くい打ち機・移動式クレンの転倒災害
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くい打ち機・移動式クレンの転倒災害が多発!(H9年8月だけで5件)

災害事例と安全総点検の項目を紹介



発生年月日 発生地 災害の種類 被災状況 災害の概要
H9.8.4 大阪 高等学校プール改築工事におけるくい打機の転倒災害 負傷2名 プール基礎工事において、くい打機(機体重星約28トン、リーダー約20メートル)によるくい打ち作業を一旦終え、当該くい打機を他の場所に移動中、くい打機が傾いたので、転倒を防止するため、ドラグショベルのバケットで押さえ、かつ、スクリューを地面に差し込んだが支えきれず、くい打機が学校南側の府道に倒れ、電柱5本と信号機をなぎ倒し、うち電柱1本が信号待ちをしていた乗用車を直撃した。作業中の作業員に負傷者はなかったが、信号待ちをしていた乗用車の運転者とその長男が負傷した。
H9.8.5 東京 河川清掃作業現場における移動式クレーンの転倒災害 死亡1名 河川清掃作業現場において、道路上に設置したつり上げ荷重2.93トンの積載型トラッククレーンで川底の清掃車(重量約1.3トン)をつり上げたところ、当該クレーンが河川側に倒れ、操作していた作業員が河川脇のフェンスとの間に挟まれ、死亡した。
H9.8.11 福井 空調設備改修工事における移動式クレーンの荷の落下災害 死亡1名

負傷2名
空調設備改修工事において、つり上げ荷重25トンのホイールクレーンで熱交換器(重量1.8トン)をつり上げていたところ、玉掛け用ワイヤロープ(一本吊り)が切断したため、熱交換器が落下・転倒し、作業員3名が被災、うち1名が死亡した。
H9.8.26 大阪 広告塔の鉄柱撤去工事における移動式クレーンの荷の落下災害 死亡1名 自動車販売会社の広告塔の鉄柱撤去工事において、つり上げ荷重4.5トンのホイールクレーンを使用し、鉄柱(重量3トン)をつり上げていたところ、玉掛け用ワイヤロープ(2本吊り)が切断したため、荷(鉄柱)が府道側に倒れ、信号待ちをしていた乗用車に激突し、運転者が死亡した。
H9.8.28 北海道 市営住宅建築工事におけるくい打機の転倒災害 死亡1名 市営住宅建築工事現場において、くい打機(機体重量約80トン、リーダ一約27メートル)を移動させていたところ、くい打機が転倒し、現場に隣接する民家を直撃し、民家を全壊させた。作業員に負傷者はなかったが、直撃した民家の住人1名が死亡した。

以上、基礎工事用建設機械及び移動式クレーンの災害が多発している状況を受けて、平成9年9月5日付け労働省労働基準局長及び建設省建設経済局長の連名による安全総点検の要請が行われている。
<安全総点検の要請先>
(日本建設業団体連合会長、日本土木工業協会長、建築業協会長、全国建設業協会長、全国基礎工業協同組合連合会長、日本基礎建設協会長、全国クレーン建設業協会長、日本クレーン協会長、建設業労働災害防止協会長)

基礎工事用建設機械及ぴ移動式クレーンに係る安全総点検の内容

1 必要な資格を有する作業者、必要な能力のある機械等の確保
(1)機械の運転者、玉掛け作業者は必要な資格を有しているか
(2)作業内容に適する能力を有する機械、必要な強度等を有する玉掛け用ワイヤロープを使用させているか

2 機械等の安全の確認
(1)過負荷防止装置、巻過防止装置等の安全装置は正しく機能しているか
(2)巻き上げ用ワイヤロープや玉掛け用のワイヤロープは損傷していないか
(3)機械等の作業開始前の点検及ぴ定期的な検査を確実に行い、異常を認めたときは、直ちに補修しているか

3 作業時の安全の確保
(1)事前に作業箇所の地質等を調査し、これに適応する作業計画を定めているか
(2)軟弱な地盤では、地盤改良や必要な広さ及び強度を有する敷板の設置等の地盤の不同沈下防止のための適切な措置を講じているか
(3)アウトリガーは適正に張り出されているか
(4)過負荷防止装置、巻過防止装置等の安全装置は確実に使用されているか
(5)玉掛けの方法等の作業方法は適切か
(6)くい打機、くい抜機の組立てや移動時に作業指揮者を指名し、その直接指揮の下に安全な作業を行わせているか

4 周囲の労働者の安全確保
(1〉機械の作業に係る立入禁止の範囲を定め、これを周知しているか
(2)作業の危険性、緊急時の対応等について周知しているか
(3)運転者に周囲の安全確認をさせているか

5 工事現場周囲の安全確保
(1)工事現場周辺の状況を十分に検討した上で、作業計画を定めているか
(2)機械の周囲に十分な余裕をとっているか
(3)一般通行人及ぴ一般通行車両の安全確保対策を講じているか












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