「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を定める告示」-平成20年改正(平20.3.1施行)について

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有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を定める告示」(平成15年厚生労働省告示第357号)
の平成20年改正点について (H20.3.1施行)



[編注]
(1) 平成15年改正のポイント- 〔平成12年12月28日基発第779号通達で示されていた指針の内容を踏襲したものであるが、当該指針が「努めるものとする」としていた点を義務表現に改め、かつ、労働基準法第14条第2項、3項に根拠条文をおく告示に改めるとともに、監督機関に必要な助言・指導権限を付与したものである。

(2) 平成20年改正のポイント-20.1.23厚生労働省告示12号(平20.3.1施行)にて2条の一部が改正施行されたもの。
 改正箇所は、第2条の一部に「当該契約を3回以上更新し、又は」の文言を加えた箇所のみ。有期労働契約の雇止め予告について、従来の(1)1年を超えて継続勤務している者、と併せて、(2)短期契約を3回以上更新している者、を加え両面から縛りをかけたもの-2か月契約、3か月契約のような場合は、新基準の方が1年を超えて継続勤務になる前に、該当局面がくることになる。

 

新・有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を定める告示


(契約締結時の明示事項等)
第1条 使用者は、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)の締結に際し、労働者に対して、当該契約の期間の満了後における当該契約に係る更新の有無を明示しなければならない。
2 前項の場合において、使用者が当該契約を更新する場合がある旨明示したときは、使用者は、労働者に対して当該契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければならない。
3 使用者は、有期労働契約の締結後に前二項に規定する事項に関して変更する場合には、当該契約を締結した労働者に対して、速やかにその内容を明示しなければならない。

(雇止めの予告)
第2条 使用者は、有期労働契約(当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限り、あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。次条第2項において同じ。)を更新しないこととしようとする場合には、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。

(雇止めの理由の明示)
第3条 前条の場合において、使用者は、労働者が更新しないこととする理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。
2 有期労働契約が更新されなかった場合において、使用者は、労働者が更新しなかった理由について証明書を請求したときは、遅滞なくこれを交付しなければならない。

(契約期間についての配慮)
第4条 使用者は、有期労働契約(当該契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。

 

(解釈参考事項)

(1) 更新の有無 例えば「自動的に更新する、更新する場合がある、契約の更新はしない」等を契約内容として明示する。

(2) 更新の判断基準 例えば、「契約期間満了時の業務量により判断する、労働者の勤務成績・態度により判断する、労働者の能力により判断する、会社の経営状態により判断する、従事している業務の進捗状況により判断する」等の更新あるいは非更新の判断基準を明示することを求めている。

(3) 契約を更新しなかった理由 例えば、「前回の契約更新時に本契約を更新しないことが合意されていたため、契約締結当初から更新回数の上限を設けており本契約は当該上限に係るものであるため、担当していた業務が終了・中止したため、事業縮小のため、業務を遂行する能力が十分でないと認められるため、職務命令に対する違反行為を行ったこと・無断欠勤をしたこと等勤務不良のため」等の理由を証明書として交付する。