海外労働事情01
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海外労働事情(世界28カ国の賃金、労働時間、労働費用の実情) 目次に戻ります

労働省大臣官房総務審議官 椎谷 正 氏編著「1995年海外労働事情の基礎知識」から、該当
データを引用させて頂きました。
本書は、海外労働事情として主要国別に、経済情勢・労働情勢・当該国の労働政策について貴重な
資料を整理提供しています。一読をお奨めします。(平成7年5月19日(株)労働新聞社発行 
177頁、1600円)

【一覧表を見る場合の注意】
1 賃金水準については、各国ごとに賃金の定義がかなり異なります。
  単純な比較はできません。あくまで、目安として理解してください。
2 労働時間は、ILO"YEARBOOK OF LABOUR STATITICS"からの引用が多いようですが直接、当該
  国の労働資料からのものもあるようです。
3 時間当り労働費用の資料は、アメリカ労働省「Dairy Labour Report JULY 1994」からとさ
  れています。


国別 賃金水準(注1) 調査 実労働時間 調査 時間当り労働費用(93年、ドル)
日本 月 358,500円 94年 94年  19.20
アメリカ 週  39,325円 94年 週  34.6 94年  16.79
カナダ 週  42,437円 94年 週  31.0 94年  16.36
メキシコ 月  53,020円 93年 週  45.0 93年   2.65
イギリス 週  50,764円 94年 週  40.1 94年  12.82
ドイツ 月 257,433円 93年 週  38.2 94年  25.56
フランス 月 209,679円 94年 週  39.0 94年  16.31
スウェーデン 時   1,313円 92年 週  37.3 93年  17.91
スイス 時   1,977円 92年 週  41.9 93年  22.66
ロシア 月     746円 93年   −
ポーランド 月  23,640円 94年 月 143.0 91年   −
ハンガリー 月  20,595円 93年 月 144.3 93年   −
チェコ 月  24,596円 94年 週  39.7 93年   −
スロヴァキア 月  17,808円 93年   −
フルがリア 月   4,738円 93年 法定40時間   −
中国 年  38,185円 93年 法定44時間   −
ベトナム 月   3,516円 93年 法定48時間   −
韓国 月 142,740円 94年 月 205.9 94年   5.37
香港 月 105,320円 94年 週  45.7 93年   4.31
台湾 月 105,776円 94年 月 202.0 94年   5.37
シンガポール 月 131,728円 93年 週  46.9 93年   5.38
マレーシア 月  15,737円 90年 法定48時間   −
タイ 月  21,516円 93年 法定48時間   −
フィリピン 月  14,697円 93年 法定1日8時間   −
インドネシア 月   5,798円 92年 法定40時間   −
オーストラリア 週  41,113円 94年 週  39.7 93年  12.25
ニュージーランド 時     961円 93年 週  38.9 93年   8.01
ペルー 月  14,168円 92年 週  41.9 92年   −
【補足説明】
1 アメリカの賃金は、建設、運輸、製造業等と小売、サービス業での賃金格差が大きい。
  製造業    週51,771円        小売業    週22,124円
  建設業    週58,257円  に対して  サービス業  週36,773円
  運輸・公益業 週56,646円        金融・不動産 週43,287円
  といった状況にある。
2 ドイツのホワイトカラーの賃金は、376,118円である。
  旧東ドイツ地域の賃金は低く、ブルーカラー182,262円、ホワイトカラー225,645円である。
3 マレーシアの電子、化学のエンジニアの賃金は、84,426円となっている。







最近の労働法制等の情報(10カ国) 目次に戻ります


■イギリス
イギリスでは「1950年商店法」で商店の日曜営業が禁止されていたが、94年8月
商店の日曜営業を一定の条件で認める「日曜営業法が」施行された。
追加
英国で最低賃金制度が復活する。ブレア政権は公約の最賃制法案を議会に提出。内容は
業種・規模・地域によらない一律最賃制。(26歳未満には適用除外の余地を残す。)
最賃額は、TUCが時給4ポンド(860円)以上を、産業連盟が3ポンド20ペンス
以下を主張しており、今後に詰めを残している。(日経、H9.11.30朝刊)


■ドイツ
平成7年4月、新労働時間法が成立。6ヶ月内の平均労働時間を8時間とすれば特定の
日に10時間までの労働を認めるほか、日曜・祝日就業の規制緩和、女子の夜間就業制
限の撤廃などを内容としている。
追加
・平成8年9月に施行された雇用促進法は、病欠の際に支払われる賃金を100%から
80%に引き下げ、労働者には病欠5日につき年休1日と相殺する選択権を認めた。
また、有期雇用の最長期間が18か月から24か月に延長された。
・小売業の開店時間の規制緩和−−平日は6時〜20時、土曜日は6時〜16時まで営
業が可能となった。
・平成9年3月の雇用促進法の改正では、長期失業者を雇用した場合は解雇制限の適用
除外を認めたほか、派遣労働者の派遣期間が従来の3か月から12か月まで延長された。
(週間労働ニュースH9.12.1)

■フランス
失業防止、雇用拡大のための政策が展開されている。
フランスの解雇規制は、転職計画のない解雇は無効、10人以上の解雇(規模50以上
の企業)は労働監督局の許可が必要。
操業短縮による賃金の減少を補填(最賃額の65%)する制度が運用されている。
93年11月の「雇用5カ年法」に、新規採用と時短を実施した企業に対し、社会保障
費の企業負担分を軽減するなど、ワークシェアリング対策が盛り込まれたほか、労働時
間の年単位での算定が認められた。
94年7月の「家族5カ年法」では、出生率の低下を受け職業と家庭生活の両立支援対
策として、子供の病気、けがに対して「育児休暇の延長・年3日の病気児童休暇の新設
・6ヶ月のパート勤務を容認等」の措置が盛り込まれた。

■イタリア
集団的解雇について、労使間の協議を義務づけた。また、解雇された労働者には再雇用
に際して優先権付与を規定した。
追加
98年から人材派遣業を解禁。上下両院の年内承認を経て年明けから施行する。事業が
認められるのは「資本金10億リラ(1リラ=0.07円)以上で全国に四カ所以上の
営業拠点を持つ企業」「99年からはさらに規模が下げられる予定。」
(日経、H9.11.28朝刊)

■アメリカ
追加
今後2年間で最低賃金額を1ドル引き上げ時給6ドル15セントにする方針(計画)。
現在アメリカの最低賃金は、5ドル15セント。これを99年1月に50セント、20
00年1月に50セントずつ引き上げる方針(98.2.12大統領発表)。
現在アメリカには6ドル15セント未満の時給労働者が約1200万人。これにより、
時給労働者の平均年収を12,792ドルにまで引き上げることが出来る、という。
(日経新聞H10.2.14)

■ロシア
「新労働法典」が審議されている。連邦労働監督局が新設される。

■チェコ
86年革命後、92年に「賃金法」が制定された。68年の労働法典は連邦解消後の現
在も有効である。

■中国
95年1月「労働法」が成立。日本の労働基準法より規定範囲が広く、就職促進、職業
訓練、争議行為などを含んでいる。【参照:中国新労働法の内容=準備中】

■ベトナム
94年6月「労働法」が成立した。【参照:ベトナム労働法の内容=準備中】

■韓国
95年5月、政府が所掌していた産業災害保険事業、勤労福祉事業などを、産業災害福
祉公団に移管。また、分散していた保険関連法令が「産業災害補償保険法」に統合され
た。

■タイ
72年労働法が改正。商業等の法定労働時間週54時間を撤廃、全産業で48時間に。

■ブラジル
新労働手帳の発行。ブラジルは雇用に際し、労働省発行の労働手帳に賃金・雇用期間を
事業主が署名するが、93年11月手帳様式を改善、履行確保対策を強化した。













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