アキュムレータ圧縮空気貯糟の爆発事故
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三菱マテリアル(株)桶川製作所における爆発災害の概要 1 発生日時 平成7年7月31日(月)午前8時27分頃 2 発生場所 埼玉県北本市下石戸下字二ツ家191 (三菱マテリアル(株)桶川製作所内 銅合金課押出工場) 3 事業場名 三菱マテリアル(株)桶川製作所 4 労働者数 男655名 女175名 計830名 5 被害状況 死亡 I名(労働者1名) 負傷19名(労働者15名,その他4名) 6 発生状況 銅合金課押出工場において、円筒状のニッケル合金をパイプに加工するために設置さ れていた押出しプレスの準備作業のため、同プレスの油圧を得るため付設されているア キュムレータの手動バルブを開いた時、アキュムレータの付属設備である圧縮空気貯槽 2基が爆発し、前記の被害が発生したものである。 なお、爆発した圧縮空気貯槽は、内容積が1.8立方メートルで、最高使用圧力21 0kg/平方センチメートルで、 第二種圧力容器(高圧ガス取締法適用)に該当する ものである。 7 発生原因 発生原因は断定できないが、次のように推測される。 @アキュムレータの手動バルブを開く作業をした時、アキュムレータ内は、圧力が低下 していたことによりアキュムレータに連結している圧縮空気貯槽の圧力との間に大き な差が生じており、この圧力差による断熱圧縮、高速気流下での固形物との摩擦熱等 によりアキュムレータ内又はアキュムレータと手動バルブを接続する配管系内で発火、 爆発したこと。 Aこの爆発により発生したアキュムレータ内の高温高圧ガスが、配管内のミストを含む 可燃性混合気を燃焼させ、火炎を伝播しながら逆に圧縮空気貯槽の方へ急激に流れ、 圧縮空気貯槽内に存在していた可燃性混合気及び油類に達し、爆発を引き起こしたこ と。 再発防止対策 労働省は、平成8年5月21日、上記の災害に対し都道府県労働基準局長及び中央労働災 害防止協会長・(社)日本ボイラ協会長・(社)ボイラ・クレーン安全協会長あてに、下 記の再発防止対策の徹底を指示要請した。 記 1 運転時における安全の確保 (1)吐出空気配管中の仕切り弁の開閉の操作は、断熱圧縮による吐出空気の温度上昇を 防ぐため、これを急激に行わないこと。 (2)安全弁は、最高使用圧力以下で作動するように調整すること。 2 点検・保守管理の徹底 (1)空気貯槽内及び吐出空気配管内における潤滑油のオイルミストやカーボンのたい積 状況を定期的に確認し、空気貯槽内及び吐出空気配管内を清浄な状態に保つこと。 (2)圧縮機の潤滑油は、引火点が高く、熱安定性、酸化安定性の良好なものを使用する こと。 また、潤滑油の給油及び交換時においては、適正な給油量を確保するとともに、潤 滑油の劣化が認められるときは速やかに交換すること。 (3)圧縮機のエアフィルター及びオイルフィルターを定期的に清掃し、必要に応じ交換 すること。 (4)各種の点検の実施者、点検項目、点検方法、点検時期等を具体的に明記した作業標 準を作成し、その活用の徹底を図ること。 (5)空気貯槽については、ボイラー及び圧力容器安全規則第88条に定める本体の損傷 の有無、ふたの締付けボルトの摩耗の有無、管及び弁の損傷の有無について定期自 主検査を確実に実施すること。