給与計算と法律

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■大工・とび・左官等に対する所得税の取扱い




 大工,左官,とび等の受ける報酬が事業所得に属するか,給与所得に属するかの判定について
は,昭和28年8月17日付直所5−20「大工,左官,とび等に対する所得税の取扱いについ
て」通達及び昭和29年5月18日付直所5−22「大工,左官,とび等に対する所得税の取扱
いについて」通達により指示したとおり,個々の収入の性質に応じ請負契約に基づくものは事業
所得とし,雇用契約に基づくものは給与所得とすべきものであることは勿論であるが,その区分
の明らかでない下記に掲げる者の受ける報酬については、下記によるも差し支えないものとして
取扱われたい。
 なお,その者について下記のように取扱うことを相当としない別段の事情がある場合には,こ
の限りでないから了知されたい。

                    記



1.その年中を通じ職人として一定の親方に所属している者の受ける労務の報酬は,原則として,
 給与所得の収入金額とすること。

2.常時使用人を有しないで,また職人として一定の親方に所属もしていないいわゆる一人親方
 の受ける報酬については,3に掲げる者である場合を除きその年収(報酬)が450万円以下
 であるときは,原則として,その年収額にその金額の多寡に応じ,次に掲げる割合を乗じて得
 た金額は給与所得の収入金額とし,その余の金額は事業所得の収入金額とすること。

  年収額       年収額のうち給与所得の収入金額の割合
  130万円以下      80%
  160万円以下      70%
  190万円以下      60%
  230万円以下      50%
  260万円以下      40%
  300万円以下      30%
  370万円以下      20%
  450万円以下      10%
3.店舗,作業場等を有し常時一般顧客のもとめに応じていると認められる者の受ける報酬は,雇
 用契約によって受けたことの明らかな個々の報酬を除いては,原則として,事業所得の収人金額
 とすること。





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■大工・左官等の源泉徴収の取扱いについて

(昭和47.2.5全建総連の紹介に対する国税庁直税部長回答)


(照会)
1.大工,左官等の建設労働者が,一定のグループを組んで手間受け(出来高払制)の形態で仕事
 をし,その手間賃を統括者(責任者)が一括して代理受領をする場合がしばしばあります。この
 場合の源泉徴収義務者は,そのグループを雇用した建設業者であり,そのグループの統括者(責
 任者)ではないとして理解してよるしいか。
2.見習工を雇用している親方又は一人親方が,その見習工ともども建設業者等に雇用された場合,
 その給与が一括して親方に支払われた場合であっても,その給与に対する源泉徴収義務者は,当
 該建設業者であると理解してよるしいか。
3.大工,左官等の建設労働者又は一人親方が,ときとして小工事を請け負い短期間他の建設労働
 者を雇用し給与等を支払う場合があります。この場合,これらの建設労働者,一人親方の常態は,
 業者として常時人を雇用して業務を継続するものではないので,給与支払い事務所開廃届等は手
 続きとして繁雑にわたるので,これを省略してよろしいか。
4.大工,左官等の源泉徴収を行なう場合の源泉徴収税額表の適用区分については,昭和41年1
 2月27日直法5−33,直審(源)54「建設労務者に支払う給与に対する源泉所得税の取扱
 いに関する要望について」通達に明らかにされていますが,同通達の別紙1の1の(2)に掲げ
 られている「同一事業主に雇用される期間が継続して8カ月を超えて予定される者」は,その判
 定される時において明らかに8カ月を超えて雇用されることが予定されている場合を除き,その
 者が同一事業主に継続して8カ月を超えて雇用されたかどうかによって判定して差し支えないで
 しょうか。


(国税庁直税部長の回答)
標題のことについては,お申し越しのとおり解してさしつかえありません。
ただし,3の場合には,その源泉徴収税額の有無にかかわらず,所得税徴収高計算書を所轄税務署
に提出する必要があります。