発破作業の労働災害
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発破作業に伴う「せん孔、装薬、退避、点火、こそく」等の作業中の災害事例

資料出所/労働省委託「山岳トンネルの発破に伴う穿孔・装填等の作業の安全対策に関する調査研究報告書」(平成10年3月)

・この災害事例一覧表は、建設業労働災害防止協会「安全年鑑」に掲載されている昭和50年以降の44件である、とされている。
 44件中、死傷者数は63名うち死亡者が44名。この44名は山岳トンネルにおける全死亡者390名の約11%と占める、と同報告書は述べている。


○災害事例一覧表

No
災害の状況 死傷者数
レッグドリル3台で切羽のせん孔作業中1台のドリルが不発の残薬にあたり爆発、1名死亡、1名重傷を負った。
上半切羽の発破時に、80m離れた下半部に退避中、上半アーチの付根から落石があり、被災者の頭に当り頭蓋底骨折で死亡した。
発破後、残った火薬を収納箱に収納し、火薬取扱所へ返納するため運搬中、バックして来た鉱車に轢かれた。
切羽において、火薬を装薬し、結線作業中、50×50×20cmの落石が腰部に当り死亡した。
トンネル換気所の基礎掘削作業中、電気発破をかけたとき、退避が遅れて被災した。
ずり捨て場の拡幅のため、掘削面高さ約4mのところで、せん孔作業中、ロッドが短くなったので継ぎノミ作業をしていたとき、高さ4mの所から、約0.075立方メートルの岩石が落下し頭部に当り死亡した。
坑口より624m付近の切羽において、発破後のこそく作業中、天端より約0.3立方メートルの岩石が落下し、左胸部に当り死亡した。
切羽の発破後の浮石を除去作業中、径25cm位の石が落下し、作業台の上で作業中の被災者に当り、台上から転落し死亡した。
切羽に発破をかけたところ、退避していた被災者に発破により破損された支保工の破片が飛来し当った。
10 切羽で発破したとき、飛石が約86m離れた位置に止めてあるバッテリーカーの陰に退避していた被災者の顔面に当り死亡した。
11 切羽でせん孔作業中、切羽上部から岩肌が幅30cm、長さ2mにわたり落下し、被災者の削岩機にあたり飛散し、その破片が下顎部に当り死亡した。
12 切羽の発破のため退避中、発破音と同時に退避所を出たところ、径約15cmの岩石が飛来し、下腹部にきり死亡した。
13 火工所内でダイナマイトが爆発し近くにいた3名が死亡した。
14 切羽で四連装のレッグジヤンボを操作中、ジヤンボの前でロッドの角度を見ていたとき、着用の合羽の裾がロッドに巻き込まれ、頚部を締められ窒息死した。
15 坑口から647m付近の導坑切羽でせん孔中、2.5m程上の方から、0.3立方メートルの土砂が崩壊して埋まって死亡した。
16 切羽で装薬作業中、高さ5mの鏡部から、径約lmの岩石が落下し、被災者に当り死亡した。
17 導坑切羽でせん孔位置を指示しているとき、岩石(40〜50cm径)が高さ約1.5mのところから落下し、頭と肩に当った。
18 切羽で火薬装薬中、高さ3mのところから肌落ちがあり、被災者に当り死亡した。
19 切羽の足場の上で、こそく中、70×100cm約1トンの岩石が天井部から落下して被災者の右肩をかすったため転倒し、額部を足元の岩石に強打した。
20 切羽のこそくのため、作業用足場の架台を、ずり積機で鏡に向かって移動させているとき、架台の上に昇ろうとして架台と支保工間に挟まれた。
21 坑口から450m付近の切羽でさく岩機のエアホース(空気圧5Kg/平方センチメートル)を取外し中、バルブを締めてホース緊締用のカップリングを外した時、ホース内の残圧によりホースが撥ね左脇腹を強打した。
22 切羽でせん孔作業中、前回発破の不発火薬が爆発して3名負傷した。
23 クローラシヤンボによるせん孔作業中、不発残薬が振動、衝撃で爆発し3名が負傷した。
24 坑口から51mの切羽で装薬作業中、鏡の中央部分から約1.5〜2立方メートルの岩が5〜6個に分かれて剥落し、3名が死傷した。
25 上半切羽において、発破のため8名の作業員に退避を指示し点火したが被災者の退避を確認しなかったため、切羽から4mのところで被災した。
26 側壁導坑の切羽で、1.7mの高さの作業台上で3人、台の下で5人が火薬の装薬しているとき、突然右上部の鏡の岩石が崩壊し、作業台に落ち被災者の頭に当った。
27 切羽で火薬の装薬中、高さ2.2mのところから約2立方メートルの岩石が落下し、被災者の頭に当った。
28 坑口から約300mの切羽において、発破結線作業中、正面切羽上方2mから約1立方メートルの粘板岩土が滑落しそれに埋まって死亡した。
29 坑口から1346m付近の切羽において、44本せん孔し、火薬を装薬していたところ、突然爆発し6名が負傷し、内1名が死亡した。
30 坑口から563mの切羽でジャンボ台車のデッキの上で結線作業中、切羽が肌落ちしたため、デッキもろとも転落し、岩石の下敷きになった。
31 導坑切羽において、発破の装薬作業中、鏡の上部半断面が長さ2.7m幅1.5m.高さ1.5mにわたり崩落し、岩盤の下敷きになった。
32 A.B南工区の貫通発破にさいし、A工区の坑口から498mの切羽でダイナマイト14本(約6Kg)を装薬して発被したとき、貫通の確認のため、B工区切羽から50〜55m離れて待機していた被災者に発破による飛石が当って3名負傷した。
33 下半の発破作業中、被災者が雷管部分の断線した導火線の補修をしていることに気付かず点火したため、ずりに埋まって死亡した。
34 発破後の浮石の除去作業中、高さ3.9mの天盤から約1.1トンの岩石(長さ2.3m幅0.5m厚さ0.5m)が肌落ちし、下にいた被災にあたった。
35 発破のため避難場所にむかって歩行中、行進してきたダンプトラックに轢かれた。
36 坑口から424mの切羽において、せん孔後の孔をエアと込め棒で掃除中、鏡から約1.8立方メートルの岩が崩落し被災した。
37 吹付け終了後、ドリルジャンボによるせん孔準備中、切羽左上部の天盤から厚さ10cmの吹付けコンクリートが剥落し頭部を直撃した。
38 切羽でホイールジャンボのマンケージに2名が乗り、火薬の装薬作業中、切羽中央部が崩れ出し、岩塊(4立法メートル、7.2トン)の下敷きになった。
39 切羽でクローラジャンボでせん孔中、被災者が切羽面に近付いたとき、高さ3mのところから岩塊(約280Kg)が滑落し下敷きになった。
40 坑口から379mの切羽で、発破後のずり出しを終え.エアピックで当り取り作業中、不発マイトが爆発し3名が死傷し内1名は死亡した。
41 切羽で火薬装薬中、右側の切羽が崩壊し、岩塊に当たった。
42 切羽で火薬装薬中、切羽の一部が剥落し、その下教きになった。
43 坑口から約90mの切羽で火薬装薬中、高さ3.8mの鏡面から岩が剥落し、被災者に当たった。
44 上半切羽で火薬の装薬後、上部より結線を開始し、下部の結線作業中に切羽面が崩壊しその下敷きになった。

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