32-08 基準日の統一をするとき、何に注意すればよいか 戻る
■ 労働者の採用日に応じて、個別管理が行うことができるのは規模の小さい企業に限られよう。実務上は年次有給休暇の付与において基準日を統一する必要性は高い。わが国の年休制度は、6ヵ月の継続勤務を一つの要件とするが、この場合の統一基準日の設け方が問題となる。
■ 基準日の統一において注意すべき点は以下のとおり。
■ 勤務期間の切捨てはもちろん、四捨五入も認められない。常に切り上げによって対応しなければならない。
■ 具体的には、統一基準日までの継続勤務の期間は、個々労働者の採用日によって最大6ヵ月(設けようとする基準日から見て、前日に採用された者、もあれば、6ヵ月近く前の採用者もあり得る。)の開きがある。基準日の統一とは、このケースでいう「前日に採用された者」に対しても、翌日の統一基準日から10日間の年休を与える(=勤務期間の切り上げ)ことによって対応しなければならない、ということである。 5ヵ月、6ヵ月前の採用日の労働者からは不公平との声も出そうであるが、当該労働者が法律上の権利を侵害された訳ではないから、統一基準日を設ける以上やむを得ないものである。
■ 基準日を統一した場合、その後の出勤率の算定は全員について統一基準日から向こう1年間で計算する。
■ 一旦決めた基準日を変更する場合も、常に労働者に不利益にならない方法でのみ可能であるから注意する。(1月1日の起算日を単純に当年の4月1日に変更することは違法となる。)