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[資料番号] 00052
[題  名] 改正労基法関連−−「労働基準法施行規則改正」案(要綱)
[区  分] 労働基準

[内  容]
【資料のワンポイント解説】
1.改正労基法の施行規則(案)である。
2.「労働条件の明示、過半数代表者、1年単位の変形労働時間制、一斉休憩の特例の協定、パートタイマー等の年次有給休暇の比例付与、法令等の周知方法、激変緩和措置、その他、附則」の9項目。
3.中央労働基準審議会で了承されれば、労働基準法施行規則の改正が行われる。

労働基準法の一部を改正する法律の
一部の施行に伴う関係省令の整備に関する省令案要綱

1 労働条件の明示

(1) 労働基準法(以下「法」という。)第15条第1項後段の命令で定める事項は、次に掲げるものとすること。

 イ 労働契約の期間に関する事項
 ロ 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
 ハ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに就業時転換に関する事項
 ニ 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。以下同じ。)の決定、計算及び支払の方法並びに賃金の締切り及び支払の時期に関する事項
 ホ 退職に関する事項

(2) 法第15条第1項後段の命令で定める方法は、書面の交付とするものとすること。


2 過半数代表者

(1) 法に規定する労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。)は、次のイ及びロのいずれにも該当する者とするものとすること。
 イ 法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
 ロ 労使協定の締結等を行う者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること。

(2) 使用者は、労働者が過半数代表者であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならないものとすること。


3 1年単位の変形労働時間制

(1) 労働日数の限度

 法第32条の4第3項の命令で定める労働日数の限度は、対象期間が3箇月を超える場合は対象期間について1年当たり280日とするものとすること。ただし、対象期間が3箇月を超える場合における労働日数の限度は、当該対象期間の初日の前1年以内の日を含む3箇月を超える期間を対象期間として定める協定(以下「旧協定」という。)があった場合において、1日の労働時間のうち最も長いものが旧協定の定める1日の労働時間の最も長いもの若しくは9時間のいずれか長い時間を超え、又は1週間の労働時間のうち最も長いものが旧協定の定める1週間の労働時間のうち最も長いもの若しくは48時間のいずれか長い時間を超えるときは、旧協定の定める対象期間について1年当たりの労働日数から1日を減じた日数又は280日のいずれか少ない日数とするものとすること。

(2) 1日及び1週間の労働時間の限度

 法第32条の4第3項の命令で定める1日の労働時間の限度は10時間とし、1週間の労働時間の限度は52時間とするものとすること。この場合において、対象期間が3箇月を超えるときは、次のイ及びロのいずれにも適合しなければならないものとすること。
 イ 対象期間において、その労働時間が48時間を超える週が連続する場合の週数が3以下であること。
 ロ 対象期間をその初日から3箇月ごとに区分した各期間(3箇月未満の期間を生じたときは当該期間)において、その労働時間が48時間を超える週の初日の数が3以下であること。

(3) 連続して労働させる日数の限度

 法第32条の4第3項の命令で定める対象期間における連続して労働させる日数の限度は6日とし、特定期間における連続して労働させる日数の限度は1週間に1日の休日が確保できる日数とするものとすること。

(4) 育児を行う者等に対する配慮

 使用者は、法第32条の2、第32条の4又は第32条の5の規定により労働者に労働させる場合には、育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者については、これらの者が育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならないものとすること。


4 一斉休憩の特例の協定

 使用者は、法第34条第2項ただし書の協定をする場合には、一斉に休憩を与えない労働者の範囲及び当該労働者に対する休憩の与え方について、協定しなければならないものとすること。


5 所定労働日数が少ない労働者に対する年次有給休暇の比例付与

 法第39条第3項の命令で定める日数は、次の表のとおりとするものとすること。




























































週所定

労働日数


1年間の

所定労働日数


雇入れの日から起算した継続勤務期間


6箇月


1年

6箇月 


2年

6箇月


3年

6箇月


4年

6箇月


5年

6箇月


6年

6箇月

以上


4日


169日から

216日まで


7日


8日


9日


10日


12日


13日


15日


3日


121日から

168日まで


5日


6日


6日


7日


9日


10日


11日


2日


73日から

120日まで


3日


4日


4日


5日


6日


6日


7日


1日


48日から

72日まで


1日


2日


2日


2日


3日


3日


3日


6 法令等の周知方法

 法第106条第1項の命令で定める方法は、次に掲げる方法とするものとすること。

(1) 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。
(2) 書面を労働者に交付すること。
(3) 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。


7 激変緩和措置

(1) 対象労働者

 法第133条の命令で定める者は、次のとおりとするものとすること。
 イ 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者
 ロ 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある次に掲げるいずれかの者を介護する労働者
 (イ) 配偶者(婚姻の届出をしなくとも事実上婚姻と同様の関係にある者を含む。以下同じ。)、父母若しくは子又は配偶者の父母
 (ロ) 当該労働者が同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹又は孫
 
(2) 期間

 法第133条の命令で定める期間は、平成11年4月1日から平成14年3月31日までの間とするものとすること。


8 その他

 その他所要の規定の整備を行うものとすること。


9 附則

(1) この省令は、平成11年4月1日から施行するものとすること。
(2) その他この省令の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。