足場からの墜落災害防止のための措置

足場からの墜落防止措置に関する「労働安全衛生規則の一部改正」

安全衛生ページ

平成21年6月1日施行
「改正安衛則足場からの墜落防止関係-新旧対象条文」(予定)


平成21年改正のポイント

足場からの墜落防止措置に関する調査研究会」報告書の関連部位分の骨子


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足場関係


足場等関係(平成21年6月1日施行)

ア 足場からの墜落防止措置等の充実を図るため、作業床についての墜落防止措置(第563条)として、
[1] わく組足場にあっては、交さ筋かい及び下さん等又は手すりわくを設けること。
[2] わく組足場以外の足場にあっては、手すり等及び中さん等を設けること。
[3] 作業のため物体が落下することによる危険のあるときは、高さ10cm以上の幅木等を設けること。
これに併せて、架設通路についての墜落防止措置(第552条)、作業構台の墜落防止措置(第575条の6)等について所要の改正を行うこと。

イ 足場の安全点検の充実を図るため、事業者が行う足場の点検(第567条)として、事業者はその日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた墜落防止設備の取りはずし等の点検を行うべきものとすること。
また、これに併せて、事業者が行う作業構台の点検(第575条の8)について所要の改正を行うこと。

 

 

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平成21年「足場からの墜落防止関係」労働安全衛生規則の一部改正と 「足場からの墜落防止措置に関する調査研究会」報告書の骨子

労働安全衛生規則の
一部改正案

(足場関係)
現在、度jのように規制されているか(問題点等) 足場墜落防止措置検討会報告書の指摘

ア 足場からの墜落防止措置等の充実を図るため、作業床についての墜落防止措置(第563条)として、高さ2メートル以上の作業場所には、

(1) 現行労働安全衛生規則の足場の手すり等の規定及び物体の落下による危険の防止の規定について、次により充実・強化する。

[1] わく組足場にあっては、交さ筋かい及び高さ15cm以上40cm以下のさん等又は手すりわくを設けること。


[2] わく組足場以外の足場にあっては、高さ85cm以上の手すり等及び中さん等を設けること。






[3] 作業のため物体が落下することによる危険のあるときは、高さ10cm以上の幅木等を設けること。




(足場の安全点検に係る現状)

 手すり等を設置していたにもかかわらず墜落災害が発生したケースが68人(31.3%)もあり、
  このうち25人が不安全行動や無理な姿勢によるものであるが、

■わく組足場において交さ筋かいを設けていたにもかかわらず交さ筋かい下部のすき間等から墜落したケースが25人(別添5)、
■また、くさび緊結式足場を含む単管足場において手すりを設置していたにもかかわらず手すりの下等から墜落したケースが18人(別添6)となっている。


■しかしながら、わく組足場の交さ筋かいに下さんを設けていた足場及び手すりの下に中さんを設けていた単管足場等(鋼管、丸太等の一本の水平材で手すりが設置される単管足場、丸太足場、くさび緊結式足場等。わく組足場を除き、つり足場を含む。以下同じ。)からの墜落による死亡災害は、手すりの高さが160pで中さんの高さが80pであった単管足場の特異なケースを除いて、一件も発生していない。

 

現行の措置基準

 「手すり」は高さ75p以上の箇所に一本設けることで足り、また、わく組足場に使用されている交さ筋かいについては、柵や囲いと同様に、手すり等の「等」に該当するものと見なされ、墜落災害防止措置として認められている(昭和43年6月14日安発第100号)


ア 労働者の墜落防止関係

(イ) わく組足場
 交さ筋かいに、さん(高さ15p〜40pの位置)又は幅木(高さ15p以上)の設置を義務付ける。(同等の措置を含む。)
(ア) 単管足場等
 手すり(高さ85p以上)及びさん(高さ35p〜50pの位置)を義務付ける。(同等の措置を含む。)

イ 物体の落下防止関係
 幅木(高さ10p以上)、防網又はメッシュシートの設置等を義務付ける。
(ガイドライン等)

(2) 単管足場等については、上記(1)の措置に加え幅木を設置することが、わく組足場については、上記(1)の措置に加え上さんを設置すること(二段手すり及び幅木の機能を有する部材があらかじめ足場の構成部材として備えられている手すり先行専用足場型の足場の設置を含む。)が、墜落災害を防止する上でより安全な措置である旨を示す。

 その際、足場のはり間方向の建地(脚柱)の間隔と床材の幅の寸法は原則として同じものとし、両者の寸法が異なるときは、床材を複数枚設置する等により、床材は建地(脚柱)とすき間をつくらないように設置すべきことも併せて示す。


 これに併せて、架設通路についての墜落防止措置(第552条)、作業構台の墜落防止措置(第575条の6)等について所要の改正を行うこと。
3−4 その他
 足場と同様の墜落災害防止措置の規定がある架設通路及び作業構台についても、手すり及び点検の規定について上記3−1及び3−3と同様の充実・強化を図る

イ 足場の安全点検の充実を図るため、事業者が行う足場の点検(第567条)として、事業者はその日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた墜落防止設備の取りはずし及び脱落の有無について点検し、異常を認めたときは直ちに補修を行うべきものとすること。
(なお、悪天候等の後の作業に際して行うべき点検事項について、所要の整備を行なうほか、点検記録の保存義務を課す。)


 また、これに併せて、事業者が行う作業構台の点検(第575条の8)について所要の改正を行うこと。

現行の措置基準

 点検の実施については、事業者及び注文者に対して足場の点検・補修の実施を義務付けているだけであり、点検の実施者及び点検結果の記録・保存等については規定されていない。
 また、現行では、上記以外の日常の足場における作業を開始する前の点検については義務付けされていない。



(足場の安全点検に係る現状)
 平成14年から18年までの5年間において、手すり等の未設置により134人が足場からの墜落による死亡災害が発生している状況をみると、手すり等の取りはずしや脱落の有無等についての作業開始前の点検が十分に行われていないことが推察される。

(1) 足場の組立て・変更時点検の充実

・現行法令では、事業者又は注文者(元請)に点検を義務付けているが、引き続き、事業者又は注文者に義務付ける。

・現行法令では、点検結果の記録の義務付けはないが、当該足場を用いる仕事が終了するまでの間、記録し保存することを義務付ける。

・点検の実施者については、原則として、足場の組立て等作業主任者、元方安全衛生管理者等であって、足場の点検について、安衛法第19条の2に基づく足場の組立て等作業主任者能力向上教育を受講している等十分な知識、経験を有する者を指名することを指導する。

・点検については、点検者の職氏名を記入できるようにした足場の種類別のチェックリストの例を示すとともに、事業者がそれを参考に使用する足場の種類・機材に応じたチェックリストを作成して点検を行うよう指導する。


(2) 作業開始前点検の義務化

・現行法令では、規定はないが、足場における作業を行うときは、作業を行う足場の部分について、作業を開始する前に、手すり等の取り外し及び脱落の有無を点検し、異常を認めたときは、直ちに補修することを義務付ける。

・点検は、職長等当該足場を使用する労働者の責任者から指名するよう指導する。