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[資料番号] 00084
[題  名] 新・裁量労働制−企画業務型−に係る労基法施行規則改正案
[区  分] 労働基準

[内  容]

労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱

(企画業務型裁量労働制及び教職員特例の廃止関係)
(平成11年11月9日、労働大臣から中央労働基準審議会へ諮問)


参考新裁量労働制関係条文(労基法第38条の4)
同時諮問:新裁量労働制の指針案






第一 企画業務型裁量労働制

一 決議の届出に係る手続、決議事項等

(一) 企画業務型裁量労働制(労働基準法(以下「法」という。)第三十八条の四第一項の規定により同項第一号の企画、立案、調査及び分析の業務に従事する労働者(以下「対象労働者」という。)は、同項第三号に掲げる時間労働したものとみなす制度をいう。)に係る同項の委員会(以下「労使委員会」という。)の決議の届出は、所定の様式により、所轄労働基準監督署長にしなければならないものとすること。

(二) 企画業務型裁量労働制に係る労働時間のみなしは、法第四章の労働時間に関する規定の適用に関し効果を生じるものとすること。

(三) 企画業務型裁量労働制に係る労使委員会の決議事項は、法に掲げるもののほか、次に掲げるものとすること。

  イ 決議の有効期間
  ロ 使用者は、対象労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置として講じた措置、対象労働者からの苦情の処理に関する措置として講じた措置並びに企画業務型裁量労働制の適用に関し対象労働者から得た同意に関する労働者ごとの記録を、イの決議の有効期間中及びその満了後三年間保存すること。




二 労使委員会の委員、設置の届出及び運営に係る要件等

(一) 労使委員会の労働者を代表する委員の指名は、監督又は管理の地位にある者でない者について行わなければならないものとすること。

(二) 労使委員会の労働者を代表する委員の信任は、労使委員会の委員の信任に関するものであることを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により得なければならないものとすること。

(三) 労使委員会の設置の届出は、所定の様式により、所轄労働基準監督署長にしなければならないものとすること。

(四) 使用者は、労使委員会の開催の都度その議事録を作成して、その開催の日(決議及び法第三十八条の四第五項に規定する決議が行われた会議の議事録にあっては、当該決議に係る書面の完結の日)から起算して三年間保存しなければならないものとすること。

(五) 使用者は、労使委員会の議事録を、次に掲げるいずれかの方法によって、当該事業場の労働者に周知させなければならないものとすること。

  イ 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
  ロ 書面を労働者に交付すること
  ハ 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること
  
(六) 使用者は、委員会の招集、定足数、議事その他労使委員会の運営について必要な事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めなければならないものとするとともに、運営規程の作成又は変更については労使委員会の同意を得なければならないものとすること。

(七) 使用者は、労働者が労使委員会の委員であること若しくは当該委員になろうとしたこと又は当該委員として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならないものとすること。




三 行政官庁への報告手続及び報告事項

(一) 一の(一)の決議の届出をした使用者の行政官庁への報告は、決議が行われた日から起算して六箇月以内に二回、及びその後一年以内ごとに一回、所定の様式により、所轄労働基準監督署長にしなければならないものとすること。

(二) 使用者の報告する事項は、対象労働者の労働時間の状況並びに当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置の実施状況、対象労働者からの苦情の処理に関する措置の実施状況並びに労使委員会の開催状況とすること。




四 その他

  その他所要の規定の整備を行うものとすること。




五 暫定措置


(一) 一の(三)イの決議の有効期間は、当分の間、一年以内の期間を定めるものに限るものとすること。

(二) 二の二の労使委員会の労働者を代表する委員の信任に係る手続は、当分の間、投票による手続に限るものとすること。

(三) 三の一の行政官庁への報告は、当分の間、決議が行われた日から起算して六箇月以内に一回しなければならないものとすること。





第二 教育職員に係る労働時間の特例の廃止時期


 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園の教育職員について使用者は一週間について四十四時間まで労働させることができることとする等の暫定的に認められている労働時間の特例の廃止時期を、平成十四年三月三十一日とするものとすること。




第三 施行期日等

(一) この省令は、平成十二年四月一日から施行するものとすること。ただし、第二については公布の日から施行するものとすること。

(二) この省令の施行に関し必要な経過措置を定めるものとすること。










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参考

新・裁量労働制関係条文(労基法第38条の4)


労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号。労働基準法の一部を改正する法律(平成十年法律第百十二号)による改正後のもの)(抄)



第三十八条の四

 事業運営上の重要な決定が行われる事業場において、賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会(使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とする者に限る。)が設置された場合において、当該委員会がその委員の全員の合意により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、命令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を当該事業場における第一号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、命令で定めるところにより、第三号に掲げる時間労働したものとみなす。

 一 事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務(以下この条において「対象業務」という。)

 二 対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であって、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるものの範囲

 三 対象業務に従事する前号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間として算定される時間

 四 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。

 五 対象業務に従事する第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該決議で定めるところにより使用者が講ずること。

 六 使用者は、この項の規定により第二号に掲げる労働者の範囲に属する労働者を対象業務に就かせたときは第三号に掲げる時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならないこと及び当該同意をしなかった当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないこと。

 七 前各号に掲げるもののほか、命令で定める事項



2  前項の委員会は、次の各号に適合するものでなければならない。

 一 当該委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者に命令で定めるところにより任期を定めて指名され、かつ、命令で定めるところにより当該事業場の労働者の過半数の信任を得ていること。

 二 当該委員会の設置について、命令で定めるところにより、行政官庁に届け出ていること。

 三 当該委員会の議事について、命令で定めるところにより、議事録が作成され、かつ、保存されるとともに、当該事業場の労働者に対する周知が図られていること。

 四 前三号に掲げるもののほか、命令で定める要件



3  労働大臣は、対象業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を図るために、中央労働基準審議会の意見を聴いて、第一項各号に掲げる事項その他同項の委員会が決議する事項について指針を定め、これを公表するものとする。



4  第一項の規定による届出をした使用者は、命令で定めるところにより、定期的に、同項第四号に規定する措置の実施状況その他の命令で定める事項を行政官庁に報告しなければならない。


5  第一項の委員会においてその委員の全員の合意により第三十二条の二第一項、第三十二条の三、第三十二条の四第一項及び第二項、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第一項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第五項及び第六項ただし書に規定する事項について決議が行われた場合における第三十二条の二第一項、第三十二条の三、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第五項及び第六項ただし書の規定の適用については、第三十二条の二第一項中「協定」とあるのは「協定若しくは第三十八条の四第一項に規定する委員会の決議(第百六条第一項を除き、以下「決議」という。)」と、第三十二条の三、第三十二条の四第一項から第三項まで、第三十二条の五第一項、第三十四条第二項ただし書、第三十六条第二項、第三十八条の二第二項、前条第一項並びに次条第五項及び第六項ただし書中「協定」とあるのは「協定又は決議」と、第三十二条の四第二項中「同意を得て」とあるのは「同意を得て、又は決議に基づき」と、第三十六条第一項中「届け出た場合」とあるのは「届け出た場合又は決議を行政官庁に届け出た場合」と、「その協定」とあるのは「その協定又は決議」と、同条第三項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」と、「当該協定」とあるのは「当該協定又は当該決議」と、同条第四項中「又は労働者の過半数を代表する者」とあるのは「若しくは労働者の過半数を代表する者又は同項の決議をする委員」とする。



労働基準法の一部を改正する法律(平成十年法律第百十二号)附則(抄)

  (施行期日)
第一条
 この法律は、平成十一年四月一日から施行する。ただし、第百五条の二の次に一条を加える改正規定並びに附則第八条の規定及び附則第十五条の規定(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十八条第三項の改正規定中「及び第百二条」を「、第百二条及び第百五条の三」に改める部分に限る。)は平成十年十月一日から、第三十八条の二の次に二条を加える改正規定(第三十八条の四に係る部分に限る。)、第五十六条第一項の改正規定、同条第二項の改正規定(「満十二才」を「満十三歳」に改める部分に限る。)、第六十条第三項の改正規定(同項第二号の改正規定を除く。)及び第百六条第一項の改正規定(第三十八条の四第一項及び第五項に規定する決議に係る部分に限る。)並びに附則第六条の規定、附則第十一条第一項の規定及び附則第十五条の規定(同法第五十八条第三項の改正規定中「第三十九条第五項」を「第三十八条の四、第三十九条第五項」に改める部分に限る。)は平成十二年四月一日から施行する。

  (検討)
第十一条
 政府は、第三十八条の二の次に二条を加える改正規定(第三十八条の四に係る部分に限る。)の施行後三年を経過した場合において、新法第三十八条の四の規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

2 略