自動車運転者の労働時間管理

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これだけでパーフェクト寸前! トラック運転者の労働時間管理


改善基準・平成9年4月1日現在


適用される人
●自動車の運転者で、給料を貰っている人
●三輪車・二輪車(バイク)は除かれる
●自家用トラックでの配達も労働者が行う場合は、適用。商店の配送車も適用(社長には適用がない)
●主の業務が運転でない人には適用されない(建設重機のオペレータなど)
●道路を走行する四輪以上の自動車に適用



項目 改善基準の内容 ちょっと、+説明
拘束時間 一ヶ月293時間
(労使協定があるときは、1年のうち6ヶ月までは320時間まで延長が可能です−−但し、年間拘束時間が3,516時間を超えない範囲で。)
一日 原則 13時間
    最大 16時間(15時間超えは1週2回まで。)
・手待ち時間も労働時間です。(荷の積込みのための待機時間など。)
・休憩時間は拘束時間に入るが、労働時間ではない。
・3,516時間とは、293時間×12ヶ月の意味があります。
・1ヶ月は、締め日から締め日前日まで考えます。
・一日とは、始業から連続する24時間をいう。
休息期間 継続8時間以上 ・休息期間は、拘束時間から次の拘束時間までの自由時間です。
・休息期間の原則は、11時間となります。(24時間−拘束13時間)
・継続8時間以上の意味は、最大拘束16時間に対応したものですから、毎日8時間の休息を与えれば可という訳ではありません。
特例/休息期間 業務の必要上やむを得ない場合に限り、当分の間、1回4時間以上の分割休息で合計10時間以上でも可。(一定期間における全勤務回数の2分の1までが限度。) ・分割休息は例外取扱ですから、条件を遵守する必要があります。
・一定期間とは、最高でも2ヶ月までとされています。
特例/2人乗務 一日 20時間
二人乗務(ベット付き)の場合、最大拘束時間は一日20時間まで延長でき、休息期間は4時間まで短縮できる。
・1ヶ月の拘束時間 293(320)の制限は受けることに注意。
特例/隔日勤務 2暦日 21時間
2週間で3回までは24時間が可能。(夜間4時間以上の仮眠が必要)但し、2週間で総拘束時間は126時間までに制限されます。
勤務終了後、継続20時間以上の休息期間が必要。
特例/フェリー乗船の場合 乗船中の2時間は拘束時間として取り扱い、それ以外は休息期間とみなします。(減算後の休息期間はフェリー下船から勤務終了までの時間の2分の1を下回ることができません。) ・実務上、フェリー乗船最初の2時間を拘束時間にカウントし、残りを休息期間として取り扱います。
・この2時間を労働時間とみるか、休憩あるいは手待ち時間とみるかは、労使の定めるところによります。
運転時間 二日平均で  一日当たり   9時間
二週間平均で 一週間当たり 44時間
・運転時間は、2日、2週間を平均して計算します。2日で18時間まで/2週間で88時間まで、と考えていいでしょう。
・一方で、最大拘束時間が16時間であることから、実際には2日で14時間30分まで(運転離脱の30分が3回入るため)が運転時間の限度になります。
連続運転時間 4時間以内
(運転中の中断には1回連続10分以上かつ、合計30分以上の運転離脱が必要)
・運行計画は、4時間30分を一単位に作成するのがコツ。(運転時間4時間+運転離脱時間30分)
・高速道路も一般道路も取扱は同一です。
時間外労働 1日、2週間、1ヶ月以上3ヶ月、1年の各上限を労使協定で結ぶ。 ・1日の労働時間はあくまで、8時間です。運転時間が二日平均で一日9時間というのは、(法定労働時間の8時間+残業1時間)の意味を持ちます。
・基本的には、トラック事業は、時間外労働の労使協定がなければ改善基準による運行が違法になる場面が出てきますから、注意が必要です。
・労使協定があっても、運転時間の制限は延長出来ません。
休日労働 2週間に1回以内、かつ、1ヶ月の拘束時間及び最大拘束時間の範囲内で可能。 ・休日労働(残業を含む)は、1ヶ月に、293(320)時間から(1日の所定労働時間+休憩時間)×出勤日数を差し引いた時間が限度をなります。
・30日に月で休日が8日、1日8時間、休憩1時間の事業場の場合であれば、労働日が22日ですから、293(320)−(176+22)=95(122)時間が、時間外・休日労働の枠となります。
労働時間の取扱 労働時間は、拘束時間から休憩時間(仮眠時間を含む)を差し引いたもの。
事業場以外の休憩時間は仮眠時間を除き、3時間以内とする
休日の取扱 休日は、休息期間に24時間を加算した時間。(従って、原則32時間以上)
いかなる場合であっても、30時間を下回ってはならない。
・通常、休日は午前0時から24時までの24時間を指しますが、トラック運送は日をまたがっての仕事が多いために特例を設けたもの。
適用除外 ・公安委員会証明の緊急輸送(震災時など)
・火薬・高圧ガス・核燃料の危険物輸送等は、適用が除外されている
・石油タンクローリー等の運転を除く