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労働契約法制及び労働時間法制に係る検討の視点
【資料のワンポイント解説】
1 2006年(平成18年)4月11日、第54回労働政策審議会労働条件分科会において、厚生労働省が提出した労働契約法制並びに労働時間法制に係る議論の「たたき台」である。
2 このたたき台をベースに今後の議論を進めたい分科会長(公益)・厚生労働省の意向に対して、労働側は、「労働時間が長時間化している。まずは、長時間労働の現実を認識すべきだ。その上でライフ・ワーク・バランスに配慮した労働時間の今後の在り方を議論すべきだ。」として、議論の入り口で強く抵抗している。とくに、自律的労働時間制度の創設(ホワイトカラー・エグセンプション)の導入には拒否反応を見せている。
3 これに対して、使用者側は、「年休所得率の低下はハッピーマンデーの影響だ。残業の割増率を上げると労働者が長時間働くようになるから問題。労使の自主性を尊重し労使協定があれば解除できる規定を増やしていくべきだ。ホワイトカラーエグゼンプションを適用するための本人同意が必要なのはおかしい。」等、公の審議会の場とは思えないような個別使用者の本能的発言を繰り返している。
4 ところで、経営側にとって、公正競争は関心事ではないのであろうか。
「労使の自主性を尊重し労使協定があれば解除できる規定を増やしていくべきだ」といった主張を聞くと、本当にそれでいいのか、と問い返したくなる。
労働基準(最低基準の設定において公正競争を担保する)の問題は、経営側にとって、「労働者対使用者」の問題(これは優れた労務管理能力を備えることで対応可能な領域の問題)であると同時に、「使用者対使用者」の間の競争ルールの設定に係る問題でもある。
経営の本質は、使用者間(企業間)の経営の優劣を競うところにあるのだから、この競争ルールは、何にも増してすべての使用者間において、極力、公平なものでなければならない。
使用者間の公正競争を担保していくため、最低基準ルールの定義は解釈の曖昧さを残さないような法制化が望ましいし、一旦、決めたことへの抜け駆けは許さない(事後的監督の強化)といったことが、大切なはずである。
〔2006.4.18労務安全情報センター〕
労働契約法制及び労働時間法制に係る検討の視点
第1 検討の趣旨
近年、産業構造の変化が進む中で、ホワイトカラー労働者の増加、就業形態・就業意識の多様化、少子化の進展など、雇用・労働関係を取り巻く状況が変化し、労働条件の小グループ化や労働条件の変更の増加がみられる。
こうした中、個別の労働関係におけるルールが明確でないために、予測可能瞳が低く、解雇に係る紛争や労働条件の引下げに係る紛争をはじめとした個別労働関係紛争も増加している。
また、産業構造が変化し、就業形態・就業意識が多様化する中で、創造的・専門的能力を発揮して自律的な働き方をする労働者が見られるようになっている。他方で、長時間労働者の割合が高止まりしており、過労死の防止や少子化対策の観点から、長時間労働の抑制策を講ずることが喫緊の課題になっている。
このような状況に対処し、
・労使の継続的な関係を規律する労働契約が、公正なルールに則って締結され、それが遵守されるようにすることや、労働契約の内容となっている重要な労働条件の変更等の際には、労使において十分な話合いが行われるようにすること
・長時間労働を抑制するとともに、労働者が健康を確保しつつ、能力を十分に発揮した働き方を選択できるようにするため、労働時間制度を見直すこと
により、労働基準法を遵守しつつ、円満かつ良好な労働契約関係が継続されるようにする必要がある。
第2 検討の視点
【労働契約法制】(一部労働基準法改正を含む)
基本的事項
(基本的な考え方)
労働契約が労働者と使用者との継続的な関係を規律するものであることにかんがみ、労使両当事者の契約に対する自覚を促しつつ、労働契約が円滑に継続するための基本的事項を明らかにする。
○ 労働契約は、労使が実質的に対等な立場で締結するべきものであり、労使双方が労働契約の内容に納得し、良好な労働契約関係を維持するよう努めるべきものとすることが必要ではないか。
○ 労働者及び使用者は、良好で継続的な労働契約関係を維持しつつ、紛争を予防する観点から、労働契約の内容についてできるだけ書面で確認するようにするものとすることが必要ではないか。
○ 労働契約の両当事者は、各々誠実にその義務を履行しなければならず、その権利を濫用してはならないものとすることが必要ではないか。
○ 使用者は、労働者が安心して働くことができるように配慮するとともに、労働契約において、その実態に応じ、均衡を考慮するものとすることが必要ではないか。
就業規則をめぐるルール等の明確化
(基本的な考え方)
我が国では、就業規則により労働条件が続一的かつ画一的に決定されることが広範に行われており、慣習として定着しているが、個別の労働契約との関係が明確ではなく、また、就業規則による労働条件の変更の際、どういう場合に合理的な変更となるか明らかでないので、これを明確化する。
〔就業規則と個別の労働契約の関係の明確化〕
○ 労働契約締結の際に、必要な就業規則の周知手続を実施すること、その内容が合理的でない場合を除くこと等の要件の下で、当該事業場で労働している労働者の労働契約の内容は就業規則の定めるところによるとの合意が成立したものと推定することが必要ではないか。
○ 上記のルールの明確化と併せ、明示された労働条件と事実が異なる場合に労働者が即時に労働契約を解除することができること(現行の労働基準法第15条第2項)や就業規則と法令、労働契約等との相互の関係を明らかにすること(現行の労働基準法第92条第1項・第93条)が必要ではないか。
〔就業規則の変更の場面でのルールの明確化〕
○ 就業規則の変更等により労働者の従前の労働条件が変更される際に、必要な就業規則の周知手続を実施すること、その変更が合理的であること(その判断要素としては、例えば、就業規則変更の必要性、内容、労働者が被る不利益の程度等が考えられる。)等の要件の下で、個別の労働者と使用者との間に、従前の労働条件の変更に係る合意が成立したものと推定することが必要ではないか。
○ 就業規則を変更する際に、当該事業場の過半数組合と使用者との間で合意した場合には、その変更が合理的なものとして個別の労働者と使用者との間に従前の労働条件の変更に係る合意が成立したものと推定するという法的効果を与えることが必要ではないか。
○ この場合において、なるべく多様な労働者の意見をくみ上げていくという観点から、例えば「特別多数労働組合」(当該事業場の労働者の3分の2以上の者で組織される労働組合等が考えられる。)とすることが必要ではないか。また、その場合、「特別多数労働組合」でない過半数組合との合意についても考え方を整理することが考えられないか。
〔労働基準法のその他の就業規則関係のルールの整備〕
○ 就業規則の必要記載事項の追加(転居を伴う配置転換、出向、休職、懲戒の事由等)その他の整備を行うことが必要ではないか。(労働基準法)
〔労働基準法の労働条件の明示に係るルールの改善〕
○ 労働契約締結の際の労働条件の明示事項の追加(転居を伴う配置転換、出向、労働時間制度等)その他の整備を行うとともに、特に重要な事項に係る明示の方法(書面の交付)を法や明記することが必要ではないか。(労働基準法)
〔労使委員会(労働者が意見表明できる仕組みの整備)〕
(基本的な考え方)
労使の実質的な話合いを進めることは、労働契約の円滑な継続を図るために重要であるので、多様な労働者が意見を表明できる仕組みを整備する。
○ 過半数組合がない事業場においても実質的な労使協議が行われることが望ましいのではないか。このため、事業場における労働条件に関して調査審議を行う機関として、労使委員会の設置を促進することが必要ではないか。
○ 就業規則の変更の場面において、過半数組合との合意があった場合に従前の労働条件の変更に係る合意が成立したものと推定するという法的効果を付与することとするときには、過半数組合がない事業場においては、労使委員会の決議又は調査審議に一定の法的効果を与えることが考えられないか。
○ そのような法的効果を付与する場合には、労働者代表の委員の民主的な選出手続(例えば、直接無記名投票による選出、就業形態に応じた委員枠の確保等が考えられる。)を確保することが必要ではないか。
重要な労働条件に係るルールの明確化
(基本的な考え方)
労働者にとって重要な労働条件の変更等が円滑になされることも、労働契約の円滑な継続を図るために重要であるので、そのためのルールを明確化する。
〔重要な労働条件に係る事項の説明〕
○ 継続的な労働契約関係において、労働者にとって特に重要な賃金、労働時間等の労働条件の変更(例えば、自律的労働時間制度を適用するときも含まれる。)が行われる等の際には、使用者は当該労働者に対し、書面で明示の上説明するものとすることが必要ではないか。また、そのような手続を経た場合に、一定の法的効果を与えることが適当か。
〔採用内定、試用〕
○ 採用内定取消や試用期間中の解雇は、解雇に関する一般的なルール(現行の労働基準法第18条の2)が適用されることを明確化することが必要ではないか。
○ 試用期間であるために労働基準法の解雇予告の規定を除外している規定等を引き続き置く必要性について検討する必要がないか。(労働基準法等)
〔出向、転籍、転勤〕
○ 使用者が出向や転居を伴う配置転換を命じ、又は転籍の申出を行うに当たり、労働者の意向打診、労働条件の書面明示等を行うこととすることが考えられないか。
○ 使用者は、当該企業内の配置転換と同視し得る出向について、不合理なものでない限り、労働者の個別の承諾を要せずして出向を命じることができることとすることが考えられないか。
○ 労働者の個別の承諾を得なければ、転籍させることはできないこととすることが必要ではないか。
○ 基本的事項において権利濫用してはならないこととされていることとは別に、転居を伴う配置転換等についても、その権利を濫用してはならないものとすることが考えられないか。
〔懲戒等〕
○ 労働者を懲戒又は降格しようとする場合には、あらかじめ労働協約又は就業規則の根拠が必要ではないか。
○ 懲戒権準用法理を定めることが必要ではないか。
〔労働条件の変更に係るルール〕
○ 労働条件の変更の申入れに対し、労働者が異議をとどめて承諾した場合は、当該労働条件の変更について異議をとどめたことを理由とした解雇はできないこととすることが考えられないか。
○ 労働者が雇用を維持しつつ労働条件の変更について争うことを希望する場合は、労働審判制度等において解決を促すための必要な改善策が考えられないか。
〔その他の事項〕
○ 競業避止、兼業禁止、秘密保持及び個人情報保護に関するルールを明確化することが考えられないか。
労働契約の終了の場面のルールの明確化
(基本的な考え方)
解雇をめぐる紛争の未然防止・早期解決に資するため、解雇に係るルールをできる限り明確化し、予測可能性を高める。また、解雇無効の判決がなされても、実際には原職に復帰できない場合について、これを円満に解決する仕組みを検討する。
〔解雇に関するルールの明確化〕
○ 解雇をめぐる紛争の未然防止・早期解決に資するため、解雇に関する一般的なルール(現行の労働基準法第18条の2)のほか、整理解雇に関する判例法理(4要素(人員削減の必要性、解雇回避措置、解雇対象者の選定方法、解雇に至る手続))を明確化することが必要ではないか。
○ 解雇をめぐる紛争の未然防止の観点から、普通解雇に係る手続(例えば、事前の警告、是正機会の付与、解雇理由の明示、弁明機会の付与)を明らかにすることが考えられないか。
〔解雇の金銭的解決の仕組みの検討〕
○ 裁判において解雇が無効とされた場合であっても労働者の原職復帰が困難な場合に、これを円満解決できるような仕組みが必要ではないか。
○ その場合、どのような論点があり、それを解決するためにどのような手法があるのか整理する必要があるのではないか。
○ 解雇をめぐる紛争が長期化すると労使にとってコストが増えることにかんがみ、労働審判制度等において解決を促すための必要な改善策が考えられないか。
〔その他の労働契約の終了の場面でのルールの明確化〕
○ 労働者の軽過失により使用者に損害が発生した場合には、使用者は労働者に対して求償できないこととすること、留学・研修費用の返還については労働基準法第16条に抵触しない場面を明らかにすることが考えられないか。
○ 使用者からの働きかけによる退職の場合について、労働者が納得しない退職を防止するためのルールを検討することが考えられないか。
有期労働契約をめぐるルールの明確化
(基本的な考え方)
有期労働契約が労使双方に良好な雇用形態として活用されるよう、ルールを明確化する。
○ 労働契約の締結に際し、有期契約とする理由を示すこと、その期間を目的に照らし適切なものとすることを求める等、有期労働契約についてのルールを定めることが必要ではないか。
○ 有期労働契約においては、契約期間中の解雇は極めて限定的である土とを明確化することが必要ではないか。
○ 有期労働契約が更新されながら一定期間(又は一定回数)を超えて継続している場合において、労働者の請求があったときには、次の更新の際、期間の定めのない労働契約が締結されることとなるような方策が考えられないか。
○ 「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」において、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に限り求められている雇止めの予告について、その継続勤務期間の要件を短縮することや、一定回数以上更新されている者についても対象とすることが考えられないか。
○ 有期労働契約の締結に際しての労働条件の明示事項として、労働契約の始期及び終期並びに契約期間満了後の更新の有無を追加することが必要ではないか。(労働基準法)
国の役割
○ 労働契約関係が円満かつ継続的に維持されていくよう、国が、必要な助言、指導等を行う必要があるのではないか。
【労働時間法制】(労働基準法の改正)
時間外労働の削減等
(基本的な考え方)
次世代を育成する世代(30歳代)の男性を中心に、長時間労働者の割合が高止まりしており、過労死の防止や少子化対策の観点から、労働者の疲労回復のための措置を講ずるとともに、長時間にわたる恒常的な時間外労働の削減を図るための見直しを行う。
〔労働者の健康確保のための休日〕
○ 一定時間数を超えて時間外労働させた場合、労働者の疲労回復を図る観点から、時間外労働をした時間数に応じて算出される日数の労働者の健康確保のための休日の付与を義務付けることが考えられないか。
〔時間外労働の抑制策としての割増賃金の引上げ〕
○ 長時間にわたる恒常的な時間外労働の削減を図るため、一定時間数を超えて時間外労働をさせた場合の割増賃金の割増率を引き上げることが考えられないか。その場合、事業場ごとのニーズに対応できるようにするため、労使協定により、割増賃金の引上げ分に代えて、労働者の健康確保のための休日(有給)を付与することができることとしてはどうか。
〔その他の実効性確保策〕
○ 時間外労働の厳正な運用を図るため、法定の手続を経ずに法定労働時間を超えて時間外労働を行わせた場合の罰則を引き上げることが考えられないか。
年次有給休暇制度の見直し
(基本的な考え方)
年次有給休暇を確実に取得させ、疲労回復を図る方策を講ずるとともに、仕事と生活の調和や少子化対策に資する観点から利用しやすいものとするための見直しを行う。
〔使用者による時季指定〕
○ 使用者は、年次有給休暇のうち一定日数については、労働者に対し、あらかじめ時季を聴いた上で休暇を付与しなければならないとすることが必要ではないか。
〔時間単位の年次有給休暇〕
○ 子供の看護等突発的な事由で年次有給休暇を活用することができるよう、労使協定により、年次有給休暇制度本来の目的に沿った利用を阻害しない限度で、時間単位の取得を可能とすることが必要ではないか。
〔退職時年休手当清算〕
○ 使用者は、退職時に未消化の年次有給休暇がある場合に、何らかの手当を支払わなければならないとすることが考えられないか。
その他の現行労働時間制度の見直し
○ 事業場外みなし制度等について、必要な見直しをしてはどうか。
自律的労働時間制度の創設
(基本的な考え方)
産業構造が変化し就業形態・就業意識の多様化が進む中、高付加価値の仕事を通じたより一層の自己実現や能力発揮を望み、緩やかな管理の下で自律的な働き方をすることがふさわしい仕事に就く者について、一層の能力発揮をできるようにする観点から、現行の労働時間制度の見直しを行う。
〔対象労働者の要件等〕
○ 自律的な働き方をすることがふさわしい仕事に就く者は、次のような者ではないか。
* 使用者から具体的な労働時間の配分の指示がされないこと、及び業務量の適正化の観点から、使用者から業務の追加の指示があった場合は既存の業務との調節(例えば、労働者が追加の業務指示にづいて一定範囲で拒絶できるようにすること、労使で業務量を計画的に調整する仕組みを設けていること)ができるようになっていること。
* 労働者の健康が確保されるという視点が重要であり、以下の要件が満たされていること。
・週休2日相当の休日、一定日数以上の連続する特別休暇があることなど、相当程度の休日が確保されることが確実に見込まれること。
・健康確保のために健康をチェックし、問題があった場合には対処する仕組み(例えば、労働者の申出により、又は定期的に医師による面接指導を行うこと)が整っていること。
* 年間に支払われることが確実に見込まれる賃金の額が、自律的に働き方を決定できると評価されるに足る一定水準以上の額であること。
○ 上記の事項について、対象労働者と個別の労働契約で書面により合意していることが必要ではないか。
○ ネガティブリストとして、物の製造の業務に従事する者等を指定して、この制度の対象とはならないことを明確にすることが必要ではないか。
〔導入要件等〕
○ 労使の実質的な協議に基づく合意により、新制度の対象労働者の範囲を具体的に定めることとするのが適当ではないか。また、年収が特に高い労働者については、協議を経ずに対象労働者とすることができるようにすることが考えられないか。
○ 対象労働者の範囲を労使合意で具体的に明確にする際には、当該事業場の全労働者の一定割合以内とすることが必要ではないか。
○ 就業規則において、適用される賃金制度が他の労働者と明確に区分されており、賃金台帳に個別に明示されていることが必要ではないか。
〔効果〕
○ 労働基準法第35条(法定休日)及び第39条(年次有給休暇)は適用し、その他の労働時間、休憩及び休日に関する規定並びに深夜業の割増賃金に関する規定を適用しないこととしてはどうか。
〔適正な運用を確保するための措置等〕
○ 適正な運用を確保するため、次のような措置等を講ずることとしてはどうか。
* 苦情処理制度を設けることを義務付けること。
* 重大な違背があった場合は、労働者の年収に一定の割合を乗じた補償金を対象労働者に支払うものとすること。
* 要件違背の場合、行政官庁は、改善命令を発することができること。
改善命令に違背した場合は、当該如象労働者を通常の労働時間管理に戻す命令や制度(全体)の廃止命令を発出することができるものとすること。
○ 要件違背の場合に、労働基準法第32条違反等と整理するとともに、別途自律的労働時間制度の手続違反として厳正な履行の確保を図ることが考えられないか。
管理監督者の範囲等の見直し
○ 管理監督者は、労働条件の決定その他労務管理について事業主と一体的な立場にある者として明確化することとしてはどうか。
○ 管理監督者であることを賃金台帳上明示することとしてはどうか。
○ 管理監督者については、健康確保措置を講じた上で、深夜業の割増賃金に関する規定の適用を除外することとしてはどうか。
○ 管理監督をしていないスタッフ職については、自律的労働時間制度や企画業務型裁量労働制の対象とすることを明確に位置付けることが考えられないか。
現行裁量労働制の見直し
○ 苦情処理措置を改善し、過度の追加指示等があった場合に対象業務や対象労働者の範囲の見直しもできることとすることとしてはどうか。
○ 専門業務型裁量労働制について、個別の労働者の同意を要件に追加することとすることを検討することが考えられないか。
○ みなし労働時間の設定については、労働者の疲労の状況や苦情処理の結果を踏まえて改善を図ることとしてはどうか。
○ 企画業務型裁量労働制の導入要件について、労使の実質的な合意を担保した上で、中小企業でもより活用されるための方策を検討してはどうか。