1年単位の変形労働時間制導入の手順と要件
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H11.4.1改正労基法未対応
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その間、改正労基法と実務
1年単位の変形労働時間制を参照して下さい。

1年単位の変形労働時間制導入の手順と要件



ここでは、1年変形制の導入手順と法定要件等について説明します。

要件と手順の整理

手順 要件 説明
変形期間の設定 ○基準日(変形期間の最初の日)を決めます
○1年以内の任意の変形期間を設定します
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対象労働者の範囲の設定 ○対象労働者の範囲を設定します
○対象者は変形期間中を通して事業場に勤務することが予定されている者のみとなります
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労働時間、休日の特定 ○1日の労働時間、変形期間中の休日を特定しカレンダーを作成します
○労働時間、休日には法律の制限がありますので、注意します
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1年変形の労使協定の締結 ○法令様式に基づき労使協定を締結します 詳細の説明を見る
就業規則の整備 ○労働時間の規定は、就業規則に定めなければなりません 詳細の説明を見る
労働基準監督署への届出 ○就業規則は、労働基準監督署へ届出なければなりません 詳細の説明を見る
実施    






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変形期間の設定 

■まず、変形期間を設定します。1年以内の任意の期間(3ヶ月、6ヶ月、1年等)で決めます。
■期間を設定するわけですから、基準日(起算日)が重要です。1月1日、4月1日あるいは、賃金
 締切日と整合させる目的で1月21日などとする事業場もあります。



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対象労働者の範囲の設定 

■1年変形の労働時間制は、変形期間中継続して労働することが予想されている労働者についてのみ
 適用されます。
■その年の中途採用者、または、退職予定のはっきりしている労働者は対象となりません。
■以上の事情から、年間カレンダーによって管理する労働者と個別管理を要する労働者の二重管理が
 必要になる事業場が一般的ですから、実務面では注意が必要です。



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労働時間、休日の特定

■変形期間におけるすべての労働日(休日)の特定が必要です。また、労働日ごとの労働時間を具体
 的に定めておく必要があります。
■これを、実務面から見ますと、1年間の変形期間をとる場合は、年間カレンダーの作成が要件とな
 ります。
■ただし、1年を3か月、6ヶ月の変形期間で区分して連続運用する場合、最初の3か月、6ヶ月に
 ついて、労働日ごとに労働時間を特定しておき、その後の期間は労働日の特定と総労働時間を定め
 ることで足ります。その場合、各期間の初日の30日以上前までに、それぞれの期間における労働
 日ごとの労働時間を書面協定する必要があります。
■採用した変形期間(例えば1年)を平均したとき、1週当たりの労働時間が40時間以内に収まっ
 ていること。
 これは、年間総労働時間数にして2085.7時間に相当します。1日8時間労働の場合、1年間
 の休日数を105日以上に設定すればOKです。
 <100人未満の事業場は、平成9年3月31日まで週42時間以内とされています>
■1週間の所定労働時間が48時間を超えることができません。
■1日の所定労働時間が9時間を超えることができません。
■1週間に1日以上の休日が確保されていること。 従って、連続して労働させることができるのは
 12日が限度となります。



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1年変形制の労使協定の締結

■1年単位の変形労働時間制は、労使協定の締結が要件になっています。
■この協定は、法令様式に協定書を添付して所轄の労働基準監督署へ届出が必要です。
■1年単位の変形労働時間制の労使協定の作成モデル(参考)




就業規則の作成と届出 戻る

■労働時間の定めは、必ず就業規則に規定し、労働基準監督署に届出します。
■1年単位の変形労働時間制の就業規則の条項記載例(参考)
















1年単位の変形労働時間制の労使協定の作成モデル(参考) 戻る

○○株式会社と○○労働組合は、1年単位の変形労働時間制に関し、つぎのとおり協定する。
第1条 本協定に基づく1年単位の変形労働時間制は、当社全従業員に適用する。
    但し、第2条の期間の中途で採用した従業員及び同期間の中途で退職することが明ら
    かな従業員を除くものとする。
第2条 本協定による変形労働の対象期間は、平成○年○月○日から平成○年○月○日までと
    する。
第3条 対象期間における休日は、書面(カレンダー)により特定したところとする。
第4条 対象期間における労働日は、前条に定める休日以外の日とする。
第5条 対象期間における労働時間は、1日8時間とする。
第6条 前条に定める所定労働時間を超えて労働させた場合は、会社は、時間外労働として給
    与規定第○条に定めるところにより時間外手当を支払うものとする。
第7条 本協定の有効期間は、平成○年○月○日までとする。

平成○年○月○日
                  ○○株式会社 代表取締役 ○○○○(印)
                  ○○労働組合 執行委員長 ○○○○(印)







1年単位の変形労働時間制の就業規則条項の記載例(参考) 戻る

(労働時間及び休憩時間)
第○条 毎年1月1日を起算日とする1年単位の変形労働時間制を採用する。1日の労働時間
    は8時間とし、始業・終業の時刻及び休憩時間は次のとおりとする。
     始業時刻:午前8時   終業時刻:午後5時
     休憩時間:正午から午後1時
(休日)
第○条 休日は、1週間の労働時間が1年を平均して40時間以下となるよう労使協定で定め
    る年間カレンダーによるものとする。
  2 起算日は毎年1月1日とする。