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[資料番号] 00071
[題  名] 6.30改正労働者派遣法可決成立(衆議院修正、衆議院・参議院附帯決議等)
[区  分] その他

[内  容]


H116.30 改正労働者派遣法が可決成立

【資料のワンポイント解説】

1.H11.6.30参議院本会議で改正労働者派遣法が可決成立した。
2.ここでは、改正法案要綱の再掲、並びに衆議院修正、衆議院付帯決議、参議院付帯決議を収録し、参考に供する。

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■改正・労働者派遣法(法律案要綱)
■衆議院修正案
■衆議院付帯決議
■参議院付帯決議(平成11年6月29日)









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改正労働者派遣法(法律案要綱)

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱



第一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部改正


一 業務の範囲

(一) 何人も、次のいずれかに該当する業務について、労働者派遣事業を行ってはならないものとすること。(第四条第一項関係)
 イ 港湾運送業務(港湾労働法第二条第二号に規定する港湾運送の業務及び同条第一号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいう。)
 ロ 建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう。)
 ハ 警備業法第二条第一項各号に掲げる業務その他その業務の実施の適正を確保するためには業として行う労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務として政令で定める業務

(二) 労働大臣は、(一)のハの政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(第四条第二項関係)


二 許可等の手続の簡素化等

(一) 一般労働者派遣事業の許可の申請書及び特定労働者派遣事業の届出書の記載事項の簡素化
 一般労働者派遣事業の許可の申請書及び特定労働者派遣事業の届出書の記載事項のうち事業対象業務の種類については、記載を要しないものとすること。(第五条第二項及び第十六条第一項関係)

(二) 一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業開始の欠格事由の追加次に掲げる者を一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業開始の欠格事由として追加するものとすること。(第六条関係及び第十七条関係)
 イ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定により、又は刑法の傷害等の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
 ロ 健康保険法、船員保険法、労働者災害補償保険法、厚生年金保険法、労働保険の保険料の徴収等に関する法律又は雇用保険法の一定の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者

(三) 一般労働者派遣事業の許可の基準の見直し

 一般労働者派遣事業の許可の基準のうち、労働力の需給の適正な調整の促進のために必要かつ適切であることについて、専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われるもの(雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合として労働省令で定める場合において行われるものを除く。)でないことに限定するものとすること。(第七条第一項関係)

(四) 労働者派遣事業に係る変更の手続の簡素化

 派遣元事業主が事業所の所在地を変更しようとするときは、遅滞なく、その旨を労働大臣に届け出るものとし、労働大臣の許可を受けること又はあらかじめ労働大臣に届け出ることを要しないものとすること。(第十一条第一項及び第十九条第一項関係)


三 秘密の保持

 派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないものとすること。派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者でなくなった後においても、同様とするものとすること。(第二十四条の三関係)


四 労働者派遣の期間等

(一) (三)に抵触することとなる最初の日の通知

 (三)のイ、ロ及びハの業務以外の業務について派遣元事業主から新たな労働者派遣契約に基づく労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、当該労働者派遣契約を締結するに当たり、あらかじめ、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣の役務の提供が開始される日以後当該業務について(三)に抵触することとなる最初の日を通知しなければならないものとすること。(第二十六条第五項関係)

(二) 労働者派遣の期間

 派遣元事業主は、派遣先が当該派遣元事業主から労働者派遣の役務の提供を受けたならば(三)に抵触することとなる場合には、当該抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行ってはならないものとすること。(第三十五条の二関係)

(三) 労働者派遣の役務の提供を受ける期間

 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(次に掲げる業務を除く。六において同じ。)について、派遣元事業主から一年を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないものとすること。(第四十条の二第一項関係)

 イ 次の(イ)又は(ロ)に該当する業務であって、当該業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められるものとして政令で定める業務

 (イ) その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務
 (ロ) その業務に従事する労働者について、就業形態、雇用形態等の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務

 ロ 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内に完了することが予定されているもの

 ハ 派遣先に雇用される労働者が産前産後休業及び育児休業をする場合における当該労働者の業務その他これに準ずる場合として労働省令で定める場合における当該労働者の業務

(四) 労働大臣は、(三)のイの政令の制定若しくは改正の立案をし、又は(三)のハの労働省令の制定若しくは改正をしようとするときは、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(第四十条の二第二項関係)


(五) 公表等

 労働大臣は、(三)に違反している者に対し、指導又は助言をした場合において、その者がなお(三)に違反しており、又は違反するおそれがあると認めるときは、当該者に対し、(三)に違反する派遣就業を是正するために必要な措置又は当該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置をとるべきことを勧告することができるものとし、これに従わなかったときは、その旨を公表することができるものとすること。(第四十九条の二関係)


五 適正な派遣就業の確保等

 派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者について、当該派遣就業が適正かつ円滑に行われるようにするため、適切な就業環境の維持、診療所、給食施設等の施設であって現に当該派遣先に雇用される労働者が通常利用しているものの利用に関する便宜の供与等必要な措置を講ずるように努めなければならないものとすること。(第四十条第二項関係)


六 派遣労働者の雇用

 派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して一年間労働者派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該同一の業務に労働者を従事させるため、当該一年間が経過した日以後労働者を雇い入れようとするときは、当該同一の業務に継続して一年間従事した派遣労働者であって次のいずれにも適合するものを、遅滞なく、雇い入れるように努めなければならないものとすること。(第四十条の三関係)

(一) 当該一年間が経過した日の前日までに、当該派遣先に雇用されて当該同一の業務に従事することを希望する旨を当該派遣先に申し出たこと。

(二) 当該一年間が経過した日から起算して七日以内に当該派遣元事業主との雇用関係が終了したこと。


七 派遣労働者の就業条件の確保のための措置

(一) 労働大臣に対する申告
 イ 労働者派遣をする事業主又は労働者派遣の役務の提供を受ける者がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、派遣労働者は、その事実を労働大臣に申告することができるものとすること。(第四十九条の三第一項関係)

 ロ 労働者派遣をする事業主及び労働者派遣の役務の提供を受ける者は、イの申告をしたことを理由として、派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いを してはならないものとすること。(第四十九条の三第二項関係)

(二) 相談及び援助

 公共職業安定所は、派遣就業に関する事項について、労働者等の相談に応じ、及び必要な助言その他の援助を行うことができるものとすること。(第五十二条関係)

(三) 労働者派遣事業適正運営協力員

 イ 労働大臣は、社会的信望があり、かつ、労働者派遣事業の運営及び派遣労働者の就業について専門的な知識経験を有する者のうちから、労働者派遣事業適正運営協力員を委嘱することができるものとすること。(第五十三条第一項関係)

 ロ 労働者派遣事業適正運営協力員は、労働者派遣事業の適正な運営及び適正な派遣就業の確保に関する施策に協力して、労働者派遣をする事業主、労働者派遣の役務の提供を受ける者、労働者等の相談に応じ、及びこれらの者に対する専門的な助言を行うものとすること。(第五十三条第二項関係)

 ハ 労働者派遣事業適正運営協力員は、正当な理由がある場合でなければ、その職務に関して知り得た秘密を他に漏らしてはならないものとすること。労働者派遣事業適正運営協力員でなくなった後においても、同様とするものとすること。(第五十三条第三項関係)

 ニ 労働者派遣事業適正運営協力員は、その職務に関して、国から報酬を受けないものとするとともに、予算の範囲内において、その職務を遂行するために要する費用の支給を受けることができるものとすること。(第五十三条第四項及び第五項関係)



八 罰則等
 
 七(一)ロに違反した者に対し所要の罰則を科す等罰則その他所要の規定の整備を行うものとすること。    


九 業務の範囲に係る経過措置

(一) 何人も、第一の一の(一)に規定するほか、物の製造の業務(物の溶融、鋳造、加工、組立て、洗浄、塗装、運搬等物を製造する工程における作業に係る業務をいう。)であって、その業務に従事する労働者の就業の実情並びに当該業務に係る派遣労働者の就業条件の確保及び労働力の需給の適正な調整に与える影響を勘案して労働省令で定めるものについては、当分の間、労働者派遣事業を行ってはならないものとすること。(附則第四項関係)

(二) 労働大臣は、(一)の労働省令の制定又は改正をしようとするときは、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならないものとすること。(附則第五項関係)





第二 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部改正

 一 高年齢者に係る労働者派遣事業の特例を廃止するものとすること。(第十一条の三及び第十一条の四関係)
 二 その他所要の規定の整備を行うものとすること。


第三 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部改正

 一 育児休業等取得者の業務について行われる労働者派遣事業の特例を廃止するものとすること。(第四十六条の二及び第四十六条の三関係)
 二 その他所要の規定の整備を行うものとすること。


第四 施行期日等

 一 この法律は、平成十一年七月一日から施行するものとすること。ただし、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の施行の日が平成十一年七月一日後となる場合には、二の一部については、同法の施行の日から施行するものとすること。(附則第一条関係)

 二 この法律の施行に関し必要となる経過措置等を定めるとともに関係法律の規定の整備を行うものとすること。(附則第二条から第八条まで、第十条及び第十一関条係)

 三 政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。(附則第九条関係)






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労働者派遣法 衆議院修正案


労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案要綱



1.一般労働者派遣事業の許可の基準の追加(第7条第1項第3号関係)
 一般労働者派遣事業の許可の基準として、個人情報を適正に管理し、及び派遣労働者の等の秘密を守るために必要な措置が講じられていることを追加するものとすること。

2.労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の規定に抵触することとなる最初の日の通知がない場合の労働者派遣契約の締結の禁止(第26条第6項関係)
 派遣元事業主は、労働者派遣の役務の提供を受けようとする者から当該期間の制限の規定に抵触することとなる最初の日の通知が
ないときは、当該者との間で、当該業務に係る労働者派遣契約の締結をしてはならないものとすること。

3.派遣労働者を特定することを目的とする行為の制限(第26条第7項関係)
 労働者派遣の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならないものとすること。

4.健康保険の被保険者の資格の取得等の確認及び雇用保険の被保険者となったことの確認の有無に関する事項であって労働省令で定めるものを派遣先に通知しなければならないものとすること。

5.派遣元責任者の業務の追加(第36条第4号関係)
 派遣元責任者の業務として、派遣労働者の等の個人情報の管理に関することを追加するものとすること。

6.雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の適用に関する特例(第47条の2関係)
 労働者派遣の役務の提供を受ける者がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者の就業に関しては、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者もまた、当該派遣労働者を雇用する事業主とみなして、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律中の職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の配慮並びに妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置の規定を適用するものとすること。

7.派遣先に対する雇入れ勧告等(第49条の2第2項及び第3項関係)
(1)労働大臣は、派遣先が労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けており、かつ、当該労働者派遣の役務の提供に係る派遣労働者が当該派遣先に雇用されることを希望している場合において、当該派遣先に対し、当該派遣労働者を雇い入れるように指導又は助言をしたにもかかわらず、当該派遣先がこれに従わなかったときは、当該派遣先に対し、当該派遣労働者を雇い入れるように勧告することができるものとすること。
(2)派遣先が1の勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができるものとすること。

8.罰則(第61条第3号関係)
 派遣先が労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の規定に抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行った派遣元事業主に対し、所要の罰則を科すものとすること。







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衆議院附帯決議


労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)




政府は、本法律の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

1.適用除外業務を政令で定めるに当たっては、その業務の実施の適正を確保するためには労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でないと認められる業務について、中央職業安定審議会の意見を踏まえ適切に措置すること。

2.請負等を偽装した労働者派遣事業の解消に向けて、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準について一層の具体化、明確化を図るとともに、厳正な指導・監督に努めること。

3.派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契約の中途解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとし、これができないときは契約解除の少なくとも三十日前に派遣元事業主にその旨の予告を行わなければならないこととするとともに、この予告をしない派遣先は派遣労働者の三十日分以上の賃金に相当する損害賠償(解除の三十日前の日と予告をした日との間の日数が三十日未満の場合はその日数分以上の賃金に相当する損害賠償)を行わなければならない旨を指針に明記し、その履行の確保を図ること。

4.派遣元事業主は社会・労働保険加入の必要がある派遣労働者について加入させてから労働者派遣を行うべき旨及び派遣先は社会・労働保険に加入している派遣労働者を受け入れるべき旨を指針に明記し、その履行の確保を図ること。
 また、派遣労働者を含む短期雇用労働者に係る社会・労働保険の在り方について検討すること。

5.派遣労働者の職業能力の開発・向上を図るため、派遣元事業主による一層の教育訓練の機会の確保が図られるよう、適切な指導等に努めること。







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参議院附帯決議



労働者派遺事業の適正な運営の確保及び派遺労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
                              参議院労働・社会政策委員会
                              平成十一年六月二十九日


 政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 一、適用除外業務を政令で定めるに当たっては、その業務の実施の適正を確保するためには労働者派遺により派遺労働者に従事させることが適当でないと認められる業務について、中央職業安定審議会の意見を踏まえ適切に措置すること。

 二、今回の改正により新たに対象となる業務における登録型の派遺労働者については、この法律の施行三年経過後における労働者派遣法の規定についての検討に際し、その就業の実情、労働条件の確保等の状況を把握、分析し、必要な検討を加えること。

 三、請負等を偽装した労働者派遣事業の解消に向けて、労偽者派遺事業と請負により行われる事業との区分に関する基準について一層の具体化、明確化を図るとともに、周知徹底、厳正な指導・監督を行うこと。

 四、派遣期間一年の制限に係る「同一の業務」及び「継続」の判断基準について、中央職業安定審議会の意見を聴き指針に可能な限り明確に定めること。

 また、派遺期間一年の制限に違反して労働者派遺の受入れを行っている場合における労働大臣による派遺先に対する雇入れ勧告について、実効性を確保するためその適切な運用を図ること。

 五、派遺元における派遺労働者の個人情報保護の実効性を確保するため、派遺元事業主が収集、保管、使用する個人情報の範囲並びに許可基準中の個人情報の適正管理等に係る要件及び派遺元責任者の業務の内容について、中央職業安定審議会の意見を聴き可能な限り明確に定めること。

 六、派遣先におけるセクシュアルハラスメントを防止するため、派遺先に対し必要な指導等適切な措置を溝ずること。

 七、派遺先は派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遺契約の中途解除を行おうとする構合には、派遺労働者の新たな就業機会の確保を図ることとし、これができないときは契約解除の少なくとも三十日前に派遺元事業主にその旨の予告を行わなければならないこととするとともに、この予告をしない派遣先は派遺労働者の三十日分以上の賃金に相当する損書賠償(解除の三十日前の日と予告をした日との間の日数が三十日未満の場合はその日数分以上の賃金に相当する損害賠償)を行わなければならない旨を指針に明記し、その履行の確保を図ること。

 八、派遣先は当該派遣先における労働者派遺契約の定めに反する事案を知ったときは、これを早急に是正すること、労働者派遣契約の定めに反する行為を行った者及び当該派遣先責任者に対し労働者派遺契約を遵守させるために必要な措置を講ずること、派遺元事業主と十分協議した上で損害賠償等の前後処理方策を講ずること等適切な措置を構ずべき旨を指針に明記し、派遺先による労働者派遺契約違反の防止等のための指導の徹底を図ること。

 九、派遺元事業主は社会・労働保険に加入の必要がある派遣労働者について加入させてから労働者派遺を行うべき旨及び派道先は社会・労働保険に加入している派遣労働者を受け入れるべき旨を指針に明記し、その履行の確保を図ること。

 また、派遺労働者を含む短期雇用労働者に係る社会・労働保険の在り方について、早急に検討すること。

 十、派遺労働者の職業能力の開発・向上を図るため、派遺元事業主による一層の教育訓練の機会の確保が図られるよう、適切な指導等に努めること。

十一、派遣労働者の保護の実効性の確保について、都遺府県労働局において職業安定行政と労働基準行政とが統合されることを念頭に置き、使用者責任の遵守の観点から、労働基準監督官との連携の在り方も含め、検討を行うものとすること。

十二、この法律の施行三年経過後における労勧者派遺法の規定の決議に際し、派遣労働者の保護や職業能力の開発等労働者派遺事業の制度の在り方について総合的に検討を加えること。

 右決議する。