海外諸国の解雇に関する法規制
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労働契約終了時の法規制
(欧米4カ国)

資料出所:労働省外国労働法制研究会(1991年)


no

項目

アメリカ

イギリス

ドイツ

フランス

1

解雇の自由

■期間の定めのない契約は、法律上別段の定めがない限り、いつでも理由のいかんを問わずこれを解約できるのが原則。(employment at-will rule)。しかし、最近不当解雇(Wrongful discharge)に関する判例法が形成されつつある。

 

■通常解雇については、正当事由が必要との一般的規定あり(解雇制限法第1条)

■非常解雇については、重大な事由を必要とし(民法第626条)これがあれば解雇制限法の規制はない。

■期間の定めのない労働契約は、当事者の一方の発意により終了させることができる旨「労働法典」(L122-4条)は規定しており解雇は原則として自由。

■期間の定めのある労働契約の解約は、原則としてできない。

2

解雇予告

解雇予告期間

■解雇予告を義務づけた法令の規定はない。

■使用者が被用者を解雇する場合、最低、次の期間の予告を行う必要がある。(1978年、雇用保護法)★継続雇用期間が1か月以上の者−−1週間★継続雇用期間が2年以上の者−−2週間★継続雇用期間が3年以上の者−−1年について1週間の割合で計算(最大12週間)

■通常解雇については、勤続年数に応じ次のように定められている。★職員の場合、勤続年数が5年、8年、10年、12年となるにつれて、予告期間が3、4、5、6か月に延長される(5年未満は6週間)★現業労働者の場合、勤続年数が5年、8年、10年、12年となるにつれて、予告期間が暦月末前1ヶ月、同2ヶ月、暦年の四半期末前3ヶ月に延長される(5年未満は2週間)。
■非常解雇については、予告は不要。

■重過失を理由とする解雇以外の場合、次の期間の予告を行う必要がある。★勤続6ヶ月未満−−被用者側からの辞職の場合の予告期間(労働契約において定められる)と同一の期間★勤続6ヶ月以上2年未満−−1ヶ月★勤続2年以上−−2ヶ月。

解雇予告手当

 

■予告期間が上記に満たないときは、その不足分については、当該被用者の同意の下に賃金相当額の支払をもって代えることができる。(1978年、雇用保護法)

 

 

3

解雇手続

■約64%の労働協約が解雇手続きに関する定めをおいているが、その内容は協約により異なる。(例えば、組合に対する事前通告又は組合代表の立会を要求するもの28%、組合に対する事後通知を要求するもの26%、被解雇者若しくは組合又はその双方へ書面による解雇通告を要求するもの40%、解雇前に聴聞の機会を認めるもの19%、不服申立の機会を認めるもの76%となっている。(BNAの調査による。)。なお、未組織の企業においても苦情処理手続きを設ける企業が増加している。

■6ヶ月以上継続雇用した被用者を解雇する場合、使用者は被用者から請求があった場合には、解雇理由を書面により明示しなければならない。(1978年、雇用保護法)

■使用者が被用者を解雇する場合には、事前に事業所協議会の意見を聴取しなければならない。(事業所組織法第102条)。

■通常解雇の場合、事業所協議会は解雇に関する異議申し立てを行うことができる。

■使用者が被用者を解雇する場合には、まず、当該被用者に対し解雇理由を説明し、被用者の弁明を聴取する必要がある(L122-14条)。

■前記により解雇を決定した使用者は、次に配達証明郵便により解雇通知を行う(L122-14-2条)。この通知を受けた被用者は、使用者に対し解雇理由を書面により明示するよう要求できる。(L122-14-2条)。

4

解雇時の金銭的補償

■BNAの調査(1989年)によれば,40%の労働協約が退職手当(sever‐ancepay)に関する定めを置いている。ただし,その多くは工場事業場の閉鎖を理由とする解雇や一定のレイオフに支払事由を限定しており,引退時に支払う旨の規定は少ない。なお,退職手当の額は,勤続1年について1週間分とする(さらに勤続年数に応じ逓増させる。)ものが典型的である。

 

 

■勤続2年以上の者が解雇された場合,被用者は,重過失による解雇の場合を除き「最低補償金」の請求権を有する(L122-9条)。「最低補償金」の額は,政令で定められている。

5

不当解雇、解雇権の濫用

■不当解雇をめぐる判例法が進展してきている。しかし,最近逆転的現象もみられる。(例えば,不当解雇訴訟において懲罰的損害賠償を原則として否定したカリフオルニア州最高裁判決Foleyv.Interactive DateCorp)。

■解雇を一般的に規制する連邦法はなく,州レベルにおいても,モ二タナ州のWrongful Discharge From Employment Act(1987年)が唯一の例外である。同法は,★公序違反行為の拒否又は当該行為の通報に対する報復としてなされた解雇★正当事由に基づかない解雇(試用期間を満了した者に限る。)★明文の就業規則条項に違反する解雇について、訴訟又は仲裁による救済を図っている。

■不公正解雇(UnfairDismissal)について,被用者は労使審判所に申立てを行い救済を求めることができる。

■次の場合.被用者は労使審判所に申立てを行うことができない。★継続雇用2年未満の者★1週の労働時間が16時間未満の者★65歳以上の者(以上の者については,自動的不公正解雇の場合を除く。)★その他

■次の場合は,自動的に不公正解雇として認められる。★労働組合に加入していることを理由とする解雇★労働組合の活動に参加することを理由とする解雇★労働組合に参加することを被用者か拒んだことを理由とする解雇★剰員解雇の場合であって,慣習又は合意による手続に違反して行われた解雇

■社会的に正当でない解雇は無効である。社会的に正当でないとされる例としては,次のものがある。★労働者の一身に基づく理由がない場合★労働者の行動に基づく理由がない場合★緊急の経営上の必要性に基づかない場合★事業所組織法第95条に当たる場合★事業所委員会が異議を申し立てた場合★緊急の経営上の必要がある場合でも人選に際して社会的視点を考慮しなかった場合

■不当解雇は無効であり、継続雇用義務が生じる(事業所組織法第102条X)。しかし、労使の申請に基づく労働関係の解消判決・補償金がある。実際には、労働者は復職するよりも、和解による解決がほとんどである。

■解雇権の濫用の場合,被用者は裁判により,損害賠償を請求することができる(「労働法典」には明文の規定はない。)この場合の損害賠償は,「最低補償金」とは別個のものである。

■Worker Adjustment and Retraining Notification Act(1988年)は,100人以上のフルタイム労働者を使用する企業に対して,多数の労働者に影響を与える工場閉鎖又はレイオフを行う場合,60日前の事前予告を要求している。

■BNAの調査(1989年)によれば,91%の労働協約がレイオフに関する規定を置いている。

■被用者は不公正解雇について労使審判所への申立てにおいて,被用者は解雇が行われたこと及び使用者が証明する次のような理由に基づき解雇されたことが不合理であることを証明しなければならない。★被用者の能力★被用者の行為★剰員の発生★法が当該被用者を雇用することを禁止している場合★その他実質的な理由

■労使審判所において与えられる救済。★復職・再雇用命令★補償金

■一定規模の剰員整理解雇を行う場合,使用者はそれに先立つ一定期間内に労働省に通告し,また,労働組合と協議しなければならない。

■剰員整理解雇に際しては,法定の整理手当の支払が義務づけられている。

 

 

経済的理由による解雇

 

 

■緊急の経営上の必要に基づく解雇に当たっては,事前の配転義務,継続雇用義務,人選の公正さ等が,判断基準とiなる。

■大量解雇の場合,経営協議会への情報提供及び雇用事務所への届出が必要である。

■使用者が経済的理由により被用者を集団的に解雇する場合,使用者は解雇者選定のの基準について,企業委員会又は被用者代表と協議しなければならない(L122−13条)。

被用者からの辞職

■被用者からの辞職は、employment at-will ruleによって保障されている。

■労働協約において辞職手続きについて定めるもの(その多くは予告義務規定)は少ない。(BNA調査よれば、8%)

■コモン・ロー上の予告期間

■通常解約予告については,民法第622条T−Vに規定あり。解約予告の延長は,労働協約によってのみ可。
■非常解約告知については,民法第626条に規定があり,より有利な職に代わるため等は許されない。

■錯誤,詐欺,強迫による取消(民法第119条,123条)。

■予告期間の有無及び期間については,協約等により定められる(L122−5条)。

■期間の定めのない労働契約の場合,被用者からの辞職が濫用に当たる場合には,損害賠償の対象となる(L122−13条)。

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