契約社員のQ&A
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レーバー・スタンダード研究所の協力を得て、「契約社員のQ&А」を、順次(不定期)、お届けします。
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■ 同基準告示は、次の4点を中心とした内容となっています。
■ それは、@更新の有無及び更新する場合の判断基準、A30日前の雇い止め予告、B雇い止め理由の証明書交付義務、C更新後又は1年を超えて継続雇用の場合は「契約期間をできるだけ長くするよう努める」というものです。
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問03 契約社員を女性に限って募集、採用することは違法ですか
■ 職種採用(総合職・一般職)、雇用形態別採用(正社員、契約社員、パート従業員)を行なうに際して、男女いずれかのみとする取扱いは禁止されています。したがって、契約社員を女性に限って募集、採用することは違法となりできません。
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問04 反復更新してきた契約社員の再契約拒否は認められないのでしょうか
■ 契約社員と会社の有期労働契約が長期間にわたり反復更新され、この間、「期間が満了したからといって会社は雇い止めは行わず、労働者もこれを期待、信頼してきた、このような相互関係の下に労働関係が存続、維持されてきた」と判断されるケースにおいては、「特段の事情の存しない限り、期間満了を理由として雇止めすることは信義則上からも許されない。」(S49.7.22最高裁一小「東芝事件」)とした最高裁判決があります。
■ 一方で判例は、経済事情の変動により剰員が生じた場合などについて、これを前記の特段の事情に当たるとして有期労働契約者の雇止め(解雇)を認めている例も少なくありません。
■ どのような場合に、やむを得ないと認められる特段の事情が存すると判断するか個別判断に委ねられた部分もありますが、契約期間の満了を理由とする有期労働契約の再契約拒否は、相当程度、法律上の制約を受けていると考えるのが妥当でしょう。
■ なお、有期労働契約が長期間にわたり反復更新されたケースなどで、実質的に期間の定めのない労働契約と考えられる場合において使用者が行う再契約の拒否は、契約期間の満了に伴う契約の終了ではなく、解雇と解される可能性が高くなります。
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問05 プログラマーとして契約社員で働いていますが、配置転換とかは一切ないものと思ってよいのでしょうか
■ 労働契約で「職種」が限定されている場合は一方的命令では配転できません。あなたの場合も、プログラマーという専門的能力をもとに職種限定で採用されていると解されますから、あなたの合意がない限り一方的な配置転換はできません。
一般に、科学研究者、機械・電気技術者、医師、薬剤師、デザイナーなどの専門的職種の場合は、「職種」限定の採用に当たるケースが多くなります。
■ なお、関連して、労働契約で勤務場所が限定されている場合も、転勤(異動)には原則として労働者の合意を必要とします。
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問06 契約社員には、就業規則を適用しないとすることができますか
■ それはできません。法律上、契約社員も就業規則の適用を受けます。問題は、契約社員が就業規則の適用を受けるか否かではなく、どの就業規則の適用を受けるか、これが重要ポイントです。
雇用契約を結んで働く労働者に対して、何らかの、就業規則の適用を受けるようにしなければ、その取扱いは違法です。(10以上の事業場の場合-労基法第89条)
■ 『契約社員にはどの就業規則が適用されますか』、契約社員としては、この質問は必ず行うべきでしょう。
■ 説明を受ける際に注意するのは、「契約社員就業規則」があってその適用を受けるのか、あるいは、正社員用就業規則が準用されるのか、準用といっても全面的になのか、ある部分は適用がないのか、などの点です。
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問07 契約社員として、会社の就業規則より相当程度よい労働条件で入社する場合、その労働条件は保護されますか
■ 特別な技量等が評価されて一般社員とは違った厚遇で入社する契約社員である場合において、法的にその労働条件(厚遇条件)が保護されるかどうかは重大な関心事です。
■ この場合の取扱いは労働契約法第7条但書に規定され、法的な保護がされています。
具体的には、労働契約において労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、(就業規則の基準に達しない部分を除き=無効)就業規則に定める労働条件にはよらない。(労働契約法第7条但書)すなわち、契約社員として交わした個別契約(労働契約)によるとして、その労働条件を保護しています。
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問08 中途入社の契約社員。給与の日割計算の方法は決まっていますか
■ 契約社員が給与計算期間の途中で入・退社したような場合に、給与の日割計算が必要となる場合があります。
■ 日割計算の方法には、@暦日による方法、A当該月の所定労働日による方法、B月平均の所定労働日による方法(労基則第19条)の三つの方法があります。以上の方法のうち、いずれの方法を採用するかは任意ですが、どの方法とするかについて就業規則に定めておくことが必要です。
■ 実務的には、諸手当(精皆勤手当や家族手当)を日割計算の対象とするのか、全額支給するのかを明示しておきます。あらかじめの定めがない場合は、原則、これらの手当も日割計算の対象となります。
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問09 年俸契約の「契約社員」。欠勤控除はできますか
■ 年俸契約の年俸額は、労働契約書や就業規則に、あらかじめの定めがあれば、欠勤等の場合の給与控除を行なうこともできます。
■ 欠勤控除においては、まず、欠勤控除の対象とする給与の範囲を決めておきます。
■ 年俸の総額を欠勤控除の対象とする場合、欠勤控除(1日分)は、通常、「年間の所定労働日数分の1」又は「365日分の1」のいずれかとします。
■ 年俸制適用者の契約中途の退職者については、前記の欠勤控除の規定のほか、退職日以降の月割給与の支払いを行わないのであればそれを明示し、賞与の取扱い(在籍期間について按分等)ついても明らかにしておくことがトラブル回避のためにも必要でしょう。
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問10 契約社員に適用されることの多い年俸制について、教えてください
■ 契約社員の中には、賃金について年俸制の契約が行われる場合があります。
■ 基本年俸の構成部分はつぎのような例が多いようです。
○基本年俸の構成は、職能給制度を採用している企業であれば、その主要な構成要素である「職能給+年齢給+諸手当」の年齢給部分を役割給に置き換え「職能給+役割給+諸手当」の賃金体系に変更して、これを12倍して基本年俸に持っていくケース。
○「年齢給」は刻み幅の大小はあっても、漸増する傾向がありますが、「役割給」は役割が上がれば上がり下がれば下がるという可変要素を持った賃金であるところに違いがあります。
○「職能給」は通常、毎年1号昇級などの定昇制度を持っている例が多いことから、この場合は、年俸制においてもその限りでの賃金上昇は行われ、ベースアップも当然に反映されることとなります。
○日本型の年俸制は、ベースとなる賃金体系があって、それを、職能年俸、役割年俸等として年俸額に換算しているわけですから、基本となる賃金体系がしっかり整備されていることが大切になります。
■ 年俸制における基本年俸以外の手当にはつぎのような例が多いようです。
○年俸以外に支給される手当で代表的なものは、単身赴任手当と通勤手当です。
○その他、地域手当、家族手当など。
○諸手当の支給は、年俸制に移行しない社員との均衡上、手を加えない例の方が多いようです。
○法律上の重要な取り扱い事項の一つとして、非管理職(厳密には非管理監督者)には、時間外労働手当の支払いが必要です。(明確な積算内訳が存在しない限り、年俸額に時間外手当が含まれているとの主張は、成立しないものとされています。)