企業・工場における震災非常時体制の確立に関して(試案)
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9月1日は防災の日、何処の家庭も年に一度(?)の非常時袋の点検をされたことでしょう。企業・工場における震災非常時体制の確立というテーマでレポートを書いてみました。実践に移して問題点を整理できればと思いつつ、なかなか実行に入れません。(卓上の空論みたいな部分もあろうかと思いますが、ご批判・ご意見を願えれば幸いに存じます。「労務安全情報センター」)


企業・工場における震災非常時体制の確立に関して
■非常時対策(震災対策)試案




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阪神大震災では、発生が早朝とはいえ労災事故も多く発生しました。
企業・工場にとって、震災の発生時刻によって状況は少し変わるのでしょうが、例えば、
・深夜未明の発生では
(工場の被害状況はどうなのか、また、企業の幹部にとっては、社員の各家庭の安否はどうか)
・勤務時間中の発生では
(工場の状況は目の当たりにしながら、社員は家族、家族は社員の安否をしりたいと切実に思います)
・交替制を採用している企業では(前2つの状況が交錯する)のだと思います。

非常時には、何が必要とされるのでしょうか。考えますに、やはり
・状況(情報)を知りたい
・連絡をしたい
ということでしょう。従って、この2つの条件を満たす形で予めの非常時対策が講じられることが望ましいと思われます。

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■インターネットWWWは、この点でかなり有力な手段たりうると思われます。特にWWWの持つ、双方向性を活用した非常時対策は注目されます。

まず、「状況(情報)を知りたい」という点について考えますと、

よく、経験することですが、「テレビ・ラジオ(情報は洪水のごとく流れます/字幕ニュース速報もあります)」ですが、テレビ・ラジオの情報は、やはりマス情報です。あれだけの大量の情報が流れても、絶えず「情報への飢え」を感じます。そうすると、特に非常時に大切な情報というのは、情報量の問題ではないのだと思います。
『知らされる情報』は必ずしも『知りたい情報』ではないということです。
非常時に必要な情報は、基本的には『個別情報』=『知りたい情報』でなのでしょう。

つぎに、「連絡をしたい」という要求について

この場合の代表的手段は電話でしょうが、これには、意外な盲点があります。電話は経験上必ずパンクして使い物にならなくなる、というより必ずパンクすると言って過言ではありません。通常電話がパンクするのは、連絡したい相手がいる=被災地に、同時に電話が集中するからです。この弱点については、今後とも状況の変化は多く期待できないような気がいたします。、、、。携帯電話?
それと、電話は、パンクしていない場合でも被災情報のリアルな”整理と提供”という点で所詮限界をもった情報手段です。電話だけでは、得られた緊急情報を社員に広く知らせる、迅速に知らせることが難しいような気が致します。


以上の、伝統的な情報伝達・連絡手段との対比でインターネットWWWを考えてみますと、WWWは、かなり画期的な要素をもっていることが解ります。

■インターネットWWWによる非常時対策について
・WWWは、センターを持たない勝手気ままな連合ですから、地震等の非常時にダウンしにくい特徴があります。
・手帳に一行  http://www.xxxxxx.or.jp/~xxxxxx/ 等のメモがあれば企業・工場の非常時情報拠点への接続が可能。
(実は、多くの企業の非常時連絡は、いわゆる町内会スタイルの連絡網です。数10〜100頁もあれば、コピーも億劫ですし、いざその時、このコピー連絡網にたどり着けるのか不安というところでしょう。)

・比較的想定しうる震災非常時体制はつぎのようなものでしょうか。

(1)予め設定した「○○企業(工場)非常時ホームページ」(上記アドレス)に緊急情報を集中して掲載する。
  (工場の被災状況、出勤・待機指示、メールで入る社員の個別安否情報等すべての関連情報を集中させる。)
(2)WWWのよいところは、このホームページが被災して壊滅状態の被災工場の中で立ち上がっている必要がないという点にもあります。別途立上げが可能なことです。(ただし、ホームページアドレスは周知のものを使う。)
(3)社員からのメールはWWWに接続されていれば、自宅からでも、インターネットカフェからでも、公共機関からでも可能(ただし、返信メールが効かない。)
(4)WWWホームページへのアクセスは、被災地へ接続の必要がない。(極端な話、北海道/沖縄/アメリカから入ってもよい。電話のようなパンクはありえない。)
(5)企業・工場等の単独立ち上げであるから、回線アクセス上のパンクも考えにくい。
(6)以上の非常時ページの管理は、周知済みアドレス回線のパスワードがわかっているスタッフならば、最後に生き残った一人でもページの設置・管理が可能である。

(注)
・非常時用のWWWホームページは、専用線より、公衆回線を使う全国ポイントを持っているプロバイダの方が有効かと思われます。専用線は、震災による回線の切断事故を考慮しなければいけないでしょう。大手企業では専用線の迂回(非常時切り替え)や衛星回線への切り替えが検討されていますが、一般的とはいえないでしょう。)
・また、市内ポイントだけのプロバイダの場合は、被災にあった場合サーバーダウンで、周知済みのアドレスが使用できないことも考慮しなければならないと思います。)

以上。こういうことは、実地訓練をしてネックを解消しておかないと実用にはならないでしょうね。
企業・工場でインターネット非常時ラインを構築されているところがありましたら、情報提供お願いします。

・非常時ホームページを構築して、一斉に「2時間以内に可能なWWW接続拠点から、状況メールを入れる」といった非常時訓練なども重要だと思いますが、、、。