平成12年のボイラー等の事故
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平成12年のボイラー等の事故事例

 平成12年に、ボイラー等に係る事故が10件発生し、8人が被災、そのうち2人が死亡している。その概要は以下のとおり。

no
発生月
産業
事業の労働者数
死傷者数
設備の種類
発生状況
原因
1 平成12年1月 食品製造業
112人
2人
内死亡者1人
抽出器(第一種圧力容器)
内容積0.74平方メートル
最高使用圧力1.0MPa
 第一種圧力容器であるコーヒー抽出器を運転中、ふたが約6センチほど持ち上がり内部の熱湯が噴出し、2名がそれを浴びた。

@第一種圧力容器の内部の圧力が外圧より高い状態であっても切り替えスイッチによりふたを開けることが出来る構造であったこと。
A作業者に作業手順等の安全衛生教育を実施していなかったと。

2 平成12年2月 石油精製業
254人
0人
空気冷却器(第二種圧力容器)
内容積0.82平方メートル
最高使用圧力18.4MPa
 脱硫装置空気冷却器のフィンチューブが、その内部で生成していた塩酸で腐食し、突然噴破開孔し、噴出したガスが発火した。  空気冷却器の中で、塩酸が生成し、腐食したこと。また、内部の洗浄水でそれが除去できなかったこと。
3 平成12年4月 旅館業
30人
0人
温水ボイラー(鋳鉄製)
伝熱面積11.9平方メートル
最高使用圧力0.1MPa
 鋳鉄製温水ポイラーの重油タンクに雨水が入り、燃焼状態が不良となっていたが、雨水混じりの重油を抜き取り、運転を開始したところ、突然、炉内で爆発した。 @重油タンクに雨水が混入し、燃焼が停止したが、高温となった炉内で、気化した重油が爆発したものと推定される。
A当該ボイラーは、使用を休止した後、改造し使用再開検査等を受けていなからた。
4 平成12年7月 清掃業
3人
1人
炉筒煙管ボイラー
伝熱面積88平方メートル
最高使用圧力1.0MPa
 年に数回しか使用しない補助ボイラーを起動したところ、たびたび失火し、原因を調べていたが、突然、炉内で爆発が起こった。  パイロットバーナーの燃料ガスの電磁弁に埃が入り、ガスが炉内にもれたものと推定。
5 平成12年7月 石油精製業
290人
0人
廃熱ポイラー(水管式)
伝熱面積2063平方メートル
最高使用圧力7.8MPa
 廃熱ボイラーの煙道に設置している誘引通風機が突然停止し、ボイラーが緊急停止したが、可燃性ガスが炉内に流入し、炉内で爆発した。  廃熟ボイラーが緊急停止した際、廃熱ボイラーの上流装置内で、可燃性ガスが生成し、これが廃熱ボイラー内に流人したこと。
6 平成12年7月 食料品製造業
33人
3人
抽出器(第一種圧力容器)
内容積6.6立方メートル
最高使用圧力0.3MPa
 第一種圧力容器である抽出器で、鶏がらの抽出を行った後、内部の圧力がゼロとなったことから蓋を開いたところ、突然、沸騰がおこり、被災者らが熱湯をあびた。  容器内の抽出液上部に油膜が形成されており、その下の溶液は、沸騰状態にあり、これが突沸したものと推定される。
7 平成12年10月 電気機械器具製造業
3144人
0人
炉筒煙管ボイラー
伝熱面積99.0平方メートル
最高使用圧力1.0MPa
 ボイラー整備を行った後、始水ボンプのスイッチを入れず運転を開始し、低水位装置が作動せず、低水位状態となり、炉筒が圧かいした。 @ボイラーの整備を行った後、始水ポンプのネイッチを入れずに運転を開始したこと。
A低水位検出装置か作動しなかったこと。
8 平成12年12月 ホテル業
62人
2人
内死亡者1人
小型圧力容器
ジャケット側内容積0.064立方メートル
使用圧力0.15MPa
 調理室において、当該容器を用いて調理作業をしていたところ、小型圧力容器に該当する加熱源であるジャケットが突然、破裂した。 @小型圧力容掛こ該当する装置を、個別検定を受検せず使用していたこと。
A安全弁、温度スイッチが作動していなかったこと。
9 平成12年12月 バルブ製造業
785人
0人
多管式コンデンサー(第二稚圧力容器)
内容積:管側0.38立方メートル、胴側0.54立方メートル
最高使用圧力0.4Mpa
 化学物質を冷却するための多管式コンデンサーを運転中、突然、不浸透性黒鉛の遊動管板に亀裂が入り、内容物が飛散した。  不浸透性黒鉛の管板の劣化が進んでいたことによるものと推定される。
10 平成12年12月 その他の化学製品製造業
320人
0人
炉筒煙管ボイラー
伝熱面積7.5平方メートル
最高使用圧力1.0MPa
 ボイラーの火炎検出器が疑似火炎を検出し停止したため、修理を行った後、再度運転を開始した際、煙道爆発した。  修理時iこ燃料の電磁弁にばねを組み込むのを忘れ、弁に隙間ができ、燃料漏れ、炉内に未燃ガスが滞留、爆発した