快適職場環境の形成指針とは、こんな内容だ!
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■640/480 ■安全衛生管理
目次に戻ります 労働安全衛生法(快適職場形成に関するもの) (目的) 第l条 この法律は、労働基準法(昭和22年法律第49号)と相まって、労働災害防止のため の危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防 止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を 確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。 (事業者の講ずる措置) 第71条の2 事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、次の措置を継続的かつ計 画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない。 1 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置 2 労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置 3 作業に従事することによる労働者の疲労を回復するための施設または設備の設置又は 整備 4 前3号に褐げるもののほか、快適な職場環境を形成するため必要な措置 第71条の3 労働大臣は、前条の事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関して、そ の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。 2 労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うこ とができる。 (国の援助) 第71条の4 国は、事業者が講ずる快適な職場環境を形成するための措置の適切かつ有効な実施に資 するため、金融上の措置、技術上の助言、資料の提供その他の必要な援助に努めるものと する。 労働安全衛生規則 第61条の3 都道府県労働基準局長は、事業者が快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し必 要な計画を作成し、提出した場合において、当該計画が法第71条の3の指針に照らして 適切なものであると認めるときは、その旨の認定をすることができる。 2 都道府県労働基準局長は、法第71条の4の援助を行うに当たっては、前項の認定を 受けた事業者に対し、特別の配慮をするものとする。
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事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針
(平成4年7月1日、労働省告示第59号)
近年の技術革新の目覚ましい進展は、職場環境を大きく変えつつあり、また、経済のソフト化、サービス化や企業活動の国際化の進展等は、個々の労働者に就業態様の変化や就業地城の拡大等をもたらしている。最近、こうした職場をめぐる環境の変化の中で、新たに労働者の就業に伴う疲労やストレスの問題が生じている。
また、経済的豊かさが、実現する中で、国民の意識は物質的な豊かさから心の豊かさに比重を移してきており、このため、労働面においても、労働時間の短縮を求めるとともに、健康に対する関心の高まりから、心身に負担の大きい作業についてはその軽減を求める等職場における働きやすさが重視されるようになってきている。
さらに、我が国の就業構造を見ると、労働力人口の高齢化に伴い事業場における中高年齢者の割合が高まるとともに、多様な就業分野への女子の職場進出により女子労働者比率の高まりが見られる。このため、このような就業構造の変化に対応し、作業方法等の改善された職場環境の形成を図る必要が生じている。
このような変化の中で、労働者が、その生活時間の多くを過ごす職場について、疲労やストレスを感じることが少ない快適な職場環境を形成していくことが、極めて重要となっている。なお、快適な職場環境の形成を図ることは、労働者の有する能力の有効な発揮や、職場の活性化にも資するものと考えられる。
この指針は、以上のような考え方に立脚して、事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関し、快適な職場環境の形成についての目標に関する事項、快適な職場環境の形成の適切かつ有効な実施を図るために事業者が講ずべき措置の内容に関する事項及び当該措置の実施に関し考慮すべき事項を定め、事業者の自主的な取り組みを促進し、もって快適な職場環境の形成に資することを目的とするものである。
第1 快適な職場環境の形成についての目標に関する事項
快適な職場環境の形成は、次に示すところにより図られることが望まれる。
1 作業環境の管理
空気環境、温熱条件等の作業環境が空気の汚れ、暑さ・寒さや不十分な照度等により、不適切な状態にある場合には、労働者の疲労やストレスを高めることから、空気環境について浮遊粉じんや臭気等の労働者が不快に感じる因子が適切に管理されたものとするとともに、温度、照度等が作業に従事する労働者に適した状態に維持管理されるようにすること。
2 作業方法の改善
労働者の従事する作業は、その心身に何らかの負担を伴うものではあるが、不自然な姿勢での作業や大きな筋力を必要とする作業等については、労働者の心身の負担が大きいことから、このような作業については、労働者の心身の負担が軽減されるよう作業方法の改善を図ること。
3 労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
労働により生ずる心身の疲労については、できるだけ速やかにその回復を図る必要がある。このため、休憩室等の心身の疲労の回復を図るための施設の設置・整備を図ること。
4 その他の施設・設備の維持管理
洗面所、トイレ等の労働者の職場生活において必要となる施設・設備については、清潔で使いやすい状態となるよう維持管理されていること。
第2 快適な職場環境の形成を図るために事業者が講ずべき措置の内容に関する事項
快適な職場環境の形成を図るために、事業者が講ずべき措置は、次に示すとおりである。
1 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置
1 空気環境
屋内作業場では、空気環境における浮遊粉じんや臭気等について、労働者が不快と感ずることのないよう維持管理されるよう必要な措置を講ずることとし、必要に応じ作業場内における喫煙場所を指定する等の喫煙対策を講ずること。また、浮遊粉じんや臭気等が常態的に発生している屋外作業場では、これらの発散を抑制するために必要な措置を講ずることが望ましいこと。
2 温熱条件
屋内作業場においては、作業の態様、季節等に応じて温度、湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと。また、屋外作業場については、夏季及び冬季における外気温等の影響を緩和するための措置を構ずることが望ましいこと。
3 視環境
作業に適した照度を確保するとともに、視野内に過度な輝度対比や不快なグレアが生じないように必要な措置を講ずること。また、屋内作業場については、採光、色彩環境、光源の性質などにも配慮した措置を講ずることが望ましいこと。
4 音環境
事務所については、外部からの騒音を有効に遮蔽する措置を講ずるとともに、事務所内のOA機器について低騒音機器の採用等により、低騒音化を図ること。また、事務所を除く屋内作業場についても、作業場内の騒音源となる機械設備について遮音材で覆うこと等により騒音の抑制を図ること。
5 作業空間等
作業空間や通路等の適切な確保を図ること。
2 労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置
1 腰部、頸部等身体の一部又は全身に常態的に大きな負担のかかる不自然な姿勢での作業については、機械設備の改善等により作業方法の改善を図ること。
2 荷物の待ち連び等を常態的に行う作業や機械設備の取扱・操作等の作業で相当の筋力を要するものについては、助力装置の導入等により負担の軽減を図ること。
3 高温、多湿や騒音等の場所における作業については、防熱や遮音壁の設置、操作の遠隔比等により負担の軽減を図ること。
4 高い緊張状態の持続が要求される作業や一定の姿勢を長時間待続することを求められる作業等については、緊張を緩和するための機器の導入等により、負担の軽減を図ること。
5 日常用いる機械設備、事務機器や什器等については、識別しやすい文字により適切な表示を行うとともに、作業動作の特性に適合した操作が行える等作業をしやすい配慮がなされていること。
3 作業に従事することによる労働者の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
1 疲労やストレスを効果的に癒すことができるように臥床できる設備を備えた休憩室等を確保すること。
2 多量の発汗や身体の汚れを伴う作業がある場合には、シャワー室等の洗身施設を整備するとともに、常時これを清潔にし、便いやすくしておくこと。
3 職場における疲労やストレス等に関し、相談に応ずることができるよう相談室等を確保すること。
4 職場内に労働者向けの運動施設を設置するとともに、敷地内に緑地を設ける等の環境整備を行うことが望ましいこと。
4 その他の快適な職場環境を形成するため必要な措置
1 洗面所、更衣室等の労働者の就業に際し必要となる設備を常時清潔て便いやすくしておくこと。
2 食堂等の食事をすることのできるスペースを確保し、これを清潔に管理しておくこと。
3 労働者の利便に供するよう給湯設備や談話室等を確保することが望ましいこと。
第3 快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し、考慮すべき事項
快適な職場環境の形成のために事業者が必要な措置を講ずるに当たり、次の事項を十分考慮して行うことが望まれる。
1 継続的かつ計画的な取組
快適な職場環境を形成し、適切に維持管理するためには、必要な施設・設備を整備する等の措置を講するだけでは足りず、その後においても継続的かつ計画的な取組が不可欠である。
このため、こうした取組を日常推進する担当者を選任する等その推進体制の整備を図るとともに、快適な職場環境の形成を図るための設備等について、その機能を常々有効に発揮させるため、その性能や機能の確保等に関するマニュアルを作成する等措置を講ずること。
また、職場における作業内客や労働者の年齢構成の変化、さらには快適な職場環境に係る技術の進展等にも留意して、事業場の職場環境を常時見直し、これに応じて必要な措置を講すること。
2 労働者の意見の反映
職場環境の影響を最も受けるのは、その職場で働く労働者であることにかんがみ、快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し、例えば安全衛生委員会を活用する等により、その職場で働く労働者の意見ができるだけ反映されるよう必要な措置を講ずること。
3 個人差への配慮
労働者が作業をするに当たっての温度、照明等の職場の環境条件についての感じ方や作業から受ける心身の負担にについての感じ方等には、その労働者の年齢等による差を始めとして個人差があることから、そのような個人差を考慮して必要な措置を講すること。
4 潤いへの配慮
職場は、仕事の場として効率性や機能性が求められることは言うまでもないが、同時に、労働者が一定の時間を過ごしてそこで働くものであることから、生活の場しての潤いを待たせ、緊張をほぐすよう配慮すること。