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[資料番号] 00082
[題  名] 平成10年「賃金労働時間制度等総合調査」結果速報(骨子)
[区  分] その他

[内  容]

平成10年賃金労働時間制度等総合調査

結果速報


【資料のワンポイント解説】

1、労働省が平成11年10月発表した「平成10年賃金労働時間制度等総合調査」の速報である。
2、この調査は、賃金制度、労働時間制度等の実態を明らかにするため毎年実施されているもので、平成10年は労働時間制度、賃金制度、労働費用及び福祉施設制度について調査が実施されている。
3、調査の対象は、日本標準産業分類に基づく鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業の9産業に属し、本社の常用労働者が30人以上である民営企業(母集団数約118,000社)のうちから抽出した5,319社(回答企業数4,890社、回答率91.9%) 。
4 調査対象期日は、平成10年12月末日現在。ただし、年間データについては、平成10年1年間(又は平成9会計年度)。
(注) 1) 調査結果は、期間を定めずに雇われている常用労働者(パートタイム労働者は除く。)についてのものである。
 2) 統計表等に用いてある符号の意味は、次のとおりである。

   「M.A.」は、複数回答であることを示すもので、構成比の合計は100.0を超える場合がある。「−」印は、該当数値が得られないもの、「…」印は、調査を行っていないため数値が計上できない区分であることをそれぞれ示す。

5、本資料は労働省発表資料について趣旨を損なわない範囲で若干再編集している。また、掲載しているのは「調査結果の骨子」部分(これとてかなり長文になるが、、、)である。
  なお、労働省HPにはもう少し詳しい「調査結果の概要」も掲載されているから、参照されることをお奨めする。









調査結果の概要【骨子】

1 労働時間制度

(1) 週休2日制

 「完全週休2日制」採用企業数割合は35.2%で、前年に比べ1.6ポイント上昇、適用労働者数割合は59.2%。なお、「何らかの週休2日制」採用企業数割合は90.5%、適用労働者数割合は95.6%(第1表第2表)。




(2) 週所定労働時間

 週所定労働時間は1企業平均39時間23分で、前年に比べ8分短縮。規模別には、100〜299人39時間01分、30〜99人39時間36分で前年に比べそれぞれ9分短縮したが、1,000人以上では38時間32分で3分拡大。また、労働者1人平均で38時間45分(第3表第4表)。




(3) 年間休日総数

 年間休日総数は1企業平均104.1日で、前年に比べ0.6日増、労働者1人平均112.4日(第6表)。

(4) 年次有給休暇

 年次有給休暇の付与日数(繰越日数を除く。)は労働者1人平均17.5日、うち労働者が取得した日数は9.1日、取得率は51.8%(第7表)。

(5) 変形労働時間制

 変形労働時間制の採用企業数割合は54.8%と初めて5割を超えた前年(54.4%)とおおむね同じ割合。内訳は「1年単位の変形労働時間制」34.3%、「1ヵ月単位の変形労働時間制」17.5%、「フレックスタイム制」5.1%(第8表)。


(6) みなし労働時間制

 みなし労働時間制の採用企業数割合は8.0%(前年8.9%)。内訳は「事業場外労働のみなし労働時間制」7.2%(前年8.3%)、「裁量労働のみなし労働時間制」2.1%(前年1.4%)(第12表)。

(7) 所定内深夜労働

 所定内深夜(午後10時〜午前5時)労働がある企業数割合は33.1%で、交替制勤務の所定内深夜労働がある企業数割合は20.3%、交替制勤務以外で所定内深夜労働がある企業数割合は14.9%(第15表)。





2 賃金制度

(1) 賃金体系

 定期昇給制度のある企業数割合は86.0%。定期昇給額の決め方は約9割の企業で考課査定があり、「全額自動決定」とする割合は低い(第18表)。

(2)賃金形態

 「年俸制」を採用している企業数割合は12.3%。1,000人以上では25.6%と平成8年に比べ9.7ポイント上昇(第19表)。





3 労働費用

(1) 労働費用総額

 平成10年の「労働費用総額」は常用労働者1人1ヵ月平均 502,004円で、平成7年に比べ3.9%増。内訳は、「現金給与総額」409,485円、「現金給与以外の労働費用」92,519円で、平成7年に比べ、それぞれ2.2%増、12.3%増。「労働費用総額」に占める「現金給与総額」の割合は81.6%、「現金給与以外の労働費用」は18.4%(第21表第22表第23表)。




(2) 現金給与以外の労働費用

 現金給与以外の労働費用の内訳は、「法定福利費」46,868円、「退職金等の費用」27,300円、「法定外福利費」13,481円。平成7年に比べそれぞれ9.4%増、32.7%増、1.5%減。「法定福利費」のうち「厚生年金保険料」が14.7%増(第25表第26表)。法定福利費の構成比の推移は、右図のとおり。法定外福利費の内訳を企業規模別に見た場合の状況を下図に示した。








4 派遣労働者受入れ関係費用

 派遣労働者受入れ企業数割合は20.3%(前回平成7年調査15.0%)、1,000人以上   では53.1%。1人1ヵ月平均派遣労働者受入れ関係費用は296,551円(第29表)。



5 福祉施設・制度

(1)企業の福祉施策

 施策の種類では、「健康維持・増進対策」を導入している企業数割合が最も高く39.8%(第30表)。
今後3年間では、「介護援助施策」、「健康維持・増進対策」、「自己啓発援助制度」などを導入・拡充予定の企業数割合が高い(第30表)。



(2) 通勤関連施策

 現在、通勤関連施策を導入している企業数割合は17.7%と、前回調査(平成6年調査13.6%)に比べ4.1ポイント上昇。今後3年間に導入を予定している企業数割合は7.8%で、内訳は「フレックスタイム制」5.6 %、「時差通勤」3.0%など(第31-1表第31-2表)。



(3) 有配偶単身赴任者対策

 転居を必要とする人事異動がある企業数割合は28.1%で、前回(平成6年調査 20.2%)に比べ7.9ポイント上昇。有配偶単身赴任者(以下、単身赴任者という。)がいる企業数割合は19.1%で、前回(同15.9%)に比べ3.2ポイント上昇。平成10年12月末日現在の単身赴任者総数は314,100人(同254,000人)と30万人を超え、前回に比べ約6万人増加(第32表)。
 転居を必要とする人事異動がある企業のうち「単身赴任者に対する援助制度がある」企業数割合は92.0%。援助制度の種類別には「赴任地における住宅・寮等の提供」69.9%、「別居手当の支給」58.9%、「一時帰宅旅費の支給」58.5%などの順(第33表)。