解体中のビル外壁崩壊事故
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静岡県富士市・解体中のビルの外壁が崩壊

作業者2名・車の搭乗者2名の計4名が死亡(+2名重軽傷)



災害発生状況


1 発生日時  平成15年3月13日(木)

2 発生場所  静岡県富士市

3 発生状況

  8階建てのビル解体工事現場において、4階まで鉄筋コンクリート造建築物の上部に増築された鉄骨造の5階部分を解体中に、外壁の一部が道路側に落下し、解体作業を行っていた作業者2名が、墜落した。また、信号待ちの車両2台が落下した壁の下敷きとなり、搭乗者4名が被災した。

4 被災状況

  作業者2名死亡
  車の搭乗者4名(2名死亡、2名重軽傷)

  (注)上記の災害概要等については、現在調査中であり、確定したものではない。

 



この事故に関し、労働基準局長から関係団体あて以下の要請がなされている。


平成15年3月18日付け厚生労働省労働基準局長から次の各関係団体長あて(基発第0318002号)


社団法人全国解体工事業団体連合会会長
社団法人全国建設業協会会長
社団法人日本建設業団体連合会会長       殿
社団法人建築業協会会長
社団法人日本土木工業協会会長
建設業労働災害防止協会会長


コンクリート造の工作物の解体作業における労働災害防止対策の徹底について


 建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところでありますが、本年3月13日、別添(略)のとおり、静岡県のビル解体工事現場において解体中のビルの外壁の一部が道路上に落下し、解体作業を行っていた作業者2名が墜落し被災するとともに、道路上の車両2台が外壁の下敷きとなり、搭乗者4名が被災するという重大な災害が発生したことは、誠に遺憾であります。
 本災害の原因については現在調査中でありますが、今後同種災害が発生しないよう、貴団体におかれましては、コンクリート造の工作物の解体作業においては、下記に留意のうえ、作業が行われるよう、会員事業場に対し周知徹底していただきたく要請いたします。



1 コンクリート造の工作物の解体作業を行うときは、あらかじめ当該工作物の形状、き裂の有無、周囲の状況等を十分に調査を行うこと。特に、増改築したコンクリート造のビル等を解体する場合は、増改築した柱や壁の接続部分等構造上の弱点となりやすい部分の調査を綿密に行うこと。
  また、調査結果に適応した作業の方法、順序等が示された作業計画を定め、当該作業計画を関係労働者に周知し、その作業計画に基づいて作業を行うこと。


2 コンクリート造の工作物の解体作業を行うときは、外壁、柱、梁等の倒壊等による危険を防止するため、控え等の措置を確実に行うこと。


3 高さ5メートル以上のコンクリート造の工作物の解体等の作業については、コンクリート造の工作物の解体等作業主任者を選任し、その者に、作業の方法及び労働者の配置を決定させ、作業を直接指揮させること。