労災保険便覧/その他

GO HOMEPAGE  GO 640/480
労災保険手続便覧のページへ

目次に戻ります
葬祭料


手続一覧
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
葬祭料
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なにを     ◆葬祭料請求書(様式第16号)(1部)

だれが     ◆葬祭を行う者(通常は遺族)

いつ      ◆業務上の事由により労働者が死亡したとき。

どこに     ◆所轄労働基準監督署長

その他参考   ◆葬祭料は、通常遺族に支給されるが、遺族がいない場合など、事業主や友人
         等が葬祭を行った場合には、その者に対し支給される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 葬祭料とは

 ・葬祭料は、死亡した労働者の葬祭を行うと認められる者に対して、305,000円の基本額
  に給付基礎日額の30日分を加算した額、又は給付基礎日額の60日分の額のいずれか高い方
  の額が支給されます。(H10.4.1給付額改定)

 ・これは遺族補償給付と違って受給順位というものはなく、遺族が全く葬祭を行わない場合であ
  っても、現実に葬祭を行う者が他にいれば、遺族以外の者でも支給される場合があります。

 ○手続

 ・葬祭料の請求は、様式第16号「葬祭料請求書」に所定事項を記入し、所轄労働基準監督署長
  に提出します。
 ・この請求書には、労働者の死亡の事実及び死亡年月日を証明することができる書類を添えるこ
  ととなっていますが、すでに遺族補償給付の請求書を提出している場合には、同一内容の証明
  書類がすでに提出されているので、その必要はありません。



目次に戻ります
介護補償給付

手続一覧
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
介護補償給付
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なにを     ◆介護補償給付、介護給付支給請求書(様式豹16号の2の2)(1部)

だれが     ◆被災労働者

いつ      ◆業務上の負傷又は傷病により一定の障害を有し、現に介護を受けているとき

どこに     ◆所轄労働基準監督署長

その他参考   ◆障害の状態により常時介護又は随時介護に区分され、それぞれ介護に要した
         費用の実費(上限額あり)又は一律定額が支給される。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 介護補償給付とは

 ・介護補償給付は、障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける
  権利を有する障害補償年金又は傷病補償年金の支給事由となる障害であって労働省令で定める
  程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けて
  いるときに、当該介護を受けている間、当該労働者に対し、その請求に基づいて支給されます
  。
 ・ただし、当該労働者が身体障害者療護施設等に入所している間は支給されません。


 介護補償給付に係る障害の程度

 常時介護を要する障害の程度
 イ 障害等級第1級第3号に規定する身体障害又は傷病等級第1級第1号に規定する障害の状態
 ロ 障害等級第1級第4号に規定する身体障害又は傷病等級第1級第2号に規定する障害の状態
 ハ イ及びロ以外の障害等級第1級に規定する身体障害又は傷病等級第1級に規定する障害の状
   態のうち、重複障害等障害の状態が特に重篤であって、イ又はロと同程度の介護を要する状
   態にあるもの

 随時介護を要する障害の程度
 イ 障害等級第2級第2号の2に規定する身体障害又は傷病等級第2級第1号に規定する障害の
   状態
 ロ 障害等級第2級第2号の3に規定する身体障害又は傷病等級第2級第2号に規定する障害の
   状態
 ハ 障害等級第1級に規定する身体障害又は傷病等級第1級に規定する障害の状態であって、イ
   に掲げる障害の状態に該当しないもの



 給付の内容

 支給額
 ・介護補償給付は月を単位として支給されることとされており、その額は、一月につき、それぞ
  れ次のとおりです。(H10.4.1給付額改定)
 
 常時介護を要する被災労働者

  イ その月に費用を支出して介護を受けた日がある場合(ロの場合を除く。)
    その月において介護に要する費用として支出された額(その額が107,100円を超え
    るときは、107,100円)
  ロ その月に費用を支出して介護を受けた日がない場合又は介護に要する費用として支出され
    た費用の額が58,150円に満たない場合であって、親族等による介護を受けた日があ
    る場合
    58,150円(支給すべき事由が生じた月において介護に要する費用として支出された
    額が58,150円に満たないときは、当該介護に要する費用として支出された額)

 随時介護を要する被災労働者

  イ その月に費用を支出して介護を受けた日がある場合(ロの場合を除く。)
    その月において介護に要する費用として支出された額(その額が53,550円を超える
    ときは、53,550円)
  ロ その月に費用を支出して介護を受けた日がない場合又は介護に要する費用として支出され
    た費用の額が29,080円に満たない場合であって、親族等による介護を受けた日があ
    る場合
    29,080円(支給すべき事由が生じた月において介護に要する費用として支出された
    額が29,080円に満たないときは、当該介護に要する費用として支出された額)




 支給開始時及び支給終了時の給付
 
  ・その月に費用を支出して介護を受けた日がある場合については、支給すべき事由が生じた月
   から、支給すべき事由が消滅した月まで各月において介護費用として支出された額を算定し
   て支給されます。
  ・また、その月に費用を支出して介護を受けた日がない場合であって、親族等による介護を受
   けた日がある場合については、
   ○介護費用を支出しないで親族等による介護を受け始めた月においては支給されず、その翌
    月から支給され
   ○介護費用を支出しないで親族等による介護を受けることがなくなった月については、1か
    月分が支給されます。


  請求手続

  ・介護補償給付の請求は、様式第16号の2の2「介護補償給付、介護給付支給請求書」に所
   定事項を記載し、必要な書類を添付して所轄労働基準監督署長に提出します。
  ・なお、添付する書類は次のとおりです。

   1 障害の部位及び状態並びに当該障害を有することに伴う日常生活の状態に関する医師又
     は歯科医師の診断書
   2 介護に要する費用を支出して介護を受けた場合は、介護に要した費用の額の証明書
     なお、傷病補償年金受給者、障害等級第1級の3号・4号又は第2級の2号の2、2号
     の3に該当する方、介護料を受給していた方及び継続して第2回目以降の請求をする方
     は、診断書の添付は必要ありません。





目次に戻ります
自動車事故等第三者の行為による災害

概要説明
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
第三者の行為による災害
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
・自動車事故等第三者の行為によって業務災害又は通勤災害を被った場合は、できるだけ早く、
 「第三者行為災害届」を所轄労働基準監督署長へ提出する。

・自動車損害賠償責任保険(共済)の損害賠償と労災保険の保険給付とでは、原則として自動車
 損害賠償責任保険(共済)を先行する。

・第三者行為災害の場合に、同一の事由について、加害者や自賠責保険等からの損害賠償が先に
 支払われたときは、労災保険では所定の保険給付額と自賠責保険等から支払われた損害賠償と
 の差額を支給する。その逆に、労災保険が先に支給されたときは、その価額の限度で加害者や
 自賠責保険等に対して求償する。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


(1)第三者行為災害と損害賠償

 ・労災保険の給付の対象となる業務災害又は通勤災害は、交通事故や他の事業場の建物・設備そ
  の他第三者の行為が原因となって生ずる場合が少なくありません。
 ・このように、第三者の加害行為が介入して生じた業務災害又は通勤災害を、労災保険では「第
  三者行為災害」と呼んでいます。
 ・この第三者行為災害の場合には、労災保険に対して、保険給付を請求することができますが、
  同時にそのほとんどの場合が、民法上の不法行為に該当するので、被災労働者又はその遺族は
  、加害行為を行った第三者に対して、民法上の損害賠償を請求することもできます。
 ・ところが、第三者に対する損害賠償請求権の内容と労災保険の保険給付の内容をみると、療養
  費や休業による賃金の喪失分など、まったく同じ性質のものもありますので、もし損害賠償と
  保険給付の両方を受けるとすると、被災労働者は、重複して損害のてん補を受けることとなり
  、実際の損害額以上にてん補されるという不合理な結果を生じます。
 ・そこで、労災保険では、重複てん補という不合理をさけるため、次に説明するような「求償」
  と「保険給付の控除」という方法で保険給付と損害賠償との調整を行っています。



(2)求償と保険給付の控除

 求償(保険給付が先に支払われた場合)

 ・第三者の行為が原因である災害について、第三者が行う損害賠償よりも先に労災保険の保険給
  付が行われた場合には、政府は保険給付の都度、被災労働者又はその遺族が第三者に対しても
  っている損害賠償請求権を取得し、直接第三者に対して、その損害賠償請求権を行使すること
  となります。
  これを「求償」と呼んでいます。
 ・求償する損害賠償の範囲は、その損害賠償のうち保険給付と同一の事由のものに限られます。
  具体的には、治療費、休業中の賃金喪失分、残存障害による将来の賃金喪失分とか、死亡によ
  る将来の賃金喪失分のうち受給権者の相続分に相当する額、葬祭料などが求償されることとな
  ります。
 ・求償の額は、以上の範囲内の損害賠償の額と保険給付の額のうち、いずれか少ないほうの額と
  なります。
  なお、年金給付のように継続的に支給される給付についての求償は、事故発生後3年間を限度
  としています。


 保険給付の控除(損害賠償が先に支払われた場合)

 ・被災労働者又はその遺族が、労災保険の保険給付を受ける前にすでに第三者から同一の事由に
  ついて損害賠償を受けているときは、政府は、損害賠償の価額の限度で保険給付をしないこと
  としています。
  これを「保険給付の控除」といいますが、控除の対象とされる損害賠償の範囲は求償の場合と
  同じで、保険給付の対象となる損害賠償額が所定の保険給付の額より多いときは、保険給付は
  支給されないこととなります。
 ・なお、年金給付のように継続的に支給される給付については、受給権者が受けた損害賠償額に
  達するまでその支給を停止するのですが、支給停止の期間は、事故発生後3年間を限度として
  います。


目次に戻ります
自賠責保険等との調整

 ・自動車事故等による第三者行為災害の場合には、被災労働者又はその遺族は、労災保険の保険
  給付を請求できるほかに、加害者に対して民法上の損害賠償を請求できるのですが、この損害
  賠償の履行を確保するための制度として、加害者の損害賠償を肩代りして行う自動車損害賠償
  責任保険や、自動車損害賠償責任共済があります。
 ・これらによる保険金や共済金の支払いは、加害者の損害賠償を肩代りして行うものですから、
  自動車事故であっても業務災害又は通勤災害である場合は、やはり保険給付と保険金又は共済
  金との調整が前述の「求償」又は「保険給付の控除」によって行われますから、民法上の損害
  賠償の場合と同様に考えてよいわけです。
 ・なお、労災保険では、手続を簡明にし、被災労働者又はその遺族の損失がすみやかにてん補さ
  れるように、自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済との協議により、原則とし
  て、自動車損害賠償責任保険などの支払いが先に行われることとしています。
 ・しかし、受給権者が希望するときは、労災保険の給付を先に受けることもできます。


自賠責保険の内容

財産的損害 消極損害 治療費   社会通念上必要かつ妥当な実費    
葬祭の費用   55万円    
療養中の賃金喪失分   1日につき5,200円((ただし、5,200円を超えることが明らかな場合18,000円限度)    
残存障害による将来の賃金喪失分 1級 1,950万円(被扶養者のあるとき1,750万円) 8級 502万円
2級 1,672万円(被扶養者のあるとき1,502万円) 9級 375万円
3級 1,422万円(被扶養者のあるとき1,278万円) 10級 277万円
4級 1,202万円 11級 197万円
5級   994万円 12級 132万円
6級   812万円 13級  82万円
7級   652万円 14級  43万円
死亡による将来の賃金喪失分   ・請求人1名の場合 2,095万円限度(被扶養者のあるとき1,895万円)
・請求人2名の場合 1,995万円限度(被扶養者のあるとき1,795万円)
・請求人3名の場合 1,895万円限度(被扶養者のあるとき1,695万円)
   
精神的損害 慰謝料 (死亡の場合)   (死亡の場合)死亡本人の慰謝料350万円、遺族の慰謝料、遺族の人数により900万円を限度    
(後遺障害の場合) 1級 1,050万円(被扶養者のあるとき1,250万円) 8級 317万円
2級   918万円(被扶養者のあるとき1,088万円) 9級 241万円
3級   798万円(被扶養者のあるとき  941万円) 10級 184万円
4級   687万円 11級 134万円
5級   580万円 12級 〃 92万円
6級   484万円 13級  57万円
7級   399万円 14級  32万円
(傷害の場合)   (傷害の場合)1日につき4,100円    
物の毀損に伴う損害       なし    


目次に戻ります
第三者行為災害の手続

 ・第三者行為災害について保険給付を受けるには、一般の業務災害及び通勤災害の場合における
  保険給付の請求手続のほかに、「第三者行為災害届」の提出という特別の手続が必要です。
 ・また、場合によって、保険給付の請求書に「念書」や「交通事故証明書」を添付しなければな
  りません。
 ・これらは、いずれも労災保険の保険給付と、加害者、又は自賠責保険等の損害賠償によって、
  重複して損害のてん補がなされないように調整を図るための手段であり、これらの手続を怠る
  と迅速な支払いができなくなります。
 ・「第三者行為災害届」(2部)は、事故発生後できるだけ早く所轄労働基準監督署長に提出し
  なければなりません。この場合、すでに第三者(加害者)と示談をしているときは、示談書の
  写しを添付するなど示談の内容を明確にし、すでに損害賠償を受けているときは、受領した金
  額を明確に記載することが必要です。
 ・「念書」は、保険給付を請求するまでに損害賠償額全額を受けた者を除いて必要とされるもの
  で2部提出しなければなりません。
 ・「交通事故証明書」は、第三者行為災害が自動車事故によるものであって、かつ、自賠責保険
  等の支払いを既に受けている者を除いて労災保険の給付を請求する場合に必要です。
  この証明は、事故発生場所を管轄する自動車安全運転センターから受けなければなりません。


自賠責保険の保険金請求に必要な書類(被害者請求の場合)

必要な書類 書類を発行するところ 死亡/損害賠償額 死亡/仮渡金 傷害/損害賠償額 傷害/仮渡金
仮渡金支払請求書 損害保険会社    
損害賠償額支払請求書    
交通事故証明書 自動車安全運転センター
医師の診断書 取扱医師    
死体検案書又は死亡診断書    
戸籍謄本・除籍謄本 市区町村役場    
印鑑証明
委任状(請求権受領権を委任する場合)
*委任状の印鑑証明を必ず添付すること
他の請求権者
治療費関係明細書・領収書 病院など    
休業補償請求資料 雇主など    
事故発生状況報告書  

 (注意)
 1.通常◎印と〇印のものが必要ですが、◎のものさえそろえば保険会社は、請求を受けつけま
   す。
 2.仮渡金を請求するときに提出した書類は、あとで損害賠償金を請求するときには、提出する
   必要はありません。
 3.請求の時効は、事故発生後2年です。
 4.死亡事故による請求は、請求権者のうちから1人の代表者を定めて行います。この場合、他
   の請求権者全員の委任状と印鑑証明が必要です。
 5.上記以外の書類が必要なときは、調査事務所から連絡します。
 ※請求手続に必要な用紙は、保険会社に用意してあります。








目次に戻ります
労災保険給付と民事損害賠償との調整

 ・労働災害によって生じた損害については、労災保険から保険給付でその補償を受けることがで
  き、また、民事上の賠償責任が使用者にある場合には、使用者から直接損害の賠償を受けるこ
  とができます。
 ・しかし、同一の損害について、双方から重複しててん補がなされるとてん補の総額が実際に生
  じた損害額を上回ることとなり、また労災保険の保険料は全額使用者負担であるので、保険料
  負担者である事業主の保険利益を損なうなど不合理な結果を招きます。
 ・そこで、発生した災害については、次のような方法で労災保険給付と民事損害賠償との間で調
  整することになっています。

 (1)障害補償年金、遺族補償年金、障害年金又は遺族年金の受給権者が、同一の事由について
    、事業主からこれらの年金給付に相当する民事損害賠償を受けることができるときは、そ
    の事業主は、これらの者の年金受給権が消滅するまでの間、前払一時金の最高額相当額の
    法定利率による現価(当該前払一時金に係る年金給付等が支給された場合には、その支給
    額の法定利率による現価を控除した価額)の限度で、民事損害賠償の履行をしないことが
    できます。

    この民事損害賠償の履行が猶予されている場合において、年金給付又はその前払一時金が
    支給されたときは、その価額の法定利率による現価の限度で、事業主は、民事損害賠償の
    責めを免れることになります。

 (2)保険給付の受給権者が事業主から民事損害賠償を受けることができる場合において、当該
    保険給付の受給権者に対し同一の事由について保険給付に相当する民事損害賠償が行われ
    たときは、政府は、労働者災害補償保険審議会を経て労働大臣が定める基準により、その
    価額の限度で保険給付を行わないことができることになります。





目次に戻ります
保険給付に関する処分に対する不服申立て

 ・保険給付に関する決定(たとえば、療養の給付をしない旨の決定、休業補償給付請求額のうち
  一部を支給しない旨の決定、障害補償給付何万円を支給する旨の決定など)について不服があ
  るときは、まず都道府県労働基準局におかれている労災保険審査官に審査請求をし、労災保険
  審査官の決定にも不服があるときは、さらに労働保険審査会に再審査請求をすることができま
  す。
































■Homepage
■640/480