賃金法の罰則は適用されません。(ただし、賃金の全額払い違反が成立するところから、労基法第24条違反として同法の罰則の適用は受けます。)
■ なお、最低賃金法の罰則(42条両罰規定を含む。)は、前記、最低賃金額以上の賃金を支払わなかった場合のほか、次の場合にも科されます。
イ、申告したことを理由として労働者に対し解雇その他不利益な取扱をしたこと(34条2項違反)
ロ、地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金の周知義務違反(8条違反)、虚偽報告等の罪(29条違反)、立入検査の拒否等(32条1項違反) [労務安全情報センター]