建設業附属寄宿舎の火災災害
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小室組(神奈川県)、善弘建設(茨城県)の建設業附属寄宿舎の火災災害


小室組寄宿舎における火災災害概要

1 発生日時   平成6年7月6日(水) 午前2時07分頃

2 発生場所   (株)小室組寄宿舎(神奈川県海老名市)

3 被災状況   死者8名

4 災害発生状況

(1)鉄骨造3階建て寄宿舎の1階から出火し、全焼した。
(2)当時、宿舎には1階の食堂兼事務所、2階と3階の宿泊室に53名が居り、焼け跡の2階部分から8名の焼死体が発見された。


善弘建設作業員宿舎における火災災害概要

1 発生日時  平成6年7月10日 午前4時00分頃

2 発生場所  善弘建設作業員宿舎(茨城県鹿島郡旭村)

3 被災状況  死傷者6名(死亡2名、負傷4者)いずれもインド人

4 災害発生状況

(1)木造2階建て宿舎の1階から出火し、全焼した。
(2)当時、宿舎には、住込みのインド人労働者6名とその友人3名の計9名が宿泊しており、このうち、住込みの者2名が焼死し、4名が重軽傷を負った。




再発防止対策

 労働省は、平成6年7月13日、上記の災害に関連して(前年11月にも京都市所任の建設業者の寄宿舎において6名が死亡し、6名が負傷するという災害が発生している。)都道府県労働基準局長及び建設業労働災害防止協会長等建設関係6団体長あてに、下記の再発防止対策の徹底を指示要請した。

                         記

1 建設業附属寄宿舎について、火災等の緊急時に備え、特に以下の措置が講じられているか早急に点検し、不備が認められた場合には速やかに改善すること。

(1) 常時15人未満の者が2階以上の寝室に居住する建物にあっては1以上、常時16人以上の者が2階以上の寝室に居住する建物にあっては原則として2以上の避難階段を設けること。(建設業附属寄宿舎規程第8条第1項)
(2)避難階段又は避難器具は、各階に適切に配置され、かつ、容易に屋外の安全な場所に通じるものとすること。(建設業附属寄宿舎規程第8条第2項)
(3)避難階段又は避難器具及びこれらに通じる通路については、避難用である旨の表示をするとともに、容易に避難することができるように保持すること。(建設業附属寄宿舎規程第9条)
(4)避難を要する場合を考慮し、適当に配置された2以上の出入口を設けること。(建設業附属寄宿舎規程第10条第1項)
(5)出入口の戸については、外開戸又は引戸とし、いつでも容易に外部に避難することができるように保持すること。(建設業附属寄宿舎規程第10条第2項)
(6)非常ベル、サイレン等の警報設備を設けること。(建設業附属寄宿舎規程第11条)
(7)消火器等の消火設備を設け、有効に消火できるようにしておくこと。(建設業附属寄宿舎規程第12条)
(8)警報設備及び消火設備の設置場所及び使用方法を寄宿する労働者等に周知するよう努めること。
(9)労働者が寄宿舎に入居した後、速やかに、避難及び消火の訓練を実施するよう努めること。なお、その後においても定期的に実施するよう努めること。

2 建設業附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合においては、工事着手14日前までに所轄労働基準監督署長に計画の届出を行う必要がある(労働基準法第96条の2)ので、この届出が的確になされているかどうか点検し、届出がなされていないものについては早急に届出を行うこと。



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