18年改正労働安全衛生法88条本文ただし書き(解説)
■HOMEPAGE
■改正労働安全衛生法〔H18改正〕のすべて
18年改正労働安全衛生法
88条
1 事業主による自主的な安全衛生への取組を促進するための環境整備
(2)自主的取組の推進と普及促進のためのインセンティブ措置
〔88条改正のねらい〕
1 近年、現場の実態及びこれを踏まえた実践的な安全衛生活動を熟知しているベテラン労働者が、定年退職、リストラ等により現場を去り、また、今後「団塊の世代」が大量に退職することを考慮すると、現場における安全衛生担当者のレベル低下による安全衛生活動の弱体化が予測され、これを未然に防ぐ必要がある。
このためには、個人の経験と能力のみに依存せず、危険・有害要因を特定し、リスクの評価及びリスクを低減させる措置を組織的かつ体系的に実施し、安全衛生水準の段階的な向上を図る仕組みを活用することが効果的であり、その仕組みの一つである労働安全衛生マネジメントシステムの導入を促進することが望ましい。
2 労働安全衛生マネジメントシステムの導入を促進するための環境整備として、一定のインセンティブの措置を講じることが検討されていたが、その内容が確定した。
すなわち、平成18年改正で新設された労働安全衛生法第28条の2第1項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置を講じているものとして、労働基準監督署長が認定した事業者については、労働基準監督署における計画届の事前審査を代替することができることとし、第88条第1項及び第2項に基づく計画の届出(以下「計画の届出」という。)の義務を免除することとした。(88条関係)
〔改正のポイント〕
1 事業場における危険性・有害性の調査並びに安全衛生計画の策定及び当該計画の実施・評価・改善など現行の労働安全衛生マネジメントシステム指針を踏まえて定める措置を適切に行っており、安全衛生水準が高いと行政機関が認めた事業者に対しては、労働安全衛生法第88条に規定する機械等の設置、移転等に関する計画の届出に代えて設置報告とする等の促進策が講ぜられることとなった。(88条本文ただし書き)
88条 計画の届出の免除
法令
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説明 (19.2.24付施行通達の引用)
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〔労働安全衛生法〕 |
T 8 計画の届出の免除(第88条関係) 第28条の2第1項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置を講じているものとして、労働基準監督署長が認定した事業者については、労働基準監督署における計画届の事前審査を代替することができるため、第88条第1項及び第2項に基づく計画の届出(以下「計画の届出」という。)の義務が免除されることとしたものであること。 [ 1 (1) 今回の改正により新たに規定された計画の届出が免除される事業者の認定について、その標準処理期間を1か月とする等の所要の整備を行うこと。 |
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〔労働安全衛生規則〕 (自主的活動の促進のための指針) 第二十四条の二 厚生労働大臣は、事業場における安全衛生の水準の向上を図ることを目的として事業者が一連の過程を定めて行う次に掲げる自主的活動を促進するため必要な指針を公表することができる。 一 安全衛生に関する方針の表明 二 法第二十八条の二第一項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置 三 安全衛生に関する目標の設定 四 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善 |
W 第1 2 自主的活動の促進のための指針 厚生労働大臣が定める事業者が行う自主的活動を促進するための指針に定める内容を具体的に明らかにしたこと。(第24条の2) W 第2 6 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(第24条の2関係) 本条は、従来より同条に基づき公表されている「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(平成11年労働省告示第53号)の主要な事項を示したものであること。 なお、同指針の改正については、別途示すところによること。 |
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〔労働安全衛生規則〕 (法第八十八条第一項ただし書の厚生労働省令で定める措置) 第八十七条 法第八十八条第一項ただし書(同条第二項において準用する場合を含む。)の厚生労働省令で定める措置は、次に掲げる措置とする。 一 法第二十八条の二第一項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置 二 前号に掲げるもののほか、第二十四条の二の指針に従つて事業者が行う自主的活動 |
W 第1 6 計画の届出が免除される事業者の認定 |
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〔労働安全衛生規則〕 (認定の単位) 第八十七条の二 法第八十八条第一項ただし書(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定によ る認定(次条から第八十七条の十までにおいて「認定」という。)は、事業場ごとに、所轄労働基準監督署長が行う。 |
W 第1 6 計画の届出が免除される事業者の認定 (2) 認定は、事業場ごと(建設業に属する事業の仕事を行う事業者に係る認定は、請負契約を締結している事業場ごと)に行うものとしたこと。(第87条の2、第87条の10) W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係) (2)認定の単位(第87条の2関係) 認定の単位は、法の適用単位である事業場単位とすることを規定したものであること。 なお、建設業については、第87条の10に規定する特例によること。 |
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〔労働安全衛生規則〕 (欠格事項) 第八十七条の三 次のいずれかに該当する者は、認定を受けることができない。 一 法又は法に基づく命令の規定(認定を受けようとする事業場に係るものに限る。)に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者 二 認定を受けようとする事業場について第八十七条の九の規定により認定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者 三 法人で、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの |
W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係) (3)欠格条項(第87条の3関係) 事業者がこれに該当する場合は認定を受けることができない旨を定めたものであること。 |
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〔労働安全衛生規則〕 (認定の基準) 第八十七条の四 所轄労働基準監督署長は、認定を受けようとする事業場が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、認定を行わなければならない。 一 第八十七条の措置を適切に実施していること。 二 労働災害の発生率が、当該事業場の属する業種における平均的な労働災害の発生率を下回つていると認められること。 三 申請の日前一年間に労働者が死亡する労働災害その他の重大な労働災害が発生していないこと。 |
W 第1 6 計画の届出が免除される事業者の認定 (3) 所轄労働基準監督署長は、認定を受けようとする事業者が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、認定をしなければならないものとしたこと。(第87条の4) @ (1)の措置を適切に実施していると認められること。 A 労働災害の発生率が当該事業場の属する事業の業種における平均的な労働災害の発生率を下回っていると認められること。 B 申請の目前一年間に労働者が死亡する労働災害その他の重大な労働災害が発生していないこと。 W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係) (4)認定基準(第87条の4関係) ア 第1号関係 「第八十七条の措置を適切に実施していること」とは、第24条の2に基づく指針及び当該指針において引用する法第28条の2第2項に基づく指針に従って当該措置を適切に実施していることをいうものであること。 イ 第2号関係 「労働災害の発生率が、当該事業場の属する業種における平均的な労働災害の発生率を下回っていると認められること」とは、認定を受けようとする事業場に係る申請の目前1年間に通知された労災保険のメリット収支率が75%以下である場合をいうものであること。 また、建設業については、第87条の10に規定する特例により、認定を受けようとする建設の仕事の請負契約を締結している事業場(店社)が締結した契約の仕事を行う全ての事業場に係る労災保険のメリット収支率のうち、申請の目前1年間に通知されたものを平均した値が75%以下である場合をいうものであること。 なお、メリット制が適用されない事業場又は専門工事業者等の保険料を自ら納めていない事業場にあっては、メリット収支率の計算方法に準ずる方法で計算した値により判断するものであること。 ウ 第3号関係 「労働者が死亡する労働災害その他の重大な労働災害」とは、自社の労働者(労働者派遣法第45条各項の規定により自社に使用する労働者とみなされる派遣中の労働者(建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51年法律第33号)第44条の規定により派遣労働者とみなされる送出労働者を含む。)を含む。以下(4)において同じ。)又は関係請負人の労働者に係る労働災害(関係請負人の労働者に係る労働災害については、法第30条から第31条の2までの規定の違反について送検されたものに限る。)であって、次の(1)〜(3)に掲げるものをいう(第三者に主たる原因のあるもの及び地震による災害等予見不可能なものを除く。)。 @ 死亡労働災害 A 一度に3人以上の労働者に4日以上の休業又は労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)別表第2の身体障害等級表に掲げる身体障害を伴った労働災害 B 爆発、火災、破裂、有害物の大量漏洩等による労働災害であって、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第60条等の規定に基づく避難勧告又は避難指示を伴ったもの |
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〔労働安全衛生規則〕 (認定の申請) 第八十七条の五 認定の申請をしようとする事業者は、認定を受けようとする事業場ごとに、計画届免除認定申請書(様式第二十号の二)に次に掲げる書面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。 一 第八十七条の三各号に該当しないことを説明した書面 二 第八十七条の措置の実施状況について、申請の日前三月以内に二人以上の安全に関して優れた識見を有する者又は衛生に関して優れた識見を有する者による評価を受け、当該措置を適切に実施していると評価されたことを証する書面及び当該評価の概要を記載した書面 三 前号の評価について、一人以上の安全に関して優れた識見を有する者及び一人以上の衛生に関して優れた識見を有する者による監査を受けたことを証する書面 四 前条第二号及び第三号に掲げる要件に該当することを証する書面(当該書面がない場合には、当該事実についての申立書) 2 前項第二号及び第三号の安全に関して優れた識見を有する者とは、次のいずれかに該当する者であつて認定の実施について利害関係を有しないものをいう。 一 労働安全コンサルタントとして三年以上その業務に従事した経験を有する者で、第二十四条の二の指針に従つて事業者が行う自主的活動の実施状況についての評価を三件以上行つたもの 二 前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者 3 第一項第二号及び第三号の衛生に関して優れた識見を有する者とは、次のいずれかに該当する者であつて認定の実施について利害関係を有しないものをいう。 一 労働衛生コンサルタントとして三年以上その業務に従事した経験を有する者で、第二十四条の二の指針に従つて事業者が行う自主的活動の実施状況についての評価を三件以上行つたもの 二 前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者 4 所轄労働基準監督署長は、認定をしたときは、様式第二十号の三による認定証を交付するものとする。 |
W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係) (5) 認定の申請(第87条の5第1項関係) ア 第1項第2号関係 (ア) 第87条の措置の実施状況に関する評価に当たっては、評価の客観性を担保する観点から、2名以上の安全に関して優れた識見を有する者又は衛生に 関して優れた識見を有する者により実施することを規定したものであること。 (イ) また、認定の審査に当たっては、申請時点における認定事業場の現状について把握する必要があることから、第87条の5第1項第2号の評価は、申請の目前3月以内に実施されたものに限るものであること。 (ウ) 「評価されたことを証する書面」は、評価を行った者全員の合意に基づき作成されたものとし、当該書面には、第87条の措置が適切に実施されていることを評価した旨及び評価を行った目付を記載するほか、評価者の全員の記名押印又は署名があること。 (エ) 「当該評価の概要を記載した書面」は、第87条の措置の実施状況について、第24条の2の指針及び当該指針が引用する法第28条の2第2項に基づく指針の項目ごとに評価結果の概要を記載したものであること。評価結果の概要を記載した書面には、どのような書面、ヒアリング結果等に基づき、第87条の措置を指針に従って適切に実施していると判断したのかをできるかぎり具体的に記載すること。 イ 第1項第3号関係 (ア) 労働安全衛生マネジメントシステムは、労働安全及び労働衛生両方に関わるものであることから、監査に当たっては、安全に関して優れた識見を有する者及び衛生に関して優れた識見を有する者それぞれ1名以上により実施されることとしたものであること。また、監査の趣旨に鑑み、監査を実施する者は、第1項第2号の評価を実施した者とは別の者とすること。 (イ) 「監査を受けたことを証する書面」は、監査を行った者全員の合意に基づき作成されたものとし、当該書面には、評価結果が妥当である旨及び監査を行った目付を記載するほか、監査者全員の記名押印又は署名があること。 ウ 第1項第4号関係 (ア) 申請に当たっては、第87条の4第2号に掲げる要件に該当することを証する書面として、継続事業又は一括有期事業にあっては労働局から送付された直近の「労災保険率決定通知書」の写し、(塾単独有期事業にあっては申請前1年間に労働局から送付された「改定確定保険料決定通知書」の写しを添付すること。 (イ) 建設業の場合にあっては、(ア)の書面について、申請を行う店社が契約した建設工事の仕事を行う事業場に係るものすべてを添付するとともに、すべての事業場のメリット収支率の平均値の計算結果を添付すること。 (ウ) メリット制非適用の継続事業又は一括有期事業については、申請前1年間に行った年度更新時に事業者が提出した「概算・確定保険料申告書」の写しを添付すること。 (6) 評価又は監査を行う者の要件(第87条の5第2項及び第3項関係) ア 利害関係を有しない者 第2項及び第3項の「利害関係」を有する者とは、当該認定によって利益を得る者をいい、具体的には、(1)認定を受けようとする事業者(以下「認定対象事業者」という。)の役員若しくは職員(以下「役職員」という。)又は1年以内に役職員であった者、(2)認定対象事業者に対して、コンサルティング等継続的に利益を得る可能性のある業務を行っている又は評価若しくは監査の前1年間に行った者、(3)認定対象事業者の親会社(商法第211条ノ2第1項の親会社をいう。以下同じ。)の役職員又は1年以内に役職員であった者、(4)認定対象事業者が親会社である会社の役職員又は1年以内に役職員であった者、(5)認定対象事業者の親会社と同一の法人が親会社である法人の役職員又は1年以内に役職員であった者、(6)認定対象事業者の株主若しくは出資者(相続又は遺贈により認定対象事業者の株式又は出資を取得後1年を経過しない場合を除く。)又は債権者若しくは債務者(相続又は遺贈により認定対象事業者の債権又は債務を取得後一年を経過しない場合、その有する債権又は債務の額が100万円未満である場合等特別の事情を有する場合を除く。)を含むこと。 イ 第2項第1号及び第3項第1号の自主的活動の実施状況についての評価の実施時期は、コンサルタントの登録を行う前であっても差し支えないものであること。 ウ 第2項第1号及び第3項第1号の「自主的活動の実施状況についての評価」とは、自らが使用されている事業者に係る評価は含まず、また、「三件以上」とは、それぞれ別の事業場に対して実施されたものであること。 エ 第2項第1号及び第3項第1号の「コンサルタントとして3年以上その業務 に従事した経験」とは、コンサルタント登録を行った後に3年以上、概ね毎月、労働安全コンサルタントにあっては安全診断等の業務に従事した経験を、労働衛生コンサルタントにあっては衛生診断等の業務に従事した経験をいうものであること。 オ 第2項第2号の「同等以上の能力を有する者」 第2項第2号の「同等以上の能力を有する者」とは、次の(ア)から(ウ)までの要件のすべてに該当する者をいうこと。ただし、(ア)から(ウ)までの要件に該当することとなった時期の前後は問わないものとすること。 (ア) 次のいずれかに該当すること。 @ 大学(短期大学を除く。)における理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後8年以上の産業安全の実務経験を有するもの A 大学(短期大学を除く。)における理科系統以外の課程を修めて卒業した者で、その後10年以上の産業安全の実務経験を有するもの B 高等専門学校又は短期大学において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後10年以上の産業安全の実務経験を有するもの C 高等専門学校又は短期大学において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後12年以上の産業安全の実務経験を有するもの D 高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後13年以上の産業安全の実務経験を有するもの E 高等学校又は中等教育学校において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後16年以上の産業安全の実務経験を有するもの (イ) 労働安全衛生マネジメントシステムの評価に関して、以下の項目の研修を修了していること。 @ 労働安全衛生マネジメントシステムの目的と意義 A 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針とシステムの構築 B 危険性又は有害性等の調査等の目的と意義 C 危険性又は有害性等の調査等の手法 D 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の方法 E) 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の演習 なお、研修の内容の詳細等については、別途示すところによること。 (ウ) 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の業務について、3件以上従事した経験を有すること。なお、評価の業務は、自らが使用されている事業者に係る評価は含まず、かつ、それぞれ別の事業場に対して実施されたものであること。 カ 第3項第2号の「同等以上の能力を有する者」 第3項第2号の「同等以上の能力を有する者」とは、次の(ア)から(ウ)までのすべてに該当する者をいうこと。ただし、(ア)から(ウ)までの要件に該当することとなった時期の前後は問わないものとすること。 (ア) 次のいずれかに該当すること。 @ 大学(短期大学を除く。)における理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後8年以上の労働衛生の実務経験を有するもの A 大学(短期大学を除く。)における理科系統以外の課程を修めて卒業した者で、その後10年以上の労働衛生の実務経験を有するもの B 高等専門学校又は短期大学において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後10年以上の労働衛生の実務経験を有するもの C 高等専門学校又は短期大学において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後12年以上の労働衛生の実務経験を有するもの D 高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後13年以上の労働衛生の実務経験を有するもの E 高等学校又は中等教育学校において理科系統以外の学科を修めて卒業した者で、その後16年以上の労働衛生の実務経験を有するもの (イ) オ(イ)に掲げる研修を修了していること。 (ウ) 労働安全衛生マネジメントシステムの評価の業務について、3件以上従事した経験を有すること。なお、評価の業務は、自らが使用されている事業者に係る評価は含まず、かつ、それぞれ別の事業場に対して実施されたものであること。 キ 要件を満たしていることを明らかにする書面(様式第20号の2関係) (ア) 様式第20号の2備考5の「評価又は監査を実施した者が労働安全衛生規則第87条の5第2項及び第3項に該当する者であることを明らかにする書面」には、以下のものが含まれること。 a 第2項第1号及び第3項第1号の者にあっては、認定の実施について利害関係を有しないことを申し立てる書面、コンサルタント登録証の写し、 コンサルタントとしての業務経験を証する安全診断等の実績事業場リスト、3件以上の自主的活動の評価経験を証する評価結果書等(評価者の氏名が記載されているものに限る。)の写し及び評価の概要等当該評価が第24条の2の指針に定める事項を評価したものであることを説明する書面が含まれること。 b 第2項第2号及び第3項第2号の者にあっては、認定の実施について利害関係を有しないことを申し立てる書面、実務経験を証する実務経歴書等、研修の受講を証する書面の写し、3件以上の自主的活動の評価経験を証する評価結果書等(評価者の氏名が記載されているものに限る。)の写し及び評価の概要等当該評価が第24条の2の指針に定める事項を評価したものであることを説明する書面が含まれること。 (イ) 過去に行った認定の申請の際の添付書類に自己の評価書又は監査書を添付したことのある者で、その認定証の写しに加え、第2項第1号及び第3項第号の者にあってはコンサルタント登録番号を、第2項第2号及び第3項第2号の者にあっては受講した研修の実施者、修了証等の番号及び修了目を添付するときは、(ア)で定める第2項の評価又は第3項の監査を行う者の要件を満たすことを証する書面(認定の実施について利害関係を有しないこと を申し立てる書面を除く。)を省略することができること。 (ウ) 業務経験、実務経験、評価経験を証する書面については、個別事業場名等、申請事業場にそれらを開示することが適切でない情報も含まれる可能性があるため、労働基準監督署長あての厳封書類とすること。 |
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〔労働安全衛生規則〕 (認定の更新) 第八十七条の六 認定は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。 2 第八十七条の三、第八十七条の四及び前条第一項から第三項までの規定は、前項の認定の更新について準用する。 |
W 第1 6 計画の届出が免除される事業者の認定 |
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〔労働安全衛生規則〕 (実施状況等の報告) 第八十七条の七 認定を受けた事業者は、認定に係る事業場(次条において「認定事業場」という。)ごとに、一年以内ごとに一回、実施状況等報告書(様式第二十号の四)に第八十七条の措置の実施状況について行つた監査の結果を記載した書面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。 |
W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係)
(8)実施状況等の報告(第87条の7関係) ア 報告の時期について 認定事業場は、1年以内ごとに1回、労働安全衛生マネジメントシステムのシステム監査結果及び認定を受けた後(又は前回の実施状況等報告後)の機械等の設置等の状況について報告することを規定したものであること。 イ システム監査結果について システム監査の結果については、自らが実施したもの(内部監査)のほか、外部監査の結果でも差し支えないこと。 ウ 添付書類について (ア) 第87条の9各号に掲げる要件に該当していないことを説明する書面を添付すること。 (イ) 機械等の設置等の概要を記載した書面を添付すること。 (ウ) 認定証の記載事項に変更が生じた場合には、記載事項の変更を証する書面を添付すること。 |
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〔労働安全衛生規則〕 (措置の停止) 第八十七条の八 認定を受けた事業者は、認定事業場において第八十七条の措置を行わなくなつたときは、遅滞なく、その旨を所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。 |
W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係)
(9) 措置の停止(第87条の8関係) 第87条の措置を行わなくなったとき(認定事業者が認定事業場に係る事業の全部を譲り渡し、又は認定事業者について相続、合併若しくは分割があり、認定事業場に係る事業を他の者が承継することとなったときを含む。)は、その旨を速やかに所轄労働基準監督署長に報告するとともに、認定証を返納すること。 |
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〔労働安全衛生規則〕 (認定の取消し) 第八十七条の九 所轄労働基準監督署長は、認定を受けた事業者が次のいずれかに該当するに至つたときは、その認定を取り消すことができる。 一 第八十七条の三第一号又は第三号に該当するに至つたとき。 二 第八十七条の四第一号又は第二号に適合しなくなつたと認めるとき。 三 第八十七条の四第三号に掲げる労働災害を発生させたとき。 四 第八十七条の七の規定に違反して、同条の報告書及び書面を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれらを提出したとき。 五 不正の手段により認定又はその更新を受けたとき。 |
W 第1 6 計画の届出が免除される事業者の認定 (5)その他、認定の欠格事項、申請書の記載事項、認定の取消事由、実施状況等報告書について規定したこと。(第87条の3、第87条の5、第87条の7から第87条の9まで) W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係) (10) 認定の取消し(第87条の9関係) 本条は、欠格事項に該当するに至ったとき、認定基準に適合しなくなったと認められるとき、第87条の7の報告書及び書面を提出せず、若しくは虚偽の記載をしてこれらを提出したとき、又は不正の手段により認定若しくはその更新を受けたことが明らかになったときには、所轄労働基準監督署長が認定を取り消すことができる旨を規定したものであること。 |
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〔労働安全衛生規則〕
(建設業の特例) |
W 第1 6 計画の届出が免除される事業者の認定 (2) 認定は、事業場ごと(建設業に属する事業の仕事を行う事業者に係る認定は、請負契約を締結している事業場ごと)に行うものとしたこと。(第87条の2、第87条の10) W 第2 17 計画の届出が免除される事業者の認定(第87条の2から第87条の10まで関係) (11) 建設業の特例(第87条の10関係) 建設業にあっては、店社と当該契約による仕事を行う事業場が一体となって労働安全衛生マネジメントシステムを運用することが必要であることから、認定の単位を店社単位とすることを規定したものであること。 また、第87条の3に規定する欠格事項、第87条の4に規定する認定の基準、第87条の9に規定する認定の取消しにあたっては、店社に加え、店社において締結した請負契約に係る仕事を行う事業場に係る事項も含めて判断することとしたものであること。 |
*法令表記のうちアンダーライン部が、平成18年改正の行われた箇所である。
「平成16年8月今後の労働安全衛生対策の在り方に係る検討会報告書」
H18.12.27今後の労働安全衛生対策について(建議)の元となった「平成16年8月今後の労働安全衛生対策の在り方に係る検討会報告書」において、本条(88条)に関連する記述として、次のような箇所が認められる。(労務安全情報センター記)
3.今後の安全衛生対策の在り方(提言)
(1)事業者による自主的な安全衛生への取組を促進するための環境整備
イ 自主的取組の推進と普及促進のためのインセンティブ措置
(ア)自主的な取組の必要性
危険・有害性の調査等が必要となっていることに加え、現場の実態及び現場における危険予知活動等の安全衛生活動を熟知しているベテラン労働者が、定年退職、リストラクチャリング等により現場を去り、また、今後「団塊の世代」が大量に退職することを考慮すると、現場における安全衛生担当者のレベル低下による事業場の安全衛生活動の弱体化に対して早急に対処する必要がある。
このため、事業場において個人の経験と能力のみに依存せず、トップの方針の下、組織として、安全衛生活動を維持改善するために、危険・有害要因を特定し、リスクの評価及びリスクを低減させる措置を体系的に実施し、安全衛生水準の段階的な向上を図る仕組みの活用を図ることが必要である。その仕組みのひとつで効果的な手法が労働安全衛生マネジメントシステム(以下「マネジメントシステム」という。)である。さらに、この仕組みの運用の実効性を高めるには、事業場単位のみでなく、全社的な取組を進めることが望ましい。
マネジメントシステムの導入を促進するためには、「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(平成11年4月30目付け労働省告示第53号)の性格が明らかになるよう労働安全衛生法体系の中での位置づけをより明確にすること、また、実施事項を明確にすることが必要である。さらに、当該指針については、指針制定後国際基準として制定され、認知されているILOの「労働安全衛生マネジメントシステムに関するガイドライン」(2001年ILO理事会承認)との整合性にも配慮する必要がある。
また、総括安全衛生管理者による安全衛生方針の表明等、既存の安全衛生管理体制を最大限活用することが、この仕組みの円滑な実施のために重要である。
なお、新たな仕組みの導入を促進する際、中小零細企業においても比較的容易に実施可能な手法の開発及び支援措置も併せて検討する必要がある。
(イ)普及促進のためのインセンティブ措置
マネジメントシステムが定着し、安全衛生対策を推進する体制が確立することにより、事業場内における労働災害の防止が自律性を持って推進されることが期待されることから、各事業場における積極的な導入を図るための誘導促進策を検討することは有益である。第10次の労働災害防止計画においても、インセンティブ措置の在り方の検討と導入が掲げられている。
インセンティブ措置としては、マネジメントシステムが確立し、安全衛生水準が高いと認められる事業場について、
(1)自律的な安全衛生管理が定着しており、危険・有害性の調査等が確実に実施されることから、行政機関が事前にチェックを行う仕組みである労働安全衛生法第88条に規定される機械等の設置、移転に関する計画届を事後のチェックに変更する等の法令上の措置に関する措置
(2)中小企業に対しては、自律的な安全衛生管理の導入を促進を図るために、労災保険の特例メリット制を適用する等の経済的な措置
(3)企業名の顕彰、マネジメントシステムが確立されていることを表す標章使用の許容等の社会的な評価に関する措置
が考えられる。
〔最終更新日-H18.3.30 労務安全情報センター〕