28-18 有効期間中の36協定を、労働組合は一方的に破棄できるか

■ 期間の定めのある契約は、一方的には破棄できない。
これに関連した解釈例規では「法第36条により時間外又は休日労働の協定を行っている事業場において、協定の有効期間内に労働者又は使用者より一方的に協定破棄の申入れをしても、他方においてこれに応じないときは協定の効力には影響ない。」としたものがある。
(なお、協定の中に破棄条項がある場合は、それが定める手続により解約は可能。)

■ この原則的考えは妥当と思われるが、問題となるのは、使用者側に36協定の違反行為があった場合や締結時に想定できない事情変更があった場合の解約であろう。
これらについて、一切の協定解約を認めないとするのは妥当でないと解する。
最終的には個別事情の判断の問題となるが、その要件は厳格に解して差し支えないものを思われる。
36協定は、そもそも、事情変更等に対応できるように有効期間を短期に設定することが可能であるし、制度の趣旨からしてもそれが望ましいのであって、中途解約を広く認める理由に乏しいからである。 [労務安全情報センター]