日本版401kと年金制度の再編

■HOMEPAGE
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日本版401k(確定拠出年金法)と確定給付型企業年金の
ポイントを理解しておこう




再編後の年金制度

個人年金など

 

国民年金基金

 

確定拠出(個人型)

 

確定拠出(企業型)

 

確定給付型企業年金

 

 

 

 

厚生年金

共済年金

国民年金(基礎年金)

自営業者など

被雇用者

公務員

専業主婦



確定給付型企業年金(税制適格年金・厚生年金基金)の再編
確定給付企業年金法6月8日成立(一部を除き平成14年4月1日施行)


現行

再編

特徴

 

厚生年金基金

税制適格年金

(新設不可。2012年度までに廃止し、「規約型企業年金」「基金型企業年金」等へ移行義務。)

→厚生年金基金

 

 

(確定給付型企業年金)

現行どおり。(但し、代行制度の取扱いが変わる)

→規約型企業年金

労使が合意した「年金規約」に基づき企業と信託・生保等が契約を結び母体企業外で年金資金を管理運用し、年金給付を行う。

→基金型企業年金

母体企業と別の法人格を持った「基金」を設立し、基金で年金資金を管理運用し、年金給付を行う。

(企業型)確定拠出年金

別掲のような特徴がある。

@ 厚生年金基金による厚生年金の比例報酬部分の代行給付を国に返上することなどを認める。
A 受給権保護を図る。
  企業の積立義務規制の強化・受託者責任の明確化−5年毎の財政再計算、年1回の退職給付債務の計算を義務付け、不足金があれば、掛け金の再計算かもしくは企業が不足分を補填しなければならない。(積立水準を満たさなければ、制度の解散・終了も不可)
  従業員には資産運用状況の情報開示を行う。





確定拠出型(401k)年金
日本版k401法案「確定拠出年金法」6月22日成立(平成13年10月1日施行)



 労働者の自己責任で運用。ポータビリティ。中小企業でも運用し易い。企業は年金資産の運用リスクから解放される、などの特徴がある。

 確定拠出型(401k)年金の特徴
加入対象者等 企業型・個人型の同時加入はできない。
公務員、専業主婦、国民年金3号被保険者=年収130万円未満のパートタイマー等は、企業型、個人型のいずれにも加入できない。

企業型

すべての民間企業で採用可能。
加入人数制限はない。(加入対象者は企業が決める)

個人型

自営業者・農業者(国民年金1号保険者で保険料支払者)
 1号被保険者は、確定給付型の国民年金基金にも加入できる。又双方加入も可である。
被雇用者では、厚生年金加入者で「企業型や厚年基金、税制適格、新設の確定給付型企業年金に加入しない者」が加入できる。

★(企業年金加入者は既に税制面で優遇されているためさらに税制優遇は必要ないとの考えに基づく。大方が企業年金を運用している大企業の従業員は事実上、個人型加入はできない。)
優遇税制を受けられる上限掛け金

 

被雇用者

 

自営業者

厚年基金、税制適格など他の企業年金と併用する場合

他の企業年金の併用がなく、新型年金のみの場合

企業型

18,000円

36,000円

加入できない

 

個人型

 

加入できない

      企業型のない被雇用者  15,000

     企業型ありの場合 加入できない

 

68,000円

(国民年金基金に同時加入する場合、その拠出額だけ上限は下がる)


★(年金制度全体の公平性確保を重視した結果、他の企業年金と併用した場合の上限が低いという問題が指摘されている。又、アメリカの401kを比較しても非課税枠は低い。参考:アメリカ:従業員枠年1万500ドル、労使合計枠で年3万ドル又は年間報酬の25%の低い方。)

★積立資産に課される特別法人税1.173%は2002年度まで凍結取扱いとなっている。
受給開始条件 受給開始年齢=60歳から70歳の間の任意の年齢。
 (60歳未満での受給開始はできない。70歳になると自動的に給付がはじまる。)
 但し、60歳で受給開始するには10年以上の加入期間が必要となる。

加入期間と受給開始年齢

 加入期間 

 受給開始年齢 

10年以上

60〜70歳

8〜10年

61〜70歳

6〜8年

62〜70歳

4〜6年

63〜70歳

2〜4年

64〜70歳

2年未満

65〜70歳

60歳未満で受給できる場合(例外)
 @加入者の重度障害、死亡。
 A加入期間3年未満の者が、制度加入ができない立場になった場合(この場合、希望すれば脱退一時金を受給できるが、全額課税対象。)
給付 給付は、「老齢給付金」が基本であり、一定要件の下に「障害給付金」「死亡一時金」の給付がある。
原則として年金(5年以上20年以下)で給付される。
 企業型は勤務先企業、個人型は国民年金基金連合会が認めれば、年金、一時金のいずれか又は併用受け取りが可能。
受給資格付与基準 企業型の場合「少なくとも3年勤続した者には持ち分の全額に対する受給資格が付与される。
ポータビリティ(積立金の移動) 加入者の掛け金は個別積立として管理される。

(企業型の場合)退職に際し、
転職先にも企業型401kがあればそれまでの積立金を転職先にそのまま組み込むことができる。
転職先に全く企業年金(企業型401k、厚年基金、税制適格)がないか、自営業者になる場合には、@積立金は国民年金基金連合会に移し、個人型に加入して(個人として)拠出を続けるA拠出を辞める、のいずれかを選択。
転職先に401k以外の企業型年金がある場合、拠出の継続はできない。
(積立金は国民年金基金連合会に移し、運用方法のみ指定しておくことになる。公務員や専業主婦に変わった場合も同様。)

いずれも場合、(原則)積立金の中途引き出しを認めない。
制度運営 運営管理機関
(加入者毎の積立金管理を行い、加入者からの残高照会や運用商品の変更を受け付ける。また、運用商品の特徴・過去の運用成績等の情報提供を行う。)

資産管理機関
(企業の拠出金を受け入れ保全する。また、運営管理機関の指示で資産を運用機関に振り分けるほか、加入者(60歳以降)への給付も担当する。=信託・生保などを想定)

なお、個人型では以上の取扱いは、国民年金基金連合会が担う。

運用機関
(運用を担当し、運営管理機関に運用成果の報告を行う。)
加入者による運用方法の指定 運用方法は加入者自身が決める。
運用結果(損失・収益)には自己責任を持つことになる。加入者は、運営管理機関が紹介する商品(リスクリターン特性の異なる3種以上の商品、かつ1つは元本確保型商品であること。例えば、預貯金、公社債、投資信託、株式など)の中から選択する。この場合、複数の商品での運用も、商品の途中変更(企業型の場合、企業は3か月に少なくとも1度は運用方法を変える機会を与えなければならない。)もできる。

企業型401kが当該企業の退職金の一部に組み込まれる場合は、運用結果で退職金の受取額も異なることになる。
(例:上限拠出額で22歳から60歳までの勤務の場合、18,000円×12月×38年=8,208,000円(=企業拠出額)を元本にした運用成果を受け取ることになる。)
運営管理機関や企業は、特定商品の推薦など投資に関する助言をしてはならない。

  * 企業による自社・関連会社の株式・債券の購入推奨の禁止。
  * 従業員に対する資産運用情報の提供や投資教育(年金運用期間中や給付時の課税の仕組みを含む。)
  * 個人情報の目的外使用の禁止
  * 元本確保型商品だけで運用するプランを従業員に提示すること
  * 金融商品の過去10年間の運用実績を従業員に提示し、3か月毎に実績を更新して提示すること
企業型年金規約 企業は、「企業型年金規約」を過半数の従業員の同意を得て作成する。規約は、法律上規定しなければならない事項を盛り込んだものにする必要がある。
(例えば、@加入者の範囲、掛け金の算出方法(全員定額、給与の一定比率等)受給のルールの定めA選択できる運用商品の範囲と変更可能な時期B企業が指名する運営管理機関と資産管理機関を特定し、手数料とその分担方法など。)

  * 口座管理手数料(加入者1人当たり3000円前後か)
  * 企業が制度導入の際に徴する手数料