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改正労働者派遣法
派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針
(平成11年11月17日・労働省告示第137号)
労働者派遣事業の適正な運営の確保及ぴ派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)第47条の3の規定に基づき、派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針を次のように定め、平成11年12月1日から適用し、平成8年労働省告示第102号(派遣元事業主及ぴ派遣先が請ずべき措置に関する指針)は、平成11年11月30日限り廃止する。
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第1 趣旨 この指針は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及ぴ派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」という。)第3章第1節及ぴ第2節の規定により派遣元事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものである。 第2 派遣元事業主が講ずべき措置 1 労働者派遣契約の締結に当たっての就業条件の確認 派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに際しては、派遣先が求める業務の内容、当該業務を遂行するために必要とされる知識、技術又は経験の水準その他労働者派遣契約の締結に際し定めるべき就業条件を事前にきめ細かに把握すること。 2 労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置 派遣元事業主は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該労働者派遣契約に係る派遣先と連携して、当該派遣先からその関連会社での就業のあっせんを受ける等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。 また、労働者派遣契約の解除に伴い派遣元事業主が当該労働者派遣に係る派遣労働者を解雇しようとする場合には、当該派遣元事業主は、労働基準法(昭和22年法律第49号)等に基づく責任を果たすこと。 3 適切な苦情の処理 派遣元事業主は、派遣労働者の苦情の申出を受ける者、派遣元事業主において苦情の処理を行う方法、派遣元事業主と派遣先との連携のための体制等を労働者派遣契約において定めること。 また、派遣元管理台帳に苦情の申出を受けた年月日、苦情の内容及ぴ苦情の処理状況について、苦情の申出を受け、及び苦情の処理に当たった都度、記載すること。 また、派遣労働者から苦情の申出を受けたことを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないこと。 4 労働・社会保険の適用の促進 派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の就業の状況等を踏まえ、労働・社会保険の適用手続を適切に進め、労働・社会保険に加入する必要がある派遣労働者については、加入させてから労働者派遣を行うこと。 ただし、新規に雇用する派遣労働者について労働者派遣を行う場合であって、当該労働者派遣の開始後速やかに労働・社会保険の加入手続を行うときは、この限りでないこと。 5 派遣先との連絡体制の確立 派遣元事業主は、派遣先を定期的に巡回すること等により、派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していないことの確認等を行うとともに、派遣労働者の適正な派遣就業の確保のためにきめ細かな情報提供を行う等により派遣先との連絡調整を的確に行うこと。 6 派遣労働者に対する就業条件の明示 派遣元事業主は、モデル就業条件明示書の活用等により、派遣労働者に対し就業条件を明示すること。 7 労働者を新たに派遣労働者とするに当たっての不利益取扱いの禁止 派遣元事業主は、その雇用する労働者であって、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとする場合であって、当該労働者が同意をしないことを理由として、当該労働者に対し解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。 8 派遣労働者の福祉の増進 派遣元事業主は、派遣労働者又は派遣労働者として雇用しようとする労働者について、当該労働者の適性、能力等を勘案して、最も適合した就業の機会の確保を図るとともに、就業する期間及ぴ日、就業時間、就業場所、派遣先における就業環境等について当該労働者の希望と適合するような就業機会を確保するよう努めること。 また、派遣労働者はその有する知識、技術、経験等を活かして就業機会を得ていることにかんがみ、派遣元事業主は、就業機会と密接に関連する教育訓練の機会を確保するように努めなければならないこと。 9 関係法令の関係者への周知 派遣元事業主は、労働者派遣法の規定による派遣元事業主及ぴ派遣先が講ずべき措置の内容並びに労働者派遣法第3章第4節に規定する労働基準法等の適用に関する特例等関係法令の関係者への周知の徹底を図るために、説明会等の実施、文書の配布等の措置を講ずること。 10 個人情報の保護 (1)個人情報の収集、保管及ぴ使用 イ 派遣元事業主は、派遣労働者となろうとする者を登録する際には当該労働者の希望及ぴ能力に応じた就業の機会の確保を図る目的の範囲内で、派遣労働者として雇用し労働者派遣を行う際には当該派遣労働者の適正な雇用管理を行う目的の範囲内で、派遣労働者となろうとする者及ぴ派遣労働者(以下「派遣労働者等」という。)の個人情報(以下単に「個人情報」という。)を収集することとし、次に掲げる個人情報を収集してはならないこと。ただし、特別な業務上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りでないこと。 (イ)人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項 (ロ)思想及ぴ信条 (ハ)労働組合への加入状況 ロ 派遣元事業主は、個人情報を収集する際には、本人から直接収集し、又は本人の同意の下で本人以外の者から収集する等適法かつ公正な手段によらなければならないこと。 ハ 派遣元事業主は、高等学校若しくは中等教育学校又は中学校の新規卒業予定者であって派遣労働者となろうとする者から応募書類の提出を求めるときは、職業安定局長の定める書類により提出を求めること。 二 個人情報の保管又は使用は、収集目的の範囲に限られること。なお、派遣労働者として雇用し労働者派遣を行う際には、労働者派遣事業制度の性質上、派遣元事業主が派遣先に提供することができる派遣労働者の個人情報は、労働者派遣法第35条の規定により派遣先に通知すべき事項のほか、当該派遣労働者の業務遂行能力に関する情報に限られるものであること。ただし、他の保管若しくは使用の目的を示して本人の同意を得た場合又は他の法律に定めのある場合は、この限りでないこと。 (2) 適正管理 イ 派遣元事業主は、その保管又は使用に係る個人情報に関し、次に掲げる措置を適切に講ずるとともに、派遣労働者等からの求めに応じ、当該措置の内容を説明しなければならないこと。 (イ)個人情報を目的に応じ必要な範囲において正確かつ最新のものに保つための措置 (ロ)個人情報の紛失、破壊及ぴ改ざんを防止するための措置 (ハ)正当な権限を有しない者による個人情報へのアクセスを防止するための措置 (ニ)収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置 ロ 派遣元事業主が、派遣労働者等の秘密に該当する個人情報を知り得た場合には、当該個人情報が正当な理由なく他人に知られることのないよう、厳重な管理を行わなければならないこと。 ハ 派遣元事業主は、次に掲げる事項を含む個人情報の管理規程を作成し、これを遵守しなければならないこと。 (イ)個人情報を取り扱うことができる者の範囲に関する事項 (ロ)個人情報を取り扱う者に対する研修等教育訓練に関する事項 (ハ)本人から求められた場合の個人情報の開示又は訂正(削除を含む。以下同じ。)の取扱いに関する事項 (ニ)個人情報の取扱いに関する苦情の処理に関する事項 ニ 派遣元事業主は、本人が個人情報の開示又は訂正の求めをしたことを理由として、当該本人に対して不利益な取扱いをしてはならないこと。 11 派遣労働者の特定を目的とする行為に対する協力の禁止等 (1) 派遣元事業主は、派遣先による派遣労働者を特定することを目的とする行為に協力してはならないこと。 (2) 派遣元事業主は、派遣先との間で労働者派遣契約を締結するに当たっては、職業安定法(昭和22年法律第141号)第3条の規定を遵守するとともに、派遣労働者の性別を労働者派遣契約に記載し、これに基づき当該派遣労働者を当該派遣先に派遣してはならないこと。 |