32-01 年休は請求して使用者の承認を得なければ取得できないか  戻る

■ 労基法第39条第1項第2項の要件が充足されたときは、労働者は法律上当然に年休の権利を取得し、使用者はこれを与える義務を負う。労働者の請求をまってはじめて生ずるものではない。 3項の「請求」は休暇の時季にのみかかる文言。すなわち、(いつ−休暇を−とるかの意味にほかならない。)

■ 労働者が休暇の始期と終期を特定して時季指定(=請求)したときは、使用者が適法な時季変更権を行使しないかぎり、年休が成立し当該労働日における就労義務が消滅するものと解するのが相当である。年休の成立要件として、労働者による「休暇の請求」や、これに対する使用者の「承認」の観念を容れる余地はないものといわなければならない。(S48・3・2最高裁第二小法廷判決)