49-01 「海外派遣」と「海外出張」の違いはなにか
- 海外出張が「国内の事業場に所属し、当該事業場の使用者の指揮に従って勤務する」のに対し、海外派遣は「海外の事業場に所属し、当該事業場の使用者の指揮に従って勤務する」ところに基本的な相違がある。
- 海外滞在期間の長短は、出張と派遣の判断区分の基準とならない。また、企業内での出張、派遣のことばの用い方も判断に関係しない。
- 出張と派遣の違いは、国内でもある「出張と転勤」のイメージに当てはめて判断するとよい。例えば、本社から支店への転勤を例にとると、転勤発令を境に当該労働者は「支店に所属し、当該支店の使用者の指揮に従って勤務する」こととなるが、この場合、期間の長短は直接の争点とならない。逆に、出張の場合は仮に出張業務の期間が長期に渡ることはあっても、通常、所属の変更は行われない。
- なお、派遣であるためには、海外に事業(場)の存在することが前提となる。
- 実務上の留意点としては、当該海外勤務が、海外出張の取扱として疑問点のない場合はよいが、実態は海外派遣として取扱うべき事例の場合である。
- 事前に所轄労働基準監督署と相談しておく方がよい。海外派遣の場合で特別加入の手続きを行っていない場合、事後の救済は不可能であるからだ。 [労務安全情報センター]