偽装請負の解消に向けて〜当面5つの取組(2006.9.4)
■HOMEPAGE
■派遣労働の法律知識
偽装請負の解消に向けて当面5つの取組
平成18年9月4日付け基発第0904001号・職発第0904001号「偽装請負の解消に向けた当面の取組について」
(背景)
請負事業は製造業の大規模事業所等において活用されている。
中には、契約の形式は請負等とされているものの、発注者が直接請負労働者を指揮命令するなど労働者派遣事業に該当するケース(=偽造請負)が少なくない。
これが労働者派遣法等に抵触することはもとより、労基法、労働安全衛生法に定める事業主責任をあいまいにし、必要な措置が図られず、死亡災害を始めとする重篤な労働災害の発生等労働者の安全衛生・労働条件確保上の問題が顕在化してきている。
(当面の5つの取組)
1 周知啓発
偽装請負の防止・解消並びに関係法令の遵守を徹底するため、広報や集団指導(※一の会場に呼び集めて指導を行う)などを行う。
2 相互情報提供による情報共有の徹底
労働基準監督署と需給調整担当課室は、相互情報提供によって情報共有を徹底する。
3 共同監督
製造業の大規模事業場等を中心に、共同監督を計画的に実施する。
4 死亡災害等を発生させた事業主等に対する対応
労働基準監督署は、死亡災害等を発生させた事業場であって、偽装請負の就労実態が認められる場合には、派遣法特例に基づき、司法処分(刑事処分)等の厳正対処を行う。
需給調整担当課室は、監督署が行った司法処分(安衛法等違反)と派遣法違反との間に、相当の関連があると認められる場合には、告発、行政処分等の厳格な措置を講ずる。
5 監督指導の強化
労働基準監督署は、これまで製造業に重点をおいて問題が認められた場合には所要の措置を講じてきたが、(今後)、製造業に加え、その他の業種に対しても同様の措置の徹底を図る。
職安行政(需給調整担当課室)は、@一の偽装請負を発見した場合、当該偽装請負に係る請負事業主、発注者等に対し、全事業所を対象として自主点検を求める。A複数事業所で同様の違反を繰り返す悪質性の高い請負事業主に対しては、告発、行政処分等をもって臨む。