インターネットによる求人・就職活動

■GO HOMEPAGE

■GO 640/480


<目次>

■インターネット求人と採用活動の現状
■新規学卒者採用・選考に関する企業の倫理憲章(平成8年12月)
■就職協定の廃止/企業の採用活動は「前倒し」傾向
■採用内定取消の法律問題早過ぎる内定は、不透明な景気のなかで内定取り消しの多発につながらないか










目次に戻ります
インターネット求人・採用活動の現状(96年を振り返って)


活用の多くは「求人情報の提供型」

企業は1996年、インターネット求人・採用に突入した。96年にネット上の求人を
行った企業数は15000社にのぼると云われる程の活況である。
ご承知のようにインターネットには、「情報提供の機能」と「双方向制を生かした機能」
があるが、96年は前者「求人情報の提供型」での活用が大勢というところ。提供され
る情報も、従来の就職ガイダンスの1ページ相当程度の情報量の企業が多い。
インターネットの双方向性を生かしたホームページは、まだ少ないようだ。

注目の「双方向性を生かしたホームページ」

その中で、旭化成工業のホームページは異彩をはなった。
http://www.asahi-kasei.co.jp/jobs
まず、ページ数に圧倒される。中に、新入社員研修で100人全員が作成した個人ホー
ムページがあるが、これを、インターネットの双方向性の特徴を生かすためにうまく活
用している。
「バーチャル会社訪問」がそれである。学生(応募者)は、旭化成工業の100人の新
入社員のホームページを見て(あるいは大学のOBだから等で)質問などを電子メール
で送信。当人から質問者に又、電子メールで返事が届く仕組みだ。
実のところ、電子メールのやり取りは実際の面接に近い効果を発揮することがある。経
験者は実感するところだが、例の「初対面でも初めて会った気がしない」効果だ。まさ
に、バーチャル会社訪問・OB訪問の実現だろう。

学生も「面接情報の公開」のページ/内定取消し企業の実態公開も時間の問題か

あと、目を引いたのが「面接情報を公開する」ホームページの登場だ。その日の面接内
容を直ちにネットに公開する訳だが、これなど、今後の企業と学生の就職戦線の有様を
暗示しているようだ。就職戦線に臨む学生も又、インターネットと云う簡便にして、強
力な情報公開ツールを獲得したのである。
今後、「採用内定取消し」などの理不尽な仕打ちを、企業名入りで集中公開するホーム
ページも登場するだろう。インターネットは、企業優位で推移していた就職戦線に一石
を投じる可能性がある。

就職協定廃止/企業の採用活動は「前倒し」傾向
目次に戻ります

就職協定の廃止が決まったが、(平成9年)1月31日マスコミ各紙は企業の採用活動
の「前倒し」を報じている。
(日経新聞による大手企業77社調査によれば、6割が前倒しを予定=ただし、これは
7月1日の前年就職協定の建前日を基準としたもので、就職協定は形骸化もあって、昨
年は事実上5月スタートの状況であったから、日経の調査で採用活動を4月から始める
としている25%の企業が実質的な「前倒し」を言えよう。従って、昨年との比較では
約1ヵ月スケジュールが早まっていると理解するのが妥当か。)


97年1月31日読売新聞「就職協定廃止に伴う企業の採用活動方針」の記事 から
企業名 採用活動に関する対応
三菱自動車工業 採用計画の決定を3月中旬に前倒しへ
キリンビール 協定を順守してきたが、時期見直しは不可避
資生堂 3月下旬に筆記・面接試験を開始
日興証券 時期は未定だが、採用活動は早まる
A都市銀行 水面下の採用活動が比重を増しそう
トヨタ自動車 他社の動き次第では思い切った動きも
西武百貨店 会社説明会を従来の7月から4月に前倒し
イトーヨーカ堂 まだ動かず。早まるメリットが読み切れない
西友 採用人数の決定は1−2か月早める
アサヒビール 会社説明会などを若干早める
B百貨店 リクルーターが動き始めている
野村証券 採用情報をできるだけ早く公開したい
三菱商事 銀行、保険の動きを横目で見ながら日程を決定
KDD 4月から学生向けホームページを双方向性に
住友火災海上保険 ホームページで若手社員が本音を語る
ダイエー 多用な人材確保のため通年採用を実施中
味の素 臨時社員を対象に4月以降通年採用を開始

活動期間の長期化は、企業・学生の双方に負担をもたらすとの見方が有力だが、企業サ
イドからはコスト軽減の理由からも97年は、96年にも増してインターネットの活用
が浸透することになりそうだ。

インターネット求人の利点として考えられるのは、つぎのような諸点。
○セミナー受付の効率化(24時間対応など)
○電話問い合せの減少、電話応対の短時間化
○必要とする者に必要な情報を発信(無駄情報の減少)
○追加・フォロー情報のスピ−ディな掲載が可能
○連絡方法の効率化(Eメール)
○企業イメージの向上
この内、多くはコスト軽減からも利点となろう。

しかし、これだけ多数の企業がネット上の求人・採用活動を展開するようになると、学
生から、ネット求人の取り組み方(ページの内容)を比較吟味されると考えなければな
らない。
ホームページを持つだけで、あるいは、ネット求人を行うだけで、企業イメージが向上
する時は過ぎ去った。この点が96/97両年の違いであろう。
97年のインターネット就職戦線がまもなく、スタートする。








目次に戻ります
■新規学卒者採用・選考に関する企業の倫理憲章
(96年12月世話人代表根本二郎)

企業は、自己の責任において自主的に行う97年度大学等新卒者の採用に当り、下記の点
を考慮して行動する。
                  記
1、情報の公開
  学生の不安を取り除くため、企業情報ならびに採用人数、説明会日程、選考期日、場
  所等に関する採用情報を、可能な限り早く的確に公開する。

2、採用内定開始
  正式内定日は10月1日以降とする。

3、公平公正な採用
  学生の自由な就職活動を妨げる拘束や、男女雇用機会均等法の精神に反する不公正な
  採用活動を行わない。

4、学事日程の尊重
  採用活動に当っては、大学側の学事日程を尊重し、学生が学業に専念でき、より教育
  効果が上がるような教育環境の確保に努める。

5、その他
  高校卒業者については、教育上の配慮を最優先し、安定的な採用の確保に努める。


























ホームページに戻ります
GO 640/480