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新・裁量労働制(企画業務型)
従事労働者の適正な労働条件の確保を図るための指針
(注1)本指針は、平成11年12月27日、労働省告示第149号として公布された。
(注2)本文中の
は編集のため付けたものであり、告示にはないこと。
インデックス (便宜上目次を作成、本文にリンクしてあること。指針案に目次が付けられている訳ではない。) |
第1 趣旨 第2 事業運営上の重要な決定が行われる事業場(法第38条の4第1項) 1 当該事業場に関し具体的に明らかにする事項 2 留意事項 第3 労使委員会が決議する法第38条の4第1項各号に掲げる事項 1 対象業務 (法第38条の4第1項第1号に規定する事項関係) 2 対象労働者 (法第38条の4第1項第2号に規定する事項関係) 3 みなし労働時間 (法第38条の4第1項第3項に規定する事項関係) 4 健康・福祉確保措置 (法第38条の4第1項第4号に規定する事項関係) 5 苦情処理措置 (法第38条の4第1項第5項に規定する事項関係) 6 労働者の同意 (法第38条の4第1項第6項に規定する事項関係) 7 決議の有効期間と記録保存 (法第38条の4第1項第7項に規定する事項関係) 8 評価制度・賃金制度の事前説明 (法第38条の4第1項の決議に関する事項) 第4 労使委員会の要件等労使委員会に関する事項(法第38条の4第2項) 1 労使委員会の設置に先立つ話合い 2 委員の指名 3 労使委員会の運営規程 4 労使委員会に対する使用者による情報の開示 5 労使委員会と労働組合等との関係 |
法第38条の4第1項第1号の「事業の運営に関する事項」とは、対象事業場の属する企業等に係る事業の運営に影響を及ぼす事項をいい、対象事業場における事業の実施に関する事項が直ちにこれに該当するものではない。 例えば、本社である事業場においてその属する企業全体に係る管理・運営とあわせて対顧客営業を行っている場合、当該本社である事業場の管理・運営を担当する部署において策定される当該事業場の属する企業全体の営業方針については「事業の運営に関する事項」に該当するが、当該本社である事業場の対顧客営業を担当する部署に所属する個々の営業担当者が担当する営業については「事業の運営に関する事項」に該当しない。企業が取り扱う主要な製品・サービスごとに当該主要な製品・サービスの取扱いに関して相当の権限を有する事業本部を設けている場合、こうした事業本部全体に係る事業計画については「事業の運営に関する事項」に該当する。 本社である事業場において基本的な事業方針や営業方針を決定し、これらに基づき具体化した事業計画や営業計画を地域本社や地域を統轄する支社・支店等である事業場において策定している場合等企業に係る事業運営上の重要な決定を行う権限を地域本社や地域を統轄する支社・支店等である事業場に分掌させていると考えられる場合には、当該地城本社や地域を統轄する支社・支店等である事業場の事業計画や営業計画については、「事業の運営に関する事項」に該当する。 |
法第38条の4第1項第1号の「企画、立案、調査及び分析の業務」とは、「企画」、「立案」、「調査」及び「分析」という相互に関連し合う作業を組み合わせて行うことを内容とする業務をいう。ここでいう「業務」とは、部署が所掌する業務ではなく、個々の労働者が使用者に遂行を命じられた業務をいう。 したがって、対象事業場に設けられた企画部、調査課等の「企画」、「立案」、「調査」又は「分析」に対応する語句をその名称に含む部署において行われる業務の全てが直ちに「企画、立案、調査及び分析の業務」に該当するものではない。 |
法第38条の4第1項第1号の「当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある」業務とは、使用者が主観的にその必要があると判断しその遂行の方法を大幅に労働者にゆだねている業務をいうものではなく、当該業務の性質に照らし客観的にその必要性が存するものであることが必要である。 |
法第38条の4第1項第1号の「当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」とは、当該業務の遂行に当たり、その内容である「企画」、「立案」、「調査」及び「分析」という相互に関連し合う作業をいつ、どのように行うか等についての広範な裁量が、労働者に認められている業務をいう。 したがって、日常的に使用者の具体的な指示の下に行われる業務や、あらかじめ使用者が示す業務の遂行方法等についての詳細な手順に即して遂行することを指示されている業務は、これに該当しない。 |
(1) 経営企画を担当する部署における業務のうち、経営状態・経営環境等について調査及び分析を行い、経営に関する計画を策定する業務 (2) 経営企画を担当する部署における業務のうち、現行の社内組織の問題点やその在り方等について調査及び分析を行い、新たな社内組織を編成する業務 (3) 人事・労務を担当する部署における業務のうち、現行の人事制度の問題点やその在り方等について調査及び分析を行い、新たな人事制度を策定する業務 (4) 人事・労務を担当する部署における業務のうち、業務の内容やその遂行のために必要とされる能力等について調査及び分析を行い、社員の教育・研修計画を策定する業務 (5) 財務・経理を担当する部署における業務のうち、財務状態等について調査及び分析を行い、財務に関する計画を策定する業務 (6) 広報を担当する部署における業務のうち、効果的な広報手法等について調査及び分析を行い、広報を企画・立案する業務 (7) 営業に関する企画を担当する部署における業務のうち、営業成績や営業活動上の問題点等について調査及び分析を行い、企業全体の営業方針や取り扱う商品ごとの全社的な営業に関する計画を策定する業務 (8) 生産に関する企画を担当する部署における業務のうち、生産効率や原材料等に係る市場の動向等について調査及び分析を行い、原材料等の調達計画も含め全社的な生産計画を策定する業務 |
(1) 経営に関する会議の庶務等の業務 (2) 人事記録の作成及び保管、給与の計算及び支払、各種保険の加入及び脱退、採用・研修の実施等の業務 (3) 金銭の出納、財務諸表・会計帳簿の作成及び保管、租税の申告及び納付、予算・決算に係る計算等の業務 (4) 広報誌の原稿の校正等の業務 (5) 個別の営業活動の業務 (6) 個別の製造等の作業、物品の買い付け等の業務 |