契約社員の基礎知識-10のポイント(労務安全情報センター)


契約社員とは?

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「契約社員」

契約社員関連情報の追加記事はこちらにアップしています

レーバー・スタンダード研究所の協力を得て、「契約社員のQ&А」を、順次(不定期)、お届けします。
なお、回答は、基本において一版通説を踏襲するようにしておりますが、回答例に基づく運用・利用は自己責任にてお願い致します。
(2008.11.4 労務安全情報センター)


問01  労働契約の期間について
問02   「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」告示の内容(ポイント)は何ですか
問03  契約社員を女性に限って募集、採用することは違法ですか
問04  反復更新してきた契約社員の再契約拒否は認められないのでしょうか
問05  プログラマーとして契約社員で働いていますが、配置転換とかは一切ないものと思ってよいのでしょうか
問06  契約社員には、就業規則を適用しないとすることができますか
問07  契約社員として、会社の就業規則より相当程度よい労働条件で入社する場合、その労働条件は保護されますか
問08  中途入社の契約社員。給与の日割計算の方法は決まっていますか
問09  年俸契約の「契約社員」。欠勤控除はできますか
問10  契約社員に適用されることの多い年俸制について、教えてください





mokuji

契約社員
基礎知識


契約社員の現状

専門的職種としての
狭義の 「契約社員」は、
いま何人位、働いている?


契約社員は、常用労働者の2.3%だから、
5,207万人×2.3%×82.7%=99万人位だろうと、
厚生労働省は推定しています

 

契約社員の占める割合
  業種別、規模別、性別
1回当たりの契約期間は
6カ月超〜1年以内(69.3%)が多い
 
契約更新は、平均・何回位しているか?
契約更新の判断基準では、何が重視されているか
 
労働条件を正社員と比較してみると
■ 仕事の専門性
■ 仕事に対する責任
■ 仕事の量
■ 契約労働時間や残業はどうか
■ 昇進・昇格はありか
■ 処遇で正社員とのバランスは考慮されるか
雇止め
(更新しません、解雇です)
会社の言い分
契約社員の言い分



契約
社員(個人調査)

契約社員の年齢階層別分布
主な収入源
労働組合への加入率

契約社員の仕事
専門的・技術的仕事の従事者は、男40.1% 、女30.7%

正社員と比較した労働条件

2008.11.1〜


契約社員の基礎知識-10のポイント

No

項目

ポイント

解説

契約社員とは 「有期契約」である点を除けば、定義が曖昧化しています。

本来の「高度の専門職」を指すこともあれば、「非正社員の一類型」として使われることもあります。


 本来は、デザイナーなど「高度の専門職」との間にかわされる、期間契約の社員をさすことが多かったのですが、現在では、定義が一定しない曖昧な使われ方をしています。
 
  現状では、「専門的職種に従事し専門的能力の発揮を目的として雇用期間を定めて雇用する者」という狭義の(本来の)契約社員を対象にしながら、一方で、「有期契約のフルタイム労働者」として定義し、パートタイムを除外した概念で使われている場合もあります。さらには、正社員との区別呼称として「契約社員」が使われることもあります。この場合の定義は、あえて言うなら、採用や労働条件が正社員とは異なる雇用契約を結んだ労働者です。
正社員と異なる労働契約を結んだ労働者には、例えば、契約社員のほかにも、パート、アルバイト、準社員、嘱託、非常勤、臨時社員の呼称などがあります。

 しかし、いずれも雇用契約を結んだ労働者には違いがありませんから、労働関係法令は適用されることになります。

契約 契約とは、約束事。約束事をはっきりさせるのがお互いのためです。
1.契約内容を書面でかわす。
2.契約期間をきめて働くのか、その場合、更新はどうするのか、ということが大切です。
就業規則の適用 どの就業規則の適用を受けるのか
1.法律上、契約社員も就業規則の適用を受けます(*)。問題は、契約社員が就業規則の適用を受けるか否かではなく、どの就業規則の適用を受けるか、これが重要ポイントです。
2.「契約社員には、どの就業規則が適用されますか」-この質問は必ずしましょう。
3.説明を受ける際に注意するのは、「契約社員就業規則」があってその適用を受けるのか、あるいは、正社員用就業規則が準用されるのか、準用といっても全面的にか、ある部分は適用がないのか、などの点です。

(*) 雇用契約を結んで働く労働者に対して、何らかの、就業規則の適用を受けるようにしなければ、その取扱いは違法です。(10人以上の事業場)
正社員から契約社員へとの打診 通常は拒否が賢明です。
1.本人の同意が絶対条件になります。
2.正社員からの切り替えでは、およそ、労働条件の不利益変更にあたるケースが多いと考えた方が賢明です。「正社員への登用」という制度があること自体、非正規従業員たる契約社員の状況を物語るものです。

3.「あなたが高度の専門職であり、それに応じた年収額(高水準の賃金)が保証される」という特別条件の設定がなされるのでない限り、正社員から契約社員への切替打診には慎重に対応すべきでしょう。
年次有給休暇 契約社員にも年次有給休暇が適用されます。
1.6カ月以上継続勤務していること。(
契約更新で6カ月を超えて勤務している場合を含みます。
2.その後は雇用関係が継続する限り、1年ごとに新たな有給休暇の権利が発生します。
  
なお、契約で労働日となっている日の8割以上勤務していない場合は、その翌年の権利は発生しません。(1週の所定労働日数が4日以下(又は年間216日以下)及び週の所定労働時間が30時間未満の労働者には下表は適用されません。契約日数による、比例付与で与えられます。)
勤続年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5 7.5 8.5 9.5 10.5以上
付与日数

10

11

12

14

16

18

20

20

20

20

20

労働基準法の適用 契約社員には労働基準法が適用されます。
1.賃金の支払、労働時間、割増賃金、休憩、休日、有給休暇、解雇予告その他労働条件の最低基準を定めた「労働基準法」が全面的に適用されます。
2.このほか、労働安全衛生法、労災保険法はもちろん、均等法、セクハラ指針などの適用もあります。
  むしろ、労働関係法は、契約社員にも適用されるのが「原則」であって、ごく一部に例外的取扱いを受ける場合もあると理解するのがよいでしょう。
3.たとえば、育児介護休業については、H17.4.1からは、一定要件を満たす限り、期間を定めて雇用される労働者(契約社員等)についても、育児・介護休業の適用をうけることができるようになりました。一定の要件を満たさない、ごく一部の非適用が残るのみとなっています。
育児介護休業法の適用区分
年俸制の賃金 年俸制とは
契約社員の中には、年俸制の賃金契約が行われる場合場あります。
以下のQ&Aなども参考にしてください。
年俸制のQ&A
会社都合の休業と自宅待機 休業手当の支払義務がある。
会社都合で休業・自宅待機を命じられた場合、6割以上の休業手当を支払ってもらう。
中途解約 契約期間がある場合、お互い勝手に中途解約はできない。


1.有期雇用契約は「やむを得ざる事由があるとき」に限って解約できるのが、原則。
従って、理由もなく、勝手な中途解約はできません。
2.使用者からの解約には、少なくとも30日前の予告(又は、解雇予告手当支払)が最低限必要ですが、解約理由によっては債務不履行による損害賠償として、残存契約期間の賃金相当額の支払いが必要となることがあります。
3.労働者からの中途解約(退職)も、自分勝手な理由では許されません。やむを得ない理由で退職せざるを得ない場合は、その事情を、誠意をもって使用者に説明し理解を得なければならないでしょう。

 なお、1年を超える有期労働契約を締結した労働者は、1年を経過した日以後は、自由に(やむを得ない事由の存在如何かかわらず)解約権を行使できるとする経過措置が講じられています(労基法第137条)。ただし、この経過措置は5年を上限とする労働契約の対象者には、適用されません

10 契約の終了と更新 予め更新の約束のない有期契約は、期間満了で終了する。
1.労働契約に期間の定めのない場合は、一定の手続を踏むことによって、使用者から解雇(正当理由を要す)を行ったり、また、労働者から退職することができます。
2.一方、期間の定めがある場合は、その期間の満了をもって契約は終了します。但し、契約更新が反復継続されるようですと、期間の満了による更新拒否の取扱いは解雇と解される場合があります。その場合、解雇の手続を踏まなければなりません。

 

 

厚生労働省調査
H17.9.1現在「有期契約労働に関する実態調査結果の概要」(事業所調査)から

調査対象の契約社員を、「特定職種に従事し専門的能力の発揮を目的として雇用期間を定めて雇用する者」と、本来概念に近いものに絞り込んでいるため調査資料として価値が高い。
なお、 ここでいう特定職種とは「科学研究者、機械・電気技術者、プログラマー、医師、薬剤師、デザイナーなどの専門的職種」である。

(サンプル数12394中有効回答数8324、有効回答率67.2%)


東京都調査
H19.10.1現在「契約社員に関する実態調査」から

東京都調査の契約社員は、「有期・直接雇用のフルタイム労働者」として定義されています。幅広い概念で契約社員を定義していますから、利用に当たっては、その点に注意が必要です。
(サンプル数3000中有効回答数1003、有効回答率33.4%)

1 常用労働者に占める契約社員の割合(付、導入事業所割合)  


 常用労働者に占める契約社員の割合は、調査計でみると、2.7%。

 業種でみると、教育学習支援業(9.1%)、医療福祉業(4.0%)、サービス業(3.9%)、情報通信業(3.5%)、不動産業(3.4%)の割合が高い。(グラフを参照してください)

 性別構成は、男(50.4%)、女(49.6)と性別構成の偏りのないのが特徴である。



(参考)契約社員制度の導入事業所割合

 契約社員制度の導入事業所割合は、調査計で12.1%。
 
 業種でみると、情報通信業(26.7%)、教育学習支援業(21.8%)、卸小売業(15.3%)、金融保険業(13.4%)の割合が高い

 事業所規模別にみると、29人以下では10.6%であるのに対して、企業規模が大きくなるにつれて上昇し、1000人以上では51.2%となっている。


 雇用労働者に占める契約社員の割合は、調査計で9.9%(男性6.1%、女性15.6%)であった。








(参考)契約社員制度の導入事業所割合

 契約社員制度の導入事業所割合は、調査計で39.2%。

 企業規模別にみると、29人以下では18.8%であるのに対して、企業規模が大きくなるにつれて上昇し、500-999人では67.3%になるが、1000人以上では58.6%となっている。
(2)契約社員を雇用する主な理由

 専門的能力を活用するため(41.0%)、人件費節約のため(39.1%)とする割合が高い。

 専門的・技術的な業務に対応するため(53.6%)、正社員としての適性を見るため(28.7%)、人件費節約のため(25.6%)となっている。

(3)契約社員の1回当たりの契約期間  6カ月超〜1年以内(69.3%)、1年超〜2年以内(10.3%)の割合が極めて高い。

○契約期間は、1年(71.2%)、6カ月超〜1年以内(9.7%)の順となっている。

(4)契約社員の契約更新の状況

 契約社員の契約更新の有無では、(94.7%)が契約を更新することがあるとし、具体的には、「個々の労働者のケースごとに更新するかどうか判断する」(56.2%)、労使のいずれからも終了を申し出なければ自動的に更新する」(32.1%)とするものが多い。

 契約更新回数では、3-5回(30.8%)、2回(18.9%)、1回(16.5%)、6-10回(15.7%)、11回以上(11.8%)となっている。
参考に、勤続年数をみると、1年超〜3年以内(28.5%)を最多とし、3年超〜5年以内(21.7%)、5年超〜10年以内(15.9%)と勤続年収は長期サイドに伸びている。

 

 契約更新の判断基準では、「本人の意志による」(67.6%)、「労働者の勤務成績・勤務態度による」(65.0%)、「期間満了時の業務量による」(39.1%)、「事業所の経営状況による」(34.6%)、「プロジェクトなど従事している業務の進捗状況による」(11.3%)の順となっている

 契約更新の際の労働条件の見直しの事例をみると、「勤務成績・勤務態度を考慮して労働条件を決定する」(51.6%)、「自動的に前回と同じ条件で更新する」(35.3%)が多い。

 
(5)正社員と比較した労働条件

○正社員と比較した業務の専門性
  同じである(55.9%)、より専門性が高い(21.0%)、より専門性が低い(11.7%)の順となっている。

○業務に対する責任
  同じである(56.4%)、より責任が軽い(30.1%)、より責任が重い(4.8%)の順となっている。

○業務の恒常性
  同じである(74.2%)、より恒常的である(10.2%)、より臨時的である(6.4%)の順となっている。

○正社員と比較した所定労働時間
  同じである(67.9%)、短い(22.1%)、長い(2.2%)の順である。

○正社員と比較した所定外労働時間
  同じである(44.2%)、少ない(45.8%)、多い(1.2%)の順である。

○正社員と比較した昇進・昇格制度
  別の基準の昇進・昇格制度(40.8%)、昇進・昇格制度はない(33.0%)、同じ基準の昇進・昇格制度(17.2%)の順である。

○正社員と比較した処遇決定の際のバランスの考慮
  すべての有期契約労働者について考慮している(42.4%)、作業の難易度や責任など職務が正社員と同じ有期契約社員について考慮している(24.3%)、現在は考慮していないが、今後は考慮する必要があると思う(14.8%)、現在は考慮していないし、今後も考慮する必要はないと思う(5.4%)の順であった。

○業務に対する責任
  同じである(56.5%)、より責任が軽い(19.5%)、より責任が重い(10.7%)の順となっている。








○残業の有無は、「ある75.6%、ない19.1%」であった。なお、1か月平均の残業時間15.8時間となっている。

○正社員と比較した所定外労働時間
  同じである(48.5%)、少ない(27.4%)、多い(7.6%)の順である。

(6)契約社員の年収・賞与等  

○契約社員の年収
  全体平均は379万円であり、業務内訳では、管理的業務が556万円、専門的・技術的業務が483万円、販売業務329万円、運輸通信業務314万円、事務的業務308万円、サービス業務287万円となっている。

○契約社員の賞与
  全員に支給42.7%、一部に支給14.8%、支給しない35.4%である。
  賞与を支給している事業所における年間賞与額は、20-40万円(20.9%)、40-60万円(17.8%)、100万円以上(10.4%)、10-20万円(10.0%)に分布している。

○退職金制度は、「なし80.9%、あり14.8%」であった。

(7)雇止めの状況

○調査対象事業場で「雇止めを行なった」のは、30.0%

○雇止めの理由については、
  業務量の減少(34.3%)、労働者の勤務態度の不良(29.0%)、業務内容に照らし労働者の能力不足(27.5%)、あらかじめ更新しないと決めていたため(21.3%)等の順であった。

○雇止めや契約更新に伴う「トラブルが発生した」のは、2.7%

○雇止めや契約更新に伴うトラブルの内容については、
  契約期間の定めの有無についての認識の違い(25.3%)、雇止めの旨を伝えたのが九であったため(21.5%)、雇止めの人選について納得してもらえなかったため(18.5%)、更新への期待についての認識の違い(15.5%)、更新後の労働条件について納得してもらえなかったため(12.9%)、雇止めの理由について納得してもらえなかったため(10.2%)の順であった。

 
(8)正社員への転換

○正社員への転換制度がある(34.6%)、転換事例があった(30.6%)。

○正社員への転換基準(複数回答)は、
  労働者の勤務成績・勤務態度(85.4%)、労働者の能力(78.1%)、業務上の必要性(61.3%)、労働者の希望(55.8%)の順であった。

○正社員への転換制度がある(52.9%)、過去3年間に転換事例があった(49.9%)。

○正社員への転換基準(複数回答)は、
  労働者の勤務成績・勤務態度(80.6%)、労働者の能力(79.6%)、労働者の希望(69.9%)、業務上の必要性(49.5%)、の順であった。

  (9)契約社員を活用するメリット・デメリット  

メリット
○仕事量の変化への即応(23.6%)、自社で養成できない労働者の確保(20.0%)、自社従業員の抑制(15.5%)、一時的欠員の補充(14.7%)、賃金・福利厚生費の減少(13.3%)をあげる事業所が多い。

デメリット
○人事管理の煩雑さ(17.6%)、継続的人材確保の困難(16.6%)、技術伝承・ノウハウ蓄積の困難さ(16.3%)、労働者の質のバラつき(14.3%)、労働者の責任感の不足(13.4%)を挙げる事業所が多い。

 

 

厚生労働省調査
H17.9.1現在「有期契約労働に関する実態調査結果の概要」(個人調査)から

調査対象の契約社員を、「特定職種に従事し専門的能力の発揮を目的として雇用期間を定めて雇用する者」と、本来概念に近いものに絞り込んでいるのは、前記「事業所調査」に同じ。

(個人調査のサンプル数22,017中有効回答数12,489、有効回答率56.7%)
調査対象として特定された「科学研究者、機械・電気技術者、プログラマー、医師、薬剤師、デザイナーなどの専門的職種」の12,489人が直接回答した資料として、貴重な調査となっています。


東京都調査
H19.10.1現在「契約社員に関する実態調査」(個人調査)から

東京都調査の契約社員は、「有期・直接雇用のフルタイム労働者」として定義されています。幅広い概念で契約社員を定義していますから、利用に当たっては、その点に注意が必要です。

(個人調査のサンプル数2000中有効回答数497、有効回答率24.9%)
サンプル数が少ない調査ですから、利用にあたって留意してください。

1 契約社員の年齢階層別分布(付、主な収入源、労働組合への加入率

 
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○ 契約社員の年齢階層別分布をみると、男は55〜64歳、女は25〜34歳の年齢層の労働者割合が高い。(グラフ参照)

なお、調査における契約社員の平均年齢は、男46.7歳、女37.6歳、男女計41.6歳であった。



○ 主な収入源についての調査結果では、男(83.2%)、女(62.1%)とも、「主に契約社員の賃金収入で暮らしている」(計71.3%)割合が高い。

○ 契約社員の労働組合の加入では、正社員と同一の労働組合に加入している(13.3%)割合が、パートタイマー等(8.0%前後)に比して高いが、未加入割合は、80.6%である。

 

 
  (2)契約社員として従事している仕事

 

 
  専門的、技術的な仕事 管理的な仕事 事務的な仕事 販売の仕事 サービスの仕事 保安の仕事 運輸通信の仕事 生産工程労務の仕事 その他の仕事
契約社員
34.8
3.8
25.8
8.3
10.3
3.3
3.7
7.7
2.4
40.1
7.0
9.8
6.2
8.4
6.9
7.7
10.5
3.3
30.7
1.3
38.1
10.0
11.8
0.5
0.5
5.4
1.6


[注意!]以上は契約社員からの直接調査の結果であること

 契約社員の従事「職種」としては、男では、専門的・技術的な仕事(40.1%)、女では、事務的な仕事(38.1%)が最も多い。(表参照)
  専門的、技術的な仕事 管理的な仕事 事務的な仕事 販売の仕事 サービスの仕事 保安の仕事 運輸通信の仕事 生産工程労務の仕事 その他の仕事
契約社員
20.8
0.8
15.7
42.6
4.2
0.2
4.2
11.2
0.2
32.1
1.6
6.4
19.9
5.9
0.6
8.0
25.3
0.2
15.5
0.4
20.0
53.3
3.5
0.0
2.5
4.7
0.2

[注意!]以上は事業所調査結果であること
 契約社員の従事「職種」としては、男では、専門的・技術的な仕事(32.1%)、女では、販売の仕事(53.3%)が最も多い。(表参照)

(3)あなたが契約社員(有期契約)で働いている理由は何ですか

 契約社員が有期契約で働いている「理由」は、男女とも、「正社員として働きたいが、働ける職場がないから」(男38.7%、女42.8%)が最も多く、次いで、「現在従事している仕事の場合、有期契約という働き方が一般的だから」(男34.6%、女27.9%)となっている。

(4)契約更新についての説明は?  特別の事情がなければ自動的に更新する旨の説明(40.5%)、次いで、期間満了時に更新の可否を判断する旨の説明(36.0%)、特に説明はない(14.1%)の順となっている。  
(5)契約期間、更新回数、期間満了後の希望、今後継続して勤めたい期間等についての状況


○現在の契約状況

  6カ月超〜1年以内(60.2%)、1年超〜2年以内(10.6%)の割合が極めて高い。

○契約更新回数

  契約を更新している割合は(75.6%)、平均更新回数(5.6回)、平均通算勤続年数(4年8か月)である。

○契約期間満了後の希望

  契約を更新したい(54.7%)、現在の会社で正社員として働きたい(20.6%)とするものが多い。

○今後継続して勤めたい期間

  契約社員には、可能な限り長期にわたって継続して勤めたいとする意向が強い。1-3年(20.9%)、3-5年(25.8%)、5-10年(18.9%)、10年超え(15.3%)等。

 

(6)正社員と比較した労働条件

○正社員と比較した業務の専門性

  同じである(56.6%)、より専門性が高い(17.1%)、より専門性が低い(16.0%)の順となっている。

○業務に対する責任

  同じである(59.8%)、より責任が軽い(23.4%)、より責任が重い(10.5%)の順となっている。

○業務の恒常性

  同じである(67.0%)、より恒常的である(14.1%)、より臨時的である(9.7%)の順となっている。

○正社員と比較した賃金

  低く納得できない(30.3%)、適当と思う(25.2%)、わからない(22.6%)の順である。






○仕事に対する責任

  同じである(54.1%)、より責任が軽い(15.3%)、より責任が重い(14.7%)の順となっている。

○仕事の量

  同じである(67.0%)、より恒常的である(14.1%)、より臨時的である(9.7%)の順となっている。




○残業の比較

  同じ(48.5%)、少ない(27.4%)、多い(7.6%)の順となっている。

(7)雇止めの状況

○「雇止め経験がある」のは、22.6%

○雇止めの理由については、
  契約期間の満了(40.9%)、担当していた業務・職務の終了(20.2%)、経営状況の悪化(11.8%)の順であった。

○説明を受けた雇止めの理由について
  特に不満はなかった(55.6%)、本当の動機を隠した説明であるとは感じなかったが不満だった(30.1%)。本当の理由を隠した説明であると感じて、不満だった(12.2%)の順であった。

○途中退職
  契約期間の途中で退職できずに困った契約社員は、12.7%。

   当該「困った理由」では、「仕事の量・内容が過重で、肉体的・精神的に疲れ果てたまま勤務を継続せざるを得なかった」(4.8%)、「職場の人間関係に溝が生じ、強い心理的負荷を感じたまま勤務を継続せざるを得なかった」(4.2%)、が多くなっている。

 
  (8)契約社員から見た会社への要望

 

会社への要望(3つまで回答可)

 賃金制度の改善・アップ(63.4%)、正社員への転換(38.4%)、継続した雇用の確保(37.8%)、時間外労働の削減・適正管理(13.1%)をあげる者が多い。
なお、これ以外の要望項目は10%未満となっている。

近い将来への希望

 現在の会社で正社員になりたい(32.0%)、現在の会社で契約社員として働きたい(19.5%)、わからない(17.7%)などとなっている。







「契約社員のQ&А」


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問07  契約社員として、会社の就業規則より相当程度よい労働条件で入社する場合、その労働条件は保護されますか


■ 特別な技量等が評価されて一般社員とは違った厚遇で入社する契約社員である場合において、法的にその労働条件(厚遇条件)が保護されるかどうかは重大な関心事です。
■ この場合の取扱いは労働契約法第7条但書に規定され、法的な保護がされています。
具体的には、労働契約において労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、(就業規則の基準に達しない部分を除き=無効)就業規則に定める労働条件にはよらない。(労働契約法第7条但書)すなわち、契約社員として交わした個別契約(労働契約)によるとして、その労働条件を保護しています。



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問10  契約社員に適用されることの多い年俸制について、教えてください 


■ 契約社員の中には、賃金について年俸制の契約が行われる場合があります。
■ 基本年俸の構成部分はつぎのような例が多いようです。
○基本年俸の構成は、職能給制度を採用している企業であれば、その主要な構成要素である「職能給+年齢給+諸手当」の年齢給部分を役割給に置き換え「職能給+役割給+諸手当」の賃金体系に変更して、これを12倍して基本年俸に持っていくケース。
○「年齢給」は刻み幅の大小はあっても、漸増する傾向がありますが、「役割給」は役割が上がれば上がり下がれば下がるという可変要素を持った賃金であるところに違いがあります。
○「職能給」は通常、毎年1号昇級などの定昇制度を持っている例が多いことから、この場合は、年俸制においてもその限りでの賃金上昇は行われ、ベースアップも当然に反映されることとなります。
○日本型の年俸制は、ベースとなる賃金体系があって、それを、職能年俸、役割年俸等として年俸額に換算しているわけですから、基本となる賃金体系がしっかり整備されていることが大切になります。
■ 年俸制における基本年俸以外の手当にはつぎのような例が多いようです。
○年俸以外に支給される手当で代表的なものは、単身赴任手当と通勤手当です。
○その他、地域手当、家族手当など。
○諸手当の支給は、年俸制に移行しない社員との均衡上、手を加えない例の方が多いようです。
○法律上の重要な取り扱い事項の一つとして、非管理職(厳密には非管理監督者)には、時間外労働手当の支払いが必要です。(明確な積算内訳が存在しない限り、年俸額に時間外手当が含まれているとの主張は、成立しないものとされています。)