セクシュアルハラスメント・10のチェックポイント
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■職場とセクシャルハラスメント



セクシュアルハラスメント防止対策

セクシュアルハラスメントのない職場にするために事業主が雇用管理上配慮すべき事項

(1)職場におけるセクハラを許さないという事業主の方針の明確化と周知・啓発
(2)相談・苦情窓口の明確化と、相談・苦情への適切かつ柔軟な対応
(3)職場におけるセクハラが生じた場合の、迅速かつ的確な対応




10のチェックポイント
(厚生労働省版チェックリスト)

まずは、自社のセクハラ環境について従業員がどう感じているか、不安に思ったら
セクシュアルハラスメントについての従業員用アンケート

もやってみよう!

NO
10のチェック
チェック項目
チェックと改善のポイント
チェック1  「従業員の意識や実態の把握」
□ 社内アンケート調査を実施している
□ 職場ごとに話し合いを行い、意見を聞いている
□ 女性従業員を集めて、意見交換を実施している
□ 人事面接を行う際に意見を聞いている
□ イントラネットを活用して実態や意見を把握している
□ 相談・苦情窓口に意見箱を設置し、実態や意見を把握している
□ 防止対策について検討するプロジェクトチームを設置し、女性従業員をメンバーに含めている

チェック1のポイント解説を見る
チェック2  「方針の明確化」
□ 就業規則にセクシュアルハラスメント行為の禁止について規定している
□ セクシュアルハラスメント防止についての労使協定を締結している
□ 社内倫理規定、社員行動基準等にセクシュアルハラスメント行為の禁止について定めている
□ 従業員心得や必携にセクシュアルハラスメントに関する事項を記載している
□ セクシュアルハラスメント行為の禁止について社内通達を発出している
□ 経営トップがセクシュアルハラスメント防止宣言をしている

チェック2のポイント解説を見る
チェック3  「方針の周知・啓発」
□ 朝礼時等に口頭で伝えている
□ 社内報で特集記事を組んだり、シリーズとして掲載している
□ 「職場におけるセクシュアルハラスメントを許さない」という方針を盛り込んだパンフレット、ポスター等を作成し、職場に掲示している
□ セクシュアルハラスメントに関する事項を規定した就業規則、労使協定等を全従業員に配付している
□ セクシュアルハラスメントに関する事項を定めた社内倫理規定、社員行動基準等を全従業員に配付している
□ 方針を社内イントラネット上の掲示板に載せたり、全従業員にメールで送信している

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チェック4 「セクシュアルハラスメントに関する理解の促進」
□ 従業員の意識調査を行い、男女従業員間の認識に差があることを理解させている
□ チェックリストを作成し、従業員にセクシュアルハラスメントについての認識度を自己点検させている
□ 職場ごとの会議等でセクシュアルハラスメントに関する事項について注意喚起を行っている
□ セクシュアルハラスメント防止のための管理職向けの研修を実施している
□ 階層別の研修にセクシュアルハラスメントに関する事項を組み込んで実施している
□ 従業員の意識啓発のための小冊子を作成し、配付している

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チェック5  「相談・苦情対応窓口の明確化」
□ 相談・苦情に対応する担当者をあらかじめ決めている
□ 相談・苦情に対応する苦情処理機関を設けている
□ 相談専用のメールアドレスを設けている
□ 相談専用電話を設置している
□ 相談室を設置している
□ 相談・苦情に対応してもらう担当者をカウンセラー・弁護士等の外部の専門家に委託している

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チェック6  「相談・苦情対応窓口を利用しやすくするための工夫」
□ 相談・苦情に対応する担当者を複数人置き、どの担当者に相談してもよいこととしている
□ 相談・苦情に対応する担当者に女性を含めている
□ 相談・苦情に対応する担当者に社外の専門家を含めている
□ 相談・苦情窓口を、人事部門とあわせて、健康管理室等にも設置している
□ 相談者が直属の上司や管理者を通さずに、直接相談担当者に相談・苦情を申し出ることができるようにしている
□ 相談を面談だけでなく、電話、メール等複数の方法で受け付けることとしている

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チェック7  「相談・苦情窓口担当者の適切な対応」
□ 相談・苦情の申し出があった場合、迅速に対応することとしている
□ セクシュアルハラスメントにあたるかどうか微妙な相談でも、幅広く受け付けることとしている
□ パートタイマーや派遣労働者等の相談も受け付けることとしている
□ プライバシーや名誉などを尊重し、知り得た事実の秘密を厳守するよう徹底している
□ 相談したことを理由として、相談担当者や管理職が不利益取扱いをしないよう徹底している
□ 些細な事柄に関する相談であっても、公正真摯な態度で丁寧に対応するよう徹底している

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チェック8  「事実関係の確認」


(1)事実関係の迅速かつ正確な確認を行うために実施すべき事項
□ 相談・苦情に対応する担当者が事実関係の確認を行っている
□ 人事部門が直接事実関係の確認を行っている
□ 苦情処理委員会が事実関係の確認を行っている

(2)事実関係の確認を行う際に留意すべき事項
□ 事実確認する際に、当事者双方の主張を公平に聞くこととしている
□ 事実確認を行う者に対して、当事者のプライバシーを厳守するよう徹底させている
□ 当事者の人権に配慮し、慎重に進めることとしている

(3)事実関係の確認を行うために必要に応じ実施すべき事項
□ 当事者に了解を得た上で、必要に応じて第三者からの話も聴取することとしている
□ あらかじめ事実関係の確認のための担当部署や対応手順を定めている

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チェック9  「事実確認後の措置」
□ 加害者を配置転換させる等当事者間を引き離すよう人事上の配慮をする
□ 当事者間の関係の改善について援助を行うこととしている
□ 就業規則の制裁規定に基づき、加害者に一定の制裁を課すこととしている
□ 被害者に労働条件等に不利益が生じている場合には、それを回復することとしている
□ 被害者の精神的なショックが大きい場合は、メンタルケアを行うこととしている
□ 会社が講じる措置を相談者に説明することとしている

チェック9のポイント解説を見る
チェック10  「再発防止策」
□ 「セクシュアルハラスメントを許さない」という会社の方針を全従業員に再確認させる
□ 研修を再度実施する
□ 会議、朝礼等の場でセクシュアルハラスメントを行わないよう再度注意を促す
□ 女性が不快に思うような言動が日常的に行われていないかどうか、職場の管理職に点検させる
□ 社内で相談をしづらい雰囲気がないか、相談・苦情への対応状況を再検討する
□ セクシュアルハラスメントが生じた原因を分析し、必要な防止対策を再検討する

チェック10のポイント解説を見る











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チェック1 「従業員の意識や実態の把握」

〈チェックポイント〉
 チェック1は、セクシュアルハラスメントの実効ある防止対策を講じるためにも、是非取り組んでいただきたい事項です。
 行っていない場合は、チェック項目と改善のポイントを参考に、いずれかの取組を行うことが望まれます。すでに行っている場合は、防止対策の効果をより高めるためにも、実施している項目以外についても取り組むことを検討してください。

(改善のポイント)

 従業員の意識や社内の実態を把握することは、職場のセクシュアルハラスメントを未然に防止し、従業員にとって働きやすい職場環境を作っていくための出発点です。

◇従業員の意識や実態を把握しましょう
 従業員へのアンケート調査や面接によるヒヤリングを行ったり、従業員が自由に意見を述べられる機会を設けることが望まれます。アンケート調査では、従業員のセクシュアルハラスメントに対する理解、認識度を知るための項目、社内におけるセクシュアルハラスメントの実態を把握するための項目、企業の防止対策について従業員の意見や要望を把握するための項目等を設けることが考えられます。

末尾に、アンケート例を示していますので、是非実施してみてください。







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チェック2 「方針の明確化」
チェック3 「方針の周知・啓発」


〈チェックポイント〉

「男女雇用機会均等法(以下「均等法」という)」及び同法に基づき定められている「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上配慮すべき事項についての指針(以下「指針」という)」では、「事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメ ントに関する方針を明確化し、労働者に対してその方針の周知・啓発をすることについて配慮をしなければならない」とされています。
 チェック2及び3は、均等法上チェック項目を含め何らかの措置を必ずひとつは実施す ることが必要です。
 行っていない場合は、チェック項目と改善のポイントを参考に早急に措置を講じてください。
 すでに行っている場合は、防止対策の効果をより高めるためにも、実施している項目以外についても取り組むことを検討してください。

(改善のポイント)

 職場でセクシュアルハラスメントが生じると、例えその問題が解決されたとしても、職場環境の悪化によって職場秩序や仕事の円滑な遂行が阻害される等、企業の効率的運営、労働生産性にも影響しかねません。セクシュアルハラスメントを未然に防止することが、何よりも重要なことです。
 そのためには、「我が社では職場におけるセクシュアルハラスメントを断固許さない」という企業の方針を明確にし、その方針を全従業員に向けて周知・啓発することです。

◇会社の方針は文書に明記しましょう

 「会社の方針を朝礼時等に口頭で伝える」、「社内報に掲載する」といった方法をとる場合には、一度実施しただけでは時間が経つにつれて印象が薄れてしまいかねません。定期的に伝える、掲載する等の取組をしてください。
 また、会社の方針は、その内容を就業規則・社内倫理規定・社内通達等の文書に明記することが方針を徹底するためには効果的です。会社の方針が文書化されていない場合は、文書で明確化するよう努めてください。

◇全従業員に周知・啓発されるよう工夫しましょう

 会社の方針は、必ず全従業員に周知・啓発することが必要です。方針を明記した書面等を全従業員に配付する、全従業員が供覧できる場所に掲示する等の措置を講じてください。
 新規採用者、中途採用者に対しては、入社時の説明や新入社員研修などの際に、会社の方針について周知・啓発してください。
 また、企業のトップ自らが防止宣言を行うなど、会社全体としてこの問題に対して真剣に取り組んでいるといった姿勢をみせることも効果的です。






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チェック4 「セクシュアルハラスメントに関する理解の促進」

〈チェックポイント〉

 チェック4は、チェック3とあわせて実施することが効果的な措置です。
 行っていない場合は、チェック項目と改善のポイントを参考に措置を講じるようにしてください。
 すでに行っている場合は、防止対策の効果をより高めるためにも、実施している項目以外についても取り組むことを検討してください。

(改善のポイント)

  周知・啓発をするにあたっては、職場におけるセクシュアルハラスメントの起こる原因や背景について、従業員の理解を深めることが重要です。

◇男女の意識の差を理解させましょう

 性的言動を不快に感じるかどうかについては、個人間、男女間、世代間で大きな差があります。男性が「職場のコミュニケーション」と思っていても、女性に不快感を与えている場合もあります。
 男女の意識や職場の実態を把握し、男女の意識の違いを認識させることや、男女の固定的な役割分担意識に基づく言動がセクシュアルハラスメントを生じさせやすい職場環境の土壌となっていることを理解させることが重要です。

◇研修の機会を設けましょう

 従業員一人ひとりにセクシュアルハラスメントについて正しく理解させ、認識を深めさせるためには、積極的に研修に取り組むことが望まれます。
 研修の実施にあたっては、一般従業員向け、管理職向けなど階層別で実施することが効果的です。研修の内容としては、ビデオを用いるなどセクシュアルハラスメントが具体的に理解できるような方法や、具体的事例をもとにして、男女従業員がそれぞれどう考えるかなどを話し合い、男女の認識の差を理解させるという方法もあります。






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チェック5 「相談・苦情対応窓口の明確化」

〈チェックポイント〉

 均等法及び指針では、「事業主は、相談・苦情への対応のための窓口を明確にすることについて配慮しなければならない」とされています。
 チェック5は、チェック項目を含め何らかの措置を必ずひとつは実施することが必要です。
 行っていない場合は、チェック項目と改善のポイントを参考に早急に措置を講じてください。
 すでに行っている場合は、防止対策の効果を高めるためにも、実施している項目以外についても取り組むことを検討してください。
(改善のポイント)

◇窓口を明確にしておきましょう

 職場におけるセクシュアルハラスメントを早期に把握し、問題の発生を未然に防止するとともに、速やかに問題解決を図るため、相談・苦情に対応するための窓口を明確にしておくことが必要です。被害が起こってからの場当たり的な対応とならないように、あらかじめ相談・苦情の受付窓口を決め、窓口の設置場所、利用方法について従業員に広く周知しておくことが望まれます。






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チェック6 「相談・苦情対応窓口を利用しやすくするための工夫」

〈チェックポイント〉

 均等法及び指針で求めている「窓口を明確にすること」とは、「形式的に設けるだけでは足らず、実質的な対応が可能な窓口が設けられている」ことです。
 チェック6は、実質的な対応が可能な窓口とするために効果的な方法です。
 行っていない場合は、チェック項目と改善のポイントを参考に実施してください。
 すでに行っている場合は、防止対策の効果をより高めるためにも、実施している項目以外についても取り組むことを検討してください。
(改善のポイント)

◇気軽に相談できる窓口を工夫しましょう

 相談・苦情窓口を設けていても、利用者がいない場合は、相談しづらい窓口となっている可能性があります。女性労働者の意見も聞きながら、従業員が相談しやすい体制となるように、相談・苦情の受付方法や担当者の人選等について、点検してください。
 相談・苦情窓口を事業所ごと、職場ごとに設置する、専用電話を設けて遠隔地からでも申し出ることができるようにするなど、気軽に安心して相談できる窓口を工夫してください。
 相談を受ける担当者には、公正真摯な態度で相談にあたることができる人材を選任することは当然ですが、担当者が一人であると、相談者が個人的にその人には相談しにくいという場合もあることから、女性を含め、できる限り複数の担当者を選任しましょう。

◇プライバシーにも配慮しましょう

 セクシュア ルハラスメントの相談にはプライベートな問題も含まれているので、安心して相談できるようプライバシーの保護に留意していることや、相談したり苦情を申し出たことを理由として不利益な取扱いを受けないことについても周知してください。






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チェック7 「相談・苦情窓口担当者の適切な対応」

〈チェックポイント〉

 均等法及び指針では、「事業主は、相談・苦情に対応し、その内容や状況に応じ適切かつ柔軟に対応することについて配慮をしなければならない」とされています。
 チェック7は、セクシュアルハラスメントの相談・苦情に適切かつ柔軟に対応するため、すべての項目について実施することが望まれます。行っていない場合はもちろん、チェック項目すべてにレ点がつかなかった場合は、すべてについて実施するように検討してください。また、改善のポイントを参考に、より効果のある対応を行ってください。
(改善のポイント)

◇相談・苦情には迅速に対応しましょう

 相談・苦情に村応する窓口担当者は、公正な立場に立って真摯に対応することが望まれます。相談・苦情を受けたときは、初期の段階での迅速な対応が必要です。放置しておくと、問題を悪化させ、被害を拡大させてしまいます。
 相談の内容や状況に即した適切な対応がとれるよう、相談・苦情を受けた後の対応手順や人事部門と連携する等担当部署をマニュアルなどであらかじめ明確に定めておきましょう。

◇相談・苦情には柔軟に対応しましょう

 相談・苦情の内容が厳密に職場におけるセクシュアルハラスメントと断定できるものでなくても、放置すれば就業環境を害するおそれのあるものや、いわゆる「グレーゾーン」とよばれるものにも、幅広く対応するようにしてください。性的な言動が軽度なものであっても、行為者を注意する等柔軟な村応が必要です。また、相談・苦情担当者の相談対応の仕方やカウンセリングの知識等について研修を実施し、相談者が安心して相談できるよう努めてください。






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チェック8 「事実関係の確認」

〈チェックポイント〉

 均等法及び指針では、「事業主は、職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた場合において、その事実に係る事実関係を迅速かつ正確に確認することについて配慮をしなければならない」とされています。
 チェック8の(1)は、チェック項目を含め何らかの措置を講じることが必要な事項です。行っていない場合は、チェック項目を参考に早急に実施してください。
 チェック8の(2)は、事実確認を行う際に、チェック項目すべてについて実施することが望まれます。チェック項目のうち1つでもレ点がつかなかった場合は、すべてについて実施するように検討してください。また、改善のポイントを参考に、より効果のある対応を行ってください。
 チェック8の(3)は、必要に応じ実施すべき事項です。行っていない場合は、チェック項目と改善のポイントを参考に、実施を検討してください。

(改善のポイント)

 問題を放置したり、対応を誤ると問題がこじれるだけではなく、職場環境にも悪影響を与え、再び同じような問題を引き起こすことにつながりかねません。事後の適切な対応は、職場のセクシュアルハラスメントの再発を防止するために重要です。

◇あらかじめ取扱いを定めておきましょう

 職場でセクシュアルハラスメントが生じてから、誰がどのように対応するのか検討しているのでは、対応を遅らせることになります。あらかじめ、事実関係を確認するための担当者や部署、対応手順を定めておきましょう。

◇迅速に事情聴取を行いましょう

 事実確認は、被害の継続、拡大を防ぐため、相談があった場合は迅速に開始しましょう。
 事実確認は、一方の主張のみを聞くのではなく、双方の主張を公平に聴取し判断することが必要です。また、場合によっては職場の同僚等の第三者からの事情聴取も考慮してください。
 事情聴取は当事者双方のプライバシーを尊重するとともに、事実関係の確認などで知り得た個人的な秘密は厳守しなければなりません。






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チェック9 「事実確認後の措置」

〈チェックポイント〉

 均等法及び指針では、「事業主は、その事実に適切に対処することについて配慮をしなければならない」とされています。
 チェック9は、職場でセクシュアルハラスメントが生じた場合に雇用管理上講ずべき事項の例です。チェック項目と改善のポイントを参考に、適切に対応してください。

(改善のポイント)

 セクシュアルハラスメントがあったと認められた場合には、人事部門など関係部局と連携をとりつつ、必要に応じて加害者への制裁を含め、セクシュアルハラスメントの態様や被害者の心身の状況に応じ、必要な措置を講じる必要があります。

◇事実に基づき、事案に応じた措置を講じましょう

 セクシュアルハラスメントの程度、被害の状況に応じて、例えば、両当事者を同じ職場で勤務させることが適切でないと判断される場合や事務所内に被害者と行為者のみしか配置されていない場合は、配置転換などにより当事者を引き離すなどの配慮を行うことが必要です。
 また、相談者の精神的なショックが大きくメンタルケアが必要な場合は、専門家の指示に基づき、企業として必要な配慮を行うことが求められます。
 これらの対応を進めるに当たっては、相談者に十分に説明しながら行いましょう。

◇行為者への制裁は、公正なルールに基づいて行いましょう

 セクシュアルハラスメントの内容は、程度により、行為者を懲戒処分の対象とする場合もあります。その場合には、前もって就業規則に懲戒規定を設け、懲戒事由、懲戒の種類と程度を明らかにする必要があります。懲戒処分を行うに当たっては、セクシュアルハラスメントの程度に応じ、他の懲戒事由との均衡を図り慎重かつ公正に行わなければなりません。
 温情的な処分の結果、問題が発生した場合は、適切な処置を怠ったとして企業が強く責任を問われることにもなりかねません。従業員に対し、セクシュアルハラスメントが懲戒処分の対象となることを日頃から周知しておくことは、迅速な対応を図る上でも、またセクシュアルハラスメントの発生を防止する上でも効果的です。






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チェック10 「再発防止策」

〈チェックポイント〉

  チェック10は、再発防止のために実施しておくことが望まれる事項です。
  行っていない場合は、チェック項目と改善のポイントを参考に何らかの措置を講じることが望まれます。すでに行っている場合は、防止対策の効果をより高めるためにも、実施している項目以外についても取り組むことを検討してください。
(改善のポイント)

◇企業全体で再発防止に努めましょう

 セクシュアルハラスメントが起こった場合には、従業員全員に対してセクシュアルハラスメントは許さないという事業主の方針を徹底させることが重要です。そのために、管理職を始めとする従業員研修等を実施し、再度周知を図りましょう。
 また、各職場の管理職がセクシュアルハラスメントが生じていないか十分注意を払い、職場環境を害する言動を見逃さないよう目配りするよう徹底したり、女性が不快に思うような言動が日常的に行われていないか職場環境を点検し、改善するといった取組が望まれます。
 さらに、セクシュアルハラスメントの相談をした従業員をトラブルメーカーとして扱ったり、社内で相談をしづらい雰囲気がないか相談・苦情への対応状況を再検討してみましょう。
















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以下のアンケートは、厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課作成の従業員向けアンケート例です。



セクシュアルハラスメントについての
従業員用アンケート




*該当する項目の□にレ点を入れてください。

1.性別  □ 女性 口 男性


2.次のようなことは職場におけるセクシュアルハラスメントにあたると思いますか。

 □ 女性の水着姿のカレンダーを机に置く、女性のヌードのスクリーンセイバーを使う
 □ 容姿やプロポーションについてあれこれ言う
 □ 性的な冗談を言ったり、聞いたりする
 □ 肩、手や髪に触る
 □ カラオケのデュエットやチークダンスを強要する
 □ 職場の宴会でお酌を強要する
 □ 女性だからということで、お茶くみを強要する
 □ 「女性は職場の花でよい」などと言う
 □ こどもはまだかとたずねる


3.職場のセクシュアルハラスメントについて

(1) 職場でセクシュアルハラスメントを受けたことがありますか。または、セクシュアルハラスメントを受けたということを聞いたことがありますか。

 □ 受けたことがある(受けたということを聞いたことがある)
 □ 受けたことはない(受けたということを聞いたことがない)  →4へ

(2)そのセクシュアルハラスメントはどのような態様でしたか

 □ 性的な冗談、からかいや質問をされた
 □ ヌード写真等を見せられたり、不愉快な視線を送られた
 □ 性的含みのある手紙や電話等を受け取った
 □ 仕事に関係のない食事などに執拗に誘われた
 □ 身体に触られた
 □ その他


(3)行為者は誰でしたか。

 □ 会社の幹部
 □ 直属の上司
 □ 他部署の管理職
 □ 同僚
 □ 部下
 □ 他部署の者
 □ 取引先の者、顧客
 □ その他


(4)なぜセクシュアルハラスメントが生じたと思いますか

 □ 女性従業員に対して男性従業員が差別意識を持っている
 □ 男性従業員と女性従業員の性に対する意識の違いがある
 □ 社風として企業を支える人材として女性を位置づけていない
 □ 女性自身に職業人としての自覚が足りない
 □ 一部にモラルの低い男性がいるため
 □ その他(


4.我が社のセクシュアルハラスメント防止対策について尋ねます。

(1) セクシュアルハラスメントを防止するために策定した方針を知っていますか。

 □ 知っている
 □ 知らない

(2)セクシュアルハラスメントについての相談をどこにすればよいか知っていますか

 □ 知っている
 □ 知らない →5へ

(3)セクシュアルハラスメントについて、相談窓口を利用したことがありますか。 または、必要が生じたときに今後利用すると思いますか。

 □ 利用したことはあり、今後も利用すると思う
 □ 利用したことはあるが、今後は利用しないと思う
 □ 利用したことはないが、今後は利用すると思う
 □ 利用したことはないが、今後も利用しないと思う

(4)相談窓口は、利用しやすいと思いますか。

 □ 利用しやすいと思う →5へ
 □ 利用しにくいと思う

(5)利用しないと思う理由又は利用しにくいと思う理由は何ですか

 □ 同性の相談担当者がいないから
 □ 相談担当者が1名しかおらず、相談しにくい人だから
 □ ブライバシーの保持が守られそうにないから
 □ 担当者が誰かよくわからないから
 □ 相談しても、きちんと対応してくれそうにないから
 □ その他(


5.職場におけるセクシュアルハラスメント防止対策で会社に対して望むことは何ですか。

 □ 企業トップや幹部の意識を改革してほしい
 □ 一般社員の意識啓発研修を行ってほしい
 □ 管理職の意識啓発研修を行ってほしい
 □ セクシュアルハラスメントを許さないという企業方針を徹底してほしい
 □ 利用しやすい相談・苦情窓口を設置してほしい
 □ 就業規則や労使協定に制裁規定を盛り込んでほしい
 □ 問題発生時に迅速・公正な対応をしてほしい
 □ 風通しのよい職場風土を醸成してほしい
 □ その他(具体的に                                 )