パートタイム労働・指針
■HOMEPAGE
■640/480
事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針
第1 趣 旨
この指針は、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第3条第1項の事業主が講ずべき適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善(以下「雇用管理の改善等」という。)のための措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。
第2 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置
事業主は、短時間労働者について、労働基準法(昭和22年法律第49号)、最低賃金法(昭和34年法律第137号)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)等の労働者保護法令を遵守するとともに、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して労働条件を定めるべきであるが、特に、次の点について適切な措置を講ずるべきである。
1 短時間労働者の適正な労働条件の確保
(1) 雇入通知書の交付
事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、賃金、労働時間その他の労働条件に関する事項を明らかにした文書(雇入通知書)を交付するように努めるものとする。ただし、当該労働条件が労働契約の締結を書面で行うことにより、又は就業規則を交付することにより明らかにされている場合は、この限りでな い。
(2) 就業規則の整備
イ 短時間労働者を含め常時10人以上の労働者を使用する事業主は、労働基準法の定めるところにより、短時間労働者に適用される就業規則を作成するものとする。
ロ 事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。
(3) 労働時間
イ 事業主は、短時間労働者の労働時間及び労働日を定め、又は変更するに当たっては、当該短時間労働者の事情を十分考慮するように努めるものとする。
ロ 事業主は、短時間労働者について、できるだけ所定労働時間を超えて、又は所定労働日以外の日に労働させないように努めるものとする。
ハ 事業主は、短時間労働者を所定労働時間を超えて、又は所定労働日以外の日に例外的に労働させることがある場合には、雇入れの際、当該短時間労働者に対して、所定労働時間を超えて、又は所定労働日以外の日に労働させることがある旨及びその程度を明示するように努めるものとする。
(4) 年次有給休暇
事業主は、短時間労働者に対して、労働基準法の定めるところにより、所定の日数の年次有給休暇を与えるものとする。
(5) 期間の定めのある労働契約
イ 事業主は、期間の定めのある労働契約の更新により1年を超えて引き続き使用するに至った短時間労働者について、労働契約の期間を定める場合には、当該期間を1年を超えない範囲内でできるだけ長くするように努めるものとする。
ロ 事業主は、期間の定めのある労働契約の更新により1年を超えて引き続き短時間労働者を使用するに至った場合であって当該労働契約を更新しないときは、少なくとも30日前に更新しない旨を予告するように努めるものとする。
(6) 賃金、賞与及び退職金
事業主は、短時間労働者の賃金、賞与及び退職金については、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとする。
(7) 健康診断
事業主は、常時使用する短時間労働者については、労働安全衛生法の定めるところにより、健康診断を実施するものとする。
2 短時間労働者の教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善
(1) 教育訓練の実施
事業主は、短時間労働者の職業能力の開発及び向上等を図るための教育訓練については、その就業の実態に応じて実施するように努めるものとする。
(2) 福利厚生施設
事業主は、給食、医療、教養、文化、体育、レクリエーション等の施設の利用について、短時間労働者に対して通常の労働者と同様の取扱をするように努めるものとする。
(3) 育児休業に関する制度等
事業主は、短時間労働者について、育児・介護休業法の定めるところにより、育児休業に関する制度その他の必要な措置を講ずるものとする。
(4) 雇用保健の適用
事業主は、雇用保険の被保険者に該当する短時間労働者について、雇用保険法(昭和49年法律第116号)の定めるところにより、必要な適用手続きをとるものとする。
(5) 高年齢者の短時間労働の促進
事業主は、短時間労働を希望する高年齢者に適当な雇用の場を提供するように努めるものとする。
(6) 通常の労働者への応募機会の付与
事業主は、通常の労働者を募集しようとするときは、現に雇用する同種の業務に従事する短時間労働者であって通常の労働者として雇用されることを希望するものに対し、これに応募する機会を優先的に与えるように努めるものとする。
3 所定労働時間が通常の労働者とほとんど同じ労働者の取扱い
事業主は、所定労働時間が通常の労働者とほとんど同じ短時間労働者のうち通常の労働者と同様の就業の実態にあるにもかかわらず、処遇又は労働条件について通常の労働者と区
別して取扱われているものについては、通常の労働者としてふさわしい処遇をするように努めるものとする。