女子の時間外・休日、深夜業の規制(1999.3.31まで)


■HOMEPAGE
■640/480


<目次>
1999.4.1より改正労働基準法が実施されます。以下の女子保護規定は廃止されました。
「新しい女性労働の法制」のページを参照してください。


(参考=旧規定)
■女子は「時間外労働、休日労働」でどのような制限を受けているか
■女子の深夜業の制限はどうなっているか

















■女子は「時間外労働、休日労働」でどのような制限を受けているか
 目次に戻ります

 
 時間外労働、休日労働の規制(労働基準法第64条の2関係)

  使用者は、満18歳以上の女子を
(1)工業的事業に従事するものについては、「1週6時間」、「年間1
   50時間」を超えて時間外労働をさせ、又は休日労働をさせること
   ができない。
(2)非工業的事業に従事するものについては、命令で定められた範囲を
   超えて時間外労働又は休日労働をさせることができない。

(3)労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者
   又は専門的な知識若しくは技術を必要とする業務に従事する者で、
   命令で定めるものに該当する者については、上記の規制は適用され
   ない。


  ※使用者が、労働者に法定労働時間を超えて時間外労働をさせ、又は
   法定休日を超えて休日労働をさせる場合には、労働基準法第36条
   の協定の締結と届出が必要です。

(事業ごとの規制内容)
 18歳以上の女子については、事業ごとに、以下の規制が適用になりま
す。

  労基法8条 事業 時間外労働の上限 休日労働
      週を単位の規制 年間規制  
工業的業種 1号〜5号 製造業、鉱業、建設業、運輸交通業、貨物取扱業等 1週6時間(注) 150時間 禁止
非工業的業種 6号、7号 農林水産業等 林業 4週36時間 150時間 4週に1日
      林業以外の事業 規制なし
  8号〜12号

15号〜17号
商業、金融広告業、映画演劇業、通信業、教育研究業、清掃と畜業等 4週36時間 150時間 4週に1日
  13号、14号 保健衛生業、接客娯楽業 2週12時間 150時間 禁止

(注)ただし、決算のために必要な業務については2週12時間。

※時間外労働・休日労働の規制の適用は、事業場単位で行われる。
即ち、同一の会社においても、本社、工場、営業所等の事業場ごとに
それぞれの事業の種類に応じて異なる規制が適用されることになる。
同一事業場で働く労働者に対しては、決算のために必要な業務の場合
を除き、業務の種類にかかわらず、同一の規制が適用される。



(労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者の範囲) 目次に戻ります

この範囲は、
「業務を遂行するための最小単位の組織の長である者又は職務上の地
位がその者より上位にある者で、労働者の業務の遂行を指揮命令する
もの」
と定められており、労働基準法第41条の「監督若しくは管理の地位
にある者」とは別の判断基準によるものですが、この「管理監督者」
を含むより広い範囲とされています。
 具体的には、部下を1名以上有し、その組織内の業務の遂行を把握
し、部下に対して仕事の割振り、仕事の進め方などを指揮命令する立
場の者を指し、単に同等の地位にある労働者の中の連絡役、世話役等
として命令の伝達を行うようなものは含まれません。


(専門的な知識又は技術を必要とする業務に従事する者の範囲) 目次に戻ります

専門的な知識又は技術を必要とする者として次の者が定められていま
す。

1 公認会計士 2 医師 3 歯科医師 4 獣医師 5 弁護士
6 一級建築士 7 薬剤師 8 不動産鑑定士 9 弁理士 
10 社会保険労務士
11 研究施設において、高度の科学的な知識を必要とする研究の業務
  に従事する者(いわゆる研究員)
12 情報処理システムの分析又は設計の業務に従事する者(いわゆる
  システム・エンジニア)
13 新聞又は出版の事業における記事の取材又は編集の業務に従事す
  る者(いわゆる新聞記者、編集者)
14 放送番組の制作のための取材又は編集の業務に従事する者(いわ
  ゆる報道記者)
15 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業
  務に従事する者(いわゆるデザイナー)
16 放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディ
  レクターの業務に従事する者

 1〜10までの国家資格職種については、その資格を有している者
がすべて対象になるのではなく、その資格に基づいて当該資格を必要
とする業務を実際に行っている者が対象となります。











■深夜業の規制(労働基準法第64条の3関係) 目次に戻ります


 使用者は、満18歳以上の女子を午後10時から午前5時までの間
において使用できない。
ただし、次の者については、この限りでない。

1 農林水産業、保健衛生業、接客娯楽業、電話の事業に従事する者

2 女性の健康及び福祉に有害でない業務で命令で定めるものに従事
 する者

3 労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者又は専
 門的な知識若しくは技術を必要とする業務に従事する者で、命令で
 定めるものに該当する者

4 品質が急速に変化しやすい食料品の製造又は加工の業務等で、そ
 の性質上深夜業が必要とされるものとして命令で定める業務に従事
 する者(1日の労働時間が通常の労働者より短いものとして命令で
 定める時間以内である者に限る。)

5 命令で定める事業に従事し、深夜業をすることを使用者に申し出、
 かつ使用者が行政官庁の承認を受けた者











(女性の健康及び福祉に有害でない業務の範囲) 目次に戻ります

 健康及び福祉に有害でない業務として深夜業の規制が解除されている
ものは、
1、公共の用に供する飛行場における旅客(航空運送事業に係るものに
 限る。)の取扱い又は航空機に乗り組むスチュアーデスの業務
2、女子寄宿舎の管理人の業務
3、映画の撮影の業務
4、放送番組の制作の業務
5、警察の業務
6、旅行者に同行して行う旅程管理業務
7、郵政事務Bの業務
8、航空運送事業の用に供する航空機の運航管理・運航・整備の業務
9、新東京国際空港における航空管制情報・航空管制技術の業務
10、消防の業務  の10業務。

 なお、飛行場における旅客の取扱いの業務には、例えば、貨物の取扱
いの業務や飛行場まで乗り入れているバスや電車等による運送事業に係
る業務は含まれない。





(業務の性質上深夜業が必要とされる業務の範囲) 目次に戻ります
業務の性質上深夜業が必要とされる業務として以下のものが定められ
ています。

1 そう菜、弁当、サンドイッチ、調理パン等の製造の業務
2 生めん類の製造の業務
3 かまぼこ、ちくわ等の水産練製品の製造の業務
4 卸売市場における水産物の仕分け、配列等の業務
5 新聞配達の業務

(1、2、3の業務については、缶語、瓶詰等長期間保存できるもの
の製造の業務は除きます。)
 深夜業が認められる者は、これらの業務に従事する者のうち、1日
の労働時間が6時間以下のものに限られます。





(本人の申出、行政官庁の承認により深夜業が認められる事業の範囲) 目次に戻ります

 ハイヤー・タクシーの運転者の場合、労働者が申し出て、使用者が
それに基づいて行政官庁(労働基準監督署長)の承認を受けることに
よって、深夜業の規制が解除されます。
 承認を受けようとする使用者は、深夜業承認申請書に、労働者が深
夜業に従事することを使用者に申し出たことや、深夜業に従事するこ
とを希望する時間及び期間を明示した書面を添えて所轄の労働基準監
督署長に提出することが必要です。なお、承認を受けることができる
労働者は運転者に限られます。