2010年派遣法改正法律案要綱
■HOMEPAGE
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第一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正(第一条による改正関係)
一 題名及び目的の改正
(一) 題名の改正
法律の題名を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改めるものとすること。(題名関係)
(二) 目的の改正
この法律は、職業安定法と相まって労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の保護等を図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することを目的とするものとすること。(第一条関係)
二 一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業の開始の欠格事由の追加
次に掲げる者を一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業の開始の欠格事由として追加するものとすること。(第六条及び第十七条関係)
(一) 一般労働者派遣事業の許可を取り消された者又は特定労働者派遣事業の廃止を命じられた者が法人である場合(欠格事由に該当したことによる取消し等の場合については、当該法人が第六条第一号又は第二号に規定する者に該当することとなったことによる場合に限る。)において、当該取消し等の原因となった事項があった当時現に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、名称を問わず、これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。(三)において同じ。)であった者で、当該取消し等の日から五年を経過しないもの
(二) 一般労働者派遣事業の許可の取消し又は特定労働者派遣事業の廃止の命令の処分に係る行政手続法の規定による聴聞の通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に一般労働者派遣事業又は特定労働者派遣事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。(三)において「廃止届出者」という。)で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの
(三) 廃止届出者が法人である場合において、(二)の通知の日前六十日以内に当該法人の役員であった者で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの
(四) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者((五)及び(六)において「暴力団員等」という。)
(五) 暴力団員等がその事業活動を支配する者
(六) 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者
三 一般労働者派遣事業の許可取消し及び特定労働者派遣事業の事業廃止命令に係る事由の追加
四(三)の指示を受けたにもかかわらず、なお四(一)又は四(二)に違反したときを、一般労働者派遣事業の許可の取消し及び特定労働者派遣事業の廃止の命令に係る事由に追加するものとすること。(第十四条第一項及び第二十一条関係)
四 関係派遣先への労働者派遣の制限
(一) 派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、(二)に規定する関係派遣先への派遣割合を厚生労働大臣に報告しなければならないものとすること。(第二十三条第三項関係)
(二) 派遣元事業主は、厚生労働省令で定める特殊の関係のある者((二)において「関係派遣先」という。)に労働者派遣をするときは、関係派遣先への派遣割合(一の事業年度における当該派遣元事業主が雇用する派遣労働者の関係派遣先に係る派遣就業に係る総労働時間を、その事業年度における当該派遣元事業主が雇用する派遣労働者のすべての派遣就業に係る総労働時間で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合をいう。)が百分の八十以下となるようにしなければならないものとすること。(第二十三条の二関係)
(三) 厚生労働大臣は、(一)又は(二)に違反した派遣元事業主に対し、指導又は助言をした場合において、そに違反したときは、当該者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができるものとすること。(第四十八条第三項関係)
五 労働者派遣事業の業務の内容に係る情報提供義務の創設 (*マージン率)
派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、事業所ごとの派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額(五及び十二において「労働者派遣料金額」という。)の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を労働者派遣料金額の平均額で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合、教育訓練に関する事項その他当該労働者派遣事業の業務に関しあらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならないものとすること。(第二十三条第五項関係)
六 労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置
(一) 労働者派遣契約の当事者は、労働者派遣契約の締結に際し、派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担に関する措置その他の労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項を定めなければならないものとすること。(第二十六条第一項関係)
(二) 労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その者の都合による労働者派遣契約の解除に当たっては、当該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業の機会の確保、労働者派遣をする事業主による当該派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならないものとすること。(第二十九条五頁の二関係)
七 紹介予定派遣
労働者派遣契約の締結に際し、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の紹介予定派遣に関する事項を定めなければならないものとすること。(第二十六条第一項関係)
八 有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等
派遣元事業主は、その期間を定めて雇用する派遣労働者又は派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者(相当期間にわたり期間を定めて雇用する派遣労働者であった者その他の期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進することが適当である者として厚生労働省令で定める者に限る。八において「有期雇用派遣労働者等」という。)の希望に応じ、次のいずれかの措置を講ずるように努めなければならないものとすること。(第三十条関係)
(一) 期間を定めないで雇用する派遣労働者として就業させることができるように就業の機会を確保し、又は派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、これらの機会を有期雇用派遣労働者等に提供すること。
(二) 当該派遣元事業主が職業紹介を行うことができる場合にあっては、有期雇用派遣労働者等を紹介予定派遣の対象とし、又は紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れること。
(三) (一)及び(二)のほか、有期雇用派遣労働者等を対象とした期間を定めないで雇用される労働者への転換のための教育訓練その他の期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進するための措置を講ずること。
(一) 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力若しくは経験等を勘案し、当該派遣労働者の賃金を決定するように配慮しなければならないものとすること。(第三十条の二第一項関係)
(二) 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者について、教育訓練及び福利厚生の実施その他当該派遣労働者の円滑な派遣就業の確保のために必要な措置を講ずるように配慮しなければならないものとすること。(第三十条の二第二項関係)
*均衡待遇に係る規定を設けるものである
十 派遣労働者等の福祉の増進
八及び九のほか、派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者等について、希望、能力及び経験に応じた就業及び教育訓練の機会の確保等必要な措置を講じ、これらの者の福祉の増進を図るように努めなければならないものとすること。(第三十条の三関係)
十一 待遇に関する事項等の説明
派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項を説明しなければならないものとすること。(第三十一条の二関係)
十二 労働者派遣料金額の明示
派遣元事業主は、次に掲げる場合には、次に定める労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に係る労働者派遣料金額として厚生労働省令で定める額を明示しなければならないものとすること。(第三十四条の二関係)
(一) 労働者を派遣労働者として雇い入れようとする場合 当該労働者
(二) 労働者派遣をしようとする場合及び労働者派遣料金額を変更する場合 当該労働者派遣に係る派遣労働者
(一) 派遣元事業主は派遣先に、当該労働者派遣に係る派遣労働者が期間を定めないで雇用する労働者であるか否かの別を通知しなければならないものとすること。(第三十五条第一項関係)
(二) 派遣元事業主は、(一)による通知をした後に(一)の事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を当該派遣先に通知しなければならないものとすること。(第三十五条第二項関係)
(一) 派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は二月以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。十四において同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として政令で定める業務以外の業務については、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行ってはならないものとすること。(第三十五条の三第一項関係)
*日々又は二月以内の期間を定めて雇用する労働者の派遣は原則禁止(但し、政令で定める業務は例外とする)
(*雇用期間のみなし規定(2か月+1日)は設けない。)
(二) 厚生労働大臣は、(一)の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(第三十五条の三第二項関係)
十五 離職した労働者についての労働者派遣の禁止
(一) 派遣元事業主は、派遣先が労働者派遣の役務の提供を受けたならば(二)に抵触することとなるときは、当該労働者派遣を行ってはならないものとすること。(第三十五条の四関係)
(二) 派遣先は、労働者派遣に係る派遣労働者が当該派遣先を離職した者であるときは、当該離職の日から起算して一年を経過する日までの間は、当該派遣労働者(雇用の機会の確保が特に困難であり、その雇用の継続等を図る必要があると認められる者として厚生労働省令で定める者を除く。)に係る労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものとすること。(第四十条の九関係)
十六 派遣先の協力
派遣先は、九による措置が適切に講じられるようにするため、派遣元事業主の求めに応じ、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する当該派遣先に雇用される労働者に関する情報であって当該措置に必要なものを提供する等必要な協力をするように努めなければならないものとすること。(第四十条第三項関係)
十七 期間を定めないで雇用される労働者に係る派遣先の労働契約申込義務
派遣先が労働者派遣の役務の提供を受けることができる期間に制限のない業務について、派遣元事業主から三年を超える期間継続して同一の派遣労働者を受け入れている場合の、当該派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしなければならないこととする規定について、当該派遣労働者について期間を定めないで雇用する労働者である旨の通知を受けている場合は、これを適用しないものとすること。(第四十条の五関係)
十八 労働契約申込みみなし制度等の創設
(一) 労働契約申込みみなし
イ 労働者派遣の役務の提供を受ける者(国(特定独立行政法人を含む。(一)及び(二)において同じ。)及び地方公共団体(特定地方独立行政法人を含む。(一)及び(二)において同じ。)の機関を除く。(一)おいて同じ。)が次のいずれかに該当する行為を行った場合には、その時点において、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者から当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、その時点における当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなすものとすること。ただし、労働者派遣の役務の提供を受ける者が、その行った行為が次のいずれかの行為に該当することを知らず、かつ、知らなかったことにつき過失がなかったときは、この限りでないものとすること。(第四十条の六第一項関係)
(イ) 第四条第三項の規定に違反して派遣労働者を同条第一項各号のいずれかに該当する業務に従事させること。
@禁止業務(港湾運送業務、建設業務、警備業法)への派遣受け入れ。
(ロ) 第二十四条の二の規定に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること。
A無許可・無届の派遣業者からの派遣の受け入れ。
(ハ) 第四十条の二第一項の規定に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること。
B派遣可能期間を超えての派遣の受け入れ。
(ニ) この法律又は第四節の規定により適用される法律の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、第二十六条第一項各号に掲げる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受けること。
C偽装請負
第二十六条 労働者派遣契約(当事者の一方が相手方に対し労働者派遣をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、厚生労働省令で定めるところ により、当該労働者派遣契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて派遣労働者の人数を定めなければならない。
一 派遣労働者が従事する業務の内容
二 派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所の名称及び所在地その他労働者派遣に係る派遣労働者の就業(以下「派遣就業」という。)の場所
三 労働者派遣の役務の提供を受ける者のために、就業中の派遣労働者を直接指揮命令する者に関する事項
四 労働者派遣の期間及び派遣就業をする日
五 派遣就業の開始及び終了の時刻並びに休憩時間
六 安全及び衛生に関する事項
七 派遣労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項
八 労働者派遣契約の解除に当たつて講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項
九 労働者派遣契約が紹介予定派遣に係るものである場合にあつては、当該紹介予定派遣に関する事項
十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
後記の二三(四)
D登録型派遣の原則禁止に違反して、常用雇用する労働者でない者を派遣労働者として受け入れた場合。
ロ イにより労働契約の申込みをしたものとみなされた労働者派遣の役務の提供を受ける者は、当該労働契約の申込みに係るイに規定する行為が終了した日から一年を経過する日までの間は、当該申込みを撤回することができないものとすること。(第四十条の六第二項関係)
ハ イにより労働契約の申込みをしたものとみなされた労働者派遣の役務の提供を受ける者が、当該申込みに対してロの期間内に承諾する旨又は承諾しない旨の意思表示を受けなかったときは、当該申込みは、その効力を失うものとすること。(第四十条の六第三項関係)
ニ イにより申し込まれたものとみなされた労働契約に係る派遣労働者に係る労働者派遣をする事業主は、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者から求めがあった場合においては、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、速やかに、イにより労働契約の申込みをしたものとみなされた時点における当該派遣労働者に係る労働条件の内容を通知しなければならないものとすること。(第四十条の六第四項関係)
(二) 国等の機関に関する措置
イ 労働者派遣の役務の提供を受ける者が国又は地方公共団体の機関である場合であって、(一)のイの(イ)から(ニ)のいずれかに該当する行為を行った場合((一)のイのただし書に規定する場合を除く。)においては、当該行為が終了した日から一年を経過する日までの間に、当該労働者派遣に係る派遣労働者が、当該国又は地方公共団体の機関において当該労働者派遣に係る業務と同一の業務に従事することを求めるときは、当該国又は地方公共団体の機関は、(一)のイの規定の趣旨を踏まえ、当該派遣労働者の雇用の安定を図る観点から、国家公務員法(裁判所職員臨時措置法において準用する場合を含む。)、国会職員法、自衛隊法又は地方公務員法その他関係法令の規定に基づく採用その他の適切な措置を講じなければならないものとすること。(第四十条の七第一項関係)
ロ イに規定する求めを行った派遣労働者に係る労働者派遣をする事業主は、当該労働者派遣に係る国又は地方公共団体の機関から求めがあった場合においては、当該国又は地方公共団体の機関に対し、速やかに、当該国又は地方公共団体の機関が(一)のイの(イ)から(ニ)のいずれかに該当する行為を行った時点における当該派遣労働者に係る労働条件の内容を通知しなければならないものとすること。(第四十条の七第二項関係)
(三) 労働契約申込みみなしに係る勧告等
イ 厚生労働大臣は、労働者派遣の役務の提供を受ける者又は派遣労働者からの求めに応じて、労働者派遣の役務の提供を受ける者の行為が、(一)のイの(イ)から(ニ)のいずれかに該当するかどうかについて必要な助言をすることができるものとすること。(第四十条の八第一項関係)
ロ 厚生労働大臣は、(一)のイにより申し込まれたものとみなされた労働契約に係る派遣労働者が当該(一)のイにより当該労働契約の申込みをしたものとみなされた労働申込みを承諾した場合において、労働者派遣の役務の提供を受ける者が当該派遣労働者を就労させない場合には、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、当該派遣労働者の就労に関し必要な助言、指導又は勧告をすることができるものとすること。(第四十条の八第二項関係)
ハ 厚生労働大臣は、ロにより、当該派遣労働者を就労させるべき旨の勧告をした場合において、その勧告を受けたのイにより労働契約の申込みをしたものとみなされた労働者派遣の役務の提供を受ける者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができるものとすること。(第四十条の八第三項関係)
十九 法違反の是正に係る勧告派遣先に対する法に違反した場合の是正の勧告について、指導又は助言の前置を要しないものとすること。(第四十九条の二第一項関係)
二十 その他所要の規定の整備を行うものとすること。
二 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部改正(第二条による改正関係)
物の加工、組立てその他の物を製造する工程における作業として政令で定めるものに係る物の製造の業務(その常時雇用する労働者を業として行う労働者派遣により当該業務に従事させる場合における当該業務を除く。)を労働者派遣事業を行ってはならない業務に追加するものとすること。(第四条第一項関係)
*常時雇用の労働者については製造業務派遣の原則禁止の例外とする
二 派遣先への通知
(一) 派遣元事業主は派遣先に、当該労働者派遣に係る派遣労働者が常時雇用する労働者であるか否かの別(当該労働者が期間を定めないで雇用する労働者である場合にあっては、その旨)を通知しなければならないものとすること。(第三十五条第一項関係)
(二) 派遣元事業主は、(一)による通知をした後にの事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を当該派遣先に通知しなければならないものとすること。(第三十五条第二項関係)
三 常時雇用する労働者でない者についての労働者派遣の禁止
(一) 派遣元事業主は、その常時雇用する労働者でない者について労働者派遣を行ってはならないものとすること。ただし、次の場合は、この限りでないものとすること。(第三十五条の三第一項関係)
イ 第一の十四(一)の政令で定める業務及び当該業務以外の業務であってその業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術若しくは経験を必要とする業務又はその業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣をする場合
ロ 第四十条の二第一項第三号又は第四号に掲げる業務について労働者派遣をする場合
ハ 当該労働者派遣に係る派遣労働者が六十歳以上の者である場合
ニ 当該労働者派遣が紹介予定派遣に係るものである場合
*登録型派遣の原則禁止の例外とする業務
@ 専門26 業務
A 産前産後休業・育児休業・介護休業取得者の代替要員派遣
B 高齢者派遣
C 紹介予定派遣
(二) 厚生労働大臣は、(一)のイの政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(第三十五条の三第二項関係)
(三) 派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けようとする場合において、派遣元事業主が当該労働者派遣をしたならば(一)に抵触することとなるときは、当該労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものとすること。(第四十条の九関係)
(四) (三)に違反して労働者派遣の役務の提供を受けることを、第一の十八(一)のイに掲げる行為に追加するものとすること。(第四十条の六第一項関係)
四 暫定措置
第二の三(一)及び(三)について、その施行の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までの間、労働者派遣により常時雇用する労働者でない者を従事させても当該労働者の雇用の安定に大きな支障が生じていなかったと認められる業務であって、当該業務に従事する労働者の雇用の安定を図るためには労働者派遣により常時雇用する労働者でない者を従事させることがやむを得ないと認められる業務として政令で定める業務については、常時雇用する労働者でない者について労働者派遣をすることを認めるものとすること。(附則第五項関係)
五 厚生労働大臣は、四の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(附則第六項関係)
六 その他所要の規定の整備を行うものとすること。
第三 労働者災害補償保険法の一部改正(第三条による改正関係)
一 派遣先の事業主等に対する報告、文書の提出又は出頭の命令
行政庁は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(二において「労働者派遣法」という。)に規定する派遣先の事業主及び船員職業安定法に規定する船員派遣(二において「船員派遣」という。)の役務の提供を受ける者に対して、労働者災害補償保険法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができるものとすること。(第四十六条関係)
二 派遣先の事業の事業場等への立入検査
行政庁は、労働者派遣法に規定する派遣先の事業の事業場及び船員派遣の役務の提供を受ける者の事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿書類その他の物件を検査させることができるものとすること。(第四十八条第一項関係)
三 罰則その他所要の規定の整備を行うものとすること。
第四 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正(第四条による改正関係)
一 シルバー人材センターについて、届出により、有料の職業紹介事業を行うことができるものとすること。(第四十二条関係)
二 その他所要の規定の整備を行うものとすること。
第五 その他
一 施行期日
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、第二については、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。(附則第一条関係)
二 政府は、この法律の施行により労働者派遣による就業ができなくなる派遣労働者その他の派遣労働者の雇用の安定を図るとともに、事業主の労働力の確保を支援するため、公共職業安定所又は職業紹介事業者の行う職業紹介の充実等必要な措置を講ずるように努めなければならないものとすること。(附則第二条関係)
三 政府は、この法律の施行後三年を目途として、改正法の規定の施行の状況等を勘案し、更なる派遣労働者の保護のための方策を含め、これらの法律の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。(附則第三条第一項関係)
四 政府は、三の規定を踏まえつつ、派遣労働者の保護を図ることの重要性にかんがみ、派遣先の責任の在り方等派遣労働者の保護を図る観点から特に必要と認められる事項について、速やかに検討を行うものとすること。(附則第三条第二項関係)
五 経過措置等この法律の施行に関し必要となる経過措置を定めるとともに、関係法律の規定の整備を行うものとすること。(附則第四条から第十五条関係)