26-03  コアタイムのない「完全フレックスタイム制」は可能か

■ コアタイム(労働者が一日のうち必ず労働しなければならない時間帯)はフレックスタイム制に不可欠の要件ではありませんから、コアタイムを設けない「完全フレックスタイム制」の設計も可能です。

■ 完全フレックスタイム制において「一日の最低勤務時間」(長時間に過ぎる場合、制度の趣旨を損なうことがあるため避ける)を定めることも差し支えありませんが、コアタイムと違って、時間帯指定はできませんから、定例会議等の設定には向きません。

■ コアタイムのない完全フレックスタイム制では、休憩をコアタイムの途中に与える(一斉付与)ことができませんから、休憩の付与方法を決めておく必要があります。原則的な休憩時間を設定しておきます(正午から1時間等)が、その時間帯に勤務していない可能性もありますから、その場合は就業規則等において「休憩を各自の決定に委ねる」(一斉付与の義務のある業種では労使協定によって一斉付与の例外取扱いを制度化しておく必要があります)旨、規定しておくべきです。

■ コアタイムや一日の最低勤務時間の設定を行わず、さらには「フレキシブルタイム」の設定すらしない完全フレックスタイム制も可能ですが、フレキシブルタイムがないということは、24時間フリーの出退勤を認めるということですから、施設管理や深夜業の多発への割増賃金の支払い対応を要するなどの問題が生じますから注意を要します。「完全フレックスタイム制」の場合であっても、フレキシブルタイムは設けるのが一般的です。 [労務安全情報センター]