ガソリン貯蔵タンク改修工事中、引火火災(愛知)
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ガソリン貯蔵タンクの火災災害

改修工事中、ガソリンに引火−死亡6名、負傷1名





災害発生状況

1 発生日時 平成15年8月29日(金)午後3時40分頃

2 発生場所 愛知県名古屋市 A油槽所

3 被災者等 死亡6名、負傷1名

4 組織図

5 発生状況

 隣り合ったガソリン貯蔵タンク2基(B,C)の改修工事中、一方のタンクから外に流れ出た気化ガソリンに引火し、火災となり、それぞれのタンクで改修工事に従事していた作業者のうち、6名が死亡し、1名が負傷した。

 (注)上記の災害概要等については、現在調査中であり、確定したものではない。










再発防止対策の徹底

厚生労働省労働基準局長から石油連盟会長、石油化学工業協会会長あて(平成15年9月11日付け基発第0911006号)

ガソリン等貯蔵タンクの保守点検・改修工事における労働災害の防止について

 石油関連施設における労働災害の防止については、日頃からその徹底を求めてきたところですが、本年8月29日、愛知県内の油槽所においてガソリン貯蔵タンクの改修工事中に火災が発生し、6名が死亡し、1名が負傷するという重大災害が発生したことは、誠に遺憾に堪えないところです。
 本災害の発生原因等については、現在調査中ですが、ガソリン等引火点の低い液体を貯蔵するタンクの保守点検又は改修作業は定期的に行われるものであり、同種災害の発生が懸念されるところです。
 ついては、貴団体におかれましては、事態の重大性を御認識いただき、同種災害の再発防止のため、ガソリン等引火点の低い液体を大量に貯蔵するタンクについて開放を伴う工事等を行うに当たっては、下記の事項に特に留意して、労働災害の防止に万全を期するよう、傘下会員に対しその周知徹底をお願い致します。

1 設備の保守点検・改修作業等を発注する者(以下「発注者」という。)は、作業に伴う危険性に係る情報をあらかじめ元方事業者に提供するとともに、当該危険性を踏まえた適切な作業が行われるよう指導すること。特に、引火等の危険のある作業が行われる場合には、その周辺の区域を含めて危険防止措置を講じさせること。

2 発注者は、元方事業者による統括管理体制を確立させ、各請負人の作業分担を明確化させること。特に、各請負人が行う作業間の連絡調整等必要な措置を確実に実施させ、それぞれの作業で引火等による危険が生じない措置を講じさせること。

3 タンクの内部での作業又はそれに関連する作業を請負人に行わせる場合には、発注者として請負人に次の措置を講じさせること。なお、自ら行う場合においても同様の措置を講ずること。

 ア ガソリン等を入れたことのあるタンクの内部での作業の場合には、あらかじめタンクの内壁の洗浄、換気等の措置を講ずることにより、ガソリン等の蒸気等の濃度を爆発又は中毒の危険のない濃度まで低下させること。

 イ 上記アの措置を講じても、なおガソリン等の蒸気等が爆発の危険のある濃度に達するおそれがある箇所において電気機械器具の使用の必要がある場合は、蒸気等の種類に応じた防爆構造電気機械器具を使用すること。

 ウ 作業中におけるガソリン等の蒸気等の濃度の上昇等の異常を検知できる措置を講ずるとともに、異常な事態が発生した場合の緊急避難措置等の対応について、関係請負人が行う教育・訓練に対し、指導援助を行うこと。

 エ その他、タンク内作業の安全を確保するため、「化学設備の非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライン」(平成8年6月10日付け基発第364号)に基づく対策を徹底すること。