時短の実施事例集
■HOMEPAGE
■640/480  ■労働時間総合情報へ








<目次>
製造業
■自動金属プレス機、メッキ乾燥装置を導入して完全週休2日制を達成          (袋物の口金製造業・73人)
■おしぼり整列結束機3台を導入して時短を実施                    (貸しおしぼり業・48人)
■製品の移動を機械化して時短を実施                         (段ボール製造業・57人)
■製造工程にコンピュータを導入し、ばね製造の自動化を図る              (ばね製造業・30人)
■営業、事務、梱包の各分野で効率化を追求し時短                   (ポリ、ビニール袋加工業・25人)
■社内ではOA化、一方ワープロの無料貸出による入力作業の外注化などで週休2日制実現 (印刷業・21人)
建設業
■新型クレーン車を導入し、元請け企業の協力を得て週40時間制を達成         (電気工事業・36人)
■高性能オフコンの導入で、財務管理、原価管理、経理業務の省力化           (総合工事業・74人)
■実行予算単価基準の設定や工程管理の合理化で時短を実現               (住宅建築等工事業・32人)
■事務作業に喰われる監督者に事務アシスタントを付けて現場管理を効率化        (土木工事業・24人)
運輸業
■店舗別、商品群別の台車の製作で、配送センターと店舗間の配送効率化が実現      (保冷車での食料品運送業・56人)
■荷主や同業者の協力で週40時間制へ                        (一般貨物運送業・18人)
商業
■可搬式の小型端末機の導入で営業の発注、棚卸しの効率化を図る            (ペット用品総合卸売・34人)
■顧客管理業務の1.5倍のスピードアップなどの改善で時短に取り組む         (肥料の販売業・227人)
サービス業
■LANによる診療と調剤、検査、処置などの作業を並行管理のほか時差勤務を導入    (総合病院・176人)
■コース管理部門の効率化で時短                           (ゴルフ場.113人)
■週休2日を5パターンの連休で実施。配膳や調理場での簡単な盛りつけなど全員が手伝う (旅館業.45人)
時短事例の報告書
■時短取組リポート(その1)  <農業機械製造販売業・48人>
■時短取組リポート(その2)  <鉄スクラップ加工業・56人>
■時短取組リポート(その3)  <建設、不動産賃貸業・44人>









■製造工程にコンピュータを導入し、ばね製造の自動化を図る 目次に戻ります

・事業内容:各種精密コイルばね及び板ぱね設計製造
・従業員数:30人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=42時間)
    1か月単位の変形労働時間制を採用し、毎週日曜日、祝祭日、夏期休暇、年末・年始休暇、
    その他月ごとに1〜3回の土曜日を所定休日としていた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    毎週土曜日を所定休日とすることにより、完全週休2日制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化
   製造過程にコンピュータを導入し、ばねの材料となる束を機械にセットすれば、自動的
   に規定のばねを製造することがでさるようになった。
   このため、
   イ、タイマーをセットすることにより4時間の無人化操業が可能になった。
   ロ、また、生産速度を正確に可変できるようになったため、ばねの精度も向上し、従来は1
    ミリ単位の誤差であったものが100分の1ミリ単位の誤差になった。







■営業、事務、梱包の各分野で効率化を追求し時短 目次に戻ります

・事業内容:ポリエチレン袋、ビニール袋の加工販売
・従業員数:25人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    月2回週休2日制を実施していた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化、業務の改善
  イ、営業部門においては、顧客に同社のカレンダーを配布し、休日の周知を図った。また、
   連絡を密にし、ムダな時間をなくすために、自動車電話や携帯電話を導入した。
  ロ、事務部門ではコンピュータ化を進めたほか、ソフト会社の協力を得て自社のソフトを開
   発し、事務処理の短時間化を図った。
  ハ、梱包部門では、必要最小限の梱包を研究し、従来2人で行っていた作業を1人で実施す
   ることとした。







■社内ではOA化、一方ワープロの無料貸出による入力作業の外注化などで週休2日制実現 目次に戻ります

・事業内客:印刷業
・従業員数:21人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    隔週週休2日制を実施していた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化、業務の改善方法
  イ、ワープロ、電子編集機各5台、オフセット印刷機を購入し、OA化によって省力化を推
   進した。
  ロ、ワープロを無料貸与し文字入力作業を外注した。
  ハ、納期の遅れを防止するため、毎日社員全員こよる進捗状況ミーティングを実施した。








■高性能オフコンの導入で、財務管理、原価管理、経理業務の省力化 目次に戻ります

・事業内容:総合工事業
・従業員数:74人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    月2回週休2日制を実施していた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。なお、やむを得ず休日を振り替える場合においても、必ず
   月8回の休日が確保されるようにしている。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化
   高性能オフイスコンピュータを導入し、財務管理、原価管理及び経理業務の省力化を図
   るとともに、給料支払い等の人件費管理業務も省力化した。同コンピュータは処理スピ
   −ドが速く、処理時間の短縮が図られたほか、対応できる業務範囲が広範になった。
   このため、
   イ、迅速な見積もりや受注が可能となったほか、下請発注や資材の手配・管理も迅速か
    つ正確に行うことができるようになり、工事全体の業務効率化が図られるとともに、
    工事量の増大への対応が可能になった。
   ロ、魅力ある職場環境により、優秀な若者を確保できるようになった。
   ハ、休日の増加に伴い、緻密な工程管理を進めることができ、仕事全体の集中力が高め
    られた。








■実行予算単価基準の設定や工程管理の合理化で時短を実現 目次に戻ります

・事業内容:住宅建築、道路舗装、上下水道工事等
・従業員数:32人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    隔週週休2日制を実施していた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。

(2)労働日寺間短縮のための業務方法の改善
  イ、実行予算単価基準を設定し、誰でも同じ実行予算が組めるようにした。
  ロ、施工計画段階で、いつ誰が何を行えばよいかという計画を明確にし、それをうまく管理
   する仕組みをつくることによって、不十分な計画による工期の遅延が生じないようにした。
  ハ、作成された施工計画に対する実行予算消化状況進捗状況やその問題を誰がみてもわかり
   やすい対策がとれるような、目で見て分かる工程を作成し、また、施工中のトラブルや計
   画変更が生じた場合の情報伝達方法、伝達ルート、処理方法についてのルールと運用体制
   を作った。








■事務作業に喰われる監督者に事務アシスタントを付けて現場管理を効率化 目次に戻ります

・事業内客:下水道など土木工事
・従業員数:24人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    月2回週休2日制を実施していた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化
   5人の監督者に代わって事務作業を代行する3人のアシスタントをつけ、監督者の事務
   作業を軽減した。








■店舗別、商品群別の台車の製作で、配送センターと店舗間の配送効率化が実現 目次に戻ります

・事業内容:トラック運送業(保冷車を主とする食料品の運搬)
・従業員数:56人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化、業務の改善方法
  イ、車両に台車を直接積み込むことができるよう、各車両にバワーゲート(荷台用リフト)
   を装備したほか、軽量でかさばる荷物用に、低床式の特殊車両を導入した。
  ロ、店舗別、商品群別の台車を製作して、配送センターか5店舗まで直接配送するように
   した。
  ハ、顧客や配送センターとの連絡を密にし、交通渋滞や車両故障時のロスタイムを削減で
   きるよう自動車電話を設置した。








■荷主や同業者の協力で週40時間制へ 目次に戻ります

・事業内容:一般貨物自動車運送業
・従業員数:18人

(1)労働時間制度の改善方法
   1か月単位の変形労働時間制を導入し、週40時間労働制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の改善方法
  イ、休日の発送は早めに依頼を受けるほか、緊急時には同業者の協力を得ることとした。
  ロ、荷主に対し、協力要請を行い、長距離輸送を県内輸送に切り換えた。
  ハ、労働時間短縮に伴い、歩合給を減らし、労働者の賃金を固定化した。








■可搬式の小型端末機の導入で営業の発注、棚卸しの効率化を図る 目次に戻ります

・事業内容:ペット用品総合卸売
・従業員数:34人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    変形労働時間制を採用し、毎週日曜日を休日とするほか、土曜日も月1回のみの出勤
   とした。土曜日は従業員を4グループに分け、年間カレンダーで1グループだけ出勤さ
   せている。なお、1日の所定労働時間は7時間30分である。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化
  イ、小型フォークリフトを導入し、倉庫の入荷出荷作業を迅速化した。
  ロ、コンピューターの可搬式の小型端末機を11台導入して営業社員に配布し、毎日の発
   注作業と毎月の棚卸し作業を省力化した。
    このため、毎年2名程度の優秀な大卒新卒者を採用できるようになったほか、休日増
   加により従業員のモラールが向上し、出勤率の向上につながった。








■顧客管理業務の1.5倍のスピードアップなどの改善で時短に取り組む 目次に戻ります

・事業内容:肥料の販売
・従業員数:227人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=42時間)
    毎週日曜日のほか、各月最終土曜日以外の土曜日を休日としていた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化
  イ、東京本社及び秋田本社間に専用電話回線を2回線設置し、本社間の頻繁な通話に要す
   る手間を省力化した。
  ロ、営業社員各人の机に端末をセットし、顧客管理を営業社員が直接行うこととしたため、
   顧客管理業務においてほぼ1.5倍のスピードアップが図られるとともに、より正確な
   管理が実現できた。
  ハ、2年分の休日カレンダーが掲載されている会社手帳を、全従業員及び取引先など外部
   にも配布した。








■LANによる診療と調剤、検査、処置などの作業を並行管理のほか時差勤務を導入 目次に戻ります

・事業内容:総合病院
・従業員数:176人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    4週6休制を採用していた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化、業務の改善方法
  イ、コンピュータの院内ネットワークシステムを導入して、診療上の措置、指示等を入力
   し、LANによって関連部署にリアルタイムで配信し、調剤、検査、処置などの作業を
   診療と並行して実施できるようにするなど、事務処理の効率化を図った。
  ロ、各部門において時差出勤を導入し、繁忙時間帯にスタッフを集中配置した。
  ハ、職員の多職能化を図り、要員不足の部署に、臨時に要員配置できるようになった。
  ニ、看護婦全員で行っていた日勤夜勤申し送りを代表者のみによることとするなど、業務
   の簡素化を図った。

(3)時短実施上の問題点と時短の効果
   問題点としては、対人サービスであり、機械化等合理化がなじみにくいことや時短のた
  めに職員(特に看護婦)の増員募集に応募者が少ないこと等の問題がありました。
   時短による労働条件の向上により、退職率が2年前の27%から半減しました。
   看護婦不足で入院ベットの稼働率が悪かったのですが、人員が確保でき、フル稼働でき
  るようになるとともに、患者対看護職員数で評価される看護料収入体系でも高水準の成績
  となりました。
   夜勤時間数の減少で、職員の健康管理の改善が図られました。
   職員の研修等による質的向上が図れ、各職員が効率を念頭において働くようになるなど、
  モラールが向上しました。








■コース管理部門の効率化で時短 目次に戻ります

・事業内容:ゴルフ場
・従業員数:113人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    コース管理部門については、1か月単位の変形労働時間制を実施し、事務部門につい
   ては1日の所定労働時間が7時間であった。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    コース管理部門については、4週8休の4週単位の変形労働時間制を実現し、事務部
   門については所定労働時間を6時間40分とした。

(2)労働時間短縮のための業務の効率化
   小回りのきく小型ショベルと、悪路に強い4WD軽4輪トラックを導入し、コースの補
  修・管理が多少の悪天候でも可能となったため、コース管理部門の作業効率が上昇した。








■週休2日を5パターンの連休で実施。配膳や調理場での簡単な盛りつけなど全員が手伝う 目次に戻ります

・事業内容:旅館業
・従業員数:45人

(1)労働時間制度の改善方法
  イ、短縮前の労働時間制度(週平均所定労働時間=44時間)
    隔週週休2日制を採用していた。
  ロ、短縮後の労働時間制度(週平均所定労働時間=40時間)
    完全週休2日制を実現した。なお、休日は「日・月」「月・火」「火・水」「水・木」
   「木・金」の5パターンの連休とし、業務の繁忙な土曜日は全員出勤としており、セクシ
   ョンごとに3人単位のグループに分け、3分の1ずつ交替で休むこととした。

(2)労働時間短縮のための業務の改善方法
  イ、最も手間のかかる清掃作業を見直し、標準作業時間をもとにマニコァルを作成した。
  ロ、各セクションの応援体制として、調理場での簡単な盛りつけや食堂での配膳なとは、顧
   客の多い時には全員で手伝うこととした。
  ハ、夏休みや冬休みなどのシーズン中は、学生アルバイトを中心にバートタイム労働者の増
   員で対応することとした。
    このため、従業員の定着化が図られるとともに、募集に当たっては、新規学卒者の応募
   が増加した。







■製品の移動を機械化して時短を実施 目次に戻ります

・事業内容:段ポール箱なとの製造、パッケーシ関連商品の企画販売
・労働者数:57人

・時短の内容:週44時間から42時間へ短縮

・時短実施上の問題点
 多品種少量生産をしなければならないため、直接生産に寄与していない部分を合理化し
 なければならないこと及び受注産業であるため取引先との関係で一方的に休日設定がで
 きないことが問題でした。

・省力化投資
 製品移動の無人化を図るため自動搬送機を2台設置しました。従来、工程間の製品移動
 に専任の運転手2名によるフオークリフトを用いていましたがこれが不要になり、他の
 作業に配置転換できました。
 また、自動化により製品の滞留がなくなり作業の進行が円滑になりました。

・時短の万式
 当社では1990年から5か年計画で時短を進めており、従来第1・3土曜日を休日と
 していましたが、取引先の理解を得てさらに第2土曜を休日とするとともに夏季休暇を
 1日増やし、年間の休日を13日増やしました。こうして週所定労働吋間を2時間短縮
 しました。

・時短の効果
 自動搬送機の設置で、従来製品を従業員が手で持ち上げていた作業がなくなり疲労が少
 なくなるとともに、労働環境の向上により従業員の定着が良くなり、また、若い社員を
 4名採用することができ社内に活気が出てきました。








■おしぼり整列結束機3台を導入して時短を実施 目次に戻ります

・事業内容:貸しおしぼり業
・労働者数:48人

・時短の内容:週45時間から40時間へ短縮

・時短実施上の問題点
 月給制でない労働者が多く、休日の増加、残業の減少で所得の減少が懸念されました。
 また、省力化投資のおしぼり結末機が高額であり、資金面での問題がありました。

・省力化投資
 当社の業務に合ったおしぼり結束機3台を導入しましたが、これは作業者の意見を取り
 入れた特注品であり操作性、安全性に優れたものとなり非常に省力化の効果がありまし
 た。また、従来の作業は重労働でしたがこの装置の導入によ軽易な作業になるとともに、
 操作が容易であり熟練を要しなくなったため、この部署に当てる従業員を必要に応じて
 配置転換することができるようになり、作業全体の合理化・効率化が図れました。

・時短の方式
 完全週休2日制を実施し、一挙に週所定労働時間を5時間短縮しましたが、当社にはパ
 ートなど月給ではない労働者が多数おり、勤務日数や残業時間数の減少による所得減少
 を防止するために賃金の引上げを併せて実施しました。

・時短の効果
 従業員のモラールが向上し、定着率も向上しました。









■自動金属プレス機、メッキ乾燥装置を導入して完全週休2日制を達成 目次に戻ります

・事業内容:プレス、メッキ等による袋物の口金製造
・労働者数:73人

・時短の内容:週44時間から40時間へ短縮

・時短実施上の問題点
 省力化投資による新設備も全工程の改善の一部でなければ、作業の流れに滞りができて
 時短に結び付かなくなるので、作業改善と機種選定に難しさがあることが問題でした。

・省力化投資
 当社ではメッキされた製品を乾燥する作業は、従来3工程を4人で行っていましたが、
 これを1工程1人でできる純水乾燥装置、水処理ユニットにしました。また、3台の金
 属プレス機に1人すつついて行っていたプレス作業が、自動プレス機を導入して材料交
 換のみをすれば良くなりました。
 これにより3人を他の部署に配置換えできました。

・時短の方式
 当社では平成5年から「5か年経営計画」により経営改善に努めていますが、その一環
 として時短に取り組みました。また、時短に当たっては新設備の導入に合わせて他の工
 程に滞りが発生しないよう作業手順、人員の配置なとのシミュレーションを行い改善す
 るとともに、新設備の機種選定も慎重に行う必要がありました。当社は中小企業ですが、
 大企業の下請けを行うものではないので、独自の生産計画・時短計画を立てることがで
 きました。
 当社は従来隔週週休2日制で週所定労働時間44時間でしたが、完全週休2日制とし、
 週所定労働時間を40時間としました。

・時短の効果
 4人の短大、高校の新規学卒者の採用など優秀な人材の確保ができるとともに、従業員
 の生産性・コスト意識の高揚が図れました。










■新型クレーン車を導入し、元請け企業の協力を得て週40時間制を達成 目次に戻ります

・事業内容:送電線鉄塔工事、電気通信工事なとの電気工事業
・労働者数:36人

・時短の内容:週44時間から40時間へ短縮

・時短実施上の問題点
 時短については、従業員、取引企業、元請け企業とも理解し、協力をしてくれたので、
 問題点としては時短による生産性の低下のみでした。

・省力化投資
 建設用資材の積込み、積卸し等の作業を省力化する新型のクレーン付きトラックを2台
 導入しました。これにより、資材の運搬等が安全で効率的になりました。

・時短の方式
 当社の作業現場は多くの場合山間部であるため、従業員は家庭を離れ現場近くの寄宿舎
 で生活することが多くなります。会社としては休日を増やして少しでも家庭に戻る機会
 を増やす必要がありました。また、工事の発注者や元請け業者は大手企業で時短が進ん
 でおり、また工事の推進も長期計画的に実施されているので、当社の労働時間短縮や作
 業の計画的な実施に理解があり協力を得られました。
 なお、元請け企業の協力会社で組織した協力会には労務研究会も組織されており、ここ
 での勉強や協力により時短の推進でも足並みを揃えることができました。
 時短は隔週週休2日制であったものを完全週休2日制として、週所定労働時間40時間
 を達成しました。従業員は全員月給者であり、時短による所得減はありませんでした。

・時短の効果
 時短により、若い技術者の新規採用と既雇用者の定着が図れました。
 従業員は家族とともに過ごす機会が増えるなどにより、より一層モラールが向上しまし
 た。








■時短取組リポート(その1) 目次に戻ります

(1)業種・事業内容 一般機械器具製造業(特殊農業機械製造販売業)
(2)労働者数    男40人 女8人 計48人

(3)そ の 他   当社はトレンチャーのパイオニアであり、またトレンチャ−
           の総合専門メーカーとして数多くの特許を有し、国内外で高
           く評価されている一方、根菜類の栽培用機械や収穫用機械を
           製造し、日本の農業の近代化に貢献しています。今、国から
           農業の国際化に対応できる新しい農業機械の開発製造を要請
           され、当社の活躍が期待されているところであり、研究開発、
           生産、販売の各部門で期待に応えるべく努力しています。
 <労働時間等の現状>
(1)所定労働時間 1週40時間・1日8時間
(2)所定休日   完全週休2日制(一部変形制)
          年間休日日数121日

 <時短への取組>

(1)時短実施の動機・目的
    当社が時短に取り組んだ背景としては、将来の展望に立って、時短実施に出
   遅れた場合、会社は将来性に乏しくなるとの社長の考えで、社員組合の協力を
   得て真剣に取り組んだのが発端です。

(2)時短実施に至るまでの経緯
   〇昭和62年           週44時間 年間休日数 94日
   〇昭和63年           週43時間 年間休日数100日
   〇平成元年            週42時間 年間休日数106日
                    (1日7時間40分)
   〇平成3年            週41時間 年間休日数112日
                    (1日7時間50分)
   〇平成5年            週40時間 年間休日数120日
                    (1日8時間)
           ゴールデンウィークの連続休暇を3日から5日に増加

   〇平成8年                  年間休日数121日

    労働基準法の改正による時短経過措置を尊重し、まず休日を増加することか
   ら着手しました。社員組合とも協議を重ね、企業から見た場合の推進方法、ま
   た、労働者から見た場合の推進方法を検討し、段階的に無理のない方法を採用
   することとしました。

(3)時短実施のための創意工夫・努力等
    取引先や客先には年度毎に増えた休日表(カレンダー)をあらかじめ配布し、
   周知を図って時短への協力を求めました。

(4)時短実施によって発生した問題点及びその解決策
    休日を増やすことにより、取引先や顧客に対するサービスの低下などの影響
   や絶対作業時間の減少による生産の減少、パートタイム労働者の所得保障のた
   めの補償をどうするかなど今まで経験したことのない諸問題が浮上しました。
    「時短、休日増加をしたために生産性が低下した」のでは経営上許されない
   ことは言うまでもありません。これらの点をそれぞれの部門で解決すべく全社
   員が工夫改善に取り組みました。
    最も大きな問題は顧客へのサービスでした。
    特に農業機械はシーズン性が高く、機械の供給時期と農家の使用時期には休
   日出勤で対処してきた経過があります。休日増加は、これらのサービスに逆行
   することであり、なかなか顧客の同意を得られません。
    そこで、5年計画で時短を段階的に実施し、顧客の理解を求め大きな問題も
   発生せず目的を達成できました。
    社内各部門においても生産性を維持しての時短達成は大変難しかったのです。
   少品種大量生産なら設備の改善でかなりの成果が期待できますが、当社の製品
   は多品種少量生産の代表格であり、設備の改善ではそれほど効果が期待できま
   せんでした。
    最も重要なことは従業員の「意識の改革」でした。意識が変われば自らそれ
   ぞれの職場で時短対応の工夫改善が実現されると確信しました。

(5)時短の効果
    時短の効果について考察すれば
   イ 休日の増加によって従業員の週末の余暇活動が期待され、生活上の「心の
    ゆとり」が持てるようになりました。
   ロ 週5日間で、今までの仕事をこなすという意識が旺盛になり、職場に活気
    が溢れています。
     したがって、従来よりも計画的に業務をこなすようになりました。
   ハ 家族とのコミュニケーションがよくなり、家庭生活が充実しました。

(6)今後の課題
    外勤営業担当部門は、顧客第一の観点から計画通りの休日が未だ実行できな
   いこともあり悩みとなっています。このことは時間をかけて日本全体で時短が
   実現されることにより解決できるかもしれない今後の課題です。







■時短取組リポート(その2) 目次に戻ります

(1)業種・事業内容 鉄スクラップ加工処理業
(2)労働者数    男47人 女9人 計56人

 <労働時間の現状>
(1)所定労働時間 1週40時間・1日8時間
(2)所定休日   完全週休2日制(ただし、祝日のある週の土曜日は出勤)
          年間休日日数125日

 <時短への取組>

(1)時短実施の動機・目的
    当社の時短導入の取り組みは平成元年度からですが、それまでの休日は毎週
   日曜日、祝祭日、夏期休暇6日、年末年始5日及び社内旅行1日の合わせて7
   8日でした。
    既に大企業及び銀行などは週休2日制が導入されており、また同規模企業で
   も他業界においては土曜半日制度がかなり普及していました。当業界の労働条
   件は休日の面においても立ち遅れていたことは否めない事実でした。当時、当
   社の社長は社団法人日本リサイクル工業会の理事、近代化委員長を務めており、
   労働条件改善の必要性を強く感じていたところであり、手始めとして自社の時
   短に取り組むこととしました。

(2)時短実施に至るまでの経緯及び時短実施のための創意工夫・努力等
   〇昭和63年  年間休日数78日
   〇平成元年   男月1回、女月2回の週休2日制の実施(適用除外月あり)
   〇平成2年   月2回週休2日制実施(適用除外月あり)
   〇平成3午   月2回週休2日制実施(適用除外月ない)
   〇平成4年   完全週休2日制を実施
   〇平成5年   週40時間    年間休日数125日
           (1日8時間)

    平成元年は、男月1回、女月2回週休2日制(土曜日休日)とし、ただし1、
   5、7、8月は適用除外としました。対外的には土曜日は、全て営業日として
   いるためローテーションを決めて交代で休みをとることとしました。
    各営業所の所属員数は規模に応じて7名から12名となっていますが、土曜
   日には操業に必要な最小限の人員に絞って出勤させ顧客に対応しました。一方、
   ギロチンシャーリング及び天井クレーン(鉄スクラップ加工処理に不可欠な機
   械設備)のリプレースによる能力増強と省力化を図るとともに、事務部門にお
   いても3世代目のコンピューターの更新を図ることで時短導入の体制を整えて
   行きました。
    平成2年度には、男女ともに月2回の土曜日休日としましたが、男性につい
   ては、前年同様に適用除外月を残すこととしました。なお、当社の就業時間は
   8時から17時で休憩1時間となっていますが、女子社員については9時から
   17時と男性に比べ1時間短縮されています。また、この年の3月から誕生日
   休暇を制度化し、お祝金に添えて社長の署名入りの書状を送り、それぞれの休
   暇を有意義に過ごすことにより明日へのエネルギーをリフレッシュしてもらう
   こととしました。
    3年目の平成3年度には、男性に残っていた適用除外月を撤廃して男女とも
   に月2回の週休2日制が確立されました。また、業界においても法規制とあい
   まって時短の気運が高まり、業界団体の申し合わせによって第2土曜日が一斉
   休業日となったこともあり、当社は9月から月3回の週休2日制を実施するこ
   ととしました。
    平成4年度には、9月から完全週休2日制を実施しました。この年、業界で
   は次のステップとして第2土曜日のほか第3土曜日も一斉休業日とすることを
   申し合わせ、実施に移したことによるものです。当社は年度の途中からではあ
   りますが、「週40時間」体制をクリアーすることができた訳です。
    平成5年度は、初めて年間を通しての完全週休2日制となり、年間休日日数
   は125日に達しました。

(3)時短実施によって発生した問題点及びその解決策
    我々の商売はスクラップを運んでくれるお客様、すなわち回収業者の方々が
   スクラップを運んでくれなければ商売は成り立たない訳で、当社だけ勝手に土
   曜日を休日にすることはできません。またさらに従来からの業務量を時短の中
   で消化していくためには、処理機械の能力増強及び省力化を図らなければ不可
   能なことであり、また事務処理においてもしかりです。
    これら種々の条件を満たして行くためには一気に完全週休2日制に移行する
   ことはできませんでした。
    当社の時短導入は経営トップの意向によりスタートしたものですが、当初は
   中間管理職層から不満が続発しました。つまり、時短の中で従来の業務量を消
   化することには無理がある、小人数の作業には個々人に負担がかかるなどの理
   由で、公休日としたはずの土曜日に、これは現場社員だけですが、平常どおり
   出勤するなどで休日出勤の割増賃金が大きく膨脹してしまったこともありまし
   た。

(4)時短の効果
    週休2日制と誕生日休暇の導入により、5年間で48日の休日増を図ったこ
   ととなりますが、そのことが若手社員の採用をより有利にしたことは勿論です。
   初めは休日の増加に戸惑いを見せた中高年社員も徐々に休日の有効活用による、
   ゆとりのある生活を浸透させているようです。
    また、時短は時代の趨勢ではありますが、我々中小企業が休日の面において
   は大企業並に追いつくことができ、社員の意識の高揚をより図ることができた
   と自認しています。

(5)今後の課題
    現在、当社の年間労働時間数は男性1,920時間、女性1,680時間で
   すが、当面の目標は、男性の所定内労働時間を1,800時間以内とすべく、
   さらに創意工夫を図って行きたいと考えています。











時短取組リポート(その3) 目次に戻ります

(1)業種・事業内容 総合建設業、不動産賃貸業
(2)労働者数    男34人 女10人 計44人


 <労働時間の現状>
(1)所定労働時間  1週40時間・1日8時間
(2)所定休日    完全週休2日制(ただし、祝日のある土曜日は出勤)
           年間休日日数118日

 <時短への取組>

(1)時短実施の動機・目的
  イ、社員の生活のゆとりにより、人間の幅を大きくすること
  ロ、社員の定着化、中途採用、新入社員の確保に有利であること

(2)時短実施に至るまでの経緯、時短実施のための創意工夫・努力等
   〇昭和61年   月1回週休2日制(土休)実施
   〇昭和62年   月2回週休2日制(土休)実施  年間休日数 81日
   ○平成3年    完全週休2日制を実施週40時間 年間休日数113日
            (祝日のある週の土曜日は出勤)
   〇平成8年                    年間休日数118日

    昭和61年に第一歩を踏み出したとき、現場はなかなか困難であったため、
   とりあえず土曜日出勤の場合は交代で代休を取ることから始めました。
    業者には通知を出したにもかかわらず電話が頻繁にかかってきて、留守電に
   していましたが重要なことや緊急の用件があると困るので交代で出勤していた
   時期もありました。
    協力業者への月2回の支払いは各現場から一斉にきて400〜500通にも
   なります。これを手作業でやると日数がかかり大変でした。そこで、昭和62
   年には経理部門のOA化によりもう一歩前進して週休2日を月2回にしました。
   幸い女子社員がよく勉強をして早く慣れてくれたので大いに成果が上がりまし
   た。
    当社の時短への対処の最大の武器はOA導入で、これにより現場とのチェッ
   ク、過去の計数調査もキーをたたくだけででき、部門間で二重になっていた事
   務も一本化され、現場関係でも「計画的に段取り八分」を励行し、事故防止と
   効率化につながりました。
    また、その頃、社内にBGMを流し、建築会社の男社会のムードを少しでも
   ソフトにして業務の効率を上げる一助としました。
    平成3年には完全週休2日制(祝日のある土曜日は出勤)を実施しました。
   当時は好景気で中小企業も大手に近い労働条件でないと新規採用が難しい状況
   でした。

(3)今後の課題
    今後の検討課題は、第1に建築工期の問題があります。官公庁の工期からま
   ず始めて民間にも広げて納得してもらうようにする必要があります。
    第2には職人さんが日給月給の場合がまだ多く、天候に左右されるために土
   曜日の稼働がまだあります。当社としてもまだ、祝日のある週の土曜日は出勤
   なので、可及的早期に完全土日休みの完全週休2日制を取り入れ時短を進めた
   い。

(4)特記事項
    さて、当社の“ゆとり”の最大のものは本社が美術館の中にあることです。
   新社屋の竣工が平成4年11月10日の社長の誕生日に行われましたが、その
   外観と内部レイアウトのあそびが“ゆとり”につながったのではないかと思い
   ます。外観は赤御影を積み上げセゴビァ城の様で、2階はギャラリー、地下の
   社員食堂はアフターファイブはピァノバーに変身して顧客や地域の力との触れ
   合いの場となることもあります。
    2つ目は、本社近くに社員娯楽部とワンルームの独身寮を合わせた家を購入
   したことです。
    3つ目は、ハワイオァフ島にコンドミニアムを購入し社員の福利厚生施設と
   して使用していることです。「いつでも好きな時期に、仲間同士あるいは家族
   でバカンスを楽しみなさい。」という社長の配慮です。
    毎年1回のフレッシュバカンス「ハワイ」4泊6日の費用は会社負担で、年
   次有給休暇とは別にハワイ研修休暇とし時短の一環となっています。