個別的労使紛争
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労働者や事業主は、個別的労使紛争の処理にあたって何を望んでいるか

(労働省調査の概要)

 本調査は、個別的労使紛争処理制度の在り方についての検討を行うに当たっての参考に資するため、平成12年7月〜8月にかけて労働省において実施されたものである。

 調査対象は、日本標準産業分類による非農林漁業の常用労働者を30人以上雇用する民営事業所から抽出された8,300事業所及びそこで雇用される労働者33,200人である。

 調査は平成12年7月から8月にかけ、事業所に直接郵送で調査票を配付、直接郵送にて回収(労働者については事業所経由で配付、直接郵送で回収)を行う方式により実施された。

 調査内容は平成12年8月10日時点の状況で、有効回答率は事業所調査が22.3%(回答数1,849件)、労働者調査が17.0%(回答数5,650件)。


調査結果の概要

1.職場における不安・不満等の有無について

回答のあったもののうち、労働条件や処遇あるいは職場環境等について、なんらかの不安や不満等をもっている労働者は全体の90.9%、従業員や組合から改善を求められたり不満を訴えられている事業主は全体の90.0%であった。不安・不満等の内容については賃金、労働時間等労働条件に係るものが最も多くを占めるが、セクシュアルハラスメント等の女性問題、採用の際の手続等の雇用問題、同業他社への就職等の禁止等の職場におけるルール、職場内のいじめ等の職場環境の問題に係るものも多く、多様な類型にわたっていることが認められる。




2.職場に対して疑問や不満、不安があるときの対処方法


回答のあったもののうち、労働者にあっては、職場における不安・不満に対する最初の対処方法について、全体の61.5%が「上司・先輩に相談する」としている。
また、事業主にあっては、職場における問題につき労働者との意見が対立した場合の最初の対処方法について、全体の45.3%が「直属上司と当事者が話し合う」、31.4%が「複数の管理者による対応を行う」としており、労使いずれにあってもまずは、職場内において問題の解決を図ろうとする傾向が伺える。


3.労働基準監督署等への相談意向について

回答のあったもののうち、労働条件や職場環境の問題点について職場内では解決策が見つからない場合にあって、労働基準監督署、ハローワーク、雇用均等室へ相談したい意向をもつ労働者は全体の72.1%、事業主は全体の84.8%となっている。


4.総合労働相談窓口への相談意向について

回答のあったもののうち、総合労働相談窓口を利用したい意向をもつ労働者は全体の90.0%、事業主は全体の93.8%にのぼっている。




5.裁判所への訴訟の提起、民事調停申立に係る意向について

回答のあったもののうち、労働者と事業主の間でトラブルが生じた場合において訴訟の提起を考えるとした労働者は全体の15.3%、事業主は全体の17.1%、また同様の場合に民事調停申立を考えるとした労働者は全体の19.0%、事業主は全体の22.6%にとどまっている。


6.個別的労使紛争が発生した場合に期待される解決方法について

回答のあったもののうち、「「あっせん制度」を活用した上で解決に至らなかった場合「調停制度」を利用する」旨の回答を併せると、労働者にあっては全体の55.9%、事業主にあっては全体の67.2%が「あっせん」(労働行政機関が解決のための具体的改善について指導)による解決を、労働者にあっては全体の63.7%、事業主にあっては全体の66.5%が「調停」(労働行政機関が運営する調停委員会で円満な調停案を提示)による解決を希望している。