家内労働法施行規則
昭和45・ 9・30労働省令第23号
改正昭和47・ 9・30労働省令第48号
改正昭和53・ 8・ 7労働省令第32号
改正昭和54・ 4・25労働省令第18号
改正平成 8・ 3・28労働省令第13号
改正平成 9・ 9・25労働省令第31号
改正平成11・ 1・11労働省令第 5号
改正平成12・ 1・31労働省令第 2号
(家内労働手帳)
第一条 委託者は、委託をするにあたつては、家内労働者に対し、委託に係る物品を提供するときまでに家内労働手帳を交付しなければならない。
2 家内労働法(以下「法」という。)第三条第二項の労働省令で定める事項は、次のとおりとする。
一 委託をするつど、その年月日、納入させる物品の数量及び納品の時期
二 製造又は加工等に係る物品を受領するつどその年月日
三 工賃を支払うつどその年月日
3 委託者は、委託をするにあたつては、家内労働手帳に次の事項を記入しなければならない。
一 家内労働者の氏名、性別及び生年月日並びに当該家内労働者に補助者がある場合にはその氏名、性別及び生年月日
二 委託者の氏名、営業所の名称及び所在地並びに委託者が当該家内労働者に係る委託について代理人を置く場合にはその氏名及び住所
三 工賃の支払場所、毎月一定期日を工賃締切日として定める場合にはその定め及び通貨以外のもので工賃を支払う場合にはその方法
四 物品の受渡し場所
五 不良品の取扱いに関する定めをする場合にはその定め
4 委託者は、前項各号の事項に変更があつた場合には、そのつど、変更があつた事項を家内労働手帳に記入しなければならない。
5 委託者は、委託に関し、家内労働者に機械、器具その他の設備又は原材料その他の物品を自己から購入させようとする場合には、そのつど、その品名、数量及び引渡しの期日並びにその代金の額並びに決済の期日及び方法に関する事項を家内労働手帳に記入しなければならない。
6 家内労働者は、委託者が家内労働手帳に記入した事項を確認しなければならない。
7 家内労働者は、委託者が家内労働手帳に最後の記入をした日から二年間当該家内労働手帳を保存しなければならない。
8 家内労働手帳は、様式第一号による。
(就業時間の適正化に関する勧告)
第二条 法第四条第二項の規定による勧告は、都道府県労働局長が当該都道府県労働局の掲示場に掲示することにより行うものとする。
(工賃の支払)
第三条 工賃の支払は、委託者が家内労働者の同意を得た場合には、次の方法によることができる。
一 郵便為替の交付
二 銀行その他の金融機関に対する預金又は貯金への振込み
三 郵便振替口座への払込み又は振替
(審議会の意見の要旨の公示)
第四条 法第九条第一項の規定による公示は、労働大臣の職権に係る事案については労働大臣が官報に掲載することにより、都道府県労働局長の職権に係る事案については当該都道府県労働局長が当該都道府県労働局の掲示場に掲示することにより行うものとする。
(審議会の意見に関する異議の申出)
第五条 法第九条第二項の異議の申出は、異議の内容及び理由を記載した異議申出書を提出することによつて行なわなければならない。
2 労働大臣に対する異議の申出は、関係都道府県労働局長を経由してすることができる。
(関係家内労働者及び関係委託者の意見の聴取)
第六条 中央家内労働審議会又は地方家内労働審議会(地方家内労働審議会を置かない都道府県労働局にあつては、当該都道府県労働局に置かれている地方最低賃金審議会。以下同じ。)(以下「審議会」という。)は、法第十一条第一項の規定により関係家内労働者及び関係委託者の意見を聴こうとするときは、当該事案の要旨並びに意見を述べようとする関係家内労働者及び関係委託者は一定の期日までに審議会に意見書を提出すべき旨を公示しなければならない。
2 審議会は、前項の意見書によるほか、関係家内労働者及び関係委託者のうち適当と認める者から意見をきくものとする。
3 第一項の規定による公示は、中央家内労働審議会にあつては官報に掲載することにより、地方家内労働審議会にあつては都道府県労働局の掲示場に掲示することにより行うものとする。
(関係家内労働者又は関係委託者の申出)
第七条 法第十一条第二項の規定による申出は、次の事項を記載した申出書を提出することによつて行なわなければならない。
一 申出をする者が代表する家内労働者又は委託者の範囲
二 申出の内容
三 申出の理由
2 前項の申出書には、申出をする者が同項第一号の範囲の家内労働者又は委託者を代表する者であることを明らかにすることができる書類を添えなければならない。
3 第一項の申出書は、当該事案が二以上の都道府県労働局の管轄区域にわたるものである場合には労働大臣に、当該事案が一の都道府県労働局の管轄区域内のみに係るものである場合には当該都道府県労働局長に提出しなければならない。この場合において、労働大臣に提出する申出書は、関係都道府県労働局長を経由して提出することができる。
(最低工賃に関する決定の公示)
第八条 法第十二条第一項の規定による公示は、官報に掲載することによつて行なうものとする。
(最低工賃に関する職権)
第九条 都道府県労働局長は、当該都道府県労働局の管轄区域内のみに係る事案について、法第八条第一項又は法第十条の規定により地方家内労働審議会の調査審議を求めようとする場合において、当該事案が全国的に関連があると認めるとき、又は全国的に関連があるかどうか判断し難いときは、遅滞なく、意見を付してその旨を労働大臣に報告しなければならない。
2 労働大臣は、法第十五条第一項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、その旨を関係都道府県労働局長に通知しなければならない。前項の報告があつた事案について法第十五条第一項の規定による指定をしないことを決定したときも、同様とする。
3 都道府県労働局長は、第一項の報告をした事案については、前項後段の通知があるまでは、法第八条第一項又は法第十条の規定による調査審議を求めてはならない。
4 都道府県労働局長は、第二項前段の通知を受けたときは、遅滞なく、申出書その他の関係書類を労働大臣に送付しなければならない。
(安全装置の取付け)
第十条 委託者は、委託に係る業務に関し、次の表の上欄に掲げる機械を家内労働者に譲渡し、貸与し、又は提供する場合には、それぞれ同表の下欄に掲げる安全装置を取り付けなければならない。
機 械 |
安 全 装 置 |
|
木材加工用丸のこ盤 | 反ぱつにより作業者が危害をうけるおそれのあるもの | 割刃その他の反ぱつ予防装置 |
接触により作業者が危害をうけるおそれのあるもの | 歯の接触予防装置 | |
手押しかんな盤 | 刃の接触予防装置 | |
プレス機械及びシヤー | 安全装置(その性能について労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第四十四条第一項の規定に基づく検定を受けた安全装置に限る。) |
機械又は器具 |
措 置 |
原動機又は回転軸、歯車、プーリ若しくはベルトのある機械 | 作業者が危害をうけるおそれのある部分に覆(おお)い、囲い又はスリーブを取り付けること。 |
回転軸、歯車、プーリ又はフライホイ ールに附属する止め具のある機械(埋 頭型の止め具を使用している機械を除 く。) | 止め具に覆(おお)いを取り付けること。 |
バフ盤(布バフ、コルクバフ等を使用 するバフ盤を除く。) | バフの研まに必要な部分以外の部分に覆(おお)いを取り付けること。 |
面取り盤 | 刃の接触予防装置を取り付けること。ただし、作業の性質上接触予防装置を取り付けることが困難な場合には、工具を譲渡し、貸与し、又は提供すること。 |
紙、布、金属箔等を通すロール機(送給が自動的に行なわれる構造のロール機を除く。) | 囲い又はガイドロールを取り付けること。 |
電気機械器具 | 充電部分のうち作業者が作業中又は通行の際に、接触し、又は接近することにより感電の危害を生ずるおそれのある部分に囲い又は絶縁覆(おお)いを取り付けること。ただし、電熱器の発熱体の部分、抵抗溶接機の電極の部分等電気機械器具の使用の目的により露出することがやむを得ない充電部分については、この限りでない。 |
業務 |
設備又は装置 |
有機溶剤等(有機溶剤中毒予防規則 (昭和四十七年労働省令第三十六号) 第一条第一項第二号の有機溶剤等をい う。以下同じ。)を取り扱う業務(吹 付けの業務を除く。) | 蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、全体換気装置又は排気筒 |
有機溶剤等を吹き付ける業務 | 局所排気装置 |
鉛等を取り扱う業務 | 局所排気装置、全体換気装置又は排気筒 |
研ま材を用いて動力により、岩石、鉱 物若しくは金属を研まし、若しくはば り取りし、又は金属を裁断する場所に おける業務 | 局所排気装置又は粉じんの発生源を湿潤な状態に保つための設備 |
業務 |
保護具等 |
運転中の機械の刃部における切粉払い又は切削剤を使用する業務 | ブラシ |
運転中の機械に頭髪又は被服が巻き込まれるおそれのある業務 | 適当な帽子又は作業服 |
ガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務(局所排気装置、全体換気装置又は粉じんの発生源を湿潤な状態に保つための設備が設置されている場所における業務を除く。) | ガス又は蒸気にあつては防毒マスク、粉じんにあつては防じんマスク |
皮膚に障害を与える物品又は皮膚から吸収されて中毒を起こすおそれのある物品を取り扱う業務 | 塗布剤、不浸透性の作業衣又は手袋 |
強烈な騒音を発する業務 | 耳せん |
物品 |
事項 |
別表第二に掲げる発火性の物品 | みだりに、火気その他点火源となるおそれのあるものに接近させ、酸化をうながす物若しくは水に接触させ、加熱し、又は衝撃を与えないこと。 |
別表第二に掲げる酸化性の物品 | みだりに、分解がうながされるおそれのあるものに接触させ、加熱し、摩擦し、又は衝撃を与えないこと。 |
別表第二に掲げる引火性の物品 | みだりに、火気その他点火源となるおそれのあるものに接近させ、若しくは注ぎ、蒸発させ、又は加熱しないこと。 |
別表第二に掲げる可燃性のガス | みだりに発散させないこと。 |
機械、器具又は原材料その他の物品 |
事項 |
機械 | 一 刃部を除く機械のそうじ、給油、検査又は修理の作業を行なう場合であつて、作業者が危害をうけるおそれのあるときは、機械の運転を停止すること。ただし、機械の運転中に作業を行なわなければならない場合であつて危険な箇所に覆(おお)いを設ける等の措置を講じたときは、この限りでないこと。 二 機械の刃部のそうじ、検査、修理、取替え又は調整の作業を行なう場合には、機械の運転を停止すること。ただし、機械の構造上作業者が危害をうけるおそれのない場合は、この限りでないこと。 三 機械の運転を停止した場合には、他人が当該機械を運転することを防止するため、当該機械の起動装置に錠をかけること。 |
研削といし | 一 その日の作業を開始する前には一分間以上、研削といしを取り替えた場合には三分間以上試運転をすること。 二 最高使用周速度をこえて使用しないこと。 三 側面を使用することを目的とする研削といし以外の研削といしの側面を使用しないこと。 |
プレス機械又はシヤー | 一 安全装置を常に有効な状態に保持すること。 二 クラツチ、ブレーキその他制御のために必要な部分の機能を常に有効な状態に保持すること。 三 一年をこえない一定の期間ごとに、次の事項について点検を行なうこと。 イ クラツチ及びブレーキの異常の有無 ロ クランクシヤフト、フライホイール、スライド、コネクチングロツド及びコネクチングスクリユの異常の有無 ハ ノンリピート装置及び急停止装置の異常の有無 ニ 電磁弁、減圧弁及び圧力計の異常の有無 ホ 配線及び開閉器の異常の有無 四 その日の作業を開始する前に次の事項について点検を行なうこと。 イ クラツチ及びブレーキの機能 ロ クランクシヤフト、フライホイール、スライド、コネクチングロツド及びコネクチングスクリユのボルトのゆるみの有無 ハ ノンリピート装置及び急停止装置の機能 五 プレス機械を用いて作業を行なう場合には、作業点の照度を百ルクス以上に保持すること。 |
ボール盤、フライス盤等手袋を巻き込むことにより作業者に危害を与えるおそれのある機械 | 手袋をしないこと。 |
危険物 | 一 危険物を取り扱う設備のふた板、フランジ、バルブ、コツク等の接合部における危険物の漏えいの有無を点検し、及び異常を認めた場合には、補修すること。 二 危険物のある場所を整理し、及び当該場所にみだりに可燃性の物品を置かないこと。 三 危険物のある場所に消化設備を置くこと。 四 危険物が爆発し、又は危険物によつて火災が生ずるおそれのある場所において、火気又は点火源となるおそれのある設備を使用しないこと。 |
有機溶剤等 | 一 有機溶剤の人体に及ぼす作用 二 使用していない有機溶剤等を入れた容器には、ふたをすること。 三 風上で作業を行なうこと。 四 有機溶剤等が皮膚にふれないようにすること。 五 有機溶剤による中毒が発生した場合の応急処置については、次に定めるところによること。 イ 中毒にかかつた者を直ちに通風のよい場所に移し、すみやかに医師に連絡すること。 ロ 中毒にかかつた者の頭を低くして横向き又は仰向きに寝かせ、身体の保温を図ること。 ハ 中毒にかかつた者が意識を失つている場合には、口中の異物を取り除くこと。 ニ 中毒にかかつた者の呼吸が止まつた場合には、すみやかに人工呼吸を行なうこと。 六 必要な健康診断を受けること。 |
土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉 じんを発散する原因となる物品 | 一 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんの人体に及ぼす作用 二 風上で作業を行なうこと。 三 注水により作業の湿式化ができる場合には、湿式化を行なうこと。 四 定期に作業場をそうじすること。 五 粉じんが飛散する場合には、ビニールカーテン等適当な間仕切りをすること。 六 必要な健康診断を受けること。 |
鉛等 | 一 鉛等の人体に及ぼす作用 二 屋内作業場で喫煙し、又は飲食しないこと。 三 毎日一回以上、屋内作業場を真空そうじ機を用いて、又は水洗によつてそうじすること。 四 作業終了後硝酸水溶液その他の手洗い用溶液及びつめブラシを用いて手を洗い、並びにうがいをすること。 五 粉状の鉛等がこぼれた場合には、すみやかに、真空そうじ機を用いて、又は水洗によつてそうじすること。 六 必要な健康診断を受けること。 |
種 別 |
名 称 |
発火性の物品 | 赤りん、セルロイド類、炭化カルシウム(カーバイド)、りん化石灰、マグネシウム粉、アルミニウム粉 |
酸化性の物品 | 塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸アンモニウムその他の塩素酸塩類、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウムその他の過塩素酸塩類、過酸化カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化バリウムその他の無機過酸化物、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウムその他の硝酸塩類 |
引火性の物品 | エーテル、ガソリン、アセトアルデヒド、酸化プロピレン、二硫化炭素、ノルマルヘキサン、酸化エチレン、アセトン、ベンゼン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、キシレン、酢酸アミル、燈油、軽油、テレビン油、イソアミルアルコール、酢酸その他の引火点が摂氏六十五度未満の物品 |
可燃性のガス | 水素、アセチレン、エチレン、メタン、エタン、プロパン、ブタンその他の摂氏一五度、一気圧において気体である可燃性の物品 |
備考 引火点の数値は、「タグ密閉式」、「ペンスキーマルテンス式」又は「クリーブランド開放式」の引火点測定器により、一気圧のもとで測定した値とする。 |