最低賃金法施行規則


   昭和34・ 7・10労働省令第16号
改正昭和43・ 8・20労働省令第21号
改正昭和44・10・ 1労働省令第24号
改正昭和45・ 9・30労働省令第23号
改正昭和53・12・ 8労働省令第45号
改正昭和60・ 9・30労働省令第23号
改正平成 5・ 2・12労働省令第 1号
改正平成11・ 1・ 8労働省令第 2号
改正平成12・ 1・31労働省令第 2号










(最低賃金額)
第一条  最低賃金法(以下「法」という。)第四条第二項の規定による最低賃金額は、労働時間が把握しがたい場合その他同条第一項の規定によることが不適当である場合において、当該労働者の出来高又は業績の一定の単位によつて定めるものとする。


(算入しない賃金)
第二条  法第五条第三項第一号の労働省令で定める賃金は、臨時に支払われる賃金及び一月をこえる期間ごとに支払われる賃金とする。

2  法第五条第三項第二号の労働省令で定める賃金は、次のとおりとする。

  一  所定労働時間をこえる時間の労働に対して支払われる賃金

  二  所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金

  三  午後十時から午前五時まで(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十七条第一項の規定により労働大臣が定める地域又は期間については、午後十一時から午前六時まで)の間の労働に対して支払われる賃金のうち通常の労働時間の賃金の計算額をこえる部分


(法第五条の規定の適用についての換算)
第三条  最低賃金額が時間、日、週又は月によつて定められた場合において、当該最低賃金の適用を受ける労働者の賃金が当該最低賃金額を定める基礎となつた期間と異なる期間若しくは出来高払制その他の請負制によつて定められているとき、又はその所定労働時間数が当該最低賃金額を定める基礎となつた期間によつて異なるときは、当該労働者については、次の各号に定めるところにより、時間以外のものによつて定められた最低賃金額又は賃金を時間についての金額に換算して、法第五条の規定を適用するものとする。

  一  日によつて定められた最低賃金額又は賃金については、その金額を一日の所定労働時間数(日によつて所定労働時間数が異なる場合には、一週間における一日平均所定労働時間数)で除した金額

  二  週によつて定められた最低賃金額又は賃金については、その金額を週における所定労働時間数(週によつて所定労働時間数が異なる場合には、四週間における一週平均所定労働時間数)で除した金額

  三  月によつて定められた最低賃金額又は賃金については、その金額を月における所定労働時間数(月によつて所定労働時間数が異なる場合には、一年間における一月平均所定労働時間数)で除した金額

  四  時間、日、週又は月以外の一定の期間によつて定められた賃金については、前三号に準じて算定した金額

  五  出来高払制その他の請負制によつて定められた賃金については、当該賃金算定期間(賃金締切日がある場合には、賃金締切期間。以下この号において同じ。)において出来高払制その他の請負制によつて計算された賃金の総額を、当該賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によつて労働した総労働時間数で除した金額


2  前項の場合において、休日手当その他同項各号の賃金以外の賃金(時間によつて定められた賃金を除く。)は、月によつて定められた賃金とみなす。



(最低賃金の適用除外)
第四条  法第八条第三号の労働省令で定める者は、職業能力開発促進法施行規則(昭和四十四年労働省令第二十四号)第九条に定める普通課程若しくは短期課程(職業に必要な基礎的な技能及びこれに関する知識を習得させるためのものに限る。)の普通職業訓練又は同条に定める専門課程の高度職業訓練を受ける者であつて、職業を転換するために当該職業訓練を受けるもの以外のものとする。

2  法第八条第四号の労働省令で定める者は、次の各号に掲げる者とし、これらの者についての同条の許可は、それぞれ当該各号に掲げる場合に限り、行うことができるものとする。

  一  所定労働時間の特に短い者 最低賃金額が日、週又は月によつて定められた場合

  二  軽易な業務に従事する者 当該労働者の従事する業務が当該最低賃金の適用を受ける他の労働者の従事する業務と比較して特に軽易な場合

  三  断続的労働に従事する者 最低賃金額が時間によつて定められた場合及び最低賃金額が日、週又は月によつて定められた場合で当該労働者の実作業時間数が当該最低賃金の適用を受ける他の労働者の実作業時間数と比較して特に短いとき



第五条  法第八条の許可を受けようとする使用者は、許可申請書を当該事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に提出しなければならない。

2  前項の許可申請書は、法第八条第一号の労働者については様式第一号、同条第二号の労働者については様式第二号、同条第三号の労働者については様式第三号、前条第二項第一号の労働者については様式第四号、同項第二号又は第三号の労働者については様式第五号によるものとする。



第六条  削除



第七条  削除



(労働協約に基づく地域的最低賃金の決定の申請)
第八条  法第十一条の申請は、申請代表者が次に掲げる事項を記載した申請書を提出することによつて行わなければならない。

  一  当該最低賃金の適用範囲とすべき一定の地域

  二  適用を受けるべき労働者の範囲及びこれらの労働者に係る賃金の最低額についての定

  三  法第五条第三項第三号の賃金とすべき賃金

  四  法第八条の別段の定とすべき定


2  前項の申請書には、当該労働協約の写、申請について当事者である労働組合又は使用者(使用者の団体を含む。)の全部の合意があつたことを証する書類並びに当該一定の地域内の事業場で使用される同種の労働者及びこれを使用する使用者の概数並びにこれらの者のうち当該労働協約の適用を受ける労働者及び使用者の概数を記載した書類を添附しなければならない。



第九条  法第十一条の申請は、当該事案が二以上の都道府県労働局の管轄区域にわたるものである場合は労働大臣に、当該事案が一の都道府県労働局の管轄区域内のみに係るものである場合は当該都道府県労働局長にしなければならない。この場合において、労働大臣に対する申請は、関係都道府県労働局長を経由してすることができる。



(労働協約に基づく地域的最低賃金の決定の申請の要旨の公示)
第十条  法第十二条第一項の規定による公示は、労働大臣の職権に係る事案については労働大臣が官報に掲載することにより、都道府県労働局長の職権に係る事案については当該都道府県労働局長が当該都道府県労働局の掲示場に掲示することにより行うものとする。


(労働協約に基づく地域的最低賃金の決定の申請に関する異議の申出)
第十一条  法第十二条第二項の異議の申出は、異議の内容及び理由を記載した異議申出書を、当該事案について前条の公示を行つた労働大臣又は都道府県労働局長に提出することによつて行わなければならない。この場合において、労働大臣に対する異議の申出は、関係都道府県労働局長を経由してしなければならない。



(最低賃金審議会の意見の要旨の公示)
第十一条の二  第十条の規定は、法第十六条の二第一項の規定による公示について準用する。



(最低賃金審議会の意見に関する異議の申出)
第十一条の三  第十一条の規定は、法第十六条の二第二項の規定による異議の申出について準用する。



(最低賃金の決定等に関する関係労働者又は関係使用者の申出)
第十一条の四  法第十六条の四第一項の規定による申出は、次の各号に掲げる事項を記載した申出書を提出することによつて行なわなければならない。

  一  申出をする者が代表する労働者又は使用者の範囲

  二  最低賃金の決定に関する申出にあつては、当該最低賃金の適用を受けるべき労働者又は使用者の範囲

  三  最低賃金の改正又は廃止の決定に関する申出にあつては、当該最低賃金の件名

  四  前二号に掲げるもののほか、申出の内容

  五  申出の理由

2  前項の申出書には、申出をする者が同項第一号に掲げる範囲の労働者又は使用者を代表する者であることを明らかにすることができる書類を添えなければならない。

3  第九条の規定は、法第十六条の四第一項の規定による申出について準用する。



(最低賃金に関する決定の公示)
第十二条  法第十七条第一項の規定による公示は、官報に掲載することによつて行うものとする。



(周知義務)
第十三条  法第十九条の規定により使用者が労働者に周知させなければならない最低賃金の概要は、次のとおりとする。

  一  適用を受ける労働者の範囲及びこれらの労働者に係る最低賃金額

  二  法第五条第三項第三号の賃金

  三  法第八条の別段の定

  四  効力発生年月日



第十四条  削除



(関係労働者及び関係使用者の意見)
第十五条  労働大臣又は都道府県労働局長は、法第十六条第一項の規定による最低賃金の決定又はその改正若しくは廃止の決定について中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会(以下「最低賃金審議会」という。)の調査審議を求めた場合には、遅滞なく、最低賃金審議会が法第三十一条第五項の規定により当該事案について関係労働者及び関係使用者の意見を聴く旨並びに意見を述べようとする関係労働者及び関係使用者は一定の期日までに最低賃金審議会に意見書を提出すべき旨を公示するものとする。

2  最低賃金審議会は、前項の意見書によるほか、当該意見書を提出した者その他の関係労働者及び関係使用者のうち適当と認める者をその会議(専門部会の会議を含む。)に出席させる等により、関係労働者及び関係使用者の意見を聴くものとする。

3  第十条の規定は、第一項の規定による公示について準用する。



(報告)
第十六条  使用者又は労働者は、最低賃金に関する決定又はその実施について必要な事項に関し労働大臣又は都道府県労働局長から要求があつたときは、当該事項について報告しなければならない。



(職権)
第十七条  都道府県労働局長は、当該都道府県労働局の管轄区域内のみに係る事案について、法第十五条第一項の規定により地方最低賃金審議会に諮問しようとする場合又は法第十六条第一項若しくは法第十六条の三の規定により地方最低賃金審議会の調査審議を求めようとする場合において、当該事案が全国的に関連があると認めるとき、又は全国的に関連があるかどうか判断し難いときは、遅滞なく、意見を付してその旨を労働大臣に報告しなければならない。

2  労働大臣は、法第三十六条第一項の指定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該都道府県労働局長に通知するものとする。前項の報告があつた事案について法第三十六条第一項の指定をしないことを決定したときも、同様とする。

3  都道府県労働局長は、第一項の報告をした事案については、前項の通知があるまでは、法第十五条第一項の規定による諮問をし、又は法第十六条第一項若しくは法第十六条の三の規定による調査審議を求めてはならない。

4  都道府県労働局長は、第二項前段の通知を受けたときは、遅滞なく、申請書その他の関係書類を労働大臣に送付しなければならない。

5  都道府県労働局長は、法第十一条の申請に係る事案について第二項前段の通知を受けた場合においては、遅滞なく、申請代表者にその旨を通知しなければならない。

6  第九条の規定により都道府県労働局長に対してなされた申請に係る事案について、労働大臣が法第三十六条第一項の指定をしたときは、当該申請は、労働大臣に対してなされたものとみなす。



(労働基準監督署長及び労働基準監督官)
第十八条  労働基準監督署長は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、この省令に規定するもののほか、法の施行に関する事務をつかさどる。

2  労働基準監督官は、上司の命を受けて、法に基く立入検査、司法警察員の職務その他の法の施行に関する事務をつかさどる。



(証票)
第十九条  法第三十八条第二項の証票は、労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号)様式第十八号によるものとする。




(公示事項の周知)
第二十条  労働大臣又は都道府県労働局長は、法又はこの省令の規定により公示した事項について、適当な方法により関係者に周知させるように努めるものとする。



(提出すべき申請書等の数)
第二十一条  第五条の許可申請書は三通、第八条の申請書、第十一条(第十一条の三において準用する場合を含む。)の異議申出書及び第十一条の四第一項の申出書は二通提出しなければならない。



(様式の任意性)
第二十二条  この省令に定める申請書の様式は、必要な事項の最少限度を記載すべきことを定めるものであつて、これと異なる様式を用いることを妨げるものではない。










附 則(抄)
(施行期日)
第一条  この省令は、公布の日から施行する。



附 則(昭和43・8・20省令第21号)

1  この省令は、最低賃金法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(昭和四十三年九月一日)から施行する。
2  改正法附則第二項に規定する最低賃金については、同項に規定する期間は、この省令による改正前の最低賃金法施行規則の規定は、なおその効力を有する。
3  改正法附則第五項前段の規定による異議の申出は、昭和四十五年四月一日から同年五月三十一日までの間に、当該申出に係る最低賃金の件名及び異議の理由を記載した異議申出書を、当該最低賃金の決定をした労働大臣又は都道府県労働基準局長に提出することによつて行なわなければならない。
4  労働大臣又は都道府県労働基準局長は、昭和四十五年四月一日において現に効力を有する改正法附則第二項に規定する最低賃金の概要及び改正法附則第五項前段の規定による異議の申出に関し必要な事項を、同日以後遅滞なく、公示するものとする。
5  この省令による改正後の最低賃金法施行規則(以下「新規則」という。)第十条の規定は、前項の規定による公示について準用する。
6  新規則第十五条の二の規定は、改正法附則第六項の規定により最低賃金審議会が関係労働者及び関係使用者の意見をきく場合について準用する。
7  労働大臣又は都道府県労働基準局長は、改正法附則第五項前段に規定する異議の申出に係る最低賃金の効力を存続させる旨の決定をした場合又は同項後段の規定により当該最低賃金が効力を失つた場合には、その旨を官報に掲載することにより公示するものとする。
8  新規則第二十条の規定は、第四項及び前二項の規定により公示された事項の周知について準用する。



附 則(昭和44・10・1省令第24号)(抄)
(施行期日)
第一条  この省令・・は、昭和四十四年十月一日から施行する。



附 則(昭和45・9・30省令第23号)(抄)
(施行期日)
第一条  この省令は、昭和四十五年十月一日から施行する。<後略>



附 則(昭和53・12・8省令第45号)
 この省令は、昭和五十四年四月一日から施行する。



附 則(昭和60・9・30省令第23号)(抄)
(施行期日)
第一条  この省令は、昭和六十年十月一日から施行する。



附 則(平成5・2・12省令第1号)(抄)
(施行期日)
第一条  この省令は、平成五年四月一日から施行する。



附 則(平成11・1・8省令第2号)
(施行期日)
1  この省令は、平成十一年一月十一日から施行する。
(経過措置)
2  この省令の施行の際、現に存するこの省令による改正前の様式による用紙は、当分の間、これを取り繕い使用することができる。



附 則(平12・1・31省令第2号)(抄)
(施行期日)
第一条  この省令は、平成十二年四月一日から施行する。

(処分、申請等に関する経過措置)
第二条  地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(以下「地方分権推進整備法」という。)の施行前に改正前のそれぞれの法律若しくはこれに基づく政令の規定(これらの規定を準用する他の法律又はこれに基づく政令の規定を含む。以下同じ。)により都道府県労働基準局長若しくは都道府県知事が行つた許可等の処分その他の行為(以下「処分等の行為」という。)又は地方分権推進整備法の施行の際現に改正前のそれぞれの法律若しくはこれに基づく政令の規定により都道府県労働基準局長若しくは都道府県知事に対してされている許可等の申請その他の行為(以下「申請等の行為」という。)で、地方分権推進整備法の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を地方分権推進整備法による改正後のそれぞれの法律又はこれに基づく労働省令の規定(これらの規定を準用する他の法律又はこれに基づく労働省令の規定を含む。以下同じ。)により都道府県労働局長が行うこととなるものは、地方分権推進整備法の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律又はこれに基づく労働省令の適用については、改正後のそれぞれの法律又はこれに基づく労働省令の相当規定により都道府県労働局長がした処分等の行為又は都道府県労働局長に対してされた申請等の行為とみなす。

第三条  この省令の施行前に改正前のそれぞれの省令の規定によりされた処分等の行為又はこの省令の施行の際現に改正前のそれぞれの省令の規定によりされている申請等の行為で、この省令の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、この省令の施行の日以後における改正後のそれぞれの省令の適用については、改正後のそれぞれの省令の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。

第四条  この省令の施行前に改正前のそれぞれの省令の規定により国又は地方公共団体の機関又は職員に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この省令の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを改正後のそれぞれの省令の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関又は職員に対して報告、届出、提出をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この省令による改正後のそれぞれの省令の規定を適用する。

(様式に関する経過措置)
第六条  この省令の施行の際現に提出され又は交付されているこの省令による改正前のそれぞれの省令に定める様式による申請書等は、この省令による改正後のそれぞれの省令に定める相当様式による申請書等とみなす。

第七条  この省令の施行の際、現に存するこの省令による改正前のそれぞれの省令に定める様式による申請書等の用紙は、当分の間、必要な改定をした上、使用することができる。