ブーム付きコンクリートポンプ車のブーム破損災害

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ブーム付きコンクリートポンプ車のブーム破損災害

■再発防止対策
・メーカー対策
・ユーザー対策

ブーム付きコンクリートポンプ車のブーム破損災害
1 発生状況

  建築工事現場における耐震基礎部分のコンクリート打設作業において、ブーム付きコンクリートポンプ車で生コンクリートの圧送作業を行っていたところ、コンクリートポンプ車のブームが第2ブームのブーム受け付近で折れ(図)、落下したプーム先端部分がコンクリートならし作業等を行っていた作業者に当たった。

2 被災状況 休業3名

3 事故原因の概要
 
 過去に、ブームに過度の延長ホースを追加して作業したため過負荷がかかり、ブームに微小な変形が発生し、その後の使用中の負荷によりこれが拡大し、災害発生時の作業により破損に至ったものと推定される。









コンクリートポンプ車のブーム破損による労働災害の防止の一層の徹底について
(平成16年11月9日付け基安発第1109001号、厚生労働省労働基準局安全衛生部長から社団法人日本建設機械工業会会長あて)

 コンクリートポンプ車のブーム破損による労働災害の防止については、平成15年7月23日付け基安発第0723002号により要請したところですが、先般、別添のとおり、コンクリートポンプ車のブームが破損し、落下したブームに激突された労働者が負傷するという災害が発生しました。また、同一機種によるブーム破損事故がそれ以前にも2件発生しています。
 当該労働災害についてブームの破損原因を調査したところ、過去にブームに過度の延長ホースを追加して作業していたことが破損の原因になったものと推定され、同種の災害発生も懸念されるところです。
 ついては、同種災害の発生を防止するため、下記の対策が講じられるよう、会員事業場に周知徹底していただきたく要請いたします。

1 現在使用されているコンクリートポンプ車について、販売ルート等を通じ使用事業場に対して、ブームのき裂・変形の有無を調べ、異常を認めたときは補修等の措置を早急に講ずる必要のあることを文書により情報提供すること。

2 コンクリートポンプ車の使用に際しては、次の事項が遵守されるよう、取扱説明書に明示する等により、譲渡先等に対し情報提供を行うこと。

(1) コンクリートポンプ車を用いて作業を行うときは、労働安全衛生規則第163条に基づき、当該コンクリートポンプ車についてその構造上定められた安定度、最大使用荷重、ブーム先端ホース長等を守ること。

(2) 労働安全衛生規則第167条に基づく定期自主検査及び同規則第169条の2に基づく特定自主検査を確実に実施すること。

(3) 上記(2)の検査の際には、車両系建設機械の定期自主検査指針(平成3年自主検査指針公示第14号)に基づき、ブームの曲がり、ねじれ、へこみ、き裂、損傷等の有無を調べること。

(4) 上記(2)の検査等により異常を認めたときは、労働安全衛生規則第171粂に基づき、直ちに補修その他必要な措置を講ずること。

3 コンクリートポンプ車の設計・製造を行う際には、実際に行われる作業を想定した負荷に対するブームの強度の安全性を向上するように努めること。また、ブームにかかる負荷を計測し、想定を超えた負荷がかかった場合には、ポンプの作動を自動的に停止する等の「過負荷防止装置」等の開発に努めること。








コンクリートポンプ車のブーム破損による労働災害の防止の一層の徹底について
(平成18年11月9日付け基安発第1109002号、厚生労働省労働基準局安全衛生部長から社団法人全国コンクリート圧送事業団体連合会会長及び建設業労働災害防止協会会長あて)

 コンクリートポンプ車のブーム破損による労働災害の防止については、平成15年7月23日付け基安発第0723003号により要請したところですが、先般、別添のとおり、コンクリートポンプ車のブームが破損し、落下したブームに激突された労働者が負傷するという災害が発生しました。また、同一機種こよるブーム破損事故がそれ以前にも2件発生しています。
 当該労働災害についてブームの破損原因を調査したところ、過去にブームに過度の延長ホースを追加して作業していたことが破損の原因になったものと推定され、同種の災害発生も懸念されるところです。
 ついては、同種災害の発生を防止するため、コンクリートポンプ車の使用に際して、下記の事項に留意されるよう会員事業場に対し周知徹底していただきたく要請いたします。

1 現在保有しているコンクリートポンプ車について、ブームの曲がり、ねじれ、へこみ、き裂、損傷等の有無を調べ、異常を認めたときは補修等の措定を早急に講ずること。また、関係請負人に対してもその保有しているコンクリートポンプ車について、同様の措置を講じるよう指導すること。

2 コンクリートポンプ車を用いて作業を行うときは、労働安全衛生規則第163条に基づき、当該コンクリートポンプ車についてその構造上定められた安定度、最大使用荷重、ブーム先端ホース長等を守ること。

3 労働安全衛生規則第167条に基づく定期自主検査及び同規則第169条の2に基づく特定自主検査を確実に実施すること。

4 上記3の検査の際には、車両系建設機械の定期自主検査指針(平成3年自主検査指針公示第14号)に基づき、ブームの曲がり、ねじれ、へこみ、き裂、損傷等の有無を調べること。

5 労働安全衛生規則第170条に基づく作業開始前点検において、ブームの曲がり、ねじれ、へこみ、き裂、損傷等の有無の確認にも留意すること。

6 上記3の検査又は5の点検を行った場合において、異常を認めたときは、労働安全衛生規則第171条に基づき、直ちに補修その他必要な措置を講ずること。

7 労働安全衛生法第29条に基づき、元方事業者は関係請負人が使用するコンクリートポンプ車に関し、特定自主検査等の実施の有無の確認を指導し、未実施の場合はその是正を指示すること。

8 ブーム使用時には、ブーム下における作業を禁止すること。