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[資料番号] 00138
[題  名] 改正会社更生法(H15.4.1施行)と労働債権等の取扱い
[区  分] その他

[内  容]



会社更生法改正
H15.4.1施行

社内預金の保護範囲縮小
会社更生手続において労働組合の関与拡大







【資料のワンポイント解説】


1 昨年(平成14年)秋の第155回臨時国会で、会社更生法改正案が可決され、平成15年4月1日から施行される。

2 今回の改正は、「更生計画認可前であっても裁判所の許可により営業譲渡を認める」、「更正計画案の可決要件の緩和及び提出期限を新たに設ける(1年以内-現行なし)」、「更正計画における弁済期間の上限短縮(20年→15年)」など、手続の迅速化と企業資産の劣化に対する対応を図るもの。

3 なお、労働債権等に係る関連改正部分は、おおむね以下のとおり。




H15.4.1施行の会社更生法(主な改正点)


改正後の労働債権等の保護の範囲等

労働債権の取扱いについて

今般の会社更生法改正においては、共益債権とされる労働債権の範囲については変更がない。

共益債権(随時弁済を受けることができる。)変更なし

(1)更生手続開始前6か月間の賃金
(2)更生計画認可決定前の退職手当のうち退職前6か月の給料相当額又は退職手当の3分の1相当額のうちいずれか多い額
(3)更生手続開始後の賃金全額及び更生手続開始後会社都合によって退職した場合の退職手当全額

社内預金の取扱いについて 社内預金(会社更生法上は「使用人の預り金」)の返還請求権については、共益債権とされる給料や退職手当の範囲との均衡等にかんがみ、一定範囲に限定されることとされた。

共益債権(随時弁済を受けることができる。)変更あり

全額預り金のうち、共益債権となる範囲を更生手続開始前6ヶ月の給料の総額又は当該預り金の額の3分の1に相当する額のいずれか多く額に限る

労働組合等の関与について

改正法においては、労働組合等の関与が大幅に拡大された。

 

労働組合等の関与の拡大

(1)次の事項につき、裁判所は労働組合等の意見を聴かなければならない。
 ・更生手続開始の決定(・民事再生法にもないもの)
 ・更生計画案の内容(旧法においても規定あり
 ・更生計画によらない営業譲渡に関する許可(※)

(2)次の事項につき、労働組合等は意見を述べることができる。
a 関係人集会において意見を述べることができる事項
 ・管財人の選任(※)関係人集会が招集されない場合には、書面により意見を述べることができる(・民事再生法にもないもの)。
    
 ・更生会社の業務及び財産の管理に関する事項(※)
b その他の事項
 ・更生計画案の認可の是非(※)

(3)次の事項につき、労働組合等に通知がなされる。
 ・関係人集会の期日(※)
 ・更生計画の認否の決定(※)

 注:(※)は新設で、会社更生法に民事再生法と同様の規定を取り入れたもの。