男女雇用機会均等法(事業主が講ずべき措置の指針)
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<目次>
本指針の適用は平成11年3月31日までです。(改正均等法にもとづく新・指針が出ています。)
■男女雇用機会均等法(事業主が講ずべき措置の指針)
(1)募集・採用
(2)配置
(3)昇進
(4)適用除外
■コース別雇用管理の望ましいあり方(労働省)
■「女性のみ」「女性優遇」の措置の取扱いについて(労働省)
事業主が講ずるように努めるべき措置についての指針 目次に戻ります
注意 本指針の適用は平成11年3月31日までです。
昭和61・1・27 労働省告示第4号
改正 平成 6・3・11 労働省告示第15号
1 はじめに
この指針は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を
促進するために、企業の雇用管理の実態、労働基準法(昭和22年法律
第49号)における女子労働者の労働条件に関する特別の規定の現状、
女子労働者の平均的な勤続年数等の女子労働者の労働条件、意識及び就
業の実態等を考慮して、事業主が講ずるように努めるべき措置として具
体的に明らかにする必要があると認められるものについて定めたもので
ある。
2 事業主が講ずるように努めるべき措置
(1)募集及び採用に関し、次に掲げる措置を講ずるように努め
ること。
イ 募集又は採用に当たって、募集・採用区分(労働者を募集し、又は採用するに当たっての職種、
資格、雇用形態、就業形態等の区分をいう。以下(1)において同じ。)ごとに、女子であること
を理由として募集又は採用の対象から女子を排除しないこと。
【排除していると認められる例】 目次に戻ります
1 一定の職種について募集又は採用の対象を男子のみとすること。
2 大学卒業者等一定の応募資格を定めて募集し、又は採用する場合
において、その対象を男子のみとすること。
3 将来の処遇についてあらかじめ区分を設けて労働者を募集し、又
は採用する場合において、その対象を男子のみとすること。
4 常時雇用する労働者を募集し、又は採用する場合において、その
対象を男子のみとすること。
5 募集又は採用に当たって男子を表す職種の名称を用い、又は「男
子歓迎」、「男子向きの職種」等の表示を行うこと(女子を排除し
ないことが明らかである場合を除く。)。
6 女子を募集の対象としているにもかかわわらず、応募の受付等の
対象を男子のみとすること。
ロ 募集又は採用に当たって、男女を対象とする募集・採用区分において、女子についての募集又
は採用する人数の限度を設けないこと。
【限度を設けていると認められる例】
1 男女別の採用予定人数を明示して、募集すること。
2 募集に当たって男女別の採用予定人数を明示していないにもかか
わらず、一の募集・採用区分のー部について採用の対象を男子のみ
とすること。
ハ 募集又は採用に当たって、年齢、婚姻の有無、通勤の状況その他の条件を付す場合においては、
同一の募集・採用区分の男子と比較して女子に不利なものとしないこと。
【不利なものとしていると認められる例】 目次に戻ります
1 応募することができる年齢の上限を設けて募集し、又は採用する
場合において、女子が応募することができる年齢を男子に比して低
く設定すること。
2 女子についてのみ、未婚者であることを条件とすること。
3 女子についてのみ、自宅から通勤することを条件とすること。
4 大学等の卒業者を募集し、又は採用する場合において、女子につ
いてのみ、大学等の入学時の年齢がー定の年齢以下であること又は
大学等に在学した年数が一定の年数以下であることを条件とするこ
と。
5 「女子は未婚者優先」、「女子は自宅通勤者優先」等の一定の事
情にある女子について不利に取り扱う旨の表示を行うこと。
ニ 求人の内容の説明等募集又は採用に係る情報の提供について、同一の募集・採用区分の男子と
比較して女子に不利な取扱いをしないこと。
【不利な取扱いをしていると認められる例】
1 会社の概要等に関する資料を送付する対象を男子のみとし、又は
女子に送付する時期を男子より遅くすること。
2 求人の内容等に関する説明会を実施するに当たって、その対象を 目次に戻ります
男子のみとし、又は女子を対象とする説明会を実施する時期を男子
より遅くすること。
ホ 採用試験の実施について、同一の募集・採用区分の男子と比較して女子に不利な取扱いをしな
いこと。
【不利な取扱いをしていると認められる例】
1 女子についてのみ採用試験を実施すること。
2 男女について実施する採用試験のほか、女子についてのみ別の採
用試験を実施すること。
(2)配置に関し、次に掲げる措置を講ずるように努めること。
イ ー定の職務への配置に当たって、女子であることを理由として、その対象から女子労働者を排
除しないこと。
(排除していると認められる例) 目次に戻ります
1 営業の職務への配置に当たって、その対象を男子労働者のみとす
ること。
2 基幹的な業務を内容とする職務への配置に当たって、その対象を
男子労働者のみとすること。
ロ ー定の職務への配置に当たって、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有しているこ
と等を理由として、女子労働者についてのみ、その対象から排除しないこと。
(排除していると認められる例)
1 女子労働者についてのみ、婚姻を理由として、研究の職務への配
置の対象から排除すること。
2 女子労働者についてのみ、子を有していることを理由として、本
社勤務から排除すること。
ハ 婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由として、女子労働者に
ついてのみ、不利益な配置転換をしないこと。
(不利益な配置転換をしていると認められる例) 目次に戻ります
1 女子労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由と
して、通勤不便な事業場に配置転換をすること。
2 一定の年齢以上の女子労働者のみを、合理化のための出向の対象
とすること。
(3)昇進に関し、次に掲げる措置を講ずるように努めること。
イ 昇進に当たって、女子であることを理由として、その対象から女子労働者を排除しないこと。
(排除していると認められる例) 目次に戻ります
1 女子労働者に対して、役職への昇進の機会を与えないこと。
2 女子労働者については、一定の役職までしか昇進できないことと
すること。
ロ 昇進に当たって、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと、子を有していること等を理由とし
て、女子労働者についてのみ、その対象から排除しないこと。
(排除していると認められる例)
1 女子労働者についてのみ、婚姻を理由として、昇格できないこと
とすること。
2 女子労働者についてのみ、子を有していることを理由として、一
定の水準までしか昇格できないこととすること。
ハ 昇進に当たって、出勤率、勤続年数等一定の客観的条件を付す場合においては、男子労働者と
比較して女子労働者に不利なものとしないこと。
(不利なものとしていると認められる例) 目次に戻ります
1 男子労働者についてはー定の勤続年数を経た場合に昇進させるが、
女子労働者については当該一定の勤続年数を超える年数を経なけれ
ば昇進できないこととすること。
2 男子労働者については出勤率がー定の率以上である場合に昇格さ
せるが、女子労働者については出勤率が当該一定の率以上であるこ
とに加えてー定の勤続年数を経なければ昇格できないこととするこ
と。
3 男子労働者については婚姻の有無にかかわらずー定の年齢に達し
ている場合に昇格させるが、女子労働者については既婚者である場
合には当該一定の年齢に達した後一定の年数を経なければ昇格でき
ないこととすること。
ニ 昇進のための試験を実施する場合においては、男子労働者と比較して女子労働者に不利な取扱
いをしないこと。
(不利な取扱いをしていると認められる例) 目次に戻ります
1 一定の役職に昇進するための試験の受験資格を、女子労働者に対
して与えないこと。
2 一定の役職に昇進するための試験の受験資格を、男子労働者には
ー定の勤続年数を経た場合に与えるが、女子労働者には当該一定の
勤続年数を超える年数を経なければ与えないこと。
3 一定の役職に昇進するための試験の受験資格を、男子労働者には
婚姻の有無にかかわらずー定の勤続年数を経た場合に与えるが、女
子労働者には既婚者である場合には当該一定の勤続年数を経たこと
に加えて上司の推薦がなければ与えないこと。
3 適用除外 目次に戻ります
次のいずれかに該当する場合については、この指針を適用しない。
(1)次に掲げる職業に従事する労働者に係る場合
1 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男子に従事
させることが必要である職業
2 守衛、警備員等防犯上の要請から男子に従事させることが必要で
ある職業
3 @及びAに掲げる職業のほか、業務の性質上男子に従事させるこ
とについてこれらの職業と同程度の必要性があると認められる職業
(2)労働基準法第64条の2から第64条の4まで又は第64条の5
第2項の規定により女子の労働が制限され、又は禁止されているこ
とから、通常の業務を遂行するために、女子に対して男子と均等な
機会を与えること又は女子労働者に対して男子労働者と均等な取扱
いをすることが困難であると認められる場合
(3)風俗、風習等の相違により女子が能力を発揮し難い海外での勤務
が必要な場合その他特別の事情により女子に対して男子と均等な機
会を与えること又は女子労働者に対して男子労働者と均等な取扱い
をすることが困難であると認められる場合
■コース別雇用管理の望ましいあり方(労働省) 目次に戻ります
最近、雇用管理の方法として「総合職」、「一般
職」、「新総合職」などのコースを設定するコース
別雇用管理を採用する企業も多くみられます。
コース別雇用管理とは?
企画的業務や定型的業務等の業務内容や、転居を
伴う転勤の有無等によっていくつかのコースを設定
してコースごとに異なる配置、昇進、教育訓練等の
雇用管理を行うシスナムをいいます。
労働者を意欲、能力、適性等によって評価・処遇
するためのーつとして本来導入されてきたものです。
しかしながら、コース別雇用管理制度を採用して
いるものの中には、事実上女性について性別を理由
として男性とは異なる雇用管理を行うものなど適当
でない例もみられます。
そこで、平成3年10月労働省では、コース別雇
用管理を導入する場合には性別を基準とせず、意欲、
能力、適性等によって評価、処遇するシスナムの一
形態という制度本来の趣旨に沿ってなされるよう、
また男女雇用機会均等法の趣旨に沿って、制度を運
用し労働者の能力の活用を図るためにはどのような
点に留意すべきかをあわせて「コース別雇用管理の
望ましいあり方」としてまとめました。
コース別雇用管理を導入しておられる企業、また
導入を具体的に検討しておられる企業はこの内容を
参考として望ましい制度づくり、運用を行ってくだ
さい。
■コース別雇用管理の望ましいあり方」の
あらまし 目次に戻ります
1.コースの定義と運用方法を明確にすること
(1)労働者の意欲、能力に基づいて処遇する制度
であること
(2)仕事の内容等がコースごとに明確に定義、区
分されていること
イ 各コースの職務内容、処遇について、各コ
ースごとに対比できるような形で明確に定
めておくこと
ロ コース設定に際しては、各コースについて
適正な処遇とするよう配慮すること
2.各コースにおいて男女公平な採用、選考等を実
施すること
(1)採用基準、選考基準が性別によって差を設け
ないものであること
(2)各コースの説明方法、説明内容が性別によっ
て差を設けないものであること
(3)制度導入時の振り分け基準を性別を基準とせ
ず、個々人の意欲、能力によるものとすること
3.各コースが男女共に開かれていること
4.コース間の転換を認める制度を柔軟に設定する
こと
(1)最初に選択したコースから別のコースに転換
できる制度を設けること
(2)転換がコース間相互に可能であること
(3)転換のチャンスが広いこと
(4)転換の可否の決定、転換時の格付けが適正な
基準で行われること
(5)コース転換者に対しては、これまでのキャリ
アルートの違いを考慮した訓練を必要に応じ受
けさせること
(6)転換を目指す労働者の努力を支援すること
5.各コースにおいて男女公平な雇用管理を実施す
ること
各コース内における配置、昇進、教育訓練等
の雇用管理は性別によって差を設けないこと
■「女性のみ」「女性優遇」の措置の取扱いについて(労働省)
目次に戻ります
現在一部の企業で「女性のみを対象とする措置」又は「女性を男性に比べ優遇
する措置」が行われていますが、その目的や内容によっては女性の就業分野を
固定化するなど、均等法の趣旨に照らし問題のある場合も見受けられます。
「女性のみ」又は「女性優遇」の措置については、女性の能力の有効発揮、女
性全体の地位の向上の観点から、解消すべき措置と望ましい措置があると考え
ることができます。
現在行われている「女性のみ」又は「女性優遇」の措置について、以下の考
え方を参考に見直しを行い、女性の能力が有効に発揮されるような雇用管理を
行って下さい。
(1)解消されるべき「女性のみ」又は「女性優遇」の措置
女性の特性・感性があるもの、との先入観に基づいた措置は、特定の職種へ
の女性の固定化や、女性向きの職種が存在するとの社会通念を固定化するなど、
女性の職域拡大の支障となるおそれがあるものもあります。
さらに、女性全体の地位向上を妨げる要因につながるなどの問題をはらんで
います。
(具体例)
・コース別雇用管理におけるいわゆる一般職について、女性のみを対象とした
募集・採用をする。
・臨時社員等雇用が不安定な就業形態について、女性のみを対象とした募集・
採用をする。
・女性のみを対象に接遇訓練を実施する。
・本人が希望する場合でも、女性には一切時間外労働をさせない。
・本人の意思や家庭責任の事情にかかわらず、女性についてのみ転勤場所は自
宅から通勤できるところにする。
など
(2)望ましい「女性のみ」又は「女性優遇」の措置
過去の女性に対する取扱いが原因で生じた男性との格差を是正し、女性が男
性と同じスタートラインに立てるようにすることを目的として一時的に行う措
置は、女性の能力の有効発揮及び女性全体の地位向上の観点から望ましい措置
です。
(具体例)
・これまでほとんどの管理職が男性であった職場において、女性のみを対象と
する管理職養成講座を実施する
・これまで女性は営業職に配置されたことがなかったので、女性のみを対象に
営業に関する追加的訓練を実施する
・女性に対する先入観を除去するため、管理職、男性労働者等に対し意識改革
セミナーを実施する。
・女性の能力発揮の状況を調査・分析し、能力発揮のための計画を作成する
など
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