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【資料のワンポイント解説】
1.平成17年度厚生労働省予算案のうち、労働基準行政に係る部分。(予算案主要事項の説明は、20頁から66頁にかけて記載があるが、そのうちの第45、46頁の2ページ分ということになる。)
2.改めて、予算規模の小さいことを再認識した次第。
〔平成17年度厚生労働省予算案の主要事項のうち、第7部分の抜粋〕
第7 安心・安全な職場づくりと公正かつ多様な働き方の実現
経済環境が著しく変化する中で発生している重大な災害を防止するとともに、過重な労働による労働者の健康障害防止やメンタルヘルス対策を行う。また、賃金不払残業の解消など誰もが安心して安全に働ける職場づくりを推進する。
さらに、多様な働き方が広がる中で、労働者個人の生活に配慮した働き方を実現できる環境の整備を行うとともに、男女雇用機会均等の確保など公正な働き方を推進する。
1 安心して安全に働ける環境づくり 310億円(336億円) |
(1)重大災害の発生を防止するための安全対策の推進 20億円
事業主が、自主的に事業場の危険・有害要因の低減を図るため、事業主自らが計画を作成する「労働安全衛生マネジメントシステム」の普及を推進し、労働災害のより一層の防止を図る。
(2)過重労働による健康障害防止対策、メンタルヘルス対策の推進 30億円
労働者の過重労働による健康障害の防止に向けて事業主が留意すべき事項をまとめた手引きを作成し周知・啓発する。
また、事業主に対してメンタルヘルス関係の専門家による指導を行うなど、過重労働による健康障害防止対策及びメンタルヘルス対策を促進する。
(3)石綿等有害物質に係る健康障害防止対策の推進 3.9億円
建築物の解体作業等において、事業主が行う石綿含有の有無の分析等によるばく露防止対策の充実や作業計画の作成などの取組を促進する。
(4)賃金不払残業の解消に向けた取組等の推進 255億円
「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」の周知・啓発により労使の自主的な改善を進めるとともに無料電話相談窓口を引き続き開設し、賃金不払残業の解消に向けた取組を促進する。
また、企業倒産により賃金が未払のまま退職させられた労働者に対する未払賃金立替払制度について、迅速かつ適正な運営を行う
2 多様な働き方を選択できる環境整備 19億円(20億円) |
(1)パートタイム労働者と正社員との均衡処遇の推進 4.8億円
パートタイム労働者と正社員との均衡の確保に向けた先駆的な取組を行う事業主を支援すること等により、パートタイム労働者と正社員との間の均衡処遇の浸透・定着に向けた環境整備を図る。
(2)在宅就業対策等の推進 1.8億円
在宅就業のための知識・技術の到達度や仕事の適性等を自己確認できるような能力評価システムを開発するとともに、各種情報提供、相談援助を行う。あわせて、在宅勤務による健康面、社会的効果や労働条件への影響についての調査を行う。
(3)ワークシェアリングの普及促進2.2億円
○ 多様就業型ワークシェアリング導入モデル開発事業の実施 2.1億円
多様な働き方の選択肢を拡大するため、短時間正社員制度等の導入に向けたモデルの開発を進めるとともに、多様就業型ワークシェアリングに関する普及啓発を行う。
(4)生活に配慮し、多様な働き方に対応した環境整備 10億円
多様な働き方が広がる中で、労働者個人の生活に配慮した労働時間管理に関する労使の自主的取組を推進し、長期休暇制度の普及促進を図るなど労働環境の整備を図る。
3 公正な働き方の推進 18億円(17億円) |
(1)男女雇用機会均等確保対策の推進 3.3億円
男女雇用機会均等法の適正な施行に努めるとともに、いわゆる「 コース別雇用管理」制度の適正な運用に向けた周知徹底と行政指導の一層の強化を図る。
また、男女雇用機会均等政策研究会報告を受け、男女双方に対する差別の禁止や妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの問題への対応等、均等施策の更なる推進に向けた検討を行う。
(2)個別労働紛争対策の総合的な推進14億円
増加する個別労働紛争の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るため、都道府県労働局での紛争解決制度を着実に推進するとともに、新たに企業内での紛争の自主的解決の促進に向けた人材育成に対する支援を図る。
(3)労働分野におけるCSR(企業の社会的責任)の推進(新規) 10百万円
企業の労働における社会的責任の取組を推進する支援策のあり方について検討を行う。