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36協定の延長限度時間
【資料のワンポイント解説】
1.時間外労働を必要とする場合に締結する労使協定の延長限度時間、並びに、「育児、介護を行う労働者」(特定労働者)にかかる延長限度時間の告示案である。
2.「育児、介護を行う労働者」(特定労働者)については、現行どおり、1年間150時間を超えないこととされている。
mokuji
■労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準案要綱
■特定労働者に係る労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準案要綱
一般の36協定の延長限度時間
労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準案要綱
1 業務区分の細分化
労働基準法(以下「法」という。)第36条第1項の協定(労働時間の延長に係るものに限る。以下「時間外労働協定」という。)をする労使当事者は、時間外労働協定において労働時間を延長する必要のある業務の種類について定めるに当たっては、業務の区分を細分化することにより当該必要のある業務の範囲を明確にしなければならないものとすること。
2 一定期間の区分
労使当事者は、時間外労働協定において1日を超える一定の期間についての延長することができる時間(以下「一定期間についての延長時間」という。)を定めるに当たっては、当該一定期間は1日を超え3箇月以内の期間及び1年間としなければならないものとすること。
3 一定期間についての延長時間の限度
労使当事者は、時間外労働協定において一定期間についての延長時間を定めるに当たっては、当該一定期間についての延長時間は、別表第1の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならないものとすること。ただし、あらかじめ、限度時間以内の時間の一定期間についての延長時間を定め、かつ、限度時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情が生じたときに限り、一定期間についての延長時間を定めた当該一定期間ごとに、労使当事者間において定める手続を経て、限度時間を超える一定の時間まで労働時間を延長することができる旨を定めることができるものとすること。
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別表第1
期間 限度時間
1週間 15時間
2週間 27時間
4週間 43時間
1箇月 45時間
2箇月 81時間
3箇月 120時間
1年間 360時間
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備考
一定期間が次のいずれかに該当する場合は、限度時間は、当該一定期間の区分に応じ、それぞれに定める時間(一時間未満の端数は切り上げる。)とする。
一 1日を超え1週間未満の日数を単位とする期間 15時間に当該日数を7で除して得た数を乗じて得た時間
二 1週間を超え2週間未満の日数を単位とする期間 27時間に当該日数を14で除して得た数を乗じて得た時間
三 2週間を超え4週間未満の日数を単位とする期間 43時間に当該日数を28で除して得た数を乗じて得た時間(27時間を下回るときは、27時間)
四 1箇月を超え2箇月未満の日数を単位とする期間 81時間に当該日数を60で除して得た数を乗じて得た時間(45時間を下回るときは、45時間)
五 2箇月を超え3箇月未満の日数を単位とする期間 120時間に当該日数を90で除して得た数を乗じて得た時間(81時間を下回るときは、81時間)
4 1年単位の変形労働時間制における一定期間についての延長時間の限度
(1) 労使当事者は、時間外労働協定において法第32条の4の規定による労働時間により労働する労働者(対象期間が3箇月を超える変形労働時間制により労働する者に限る。)に係る一定期間についての延長時間を定める場合は、3にかかわらず、当該労働者に係る一定期間についての延長時間は、別表第2の上欄に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならないものとすること。
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別表第2
期間 限度時間
1週間 14時間
2週間 25時間
4週間 40時間
1箇月 42時間
2箇月 75時間
3箇月 110時間
1年間 320時間
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備考
一定期間が次のいずれかに該当する場合は、限度時間は、当該一定期間の区分に応じ、それぞれに定める時間(一時間未満の端数は切り上げる。)とする。
一 1日を超え1週間未満の日数を単位とする期間 14時間に当該日数を7で除して得た数を乗じて得た時間
二 1週間を超え2週間未満の日数を単位とする期間 25時間に当該日数を14で除して得た数を乗じて得た時間
三 2週間を超え4週間未満の日数を単位とする期間 40時間に当該日数を28で除して得た数を乗じて得た時間(25時間を下回るときは、25時間)
四 1箇月を超え2箇月未満の日数を単位とする期間 75時間に当該日数を60で除して得た数を乗じて得た時間(42時間を下回るときは、42時間)
五 2箇月を超え3箇月未満の日数を単位とする期間 110時間に当該日数を90で除して得た数を乗じて得た時間(75時間を下回るときは、75時間)
(2) 3ただし書は、法第32条の4第1項の協定が締結されている事業場の労使当事者について準用するものとすること。
5 適用除外
次に掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、3及び4(4に掲げる事業又は業務に係る時間外労働協定については、労働省労働基準局長が指定する範囲に限る。)は適用しないものとすること。
(1) 工作物の建設等の事業
(2) 自動車の運転の業務
(3) 新技術、新商品等の研究開発の業務
(4) 季節的要因等により事業活動若しくは業務量の変動が著しい事業若しくは業務又は公益上の必 要により集中的な作業が必要とされる業務として労働省労働基準局長が指定するもの。
6 この告示は、平成11年4月1日から適用するものとすること。
育児、介護を行う労働者(特定労働者)の36協定の延長限度時間
特定労働者に係る労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準案要綱
1 労働基準法(以下「法」という。)第36条第1項の協定(労働時間の延長に係るものに限る。以下「時間外労働協定」という。)をする労使当事者は、時間外労働協定において1日を超える一定の期間についての延長することができる時間(以下「一定期間についての延長時間」という。)を定めるに当たっては、平成14年3月31日までの間は、労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準2から5までにかかわらず、法第133条の特定労働者(その者に係る時間外労働を短いものとすることを使用者に申し出た者に限る。)に係る一定期間についての延長時間は、当該特定労働者が従事する次の表の上欄に掲げる事業の区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる期間について同表の下欄に掲げる限度時間を超えないものとしなければならないものとすること。
ただし、法別表第1第1号から第5号までの事業において、当該労働者を財産目録、貸借対照表又は損益計算書の作成その他決算のために必要な計算、書類の作成等の業務に従事させる場合は、1週間について6時間を超えないものとする次の表の定めにかかわらず、2週間について12時間を超えないものとすることができるものとすること。
事業 期間 限度時間
法別表第1第1号から第5号までの事業 1週間 6時間
1年間 150時間
法別表第1第6号から第12号まで及び第15号の事業 1週間 36時間
1年間 150時間
法別表第1第13号及び第14号の事業 1週間 12時間
1年間 150時間
2 この告示は、平成11年4月1日から適用するものとすること。