携帯電話ボデーの仕上げ作業で爆発事故が頻発!
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携帯電話ボデーの仕上げ作業で爆発事故が頻発!

携帯電話の筐体にはマグネシウム合金が使用されている
仕上げ段階で、このマグネシウム合金のバフ研磨が行われているが、この工程での爆発事故だ。




最近の災害事例から
(厚生労働省労働基準局発表)

発生日
発生場所
爆発災害の概要
備考
平成10年9月
山梨県韮崎市
 ・死亡1名
 ・負傷2名
 マグネシウム合金製のビデオカメラ筐体の研磨作業により発生する粉じんを捕集する集じん機(バックフィルター乾式集塵機)内に溜まったマグネシウム合金粉じんを除去するため、シェーキングレバーを操作したところ、集じん機内で爆発した。

 原因(着火源)は特定されていないが、シェーキングレバー操作時に発生した金属同士の衝突による火花が着火源となった可能性がある。
平成11年1月
神奈川県藤沢市
集じん機改造工事
 ・死亡1名(事業主)
 ・負傷1名
 マグネシウム合金粉じんの集じん機の改造工事のために、集じん機内の堆積粉じんの除去作業を行っていたところ、集じん機内で爆発した。

 原因(着火源)は特定されていないが、作業者の身体に帯電した静電気が着火源となった可能性がある。
平成11年1月
埼玉県騎西町
 ・負傷2名
 マグネシウム合金製のノート型パソコン筐体の研磨作業により発生する粉じんを捕集する集じん機(バックフィルター乾式集じん機)内の清掃作業をしていたところ、集じん機内で爆発した。

 原因(着火源)は特定されていないが、作業者の身体に帯電した静電気が着火源となった可能性がある。
平成11年12月
岩手県遠野市
 ・負傷9人
 マグネシウム合金製の携帯電話機筐体の研磨作業中、ダクトの吸引が弱いので、排風機からダクトを取り外したところ、爆発した。

 排風機のモーターの過熱又はモーターから発生した火花が着火源となったものとみられる。
平成12年9月
神奈川県大和市
 ・死亡1人
 ・負傷1人
 マグネシウム合金製の携帯電話機筐体の研磨作業により発生する粉じんを捕集する集じん機(バックフィルター乾式集じん機)内を清掃作業中、集じん機内で爆発した。

 原因(着火源)は特定されていないが、作業者の身体に帯電した静電気が着火源となった可能性がある。
平成12年11月
東京都町田市
集塵機移設工事
 ・負傷3名
 マグネシウム集じん機の移設作業のため、アーク溶接機を使用したところ、集じん機内にマグネシウム粉じんが残存していたため、爆発した。

 アークが着火源となって爆発した。
平成13年1月
神奈川県横浜市
 ・負傷3人
 マグネシウム合金製のノート型パソコン筐体をエア式サンダーで研磨作業中、エア式サンダーに付着していたマグネシウム合金粉じんが発火した。

 エアサンダーの回転部と本体の組付ネジが接触して発生した火花が着火源となった。
平成13年8月
宮城県大衡村
 ・負傷6名
 携帯電話の筐体をバフ研磨機により仕上げ作業中、バフ研磨機の粉じんを捕集するダクト内で爆発した。

 バフ研磨作業を行う作業者の身体に帯電した静電気の放電により着火したマグネシウム合金粉じんがダクト内に吸引され、ダクト内で爆発したものとみられる。



再発防止対策
労働基準局労働安全衛生部長通達
業界団体への再発防止対策の要請
マグネシウム合金の取扱に係る自主点検表
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基安発第0329001号
平成14年3月29日

都道府県労働局長 殿

厚生労働省労働基準局安全衛生部長
(公印省略)


携帯電話筐体等の仕上げ加工に係るマグネシウム合金粉じんによる爆発火災災害の防止について

 爆発火災災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところであるが、別添1のとおり、携帯電話やノート型パソコン等のきょうたい筐体の研磨を行っている事業場において、マグネシウム合金粉じんによる爆発火災災害が、近年多く発生しているところである。
 マグネシウム合金は軽量で放熱特性に優れていることなどから、携帯電話やノート型パソコン等の筐体として広く利用されているが、その仕上げ工程におけるバフ研磨等によって発生するマグネシウム合金粉じんは、爆発火災の原因となり得るものであって、労働安全衛生法上の危険物に該当するものであるが、事業者のマグネシウム合金粉じんに対する危険性の程度の認識が乏しいこと等から、爆発火災等の防止対策が不十分な場合が少なくない。
 ついては、同種災害を防止するため、下記に留意の上、携帯電話筐体等の仕上げ加工工程を有する事業場に対する指導等の徹底を図られたい。
 なお、別添2の関係業界団体に別添3のとおり要請したので、併せて了知されたい。




1 マグネシウム合金粉じんの一般的な危険性について


 携帯電話等の筐体として使用されるマグネシウム合金は、合金成分としてアルミニウムが質量割合で約9%程度及びその他の金属が微量に含まれるものであり、その粉じんは労働安全衛生関係法令により発火性の危険物として規制されているが、特にバフ研磨等の工程において発生する研磨粉は、軽量で浮遊又は飛散して粉じん雲を形成しやすい5μmから80μm程度の粒径のものである。
 また、着火エネルギーが小さいことから、物体の静電気によるスパーク放電等の火気以外のものも着火源となり得るものである。
 さらに、爆発時における爆発圧力は他の粉じんに比べて大きいものである。
 そのため、粉じん爆発や火災の危険性には特に留意する必要がある。
 また、マグネシウム合金粉じんは、水分と常温常圧で反応して、可燃性の水素ガスを発生させることから、滞留した水素ガスによる爆発の危険性にも留意する必要がある。
 マグネシウム合金粉じんの取扱いに当たっては、このような爆発火災の危険性を十分に認識した上で、除じん措置の適正化、火気等の点火源となる要因の除去、安全衛生教育の実施等の対策を徹底する必要がある。



2 マグネシウム合金粉じんの取扱いに当たって事業者が実施すべき事項

 携帯電話筐体等の仕上げ加工に係るマグネシウム合金粉じんの爆発火災災害を防止するため、事業者が特に留意して実施すべき事項は以下のとおりである。

(1) 除じん等の措置の適正化

ア 通風、換気、除じん等の実施

 (ア) バフ研磨等の作業を行う場所については、通風、換気、除じん等の措置を講じなければならないこと。

 (イ) 上記の(ア)の措置として集じん機による除じんを行う場合、バグフィルター方式やサイクロン方式等の乾式集じん機は、内部で形成されるマグネシウム合金の粉じん雲に静電気放電等が点火源となって爆発のおそれがあることから、湿式集じん機でマグネシウム合金粉じんを含む液体を連続的に排出でき、かつ、ガス抜き装置等により発生した水素ガスの滞留を防止することができるものを使用するようにすること。
 やむを得ず、バグフィルター方式やサイクロン方式等の乾式集じん機によるときは、接地、バグフィルターへの導電性の布地の使用その他の帯電防止措置とともに、捕集される金属粉じんに消石灰を投入する等によりマグネシウム合金粉じんを不活性化する等の措置を講ずるようにすること。

 (ウ) 集じん機のダクトについては、捕集した金属粉じんが系内にたい積しないようにするため、次の措置を講ずるようにすること。
 (@) 十分な風速を確保すること。
 (A) ベント、T字継手をできるだけ少なくすること。
 (B) 蛇腹状のダクトを使用する場合においては、U字状の屈曲部が生じないようにすること。
 (C) たい積状況を確認するための点検口を設けること。


イ たい積粉じんの除去

 床、作業台等にたい積したマグネシウム合金粉じんは、固く絞ったぬれ雑巾やモップを用いて、粉じんが舞い上がらないようにふき取る方法により、一定時間ごとに捕集するようにすること。



(2) 火気等の管理

ア 火気等の使用禁止、電気機械器具の防爆性能の確保

 (ア) マグネシウム合金粉じんが存在して爆発又は火災のおそれがある場所においては、火花若しくはアークを発して点火源となるおそれがある機械等又は火気を使用してはならないこと。
また、火気の使用を禁止する旨の表示をすること。

 (イ) バフ研磨等を行う場所において電気機械器具を使用するときは、粉じん防爆特殊防じん構造のものを使用すること。


イ 帯電防止措置

 (ア) バフ研磨等の作業に従事する労働者に静電気帯電防止作業服及び静電気帯電防止靴を着用させる等により、身体、作業服等に帯電する静電気を除去するための措置を講ずること。

 (イ) 作業床の導電性を確保するため、塩化ビニル等の不導電性のものを材質とする床には帯電防止用マットを使用するようにすること。

 (ウ) 集じん機のダクトは接地する等の措置を講ずること。また、材質は導電性のものとし、ガスケットを介して接続する箇所はボンディングにより導通を確保するようにすること。


ウ 消火設備の設置

 バフ研磨等の作業を行う屋内作業場には、金属火災用消火器、乾燥砂等の消火設備を設けること。
 なお、火災時における注水、炭酸ガス消火器及びABC消火器等の使用はしないようにすること。


(3) 作業指揮者の配置

 バフ研磨等の作業に係る作業指揮者を定め、その者に当該作業を指揮させるとともに、バフ研磨機、集じん機、ダクト等を随時点検させ、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること等の事項を行わせること。


(4) 安全衛生教育の実施

ア 労働者を雇い入れ、又は作業内容を変更して、新たにバフ研磨等の作業に従事させる労働者に対して、マグネシウム合金粉じんの爆発の危険性、取扱い方法、作業標準等に基づく安全な作業方法、想定される災害と緊急時の措置等についての安全衛生教育を実施すること。


イ 職長等となった者に対して、作業方法の決定、労働者に対する指導、労働災害を防止するための必要な事項等について教育を実施すること。



3 事業場に対する指導等

(1) 集団指導等の実施

 携帯電話等を製造する元請事業場の企業系列に着目する等により、これらのバフ研磨等の作業を有する事業場を対象とした集団指導又は自主点検を実施し、上記1及び2の事項の周知、徹底を図ること。
 自主点検に当たっては、別添4の「マグネシウム合金粉じんの取扱いに係る自主点検表」を活用すること。
なお、マグネシウム合金のバフ研磨等の作業は、粉じん障害防止規則の粉じん作業に該当することから、粉じんにさらされる労働者の健康障害を防止するため、同規則に定める基準を満たす措置を講ずる必要があることについても併せて周知すること。


(2) 計画届の審査

 マグネシウム合金の研磨作業に係る局所排気装置等について、労働安全衛生法第88条に基づく計画の届出があった場合には、爆発火災を防止する観点から、上記2の事項についても確認を行い、問題が認められる場合は所要の指導等を行うこと。


(3) 個別指導等

 自主点検の結果等から、事業場の実態を確認した上で、爆発火災による危険を防止するための改善方策等を指導、援助することが必要と認められる場合は、個別指導を実施すること。
 なお、労働安全衛生法令違反の是正を求めるために必要がある場合には、関係署の連携を図り、所要の対応を行うこと。





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別添2


関係事業者団体


日本マグネシウム協会
(社)日本ダイカスト協会
(社)電子情報技術産業協会
通信機械工業会
全国通信用機器材工業協同組合






別添3

                             基安発第0329002号
                             平成14年3月29日


 別添2の関係事業者団体の長 殿


                       厚生労働省労働基準局
 安 全 衛 生 部 長


携帯電話筐体等の仕上げ加工に係るマグネシウム合金粉じんによる爆発火災災害の防止について           


 爆発火災災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところでありますが、別添のとおり、携帯電話やノート型パソコン等のきょうたい筐体の研磨を行っている事業場において、マグネシウム合金粉じんによる爆発火災災害が、近年多く発生しているところです。
 マグネシウム合金は軽量で放熱特性に優れており、携帯電話やノート型パソコン等の筐体として広く利用されていますが、その仕上げ工程においてバフ研磨等によって発生するマグネシウム合金粉じんは、労働安全衛生法上の危険物に該当し、爆発火災の原因となり得るものです。しかしながら、事業者のマグネシウム合金粉じんに係る危険性の程度等に関する認識が乏しいことなどから、爆発火災等の防止対策が不十分な場合が少なくなく、同種災害の発生が懸念されるところです。
 つきましては、携帯電話筐体等の研磨等の作業に係るマグネシウム合金粉じんの爆発火災災害を防止するために、事業者が実施すべき事項等は下記のとおりであり、貴会におかれましても、同種災害の防止に万全を期するよう会員事業場への周知徹底を要請します。

1 マグネシウム合金粉じんの一般的な危険性について

 携帯電話等の筐体として使用されるマグネシウム合金は、合金成分としてアルミニウムが質量割合で約9%程度及びその他の金属が微量に含まれるものであり、その粉じんは労働安全衛生関係法令により発火性の危険物として規制されているが、特にバフ研磨等の工程において発生する研磨粉は、軽量で浮遊又は飛散して粉じん雲を形成しやすい5μmから80μm程度の粒径のものである。
 また、着火エネルギーが小さいことから、物体の静電気によるスパーク放電等の火気以外のものも着火源となり得るものである。
 さらに、爆発時における爆発圧力は他の粉じんに比べて大きいものである。
 そのため、粉じん爆発や火災の危険性には特に留意する必要がある。
 また、マグネシウム合金粉じんは、水分と常温常圧で反応して、可燃性の水素ガスを発生させることから、滞留した水素ガスによる爆発の危険性にも留意する必要がある。
 マグネシウム合金粉じんの取扱いに当たっては、このような爆発火災の危険性を十分に認識した上で、除じん措置の適正化、火気等の点火源となる要因の除去、安全衛生教育の実施等の対策を徹底する必要がある。

2 マグネシウム合金粉じんの取扱いに当たって事業者が実施すべき事項

 携帯電話筐体等の仕上げ加工に係るマグネシウム合金粉じんの爆発火災災害を防止するため、事業者が特に留意して実施すべき事項は以下のとおりである。

(1) 除じん等の措置の適正化

 ア 通風、換気、除じん等の実施

 (ア) バフ研磨等の作業を行う場所については、通風、換気、除じん等の措置を講じなければならないこと。

 (イ) 上記の(ア)の措置として集じん機による除じんを行う場合、バグフィルター方式やサイクロン方式等の乾式集じん機は、内部で形成されるマグネシウム合金の粉じん雲に静電気放電等が点火源となって爆発のおそれがあることから、湿式集じん機でマグネシウム合金粉じんを含む液体を連続的に排出でき、かつ、ガス抜き装置等により発生した水素ガスの滞留を防止することができる湿式集じん機を使用するようにすること。
 やむを得ず、バグフィルター方式やサイクロン方式等の乾式集じん機によるときは、接地、バグフィルターへの導電性の布地の使用その他の帯電防止措置とともに、捕集される金属粉じんに消石灰を投入する等によりマグネシウム合金粉じんを不活性化する等の措置を講ずるようにすること。

 (ウ) 集じん機のダクトについては、捕集した金属粉じんが系内にたい積しないようにするため、次の措置を講ずるようにすること。
   (@) 十分な風速を確保すること。
   (A) ベント、T字継手をできるだけ少なくすること。
   (B) 蛇腹状のダクトを使用する場合においては、U字状の屈曲部が生じないようにすること。
   (C) たい積状況を確認するための点検口を設けること。

 イ たい積粉じんの除去

   床、作業台等に堆積したマグネシウム合金粉じんは、固く絞ったぬれ雑巾やモップを用いて、粉じんが舞い上がらないようにふき取る方法により、一定時間ごとに捕集するようにすること。


(2) 火気等の管理

 ア 火気等の使用禁止、電気機械器具の防爆性能の確保

  (ア) マグネシウム合金粉じんが存在して爆発又は火災のおそれがある場所においては、火花若しくはアークを発して点火源となるおそれがある機械等又は火気を使用してはならないこと。 また、火気の使用を禁止する旨の表示をすること。

  (イ) バフ研磨等を行う場所において電気機械器具を使用するときは、粉じん防爆特殊防じん構造のものを使用すること。

 イ 帯電防止措置

  (ア) バフ研磨等の作業に従事する労働者に静電気帯電防止作業服及び静電気帯電防止靴を着用させる等により、身体、作業服等に帯電する静電気を除去するための措置を講ずること。

  (イ) 作業床の導電性を確保するため、塩化ビニル等の不導電性のものを材質とする床には帯電防止用マットを使用するようにすること。

  (ウ) 集じん機のダクトは接地する等の措置を講ずること。また、材質は導電性のものとし、ガスケットを介して接続する箇所はボンディングにより導通を確保するようにすること。

 ウ 消火設備の設置

   バフ研磨等の作業を行う屋内作業場には、金属火災用消火器、乾燥砂等の消火設備を設けること。
  なお、火災時における注水、炭酸ガス消火器及びABC消火器等の使用はしないようにすること。

(3) 作業指揮者の配置

  バフ研磨等の作業に係る作業指揮者を定め、その者に当該作業を指揮させるとともに、バフ研磨機、集じん機、ダクト等を随時点検させ、異常を認めたときは、直ちに必要な措置をとること等の事項を行わせること。

(4) 安全衛生教育の実施

 ア 労働者を雇い入れ、又は作業内容を変更して、新たにバフ研磨等の作業に従事させる労働者に対して、マグネシウム合金粉じんの爆発の危険性、取扱い方法、作業標準等に基づく安全な作業方法、想定される災害と緊急時の措置等についての安全衛生教育を実施すること。

 イ 職長等となった者に対して、作業方法の決定、労働者に対する指導、労働災害を防止するための必要な事項等について教育を実施すること。




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別添4

マグネシウム合金粉じんの取扱いに係る自主点検表

  この自主点検は、事業場のマグネシウム合金粉じんの取扱い作業に関する爆発火災等の防止対策の実施状況を自ら点検し、その把握した問題点に応じ、自主的な改善を図るためのものです。

     点検項目

              点検の結果

1.通風、換気、除じん等の措置

バフ研磨等を行うことによりマグネシウム合金粉じんが発散する場所については、通風、換気、除じん等の措置を講じているか。

(参照条文 安衛法第20条、 安衛則第261条)

2.集じん機の措置

  上記の1の措置として、集じん機を設ける場合は、静電気を除去するための対策を講じているか。

(参照条文 安衛法第20条、 安衛則第287条)

3.配管、ダクトの措置

 上記の1の措置として設ける集じん機などの配管、ダクトについては、静電気を除去するための対策を講じているか。

(参照条文 安衛法第20条、 安衛則第287条)

 

  通風、換気、除じん等により、粉じんが発散しないようにしている。

 通風、換気、除じん等を行っているが、作業台等に粉じんの発散がみられ、十分な効果が得られていない。 

  通風、換気、除じん等を行っていない。

        

         

         

(2〜3については、改善が必要です。)

  * なお、通風、換気、除じん等の措置については、マグネシウム合金のバフ研磨等の作業が粉じん障害防止規則(昭和54年4月25日労働省令第18号)の特定粉じん作業に該当することから、同規則に定める基準をも満たすことができる局所排気、全体換気等の措置講ずることが必要です。

  湿式集じん機を使用しており、静電気が点火源となることはない。

  乾式集じん機を使用している。静電気対策として、接地、除電剤の使用、バグフィルターへの導電性の布地の使用その他これを除去するための十分な措置を講じている。

  乾式集じん機を使用しているが、十分な静電気対策を講じていない。

        

         

          

(3については、改善が必要です。なお、1の場合、使用する湿式集じん機については、マグネシウム合金粉じんを含む液体を連続的を排出し、発生した水素ガスが滞留しない構造とすることが重要です。)

 導電性の材質のものを使用し、また、接地、ボンディングにより静電気を除去している。

  導電性の材質のものを使用しているが、一部に接地、ボンディング等を行っていない箇所がある。

  静電気を除去するための対策を講じていない。

       

        

         

  (2〜3については、改善が必要です。)


4.たい積粉じんの除去

  上記の1の場合に設ける集じん機の配管、ダクトに捕集した粉じんがたい積しないか。

5.床等の清掃

  床、作業台等にこぼれ落ちたマグネシウム合金粉じんは、固く絞った濡れ雑巾やモップを用いて、粉じんが舞い上がらないように拭き取る方法により、一定時間ごとに捕集しているか。

6.火気等の使用禁止

バフ研磨等を行う場所等のマグネシウム合金粉じんが存在して爆発又は火災のおそれのある場所で、火花、アーク等が発生する機械等又は火気を使用していないか。

(参照条文 安衛法第20条、安衛則第279条)

  また、火気の使用を禁止する旨の表示をしているか。

(参照条文 安衛法第20条、安衛則第288条)

7.労働者の静電気帯電防止

  バフ研磨等の作業に従事する労働者に静電気帯電防止用作業服及び静電気帯電防止用作業靴を着用させる等により、身体、作業服等に帯電する静電気を除去するための措置を講じているか。

(参照条文 安衛法第20条、安衛則第286条の2)

 

  捕集した粉じんがダクト等の内部にたい積しないようにするため、必要な措置を講じており、内部に堆積していない。

  捕集した粉じんの一部がダクト等の内部にたい積している。

  捕集した粉じんがダクト等の内部にたい積しているかどうか確認していない。

        1

       

        

(2〜3については、改善が必要です。)

   配管、ダクトについては、次のような措置により、捕集した粉 じん  が内部にたい積しないようにすることが重要です。

@十分な風速を確保すること
Aベント、T字継手をできるだけ少なくすること
B蛇腹状のダクトにU字状の屈曲部が生じないようにすること。
Cたい積状況を確認するための点検口を設けること。

  一定時間ごとに、固く絞った濡れ雑巾やモップを用いて、粉じんが舞い上がらないように拭き取っている。

  床等にこぼれ落ちたマグネシウム合金粉じんの清掃方法にいては、特段の方法を定めていない。

            

              

(2については、改善が必要です。)

 火花、アーク等が発生する機械等又は火気は使用していない。 火気の使用を禁止する旨の表示をしている。

  火気の使用を禁止する旨の表示をしているが、火花、アーク等が発生する機械等又は火気を使用することがある。

  火気の使用を禁止し

ていない。

        

         

         

 (2〜3については、改善が必要です。また、バフ研磨等を行う場所で電 気機械器具を使用する場合は、粉じん防爆特殊防じん構造のものを使用する必要があります。)

 静電気帯電防止用作業服及び静電気帯電防止用作業靴の着用等により、帯電する静電気を除去するための措置を講じている。

  静電気帯電防止用作業服を着用させていない。労働者の静電気帯電防止対策が十分でない。

  静電気帯電防止用作業靴を着用させていない。労働者の静電気帯電防止対策が十分でない。

  労働者の静電気帯電防止対策を講じていない。

      

      

      

     4

(2〜4については、改善が必要です。また、1の場合であっても、塩化 ビニル等の導電性が確保されていないものを材質とする作業床には帯電 防止用マットを使用することが必要です。)

8.消火設備の設置

  バフ研磨等の作業を行う屋内作業場には、金属火災用消火器、乾燥砂等の消火設備を設けているか。

(参照条文 安衛法第20条、安衛則第289条)

9.作業指揮者

  作業指揮者を定め、その者に作業指揮者の職務を行わせているか。

(参照条文 安衛法第20条、安衛則第257条)

【作業指揮者の職務】
@作業を指揮させること。
A研磨機、集じん機、配管等 を随時点検すること。
Bバフ研磨等の作業を行う場 所の換気等の状態を随時点検 すること。
Cマグネシウム合金粉の取扱 い状況を随時点検すること。
D上記A〜Cの異常を認めた ときは、直ちに必要な措置を講ずるとともに、その措置を記録しておくこと。

10.安全衛生教育

  新たに雇い入れ、又は作業内容を変更して、マグネシウム合金筐体等のグラインダ加工、バフ研磨作業等に従事させる労働者に対して、マグネシウム合金粉じんの爆発の危険性、取扱い方法、作業標準等に基づく安全な作業方法等についての安全教育を実施しているか。

(参照条文 安衛法第59条第1項、第2項、安衛則第35条)

 

  金属火災用消火器、乾燥砂等の消火設備を設けている。

  消火設備を設けているが、マグネシウム合金粉じんの火災に適応するものかどうか確認していない。

  消火設備を設けていない。

        

          

        

(2〜3については、確認、改善が必要です。)

  作業指揮者を定めて、作業指揮、機器等の点検等を行わせている。

  作業指揮者を定めているが、作業指揮者の職務を十分に行わせていない。

  作業指揮者を定めていない。

       

         

         

  (2〜3については、改善が必要です。)

  該当者全員に実施している。

  一部の労働者について、未実施のまま、業務に就かせている。

  作業方法等を簡単に説明しただけで、十分な安全教育を実施していない。

  実施していない。

     

       

      

     

 (2〜4については、改善が必要です。)

  なお、常時バフ研磨等の作業に従事させる労働者については、上記の安全教育とともに、粉じん作業特別教育を実施する必要があります。


〔提出用〕

自主点検結果報告書

                                   (平成  年  月  日)

 事業場の名称

 

代表者職氏名

 

 所在地

                                                    TEL        (  )

 点検者職氏名

  労働者数

                         )人

マグネシウム合金にかかる作業の概要  

 *「労働者数」欄の()には、外国人労働者を使用している場合、その人数を内数として記入して下さい。

 * 自主点検の結果について、別添の「マグネシウム合金粉じんの取扱いに係る自主点検表」の「点検の結果」欄の該当番号を下表の「点検結果」欄と同じ番号に〇を記入して下さい。また、下表の「改善予定の有無」欄については、点検の結果から、改善を要する事項があった場合に、  当該事項に関する改善予定の有無について、〇を記入してください。さらに、改善予定時期が決まっている場合は、その時期を記入して下さい。

   この自主点検結果報告書は、   監督署に提出して下さい。なお、「マグネシウム合金粉じんの取扱いに係る自主点検表」を提出していただく必要はありません。

      点検項目

 点検結果

      改善予定の有無

 1 通風、換気、除じん等の措置

 1・2・

2~3の場合】  (  年  月)・無

 2 集じん機の措置

 

3 の場合】   (  年  月)・無 

   配管、ダクトの措置

 

2~3の場合】  (  年  月)・無 

   堆積粉じんの除去

 

2~3の場合】  (  年  月)・無 

 5 床等の清掃

   1・2

2 の場合】   (  年  月)・無

 6 火気等の使用禁止

 1・

2~3の場合】  (  年  月)・無 

 7 労働者の静電気帯電防止措置

1・2・3・

2~4の場合】  (  年  月)・無 

 8 消火設備の設置

 2・

2~3の場合】  (  年  月)・無

 9 作業指揮者の配置

 1・2・

2~3の場合】  (  年  月)・無 

 10  安全衛生教育の実施

1・2・3・

2~4の場合】  (  年  月)・無